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『ファイティン!』

『ファイティン!』(英題:Champion)
監督:キム・ヨンワン
出演:マ・ドンソク,クォン・ユル,ハン・イェリ,チェ・スンフン,
   オク・イェリン,カン・シニョ,ヤン・ヒョンミン,イ・ギュホ他

TOHOシネマズなんばで『億男』『2001年宇宙の旅』を観てから、
御堂筋を北へテクテク歩いてシネマート心斎橋へ。

シネマート心斎橋が入るビッグステップビルは全体的にハロウィン仕様。
まず、エレベーターの扉が古いお屋敷風。乗ると血みどろに装飾。
エレベーターが停止するごとに悲鳴が聞こえ、ワラける。
後から調べてみたら、一部のトイレにはちびりそうに怖い仕掛けもあったそうな。
ハロウィン期間中にはもう行かないなぁ。見そびれて残念。

さて、最近のシネマートは行くたびに楽しい。
ここはお客さんのノリがとてもイイ。
前回は『1987、ある闘いの真実』で満席の劇場で観る醍醐味を味わい、
今回は満席ではなかったもののほぼ九割の入りで楽しいのなんのって。
上映前には私の1列後ろでこんなやりとりが。
「すいません。通ります。3人通ります」。「なんぼでも通ってや~」。
こういうやりとりを聞くと、大阪人でよかったなぁと思うのでした。

客のノリだけでなく、めっちゃよかったんです、この映画。
「ファイティン!」といえば思い出すのは『パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン』
それに負けず劣らずよかった。泣きました。

家庭の事情により、幼少時に韓国からアメリカへ養子に出されたマーク。
アームレスリング(=腕相撲)で活躍するも八百長の濡れ衣を着せられて除名処分に。
いまは警備員として目立たず冴えない日々を送っている。

そこへいきなり現れたのがパク・ジンギ。
マークのことを兄貴と慕うジンギは、借金に追われている身らしく、
賭場のアームレスリングで勝って助けてほしいという。
マークが難なく相手を倒すと、礼もそこそこにジンギは韓国へと帰る。

しばらくして、再びジンギから連絡が入り、
「アームレスリングでビジネスをして儲けよう」と言われる。
気乗りはしないが、実母に会いたい気持ちも隠せないマークは里帰り。
ジンギから教えられた実母の家を訪ねると、
そこには見知らぬ女性とまだ幼い子どもたちが住んでいて……。

主演のマ・ドンソクは、いかつい顔ながら優しいという設定の役が多く、
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)がその最たるもの。
『犯罪都市』(2017)でも強面だけど人情味のある刑事役がめちゃくちゃよかった。
本作でもその風貌が生かされていて、笑いを取る取る(笑)。
子どもたちとの掛け合いがたまりません。
この人、本当にアメリカでプロのトレーナーだったらしく、すんごい腕をしています。

ストーリーとしては特に珍しくもないかもしれませんが、その分、安心できます。
最後は観客から拍手が沸き起こっていました。
劇場で観てよかったと心から思える作品です。
—–

『2001年宇宙の旅』

『2001年宇宙の旅』(原題:2001: A Space Odyssey)
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ケア・デュリア,ゲイリー・ロックウッド,ウィリアム・シルヴェスター,
   ダニエル・リクター,レナード・ロシター,マーガレット・タイザック他
声の出演:ダグラス・レイン

TOHOシネマズなんばにて、前述の『億男』とハシゴ。

1968年に公開され、映画史上のベストランキングでは必ず上位にある作品。
現在あちこちの劇場でIMAX版を上映中。
学生時代にビデオやDVDで観たことはもちろんあるけれど、
劇場で観る機会はこれまでにありませんでした。絶対観なくては。

IMAX版の映画は、たいてい109シネマズで観ていました。
今回も109シネマズで観ようと思ったのですが、上映時間が2時間半超。
マイルを貯めなきゃ損でしょ、これは。
そんなわけで、なんばのIMAXシアターを初体験。
と思ったら、このときにすでに体験しているじゃあないか。(^^;

人類の夜明け、お猿さんがワヤワヤしているシーン。
その前に突然モノリス(=石柱状の謎の物体)が現れます。
モノリスに触れたお猿さんが骨を武器にすることを悟り、
ほかのお猿さんを骨で殴り殺します。
空高く放り投げられた骨は、あらら、宇宙船に変わるのでした。
そして舞台は一転、宇宙へ。BGMは壮大なクラシック音楽。
『美しき青きドナウ』や『ツァラトゥストラはかく語りき』とかが。

……意味わかりませんよね。何度観てもわかりません。
でもわからなすぎて凝視してしまうという(笑)。

木星探査船ディスカバリー号。
乗組員は5名だけれど、そのうち3名が人工冬眠中だから、
起きているのは船長デヴィッドとフランクの2名のみ。
船内の淡々とした日常に、懸念されたことですが、私は睡魔に襲われる。
劇場で観る最後の機会かも知れないから目を大きく開いて、と決めていたのに。
目がパシッと開いたのは、HAL9000がおかしくなってから。

人工知能を備えた完全無欠のコンピュータ、HAL。
「なんたらユニットが72時間以内に故障する」というHALの主張に沿い、
デヴィッドとフランクは当該ユニットをくまなくチェックしたのに、どこも変じゃない。
そこでふたりは思うのです、HALが間違っているんじゃないかと。

だったらHALを切断しないと危険なわけですが、
HALは過去にミスしたことがないから、おまえのミスだと言われたうえに
切断するなんて聞かされたらどんな反応をするだろう。
ヤバイよ、HAL本人には言わずに切断するしかないよ、なんて密談を、
HALには聞こえないようにふたりはするのですけれど、
HALはふたりの口の動きだけで密談の内容を読み取ってしまうのです。

宇宙船のすべてを仕切るHALが怒るとどうなるのか。
こりゃもうホラーです。怖いのなんのって。
コンピュータをつくったのは人間なのに、人間が負かされてしまう。

途中、十数分間の休憩が挟まれて、アイスクリームを食べてゆったり。
休憩に入る少し前からホラーな展開がはじまっていましたから、
もうすっかり覚醒。後半は目がランラン。

凡人ですから、とても理解はできません。それでもなんだか凄いことはわかる。
しかもこれが撮られたのは今から50年前ですから。
この映画に影響を受けた作り手がどれほどいることか。
スタンリー・キューブリック監督が亡くなってからもうじき20年。
もっと長生きしてほしかったですね。

IMAX版で観ることができてよかった。
—–

『億男』

『億男』
監督:大友啓史
出演:佐藤健,高橋一生,黒木華,池田エライザ,沢尻エリカ,北村一輝,藤原竜也他

TOHOシネマズなんばで2本、その1本目。
休日の朝8時台からの上映回にはあまり若い客がいません。
朝が早いのはやはり年寄りで。生き急いでいるのやら死に急いでいるのやら(笑)。
ま、でも、私の無謀なハシゴは確実に寿命を縮めているような気がします。

言わずと知れた川村元気の同名ベストセラー小説。
私は、物書きとしてのこの人にはどうもチャラいイメージがあり、
基本的には映画プロデューサーの印象があります。ゆえに原作は未読。
きっと映像化前提の原作なんだろうと決めつけていてすみません。
映画化前提の話だからこそ映画は面白いだろうとも思っていますし、
監督が大友啓史だというところもエンターテインメント性が高そうです。

図書館司書の一男(佐藤健)。
妻の万左子(黒木華)と娘のまどか(菅野真比奈)と穏やかに暮らしていたはずが、
保証人となった兄が借金をつくって失踪し、3千万円の借金をかぶることに。
図書館の稼ぎだけではとても足らず、深夜のパン工場のバイトを掛け持ち。
不規則な生活を余儀なくされた一男と妻子は今は別居中。

そんな一男がまどかを連れて出かけた先で、福引きの景品に宝くじを得る。
まさかのこれが3億円の大当たり。
借金を返済してまた家族そろって暮らせると喜ぶものの、
手続きに行った銀行ではいろいろ注意点を挙げられるわ、
高額当選者たちの哀れな末路を聞かされるわで、恐ろしくてたまらない。

どうすべきか悩んでいたときにふと思い出したのが、
大学時代の親友、九十九(高橋一生)のこと。
九十九は大学を出たあとに起業して今は巨万の富を築いている。
彼ならば、良いアドバイスをくれるにちがいない。
そう考えた一男は、さっそく九十九に連絡を取る。

久しぶりに会った九十九は、億万長者だというのに何も変わっていない。
3億円をすぐに下ろしてくるように言われ、一男はそれに従う。
金を丸ごと九十九に預け、パーティーを開いて豪遊、泥酔して眠りに落ちる。

翌朝、目が覚めると、九十九がいない。3億円もない。
親友の金を持ち逃げするような男ではないと思いつつも、
途方に暮れる一男は、パーティーに参加していたあきら(池田エライザ)に連絡。
あきらの伝手で、かつて九十九と共に働いていた百瀬(北村一輝)と面会。
同じくパートナーだった千住(藤原竜也)、十和子(沢尻エリカ)らと会うのだが……。

予告編には落語のシーンなんてまったく出てこなかったので、
一男と九十九が大学の落研に所属していたという話に、おっ!?
佐藤健と高橋一生が高座に上がって落語をするのを少し聴くことができます。
印象的だったのは、モロッコの砂漠でふたりが向かい合って正座し、
九十九の落語を一男が聴くシーン。

九十九の十八番は『芝浜』で、これが本作のキーになっているんですね。
ネタバレですけれども。

お金を使えるようになりたい。お金に振り回されるのではなく。
そうは言うものの、「カネじゃない」というのは、
お金をそこそこ持っているからこそ言えることだと思ったりもして。
使い道に困るぐらいのお金、やっぱり持ってみたいわな(笑)。

綺麗事ではあります。でも、思っていたよりもいい話でした。
やるやん、川村元気。←エラそうですみません。(^^;
—–

『ルイスと不思議の時計』〈字幕版〉

『ルイスと不思議の時計』(原題:The House with a Clock in Its Walls)
監督:イーライ・ロス
出演:ジャック・ブラック,ケイト・ブランシェット,オーウェン・ヴァカーロ,
   レネー・エリス・ゴールズベリー,サニー・スリッチ,カイル・マクラクラン他

わざわざ〈字幕版〉と書いたのは、上映館が非常に多いにもかかわらず、
字幕版を上映している劇場がものすごく少ないからです。
たぶん全国で20館ぐらい。その大半が東京だったりします。
関西ではイオンシネマ京都桂川とイオンシネマ茨木のみが吹替版と字幕版の両方を上映。
桂川まではちょっと遠すぎるし、茨木という選択肢しかありません。
しかし字幕版は上映回数が少なくて、どこででも観られる吹替版で手を打つべきか。

でもねぇ、ジャック・ブラックですよ。ケイト・ブランシェットですよ。
これを違う人の声で観てどうする。
佐藤二朗宮沢りえに文句をつける気はないけれど、やっぱりヤダ。
悩みに悩んで、茨木で字幕版を観たいがために午後休を取りました。

吹替版ならスルーする可能性もあったので、ムビチケは買っておらず。
劇場窓口でイオンカードを提示すれば1,600円にはなる。
でももっと安く観る方法はないかなと調べたら、あるではないですか!
イオンカード所有者限定、ポップコーン付きで1,300円になるクーポンが。
ポップコーンは要らないから貰わずに、チケットのみ1,300円で。でも十分お得。

原作はジョン・ベレアーズのベストセラー“ルイスと魔法使い協会”シリーズの第1作。
児童向けゴシックホラー・ファンタジー小説という括りになるそうで、
確かに子どもが読んだら怖いと思います。
アメリカで1973年に出版され、挿絵は熱狂的コレクターを持つエドワード・ゴーリー。
幻想的で怪奇な雰囲気を漂わせる面白い絵です。

舞台は1955年、ミシガン州のニューゼベディ(架空の町)。
事故で両親を亡くした少年ルイスは、母方の伯父ジョナサンに引き取られることに。
初めて会う伯父は愉快で優しい人のようだが、
彼が暮らす屋敷はとても古く、なぜだかいたるところに時計が置かれている。
ジョナサンと隣人のフローレンスが夜中に屋敷の壁の中を探っている様子で、
不気味な現象が次々に起こるものだから、ルイスは怖くて逃げ出したくなる。

そんなルイスにジョナサンは明かす、自分とフローレンスは魔法使いなのだと。
ルイスはジョナサンに魔法を教えてくれるように懇願し、修行をはじめる。

ジョナサンとフローレンスによれば、
この屋敷にはかつてアイザックという魔法使いが暮らしていた。
良からぬことを企てたアイザックが屋敷のどこかに隠した魔法の時計を
何が何でも見つけなければ、世界は滅亡してしまうらしい。
ルイスも時計探しに協力しようと、謎に挑むのだが……。

これは字幕版で観るべきです。
吹替版を観ていないから確かなことは言えませんが、吹替版だときっとスベる(笑)。
ジョナサン役のジャック・ブラック、フローレンス役のケイト・ブランシェット、
そしてとっても上手い子役のオーウェン・ヴァカーロについても、
彼らの声そのままで観るほうが絶対楽しい。笑えます。

屋敷の中の出来事のみならず、学校での出来事も描かれています。
転校生となったルイスが遭う仕打ち。
同級生に取り入ろうとする姿が悲しいだけに、最後はスカッと痛快。

続編をぜひ望みたいところですが、吹替版の評価がイマイチ高くないだけに、
続編がつくられても日本での公開が危ぶまれます。
字幕版の上映館をもっと増やすべきだったと思うのですけれど。なんともったいない。
—–

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』
監督:三木聡
出演:阿部サダヲ,吉岡里帆,千葉雄大,麻生久美子,小峠英二,片山友希,
   中村優子,池津祥子,森下能幸,岩松了,ふせえり,田中哲司,松尾スズキ他

TOHOシネマズなんばで8:40-10:40の『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』を観て、
なんばパークスシネマで10:50-12:35の『覚悟はいいかそこの女子。』を観て、
またまた小走りで大阪メトロなんば駅へ向かい、乗車。
TOHOシネマズ梅田で13:00-14:55の本作を観る。過酷な3本ハシゴ、できました。

1本目に観た『夏目友人帳』はよく知らなかったこともあり、期待薄。でも良かった。
2本目の『覚悟はいいか』は中川くん狙い。でもつまらなくてガッカリ。
そういう意味ではいちばん期待していたのはこの3本目だったんですけど。
全然おもしろくねぇんだよ!!
ちなみに三木聡監督本人による原作もあんまりおもしろくなくて。
駄目出しを控えたレビューはこちら

声の小さすぎるストリートミュージシャンのふうか(吉岡里帆)は、
ある夜、ピザ宅配の単車に乗った男が転倒するのを目撃。
慌てて駆け寄り、意識を失っていた彼を女医(麻生久美子)のもとへと運ぶ。
翌朝様子をうかがいに行ってみると、女医曰く、男は逃げたらしい。

後日、路上で歌っていたふうかの目の前にその男が。
気づいてびっくり、彼はカリスマロックスターのシン(阿部サダヲ)だった。
圧倒的な声量と美声で人気を誇るシンだったが、
実は声帯ドーピングをしており、喉が崩壊寸前。
少し前のライブでも喉から血を噴き出したばかり。
ふうかの歌を聴いたシンは、ふうかを罵倒。ふうかはすっかり自信をなくし……。

最初の喉から血が噴き出すシーンがゲテモノ。
スプラッタホラーじゃないんだからと目を覆いたくなりました。
その後しばらくすると睡魔に襲われ、耐えがたい時間。

三木監督の作品といえば、もっとゆるりとしていて、
クスッと笑ってしまう小ネタが多かった。好きでした。
なのにこれはいったいどうしたことでしょう。
麻生久美子、森下能幸岩松了ふせえり松尾スズキといった、
三木監督作品の常連組が出ているのが楽しいだけで、全然笑えない。

テンションが高すぎるんです。
息を抜くところもないまま最初から最後まで突っ走っていて、
だったら眠くはならないだろうところ、
こっちのテンションを上げる計らいはなく、あっちが勝手に上がっているだけ。
ちっともついていけないから、置いてけぼりを喰らって睡魔に襲われてしまう。

終盤のふうかとシンのキスシーンは、
キスした瞬間は「イイ!」と思ったものの、無駄に長すぎる。
結局何も楽しめないまま終了。

必死のハシゴのラストにわざわざ持ってきたのに、なんだかなぁ。
今年のワースト入りかも。(–;
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