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『スパイダーマン:スパイダーバース』

『スパイダーマン:スパイダーバース』(原題:Spider-Man: Into the Spider-Verse)
監督:ボブ・ペルシケッティ,ピーター・ラムジー,ロドニー・ロスマン
声の出演:シャメイク・ムーア,ヘイリー・スタインフェルド,リーヴ・シュレイバー,
     マハーシャラ・アリ,リリー・トムリン他

TOHOシネマズ伊丹で『グリーンブック』を観てから
109シネマズ大阪エキスポシティへ向かい、本作を。
3月8日公開でしたが、前週に先行上映をしていました。
平日の昼間なのに「映画の日」ということもあるのかかなりの混みよう。
IMAX3D版を鑑賞。

“スパイダーマン”といえばピーター・パーカー。
しかし本作ではピーター以外にもスパイダーマンがいるという設定で、
複数のスパイダーマンが登場する楽しい展開。

ニューヨーク・ブルックリンに暮らす高校生マイルス・モラレス。
警察官の父親の希望によって全寮制の学校に入学させられ、毎日が楽しくない。
退学になるようにわざと勉強ができないふりをしてみるが、先生はお見通し。
策略が空振りに終わり、父親と違って愉快で優しい叔父に愚痴りに行く。

その叔父と高架下で遊んでいたさい、突然変異した蜘蛛に咬まれる。
特殊な能力を得たマイルスは、キングピンなる人物が加速器を用い、
異次元の扉を開く実験をしているところを目撃してしまう。

ちょうどそのとき、スパイダーマンのピーター・パーカーが現れ、実験阻止を図る。
ところが加速器が誤作動し、ピーターは負傷。
マイルスが近寄ると、ピーターからメモリースティックを手渡され、
これを用いてキングピンを止めるように約束させられた後、ピーターは死亡。

スパイダーマン死亡のニュースがニューヨーク中に流れ、街は悲しみに沈む。
マイルスはピーターの遺志を継いで二代目スパイダーマンを目指すが、
なかなか上手く行かないうえに、メモリースティックを壊してしまう。

焦るマイルスの目の前に、異次元から来た別のピーターが登場。
さらにはやはり異次元から来たスパイダーウーマン、
フィルムノワール世界から来たスパイダーマン・ノアール、
少女ペニー・パーカー、子豚型スパイダーマンのスパイダーハムが集結。
マイルスは彼らと協力してキングピンと戦うことになるのだが……。

絵が超キレイ。いろんなタイプの作画が混じっていて、
スパイダーハムはまるで手塚治虫のヒョウタンツギ。
マイルスが黒人少年で、ほかのスパイダーマンも人種がちがえば性別も年齢もさまざま。
新しいヒーローの形の複合作品を観るようで楽しい。

本作は第91回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞。
ノミネートされていた『未来のミライ』(2018)が私はイマイチだったので、
こっちに軍配が上がったことにはものすごく納得。
久しぶりの3Dは疲れましたが、これは3Dで観る価値ありかも。
—–

『グリーンブック』

『グリーンブック』(原題:Green Book)
監督:ピーター・ファレリー
出演:ヴィゴ・モーテンセン,マハーシャラ・アリ,リンダ・カーデリーニ,
   ディミテル・D・マリノフ,マイク・ハットン,イクバル・テバ他

有休消化のため、「映画の日」に休みを取りました。
ダンナ出張中ではないので、晩ごはんは普通につくらなきゃいけない。
それでも朝から3本は観られるだろうと思ったら、
ダンナもその日に休みを取るという。ひゃ~っ、ならば3本は無理。
どうしても観たい2本にとどめておこうと思い、1本目に本作を。
TOHOシネマズ伊丹にて。

第91回アカデミー賞で作品賞を受賞しました。
何がビックリしたかって、監督がピーター・ファレリーだということ。
彼が企画した『ムービー43』(2013)はお下劣極まりなかったし、
下ネタ満載の『メリーに首ったけ』(1998)はいまだに忘れがたい。
私が好きだった『キングピン/ストライクへの道』(1996)も人には薦めづらい。
そんな監督が作品賞を獲るような映画を撮るなんて。

もうひとつ驚いたのは、本作のために体重を増やしたヴィゴ・モーテンセン
もともと大好きな役者ではありますが、この不良オヤジには惚れる。

1962年のアメリカ。
イタリア系のトニー・“リップ”・バレロンガは、NYの一流ナイトクラブの用心棒。
無教養で粗野ではあるが、トラブルを片づける腕は確か。また、家族思いでもある。

勤務先のナイトクラブが改修工事のために休業。
その間の仕事を探すが、ハンバーガーの大食い競争で50ドルというような話しか来ない。
毎日何十個ものハンバーガーを食べるわけにもいかなくて困る。

そこへ舞い込んだのが、どこぞのドクターが運転手を雇おうとしているとの情報。
ドクターと付くぐらいだから医者か研究者かと思ったら、
カーネギーホールの上階に暮らす天才黒人ピアニストのドナルド・シャーリー。
彼は人種差別が色濃く残る南部でのツアーをわざわざ計画しており、
それに同行する運転手兼用心棒を求めていたのだ。

ツアーは8週間。クリスマスイブまでに自宅へ帰ってこられないかもしれない。
トニーを長く借りることをドクター・シャーリーはトニーの妻ドロレスに丁寧に詫びる。
こうして2人は、黒人が利用できる施設を記したガイドブック“グリーンブック”を携え、
何が待ち受けるかわからない南部へと向けて旅立つのだが……。

批評家にもおおむね評判のよかった本作ですが、
スパイク・リー監督や『ブラックパンサー』(2018)の主演俳優チャドウィック・ボーズマン
「ホワイトスプレイニング」だとして呆れた顔を見せ、非難しました。
白人が偉そうに説教することを指すのだそうで、私は初めて聞く言葉。

映画の世界には「白人の救世主」という言葉まであるのだそうですね。
白人が非白人の人々を窮地から救うという決まり切った表現のことで、
その白人が非白人を救出する過程で何かを学ぶということがパターン化されたもの。
確かにそのパターンです、この作品も。

でもやっぱり良い作品だと思うのです。
深刻なテーマをヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリの会話でもって軽快に。

もともとトニーには差別意識がある。
妻のドロレスにそんな意識はなく、配管修理に来てくれた黒人職人をお茶でもてなす。
トニーは、その職人たちが帰った後に彼らが使ったコップを捨てようとする人間です。
だから、ドクター・シャーリーの仕事を引き受けることになったときも、
ドロレスはまず夫には務まらないだろうと考えている。

トニー自身も金のために引き受けただけで、最初の態度は酷い。
しかし、ドクター・シャーリーのピアノの演奏を聴いたときから印象が変わり始めます。
ピアノの音が人の気持ちを変えるところがもう好きで。

旅先から手紙を書くことを妻に約束したトニーだけど、
そのあまりに拙い文章にドクター・シャーリーがアドバイスせずにはいられず、
手紙の書き方を教わるシーンも大好きです。
すっかりコツを飲み込んで自分で書けるようになったトニーが、
ドクター・シャーリーにお兄さんに手紙を書くように勧めるシーンも。
「寂しいときは、こっちが先に手を打たなきゃ」という台詞にはホロリ。

こんなふうに差別意識が世の中から消えるといいのに。
—–

『翔んで埼玉』

『翔んで埼玉』
監督:武内英樹
出演:二階堂ふみ,GACKT,伊勢谷友介,ブラザートム,麻生久美子,島崎遥香,
   中尾彬,加藤諒,益若つばさ,武田久美子,麿赤兒,竹中直人,京本政樹他

レディースデーに午後休を取り、2本観るつもりでいましたが、
郵便局や銀行に寄ったら時間がなくなりました。
どれか1本観るなら、やっぱりこれでしょう。

原作・魔夜峰央って聞いたことある名前やなと思ったら、『パタリロ!』の作者!?
昔々さんざん読んだので、相当お歳なのでは勝手に思い込んでいましたが、ご健在なのですね。
ご健在どころか、まだ65歳ですか。失礼しました。

監督は“テルマエ・ロマエ”シリーズの武内英樹。
『今夜、ロマンス劇場で』(2018)が私はまったく駄目だったから、
その次に撮られた本作には一抹の不安が。大丈夫、ワロた。

埼玉県民は東京都に入るために通行手形が必要だった時代。
東京の超名門校・白鵬堂学院でも容赦ない差別がおこなわれていた。
クラスは東京の中でも特に都会度の高いところに住む生徒がA組。
順に都会度が落ちてゆき、埼玉から東京への移住者はZ組。
生徒会長の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)はZ組の生徒を徹底して迫害。

そんな白鵬堂学院へアメリカからの帰国子女・麻実麗(GACKT)が転校してくる。
彼からZ組生徒に対する非情さを非難された百美は、
都知事である父親・建造(中尾彬)に麗を退学させるように直訴。
しかし建造には聞き入れてもらえず、百美みずから麗に勝負を挑んだところ玉砕。
最速で全問正解を誇っていた「東京の香り当て」で麗に敗れる。

ショックを受けていた百美だが、麗に優しくされて逆に惚れてしまう。
ところが都会度抜群の麗が隠れ埼玉県民と判明。
それでももはや麗にゾッコンの百美は麗とともに逃げることに。

壇ノ浦家の執事・阿久津翔(伊勢谷友介)は千葉県民。
百美を連れ戻し、なおかつ埼玉解放戦線を殲滅させれば
千葉を優位に立たせると建造から耳打ちされ、百美と麗を追うのだが……。

学院のシーンから始まるのかと思ったら、そうではありません。
なかなかに凝ったつくり。

ブラザートムと麻生久美子演じる菅原夫婦(もちろん埼玉県在住)が、
島崎遥香演じる一人娘の結納のために車で会場へ向かいます。
車内のラジオで聴きはじめた都市伝説のコーナーが上記の物語。
結納に遅れそうなのに、それが終わるまで父親が車を降りようとしないという設定。

埼玉解放戦線のリーダーを京本政樹が務めているのですが、
埼玉も千葉も解放戦線メンバーは化粧が歌舞伎っぽかったりして、
誰が誰だか判別しにくいのもワラける。
白塗りの化粧をしても誰だかすぐにわかるのは麗の父親役の麿赤兒(笑)。

そのほか、都知事の妻役に武田久美子、神奈川県知事に竹中直人
麗が雇っている家政婦に益若つばさ。
菅原の娘の結婚相手として成田凌が友情出演。
東京都のクラブに不法侵入して捕まる埼玉県民に間宮祥太朗
Z組の生徒を演じる加藤諒には、終盤、不覚にも涙を誘われてしまいました。
なんでこんな映画で泣いてるねん、私。(^o^;

予告編で笑ったYOSHIKIと高見沢俊彦の幟にまた笑い、
エンディング曲のはなわの『埼玉県のうた』もよかった。
埼玉愛に溢れていると思います。楽しくて仕方がない。

あ、埼玉は貧乳率が日本一、巨乳好き率も日本一だそうで。
ないものに憧れるんですねぇ(笑)。
—–

『サムライマラソン』

『サムライマラソン』
監督:バーナード・ローズ
出演:佐藤健,小松菜奈,森山未來,染谷将太,青木崇高,木幡竜,
   竹中直人,筒井真理子,門脇麦,豊川悦司,長谷川博己他

TOHOシネマズ梅田で、2本ハシゴの2本目。
『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』の次に。

前日に5本ハシゴした後に飲んで食べて深夜帰りした疲れが残っています。
本作の予告編上映中に睡魔に襲われ、本編開始となったときも眠い眠い。
果たして最後まで眠らずに耐えられるかどうか心配でしたが、
期待していたよりも面白かったおかげで寝ずに済みました。

日本初のマラソン大会といわれる「安政遠足(とおあし)」をモチーフにした、
土橋章宏の時代小説『幕末まらそん侍』を映画化。
監督は『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』(2013)のバーナード・ローズ。
日本作品にこうしてイギリス人監督を迎えることになったのは何故? 親日派?

1855(安政2)年、ペリー提督(ダニー・ヒューストン)が来航し、
日本は開国の圧力に抵抗しがたくなっていた。
ペリーから幕府大老・五百鬼祐虎(豊川悦司)に銃が届けられたとの話を
安中藩主・板倉勝明(長谷川博己)は聞いて大いに焦る。
西洋の武器を手に攻め込まれたら敵わない。この藩は一溜まりもないだろう。
外国の侵略から藩を守るためには藩士たちが強くあらねば。

そう考えた勝明は、藩士の心と体を鍛練するために遠足(とおあし)をおこなうと宣言。
50歳以下の藩士は全員強制参加を命じられて戸惑うが、
勝者はどんな願いも叶えてもらえると知り、色めき立つ。

そんななか、勝明の娘・雪姫(小松菜奈)が城から脱走。
絵を得意とする雪姫は、江戸に行ってもっと絵を学びたい。
それを勝明に反対されたせいで、なんとか江戸に行くべしと城を飛び出したのだ。
雪姫の婿の座を狙っていた藩士・辻村平九郎(森山未來)を含め、城内は大騒ぎ。

安中藩の勘定方・唐沢甚内(佐藤健)は、実は祐虎に仕える隠密。
勝明が藩士らに招集をかけた時点で、不穏な動きがあることを祐虎に報告済み。
その後、単なる遠足であることがわかって報告を撤回しようとするが、
かねてから勝明を警戒していた祐虎は、今こそ勝明の潰し時だと判断。
遠足を謀反の動きとみなして刺客を送り込むのだが……。

キャストが楽しい。
甚内が隠密だというのは早くから明かされることなのでネタバレにならないはずですが、
ほかにも隠密ぞろぞろ。それは書かずにおきますね(笑)。

遠足前日に歳を理由にしてクビにされた栗田又衛門に竹中直人
50歳以上でも参加してはならぬとの決まりはなさそうだからと、
立派な侍になりたいという少年と一緒に走ります。
そのふるまいはやっぱり竹中直人で、『シコふんじゃった。』(1991)を思い出させる演技。
同じく藩士の植木義邦に青木崇高。この人、優香と結婚してから肥えてません?
足軽役の染谷将太がいい味を出しています。

低評価のレビューが多いようですけれど、私は結構楽しめました。
隠密ではあっても、藩主を貶めるようなことはしない、
正しいことをしたいという信念のもとに動いているのはいい。
ただ、こんな隠密は隠密として信頼はされないでしょうけれど。(^^;
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『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』

『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』
監督:大森立嗣
出演:安田顕,倍賞美津子,松下奈緒,村上淳,石橋蓮司他

TOHOシネマズ梅田で2本ハシゴ。

原作は宮川サトシの同名エッセイ漫画。
新潮社のウェブコミックに2013年12月から2014年にかけて全16話連載。

大森立嗣監督の作品はスルーできません。
とか言いつつ、『日日是好日』は観ないまま終わってしまいました。
それもこれも、『ボヘミアン・ラプソディ』を26回も観たせいか。(^^;

塾講師をしながら漫画家を目指すサトシ(安田顕)。
末っ子で甘えん坊だったサトシは、今も昔も母親の明子(倍賞美津子)のことが大好き。
明るくパワフルで、無償の愛を注いでくれる明子。
明子が死んでしまうことなど想像したこともなかったが、
ある日、突然倒れた明子はステージ4の胃癌を宣告される。

サトシの人生二人目の彼女である真里(松下奈緒)は
明子のもとへ足繁く通い、いろいろと世話を焼いてくれる。
そんな真里に明子も心を許し、サトシに真里のことを誉める。
結婚しろと言いたいのだろうが、
中学生のときに白血病に罹ったサトシに子どもを授かることは望めず
真里にプロポーズできないまま。

いつも前向きだった明子に、生きることを諦めたような言動が多くなる。
サトシはそれが許せず、明子に対して声を荒げてしまうのだが……。

基本的に大好きな大森監督ですが、終盤まで演技を大げさに感じて入り込めませんでした。
周囲からは盛大なすすり泣きの声が聞こえていたので、
冷めていたのは私だけかもしれません。

「お母さんは頑張ってる。頑張ってる人にもっと頑張れって言わないで」などなど、
共感できる台詞は多かっただけに残念に持っていたのですけれど。

終わり良ければすべて良し。

ラスト手前、明子の葬儀後日。
サトシの兄(村上淳)が父親(石橋蓮司)とサトシを連れて海へ行きます。
そこで素っ裸になって海に入るシーン、特に父親が涙を堪える姿にはグッと来た。
石橋蓮司のお尻は見たくなかったので、彼がパッチを脱がないでくれてよかったです(笑)。

大事な人を亡くしたとき、気持ちの整理をつけるのはとても難しい。

究極のマザコンだとは思います。(^^;
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