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『AKIRA』

『AKIRA』
監督:大友克洋
声の出演:岩田光央,佐々木望,小山茉美,玄田哲章,大竹宏,石田太郎,鈴木瑞穂,
     北村弘一,池水通洋,渕崎ゆり子,大倉正章,荒川太郎,草尾毅他
 
塚口サンサン劇場にて2本ハシゴの2本目。
これが私の「平成最後に観た映画」でした。
 
大友克洋監督の名作であるのは言うまでもないこと。
日本における初公開は1988年7月。
その後、欧米アジア各国で公開され、世界的に高い評価を受けました。
2002年にはリバイバル上映があり、そしてなぜまた今なのかと思ったら、
舞台がちょうど2019年なのですよね。
へ〜っと驚いている私はなんと初見です。(^^;
特別音響上映、1,500円也。価値があります。
 
1988年、関東地区で新型爆弾が使用されて第三次世界大戦が勃発。
 
31年が経過した2019年の首都ネオ東京では、
軍(アーミー)と反政府ゲリラとの戦いが繰り広げられている。
 
いわゆる暴走族のリーダー格、金田は、改造バイクを駆って日々疾走。
その日も仲間たちと共に進入禁止の高速道を走っていたところ、
先頭を走っていた鉄雄が、突然現れた奇妙な小男を避けようとして転倒。
その小男は、背丈と服装はまるで子どもなのに、顔だけは老人だった。
 
金田らは鉄雄のもとへと駆けつけるが、
アーミーのヘリが着陸し、小男と鉄雄を連れ去ってしまう。
 
翌日、金田が行方不明となった鉄雄を探しに出かけたところ、
反政府ゲリラの一員ケイと出会う。
鉄雄の居場所を突き止めたい金田は、
アーミーの動きを不審に思う反政府ゲリラと目的が一致。
手を組むことにするのだが……。

正直なところ、よくわかりませんでした。私の頭ではついていけない。
ついていけないのにちっとも眠くならない。
なんだかすごく面白い作品であることはわかる。
 
2020年の東京オリンピック会場が決戦の場になっていたりと、
大友さん、予知能力者ですかと言いたくなる。
その部分だけ採ってみても、『AKIRA』はすごい。
 
なんかわからんけどすごいアニメやったなと思いつつ外に出たら、
外国人がいっぱいいてたまげました。
どうして塚口にこんなにいかつい外国人いっぱいなのと思ったら、
みんな次の回の『AKIRA』を観に来たお客さんで。
「世界的に評価が高い」を実感しました。
平成最後にこんな「わけわからけどすげぇ映画」を観られてよかった。

—–

『クイーン ヒストリー 1973-1980』

『クイーン ヒストリー 1973-1980』(原題:Queen: Under Review 1973-1980)
監督:ロブ・ジョンストーン
 
テアトル梅田で『こどもしょくどう』を観たあと、阪急電車に乗って塚口へ。
塚口サンサン劇場にて2本ハシゴの1本目。
 
『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットついでに
2005年に発売されたDVDを劇場でかけちゃいましょう、そんなとこですかね。
第七藝術劇場でもかかっています。
『クイーン ヒストリー2 1980-1991』というDVDもあるんですが、
さすがにあざといと思わそうだからか、それとの抱き合わせ上映なんてのは無し。
 
DVD自体の評判はあまりよくありません。
評論家の話がほとんどで、コアなファンなら知っている話ばかりだそうな。
歌がガンガン聴けることを期待して観るとガックリするでしょう。
 
私の場合、TSUTAYA DISCASで以前(わりと最近(笑))レンタルしたのですが、
そんなふうに歌はほとんどかからないせいで、集中力が持たず。
真剣に観ないまま返却してしまったので、劇場で観るのもいいかなと思って。
 
レンタルDVDで観られるものをわざわざ1,400円払って観たわけですが、
私はとても楽しめました。
『ボ・ラプ』が純粋な伝記ではないこと、
どの年の話を繋いでできあがった映画だったのかもわかります。
 
音楽評論家の話も非常に面白い。
ポール・ガンバッチーニ、マルコム・ダン、クリス・ウェルチって、
私は全然知らない名前ばかりですが、有名な評論家なのでしょうね。
彼らが皆評論家だからといって、同じ曲を評価しているのではなくて、
ある人は「お気に入りの曲だ」といい、
別の人は「どうしてあんな曲をつくったのかいまだにわからん」と酷評する。
好みが同じ人ばかりがしゃべるのを聞いても面白くないですもん。
 
クイーンが音楽をする人たちに与えた影響は意外に少ないということ。
というのも、クイーンはカテゴリーを飛び越えていろんな音楽にチャレンジするバンドだったから、
真似しようにもしようがないから。
そして、パンクが台頭して消え去ったバンドも多いなか、
流行に乗らなかったクイーンは流行に押しつぶされることもなかったということ。
 
ギター片手に曲のコード進行について話すのは、ギタリストのサイモン・ブラドリー。
コードのことはわからない私も実演付きだからわかりやすくて。
フレディはピアノを弾く人だから、無意識のうちにピアノで弾きやすいコードで作曲している。
同じ曲中にギターソロを入れる場合、その点でブライアンは苦労しただろうという話。
ピアノで弾きやすいコードはギターでは弾きにくく、
でもブライアンはフレディの作曲部分を無視して自分のソロを作曲するわけにはいかなかった。
だから、ソロ部分も微妙に難しいコード進行になっているとか。
 
メタリカがカバーしたことにより、世間がクイーンの曲の良さを再認識したという
“Stone Cold Crazy”の話なども、にわかクイーンファンの私としては「へ〜っ」でした。
 
DVDならではなのか、ありえない字幕の誤字も。
アルバムタイトル『戦慄の王女』が『旋律の王女』となっていたのにはワロた。
 
それにしても、本作に出てくる名前は見事にフレディとブライアンのみ。
“Another One Bites the Dust”の話でリフがいいよとディーキーの名前は一度出たか。
誰かドラムのロジャーのことも褒めてあげて!

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『こどもしょくどう』

『こどもしょくどう』
監督:日向寺太郎
出演:藤本哉汰,鈴木梨央,浅川蓮,古川凛,田中千空,
   降谷建志,石田ひかり,常盤貴子,吉岡秀隆他
 
GW中、ダンナはタイへ出張のため、私は酒盛り三昧です。
関空へ行くダンナをリムジンバス乗り場まで送ったあと、
ひとつめの飲み会前に映画を3本。その1本目。
 
テアトルグループのメンバーズカードをつくったときにもらった割引券。
有効期限はまだずいぶん先だけど、何も割引のない日に使いたい。
祝日の月曜日だったから、この日の鑑賞料金はメンバー料金の1,300円。
そこから300円割引してもらえる券を使うべしとテアトル梅田へ向かいました。
 
上映開始10分前に到着したら、なんと満席で立ち見ですと。
立ち見で映画を観たのなんていつ以来か。
記憶にあるのは相米慎二監督の『風花』(2001)。
その前は友だちと観た『銀河鉄道999』(1979)かも!?
もう若くないから立ち見なんて避けたかったけれど、しゃあないし。
 
小学5年生のユウト(藤本哉汰)の両親(吉岡秀隆常盤貴子)は、
大衆食堂「あづま家」を営んでいる。
同級生のタカシ(浅川蓮)が母親の育児放棄に遭っているのを心配し、
ユウトの両親がふるまう夕食を共にとるのが日課。
 
ある日、ユウトはスーパーで万引きしている少女を見かける。
彼女は河原に駐めた車の中で生活しているとおぼしきミチル(鈴木梨央)。
母親の姿は見えず、ミチルとその妹ヒカル(古川凛)はたいていふたりきり。
たまに父親(降谷建志)が一緒にいるが、姉妹は学校に通う様子もなければ、
着ているものはいつも同じ、ろくに食べていないらしい。
 
ユウトは両親におかわりをせがむと、それをこっそりと折に詰め、
タカシに姉妹のところまで持って行かせるように。
それでもまだまだお腹を空かせている姉妹をついには家に連れ帰り、
両親に彼女たちにも食事を出してほしいと頼む。
ミチルは遠慮がちなものの、まだ幼いヒカルは大喜びで、
ユウトの妹ミサ(田中千空)にもすっかりなつく。
 
その数日後、河原に集まった不良たちに車を潰されたのをきっかけに、
姉妹の父親が車にまったく戻ってこなくなり……。

子ども6人のうち1人が貧困状態にあるそうです。
「こども食堂」はそのような貧困対策として、
子どもには無料もしくは数百円で食事が提供される場。
地域のコミュニティの場としての役割も果たすようになり、
さまざまな運営形態で全国に広がって行きました。
 
なんらかの事情で食事にありつけない子どもたち。
いつか親が帰ってくると信じ、ほかの誰かを頼ろうなんて考えすら思い浮かばない。
そんな子どもを見かけたとき、私たちはどうするのか。
警察に通報する、児童相談所に連絡する、いろんな方法はあるのでしょうが、
ややこしい話に巻き込まれるのではないだろうかとか、
自分の家のことで精一杯なのに首を突っ込みたくないとか、
そんな思いも持ってしまうはず。
 
やっぱり思い出すのは、伊坂幸太郎の『砂漠』の言葉。
1人助けたところで他にもいっぱいいるんだしどうにもならない、
じゃなくて、まず最初は1人から。
子どもたちに「死んじゃおうか」なんて思わせちゃいけない。

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『バースデー・ワンダーランド』

『バースデー・ワンダーランド』
監督:原恵一
声の出演:松岡茉優,杏,麻生久美子,東山奈央,市村正親,藤原啓治,矢島晶子他
 
GWに突入後の日曜日。
どうせGWは好きなときに映画行けるんやし、無理して観に行かんでもえっかと思ったら、
もはや伊丹まで行くのも面倒になって、109シネマズ箕面で1本だけ。
ポイントが30近く貯まっていたので、何の割引もない日曜日が使うチャンス。
6ポイント使って無料鑑賞しました。
 
監督は“クレしん”劇場版の中でも特に名作と評判の高い、
原作は柏葉幸子の児童文学『地下室からのふしぎな旅』なのだそうです。
 
親しい友だちグループのうちのひとりがのけものにされようとしていたのに、
見て見ぬふりをしてしまったアカネは自己嫌悪に陥り、
翌朝、仮病を使って学校を休む。
そんなことはお見通しなのか、母親はゆっくり休みなさいと優しかったわりには、
叔母のチイが営む骨董屋に頼んだものを取りに行くようにアカネに言う。
 
母親がチイに頼んだのは、翌日誕生日を迎えるアカネへの誕生日プレゼントらしいが、
チイはそんなものを頼まれたおぼえはない。
わけがわからずにいるアカネとチイの前に現れたのは、謎の男性。
 
その男性は、骨董屋の地下室からやってきた錬金術師ヒポクラテス。
彼は、地下室は別の世界へ続いていること、その別世界がいま危機を迎えていること、
危機から救えるのはアカネであると、信じがたいことをのたまう。
 
ヒポクラテスは怯えるアカネの手を引いて地下室の扉をオープン。
好奇心旺盛なチイは、呼ばれてもいないのについて行く。
ヒポクラテスの助手を務める小人ピポと共にアカネが強引に連れて行かれたのは、
カラフルで不思議があふれる異世界“ワンダーランド”
ここから色が失われようとしているのだが、アカネは果たして救世主となれるのか。
 
簡単に言えば、弱気になっている王子様を助ける異国のお姫様の話です。
子どもたちが観るには楽しい作品かもしれませんが、
大人が観るとちょっと退屈。途中は睡魔にも襲われました。
 
子どもを対象にしているならば、どうも気になる「ら入れ」
“クレしん”の「ら抜き」はキャラだからもうどうでもいいとして、
「喋られる」なんて日本語を使われると、
正しい日本語の“ドラえもん”を見習ってくださいと言いたくなります。
「喋る」は可能動詞の場合、「喋れる」が正解。「喋られる」は気持ち悪い。(^^;
 
アカネがヒポクラテスから序盤に受け取る「まえのめりのいかり」。
「前のめりの怒り」かと思ったら「前のめりの碇」でした(笑)。
なるほど、これを身につけていると、怯まずに前のめりに。
ポジティブに考えて行動できるということなんですね。
しかし、どんなに良い道具も使う人の心次第。
この辺りは教育的でいいなぁと思いました。
 
最も同意したいのはチイの言葉、「ノンアルコール、ノーライフ」。
そのとおり!

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2019年4月に読んだ本

2019年4月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3536ページ
ナイス数:910ナイス
 
■外道クライマー (集英社文庫)
私の沢登り体験はほぼハイキング。著者の沢登りにそんな緩いイメージ皆無。なにしろ「外道」ですから。衣類が濡れることは死に直結するからと素っ裸で氷水の中を歩く。タイのジャングル46日間は特に凄絶。ワニに怯え、ヘビをぶった斬り、サソリに噛まれ、アリに襲われる。何度も心が折れるフォトグラファー高柳くん。殺したくなることはあっても、やっぱりふたりでよかった。う○こネタは誰でも笑うから反則だと思うのですが、そう思いつつも笑ってしまった。うん、上流から人のう○こが流れてくるのは嫌だ(笑)。この旅に私は猛烈に惹かれます。
読了日:04月02日 著者:宮城 公博
https://bookmeter.com/books/13638173

■春、戻る (集英社文庫)
読みはじめたとき、なぜか短編集だと思っていました。自分より一回りも年下の男性が現れて、君の兄さんだよなんていう話、一冊分は続かないと思って。余裕で一冊続いた(笑)。出てくる人みんな、変人兄さんをすんなり受け入れる善人。著者の描く料理や食事のシーンは相変わらずよくて、食べることは心をも健康にするのだと思わせられます。記憶から追いやっている時分のことでも、もしかして思い出してみたらいいこともあるのでしょうか。誰かの人生を変えるぐらいのことをしていたなんてことは、私にはなさそうだけれども。思い出話はお腹が空く。
読了日:04月04日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/11520666

■スピン (角川文庫)
中高生に断トツ人気の作家といえばこの人だそうで、物は試しと遥か昔に中高生だった私も何冊かは読んだことがあります。不愉快な描写も多いけど、軽いからその不愉快さが後を引かない。ネットで知り合った中学生が同時間帯にバスジャックを謀るという本作は陰惨度低め。犯人、乗客、運転手と、バスによって視点が変わるのも面白い。そして今更ながら気づきました。歳を食ってからこのこの著者の作品を読むと、知らない言葉がひとつもない(笑)。平易な言葉でわかりやすいからガンガン読める。著者が今後どうなるか楽しみ。いや、意外にこのままか。
読了日:04月07日 著者:山田 悠介
https://bookmeter.com/books/607554

■MIX 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
前作読了後に即突入したかったところ、同じ作家は続けて読まないように努めているため我慢。間に3冊挟んだからよかろうと『MIX』へ。人体実験でつくりあげられた人魚なんて、想像するだにおぞましい。綾辻行人の『フリークス』も同様に子どもに人体改造を施す話でえげつなかったから、あっちを思い出せばこっちは耐えられないことはない。新人刑事の御子柴くんがどうにもならん。東海林さんが恋しい。そういえば今回は麗華様のお姿を拝見できず。永久くんに金子くん、鍵師と気になる人が多すぎる。読むのをやめられません。ちょっと我慢して次!
読了日:04月10日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/12039654

■ドルフィン・ソングを救え! (角川文庫)
年齢がバレそうな感想はあまり書かないようにしているのですが、本作ではどうにも無理(笑)。最初の頁の中原中也に吉田拓郎でニヤニヤ。目次を読んでいくつかでも拾える人ならば中身もそこそこは楽しめると思いますが、普通の一文の中に東電OLとか木綿のハンカチーフが出てくるから、それに反応できなければ読むのが辛そう。まさかのタイムスリップもの。45歳の独身女性がバブル期に戻ったら、こんなことあんなこと。なんだかんだで男目線、納得できない部分もあるけれど、ネタを拾うだけでも面白い。ツボはやっぱりミリ・ヴァニリ。ワラける。
読了日:04月11日 著者:樋口 毅宏
https://bookmeter.com/books/13442266

■銃 (河出文庫)
私の場合、晩ごはんの後、就寝までの数時間で読めるのは230頁程度。本作は220頁を切るから楽勝のはずが、芥川賞作家。銃を拾ったことが主人公の心に影響を与えるさまは面白いけれど、映画版を観ていなかったらかなりしんどかったかも。村上虹郎ってこんなに演技が下手だったかなと思って観ていたのですが、原作に忠実だった結果があれだったのですね。隅々まで原作どおりの映画で、だから原作同様、私にはきつかった。かと言って眠くもならず、不思議。原作を読めば、村上淳との共演も含め、なかなか興味をひかれるキャストだったと思います。
読了日:04月15日 著者:中村 文則
https://bookmeter.com/books/5133542

■ビール職人の醸造と推理 (創元推理文庫)
ビストロやリストランテが舞台というミステリーはあっても、ブルワリーが舞台という話を私は知らない。初めてです。まるでドイツなアメリカの町最大のブルワリーに嫁入りした主人公が、新たにオープンするブルワリーで働くことに。日常の謎系かと思ったら堂々の殺人事件発生。犯人は最初から怪しすぎる奴で、言ったところでネタバレにもならん(笑)。ミステリーとしてはちっとも惹かれないけれど、ビールと料理が素敵すぎる。シリーズものなのにミステリー部分にはほぼ興味わかず。続編が刊行されるならば、ビールと料理に釣られて読むでしょうね。
読了日:04月18日 著者:エリー・アレグザンダー
https://bookmeter.com/books/13527849

■あきない世傳 金と銀(六) 本流篇 (時代小説文庫)
四代目、五代目、六代目へと順に嫁ぐも、皆亡くなったり居なくなったり。魔性の女による保険金詐欺かとでも言いたくなります(笑)。しかし遺産も保険金もなく、むしろ夫を失うたびに大変なことが勃発して痩せ細りそうな幸。美貌は維持したままだから、同性読者の嫉妬を買ってもおかしくないところ、応援一択の気持ちにさせます。女名前では店を継がせてもらえず、相談相手は過去に卒中で倒れた爺様ばかりで頼りになるのか心配になるけど大丈夫。個人的にはわりと「普通」な第6巻だったのですが、最後の5頁に泣かされました。やっぱりええんだわ。
読了日:04月21日 著者:髙田郁
https://bookmeter.com/books/13519781

■負け逃げ (新潮文庫)
映画『純喫茶磯辺』麻生久美子の台詞「私、ヤリマンなの」は衝撃的でした。本作の最初の一文「野口は、この村いちばんのヤリマンだ」も衝撃的。そんな野口とヤッたことはない田上の目線から同級生、教師に移り、〆は野口で。超豪華な推薦者の帯を見れば素通りできません。田舎町から出ることなく生きる人々。若い作家なのに、くたびれたオッサンとオバハンの不倫描写に哀切が。最も冴えない教師ヒデジだけは後悔がないように思えます。私はヒデジに宇野祥平を当てましたが、すだれハゲとはちゃうか。イライラ、どんより、スキップ。そんな読後感。
読了日:04月24日 著者:こざわ たまこ
https://bookmeter.com/books/12740704

■パンドラ 猟奇犯罪検死官・石上妙子 (角川ホラー文庫)
この著者のシリーズものならば断然「よろず建物因縁帳」で、その次がこれだと思っていたけれど、こっちのほうが冊数が多いせいか、なんだか情が湧いてきて、今ではこっちも読むのを止められず。きゃぴきゃぴの年頃(だけどきゃぴきゃぴではない)死神女史が当時どんな目に遭ったのかをつぶさに知らされて驚愕。女史でも遺体を見て吐いて焼肉もパスってか?とびっくりしたらつわりでした。明治のミルクチョコレートを切らさないようになったきっかけにニヤリ。やるなガンさん。白衣を着ていなくたって、つまらない女なんかじゃないですよ、石上先生。
読了日:04月28日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/11618539

■ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)
平成最後の平成最後のって皆うるさいねん!と思いながら、積読の山から平成最後に読む本を選んでいる自分がいます(笑)。無理やり貸されることがなければ手を出すことがなかったであろう京極さん。娘を亡くして妻に離婚を言い渡され、全財産を取られた挙句、仕事もクビになった男の言葉が、妙に心に刺さります。とはいうものの、禅問答のような、屁理屈のようでもある770頁超だから、京極さんを初めて読む人には薦められない。平成に京極さんにくすぐられた人でなければツライのじゃなかろうかと思います。ヒトでなしも悪くはないかもしれない。
読了日:04月30日 著者:京極 夏彦
https://bookmeter.com/books/13537158

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