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『ザ・フォーリナー/復讐者』

『ザ・フォーリナー/復讐者』(原題:The Foreigner)
監督:マーティン・キャンベル
出演:ジャッキー・チェン,ピアース・ブロスナン,オーラ・ブラディ,レイ・フィアロン,

   チャーリー・マーフィ,スティーヴン・ホーガン,ロリー・フレック・バーン他
 
109シネマズ箕面にて、前述の『名探偵ピカチュウ』〈吹替版〉とハシゴ。
 
ジャッキー・チェン主演のイギリス/中国/アメリカ作品。
ジャッキーは先月65歳になったところ。すごいよ、この爺さん。
監督は『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)のマーティン・キャンベル。
ピアース・ブロスナンとジャッキーの共演と聞き、
てっきり自分が“007”を監督したときのジェームズ・ボンドを本作で起用したのかと思ったら、
『カジノ・ロワイヤル』はすでにダニエル・クレイグでしたね。
 
中国の少数民族で、イギリスに移住して長いクワン。
ロンドンで中華料理店を経営し、高校生の娘ファンとふたりで穏やかにくらしている。
 
プロムのためのドレスを買いに行きたいというファンを車に乗せ、
店まで送り届けたあと、買い物が終わるのを車内で待つクワン。
ところが、何者かが店の前に停めたバイクが爆発、ファンを含む10名以上の死者が出る。
 
この無差別テロの実行犯は、北アイルランド過激派組織らしい。
復讐を誓うクワンは、昔その組織に属していた現副首相リーアムに電話をかけ、
犯人の名前を教えるように迫るが、リーアムは今は自分は無関係、何も知らないと答える。
納得が行かず、リーアムのもとへと押しかけたクワンに、やはり同じ態度。
それでも引き下がらないクワンは、「気が変わるだろう」と言い残してその場を去る。
 
その後、リーアムのオフィスのトイレで爆発が起きる。
実はクワンはかつてアメリカの特殊部隊に所属していた凄腕の工作員
60代のジジイに何もできるはずなどないと高を括っていたリーアムは、
次々とクワンが仕掛ける爆弾に対処できずに困り果てるのだが……。

過激派のメンバーが副首相ということ自体、私の理解の範囲を超えている。

ジャッキーのすることですから、爆弾は仕掛けても人は殺しません。
あくまで「これぐらいお茶の子さいさい」と言いたげな攻撃にとどめる。
それでも、なかなか犯人の名前を得られないものだから、だんだんとやることが派手に。
 
そりゃもう、最後はスッキリします。
どこまで行ってもジャッキーは正しい、強い、負けない。
そういえば今回のジャッキーはほとんど台詞がなかったような。
寡黙にひとりで戦う人。
でもラストにキスシーンがあってたまげました。
ピアースみたいに脱ぎませんけどね。(^^;

—–

『名探偵ピカチュウ』〈字幕版〉と〈吹替版〉両方。

『名探偵ピカチュウ』(原題:Pokemon Detective Pikachu)
監督:ロブ・レターマン
出演:ジャスティス・スミス,キャスリン・ニュートン,渡辺謙,ビル・ナイ,

   スーキー・ウォーターハウス,リタ・オラ,オマール・チャパーロ他
声の出演:ライアン・レイノルズ
 
字幕版は前述の『12か月の未来図』を観た後にTOHOシネマズ梅田のシアター4にて。
吹替版はその翌日、109シネマズ箕面にて。
両方観たくなるほど面白かったわけではなく、選択肢がほかになかったからです。
結果的には両方観たおかげで“ポケモン”への理解を深めることができたかも!?
 
保険会社に勤める青年ティムは、離れて暮らす父親ハリーが死亡したとの報せを受ける。
父親の部屋を片付けるためにライムシティを訪れる。
 
ライムシティは人間とポケットモンスターが共存する町。
誰もが自分のポケモンと共に行動している。
ティムも幼い頃は大のポケモン好きで、ポケモントレーナーになることを夢見ていた。
しかし訳あってその夢を封じ込み、以来ポケモンとは無縁の生活を送っている。
 
有能な探偵だったハリーは、彼のポケモンであるピカチュウと共に事故に遭ったらしい。
ティムが父子の関係を思い返していると、部屋の中でガサゴソと物音が。
そこにいたのはハリーのピカチュウで、事故の前後の記憶を失ってはいるが、
死んだことになっていた自分が生きているならば、ハリーも生きているはずだと言い出す。
 
部屋をとっとと片付けてライムシティから出るつもりが、
ピカチュウと一緒にハリーを探すことになったティム。
手がかりを得るため、TV局の新米記者ルーシーに協力を求めるのだが……。
 
字幕版を観たときは、よくわからないこと多数。
よくわかっていなかったことに気づいたのは、吹替版を観はじめてから(笑)。
一昨年劇場版を観たものの、1人に1匹みたいな仕組みを忘れていて。
 
ベロリンガとやらにベローンと舐められるの、気持ち悪い。(^^;
可愛いとは思えないポケモンも多くて、ピカチュウはやっぱりカワイイなぁ。
 
実は字幕版は一部寝てしまいまして(またかい!)、
観のがしたところを吹替版でしっかり補えました。
コダックがストレス溜めたせいで、そんなにエライことになってたんすか。
 
父親の愛情を受け入れられなかった息子が、
こうして共に戦って、お互いの気持ちを理解する。
鉄板の親子ムービーだから、家族で吹替版を観るのがいいかもです。
ただし、台詞やしぐさに笑いが起きていたのは字幕版のほう。
私もやっぱり、洋画は吹替より字幕で
 
ちなみに、吹替版はピカチュウを西島秀俊、ティムを竹内涼真が担当。
涼真くんは声のみではなく、ティムではない役でその姿も見せています。
 
あ、そうそう。字幕版を観たときは気づかなかったのに吹替版で気づいたこと。
主演のジャスティス・スミス、腕毛スゴイ。こりゃきっとギャランドゥやな(笑)。

—–

『12か月の未来図』

『12か月の未来図』(原題:Les Grands Esprits)
監督:オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル
出演:ドゥニ・ポダリデス,アブドゥライ・ディヤロ,レア・ドリュッケール,ジーネ・トリキ他

GW終盤、この日も晩は飲み会で、その前に映画を2本と西宮市大谷記念美術館。
まずは映画の1本目、テアトル梅田にて本作を。
 
原題はフランス語でLes Grands Esprits”、
英語タイトルはもっとシンプルに“The Teacher”です。
実際にこういう施策がパリであり、教師や生徒への取材をもとにつくられた作品とのこと。
 
その指導ぶりは非常に厳しく、点数の悪い生徒には容赦ない。
 
フランソワの父親は有名な作家。
その出版記念行事の席に顔を出したフランソワは、居合わせた美人女性客に、
パリの名門学校と郊外の学校では生徒の学力に差がありすぎること、
その差を解消するためにはベテラン教師を郊外に派遣すべきだと話す。
女性は政府の教育機関に勤めているらしく、もっと話を聞きたいとフランソワに言う。
 
後日、ランチを一緒にどうかという誘いにフランソワはうきうき。
相手の勤務先にいそいそと駆けつけるが、なんとランチには彼女の上司も同席。
先日のフランソワの提案が画期的なので実現したい、
ついてはまずは1年間、フランソワ自身に郊外の中学校へ行ってほしいと。
 
まさかそんな話になるとは想定していなかったフランソワは固辞。
しかし気まずい空気が流れたことからなんとなく承諾してしまう。
赴任先の中学校はこれまでの高校とはあまりに環境が異なり、問題児ばかりで……。

ドゥニ・ポダリデス演じるフランソワは、最初はいけすかない奴です。
見た目も冴えないくせして、何その自信と言いたくなる。
美人相手にちょっと偉そうに自説をぶってみたのが見え見えで、
そのせいで問題中学校へ派遣されることになり、まったくイイ気味でした。
 
ベンツに乗って赴任地に向かうと、周りの様子がどんどん荒んで行く。
所得もどんどん下がって行くのが景色を見るだけでわかります。
教室の扉を開くとさまざまな人種の子どもたち。
挨拶なんてほとんど誰もしないし、授業を聴く気はこれっぽっちもなし。
 
「教師の話は聴くのが当たり前」、そう思っている先生って案外多いような気がします。
子どもたちが話を聴こうとしないのは、あなたの話がつまらないから。
聴かせる力がないのをすべて、聴かない子どものせいにする。
 
フランソワもまさにそんな人でした。
独身の彼は、姉や姪っこたちから「勉強が苦手な子もいるのよ。
おもしろい授業をしてみれば」と言われても最初は無視。
でも、どうにもこうにもならないとわかって、徐々に彼自身が変わってゆく。
 
いけすかない奴だと思っていたけれど、融通が利かないだけで悪い奴ではない。
ほかの教師たちは問題児をすぐに退学にすればいいと思っていても、
フランソワは子どもたちが1冊の本を読み切ることを目標に掲げ、
リタイアする子がひとりも出ないように方法を考えます。
彼が選んだのは『レ・ミゼラブル』。きっと読みたくなる。
 
最後はちょっと泣けますよ。

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『主戦場』

『主戦場』(原題:SHUSENJO: The Main Battleground of The Comfort Women Issue)
監督:ミキ・デザキ
 
なんですか、この混みっぷりは。
『誰がために憲法はある』を観て外に出たら、あふれんばかりの客。
すでに満席で、新たに入ってきたお客さんには立ち見、
あるいは1階下のシアターセブンでの追加上映の案内がされていました。
先にチケットを買っておいてよかった。
 
監督は日系アメリカ人のドキュメンタリー作家ミキ・デザキ。
これが長編デビュー作だそうです。
 
「従軍慰安婦をめぐる論争に真正面から切り込んだドキュメンタリー」との触れ込み。
知っておくべき話かと思って覚悟を決めて観に行ったものの、
日本人としてはなんともつらい。
 
どう書けばいいのかまったくわかりません。
どれが真実なのか、事実なのかもわからない。
 
日本、韓国、アメリカで巻き起こっている論争。
その中心人物たちに取材し、それぞれの主張を聞いているといえばそうなんですけれど、
結局「日本が悪い」というところへ持って行きたいのかなと思ったりします。
なんというのか、取材される日本人のほうが明らかに阿呆に見えるようにつくられている。
「フェミニストにはブスが多い」「国家というものは謝っちゃいけないんです」、
「自分以外の学者の本は読まないようにしている」、
こんなことを平然と言ってのける人ばっかり選んだのではと、ちょっと疑ってしまうんだなぁ。
 
これに限らず「対立」を描いた作品を観るときに思うこと。
本当に相手の言うことをちゃんと聞いているんだろうか。
聞いたうえで反論しているんだろうか。
本作でも、自分の書いたもの以外読まないと笑って話す学者は論外として、
対立する立場の人の書いたものを読んでいないと言い切る人がいます。
「読もうと思ったけどとても読めたものではない」と言って。
 
こんなところに東野圭吾を持ち出してもアカンかと思いますが、
相手を理解しようという気持ちは両者にあるのでしょうか。
敬意なんて払えるわけないということなのでしょうけれど、
相手の言い分もよく知ったうえで言いたいこと言おうよと思うのは
何もわかっちゃいない私のような者の甘さなんだろうなぁ。
 
とりあえず、誰が何を主張しているのか今までわからなかった慰安婦問題。
どの立場のどういう人たちがどう言っているのかはわかりました。
安倍さんが危険だということには完全に同意します。

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『誰がために憲法はある』

『誰がために憲法はある』
監督:井上淳一
 
正直言ってあまり観るつもりはなかったのですけれど、
家からシュッと行けそうなシネコンでは観るものがなく、
2日前に行ったばかりの第七藝術劇場へ。
 
『セメントの記憶』の衝撃度が高くて書き忘れていましたが、
ナナゲイさん、椅子が替わったんですよね。
名古屋の劇場から譲り受けたそうで。
ずいぶんへたっていた椅子がちょっぴり(かなり)新しくなり、
ドリンクホルダーも設置されています。
 
これと後述の『主戦場』と、ものすごくお客さんが入っています。
 
日本国憲法を擬人化した芸人・松元ヒロによる一人語り「憲法くん」。
というものを私はそもそも知りません。
それを渡辺美佐子が演じるって、どういうことかまったくわからんまま観に行きました。
 
渡辺美佐子が「姓は日本国、名は憲法、言いにくいから憲法くん」として、
日本国憲法をわかりやすく説明してくれます。
そのあと、彼女が中心メンバーとして長年活動を続けている原爆朗読劇について。
朗読劇に参加するほかのメンバーも名女優たち。
高田敏江、寺田路恵、大原ますみ、岩本多代、日色ともゑ、
長内美那子、柳川慶子、山口果林、大橋芳枝といった人たちです。

渡辺美佐子が初恋の話を始めたとき、どこに行き着くのかわかりませんでした。
小学校のときにほのかな恋心を抱いていた相手。
何十年後かに彼を探し出して会う企画なんてのはよくありますが、
本人ではなく親御さんが現れて、息子が原爆で亡くなったと告げる。
こんな残酷な展開が待っていたなんて、誰が想像できるでしょう。
そんなことがあって、彼女が関わるようになった朗読劇。

戦争で深い傷を負ったわが国が、もう二度とそんな思いに遭わぬよう、
理想を掲げて日本国憲法をつくったはず。
なのに今、その憲法が変えられようとしている。
理想と現実は違うから、現実に合うようにと。
 
日本国憲法が生まれて70年。
「その間、僕は誰も殺さなかった。それが誇り」という渡辺美佐子演じる憲法くんは言います。
人は理想に近づこうとするものではないのでしょうか。
理想は理想で、現実と違うからと投げ出してしまうためのものなのか。
 
日色ともゑが出演作を選ぶときに問うてみることが印象に残っています。
「そこに正義はあるか」。

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