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『僕はイエス様が嫌い』

『僕はイエス様が嫌い』
監督:奥山大史
出演:佐藤結良,大熊理樹,チャド・マレーン,佐伯日菜子,木引優子,
   ただのあっ子,二瓶鮫一,秋山建一,大迫一平,北山雅康他
 
仕事帰りに第七藝術劇場へ。
 
これが長編デビュー作、22歳(若っ!)の奥山大史監督が
大学在学中に撮り上げた作品なのだそうです。
サンセバスチャン国際映画祭で最優秀新人監督賞を史上最年少受賞。
海外の映画祭で高い評価を受けた作品。
 
少年由来(ゆら)(佐藤結良)の祖父母は、雪深い田舎に暮らしていたが、
祖父(二瓶鮫一)が他界したため、
祖母(ただのあっ子)をひとりにしておくのは心配。
由来の両親(秋山建一&木引優子)は同居を決め、一家で東京から引っ越し。
 
ミッション系の小学校に転校した由来は、
礼拝の時間が設けられていることにまずびっくり。
皆が祈る様子にも違和感をおぼえて馴染めずにいたところ、
目の前に小さな小さなイエス様(チャド・マレーン)が現れる。
その不思議なイエス様に「友だちがほしい」と祈ると、
勉強もスポーツもよくできる学校の人気者・和馬(大熊理樹)と友だちに。
 
それを境にイエス様に願えば次々と叶いはじめる。
神を疑っていた由来も次第に信じるようになるのだが……。

宗教という題材に馴染みがないからハマれなかったのが一点。
馴染みがないうえに、教師の態度を高圧的に感じてさらにハマれない。
そりゃまぁミッション系の学校なのだから、
イエス様を信じているという大前提があるのでしょうが、
祈ることを強要されてもなぁと思うのです。
 
もう一点、どうしても無理だと思ったのが和馬の母親。
佐伯日菜子が演じています。
彼女のことは10日ほど前に『イソップの思うツボ』で観たばかり。
20年前の『らせん』(1998)で演じた「貞子」の印象が強すぎる彼女ゆえ、
『イソップ』で女子高生の母親役を演じていることに驚きましたが、
なんとも似合っていなくて違和感が拭えませんでした。
本作では小学生男子の母親で、熱心なクリスチャン役。
由来に言わせると「和馬のお母さんっていつも笑っていて幸せそう」。
いや、エキセントリックで怖いよ。
 
そんなんで、私はどうにも苦手でした。ごめんなさい。
かくいう私も幼稚園はミッション系。
お祈りには馴染みがあるはずなのですが、
残念ながら幼稚園のときはいじめられっ子だったから、良い印象がないのです。
それも影響しているのかもしれませんけど。すみません。

—–

『ドッグマン』

『ドッグマン』(原題:Dogman)
監督:マッテオ・ガローネ
出演:マルチェロ・フォンテ,エドアルド・ペッシェ,アダモ・ディオニージ,
   フランチェスコ・アクアローリ,アリダ・カラブリア他
 
テアトル梅田にて、『あなたの名前を呼べたなら』とハシゴ。
イタリア/フランス作品です。
 
マッテオ・ガローネ監督の作品を初めて観たのは『リアリティー』(2012)。
その後『五日物語 3つの王国と3人の女』(2015)を観ました。
どちらも好きだったわけではないのに、かなり記憶に残っています。
本作も衝撃的で、好きじゃないけどたぶん一生忘れない。
 
イタリアの寂れた海辺の町。
犬のトリミングサロンを営むマルチェロは、犬をこよなく愛する男。
妻とは離婚したものの関係は良好。
パパ大好きな愛娘と定期的に会って楽しい時間を過ごしている。
 
近隣の住民とは一緒に食事をしたりサッカーをしたり、
皆とほどよい距離でつきあっているマルチェロだが、
町の厄介者シモーネとの腐れ縁も断つことができない。
 
ガタイがよくてヤク中で乱暴者のシモーネはしょっちゅうトラブルを起こし、
住民の誰もが彼を殺したいと思っているほど。
なのにお人好しのマルチェロはシモーネの誘いを断れず、悪事にも手を貸してしまう。
 
それでもなんとか上手くやりすごしていたはずが、
あるとき取り返しのつかない事態に巻き込まれてしまい……。

イライラします(笑)。
 
お人好しの男が犬を傷つけられてキレる、そんな作品なのかなと思っていました。
伝説の殺し屋が愛犬を殺されてキレる、『ジョン・ウィック』(2014)を想像しながら。
 
でもそうじゃなかった。
 
マルチェロはシモーネに犬を傷つけられても怒れない。
シモーネたち悪党が豪邸に盗みに入ったとき、
邸の外に停めた車の中で待機させられていたマルチェロは、
うるさく吠える室内犬を冷凍庫に入れてきたとシモーネらが笑うのを聞き、
ひとりでのこのこ現場に戻ると、荒らされた邸の中を歩き回って犬を探す。
やっと冷凍庫の在り処を見つけて凍った犬を取り出し、
静かに水をかけながら「がんばれ、がんばれ」と声をかけ、
息を吹き返した犬がスタスタと歩くのを確認すると安心して邸を立ち去る。
 
日常生活には問題がないし、トリミングサロンの仕事も完璧だけど、
知能的にはおそらく問題があるだろうと思われる。
そんなやりとりだらけです。
 
マルチェロはものすごいお人好しなのですが、究極の善人でもない。
ドラッグの売人を副業にしているのですから。
それも断れずに続けている部分が大きいけれど、それゆえシモーネにつきまとわれる。
とっとと関係を断っておけばよかったのに、共依存的なところもあるのか、
どうしてもシモーネのことを切れない。
頭もあまりよくないから、ずるいことなんて考えられないんですねぇ。
 
悲惨です。
どうにかマルチェロに幸せになってほしいと思いましたが、駄目。
つきあう相手は選ばないと、こんな結末が待っている。
犬だけは彼の味方でいてほしい。

—–

『あなたの名前を呼べたなら』

『あなたの名前を呼べたなら』(原題:Sir)
監督:ロヘナ・ゲラ
出演:ティロタマ・ショーム,ヴィヴェーク・ゴーンバル,
   ギータンジャリ・クルカルニー,ラウル・ヴォラ他
 
平日に休みを取って、北浜で今年89歳になる母とランチ。
が数独と将棋と読書にしか興味がないようで、
「しゃべりかた忘れそうやわ」と母が言うものですから。
学生の頃に私がバイトしていた単車屋の店長のお母様もお誘いすることに。
なんでそんな人もお誘いしたのか説明すると長くなるから割愛(笑)。
とにかく凄く楽しくて、ランチタイムの初めから終わりまで居りました。
 
食べて飲んで(飲んだのは私だけやけど)しゃべり倒し、3時間半。
それぞれ相方の晩ごはんの仕度をせなということで解散。
ダンナ出張中の私はそんな仕度もないから、
テアトル梅田で観たかった映画2本を鑑賞。
 
ハシゴの1本目はインド/フランス作品。
インド映画ってこんなのもあるんだとまた印象が変わる。
これも良かったです。
 
インドの田舎で生まれ育った女性ラトナは、
19歳で両親が決めた相手と結婚するが、結婚生活わずか4カ月で夫が病死。
未亡人となり、口減らしのために夫実家からムンバイへと追い出される。
 
故郷とは何もかもが異なる大都会。
建設会社御曹司が暮らす高級マンションにメイドとして住み込むラトナ。
その御曹司=「旦那様」は結婚するはずだったのに、
挙式当日に婚約者の浮気が発覚してキャンセル、傷心の日々を送っている。
ラトナは旦那様を気遣いながら家事をこなすのだが……
 
インド映画を観ると、いったいいつの時代のことかと毎度驚きます。
本作も、これだけ経済が発展しているインドなのに、
いまだにこんなに階級格差があるのかと目が点に。
ムンバイが大都会であることも改めて知りましたし、
金持ちたちは家族同士でも英語で会話することを初めて知りました。
これって常識なんですか。すみません。
 
メイドを見下した態度を取る金持ちが多いなか、この旦那様はえらくいい奴なんです。
ラトナは自分の立場をわきまえてほとんどしゃべらないし、別段愛想がいいわけでもない。
でも正直で優しい女性であることがよくわかる。
ひそかにファッションデザイナーになることを夢見るラトナを心から応援する旦那様。
やがて旦那様はラトナを愛している自分に気づきますが、
ラトナは階級を飛び越えた恋など決して叶わないと拒絶します。
 
この恋、どうなるんだと見守らずにはいられません。
って書くと、叶わぬ恋のベタベタな恋愛ものっぽい。
でも全然そうではありません。
 
叶わないよね、叶わないだろうけれど。
叶うかもしれないと思えるラストシーン。嬉しくなりながら席を立ちました。

—–

『ロケットマン』

『ロケットマン』(原題:Rocketman)
監督:デクスター・フレッチャー
出演:タロン・エガートン,ジェイミー・ベル,ブライス・ダラス・ハワード,
   リチャード・マッデン,チャーリー・ロウ,ジェマ・ジョーンズ他
 
ダンナ出張中でもダンナ実家へは寄らねばならぬ。
いつも通り食パンを届け、30分ほどおしゃべりした後、
109シネマズ箕面にて本作を鑑賞。
 
『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)の実質の監督と言ってもいい、デクスター・フレッチャー
皆さんご存じのことでしょうが、
『ボ・ラプ』は監督としてクレジットされているブライアン・シンガー
撮影中にいろいろとトラブルを起こし、途中で解雇されました。
その後を引き継いで作品を完成させたのがフレッチャー。
フレディ・マーキュリー役のラミ・マレックへのインタビュー記事などにも
シンガーへの不満たらたらだったのが見て取れて、
フレッチャーがいなければいったいどうなっていたんだろうと思います。
 
そんなフレッチャーが今度はしっかり自分の監督作品として。
『ボ・ラプ』を観た人なら、知った名前が出てくるのがより楽しいかも。
 
エルトン・ジョン、本名レジー・ドワイト。
彼がアルコール依存症患者の会に突然姿を現し、過去を回想する形で進みます。
 
レジーは1947年にロンドンで生まれ、音楽に特異な才能を見せる。
王立音楽院に奨学金を得て進学。
しかし両親は不仲で、特に父親の心ない態度にレジーは傷つく。
レジーの才能を信じ、協力を惜しまない祖母だけが救い。
 
レジーはロックに傾倒し、バンドを組んで演奏。
ある日、レコード会社の公募を見つけて応募したところ、
レジーに見込みありと踏んだレイ・ウィリアムズの計らいで
のちに親友となる作詞家バーニー・トーピンと出会う。
 
エルトン・ジョンと名乗るようになったレジーは、
バーニーの詞に曲をつけ、幾多の名曲を生み出すのだが……
 
エルトンを演じるのはタロン・エガートン。
私が彼を最初に認識したのは『イーグル・ジャンプ』(2016)でした。
その前にすでに『キングスマン』(2014)に出ていたのに、印象薄すぎて。
『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)ではほぼ主役級だったものの、
なんか華のない子だなぁ(子ども扱い(笑))と思っていました。
今回は見直しましたね。いわゆるブレイクスルーでしょうか。
 
『ボ・ラプ』でフレディに車中で解雇されて追い出されていたジョン・リード。
本作では同じ役柄とは思えないほどワイルドでセクシーなイケメンですが(タイプじゃないけど)、
善人感まるでなし、儲けることしか頭にない嫌な奴。
同じ人物を描いても、作品がちがえば印象が変わりますねぇ。
 
『アポロ13』(1995)の監督の七光りだと思っていた彼女が、
二の腕太くなって(笑)こんなお母さん役に。凄いです。
 
なんといっても嬉しいのは、バーニー役のジェイミー・ベルのこと。
『リトル・ダンサー』(2000)のあの主役の少年が、
まったく堕落せずにこうして俳優人生を送っているなんて、嬉しくないですか。
 
ところで本作がミュージカルだなんて、
本編が始まるまで私はまったく知りませんでした。
タロン・エガートンがライブシーンで歌うだけかと思っていたら、
めちゃめちゃミュージカルやん。
みんな歌が上手くてビックリしました。
 
なんかね、よかったです。複数シーンで涙がにじむ。
エルトン・ジョンが皆に愛されている理由、彼の曲の良さがわかった気がします。

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『二ノ国』

『二ノ国』
監督:百瀬義行
声の出演:山﨑賢人,新田真剣佑,永野芽郁,宮野真守,坂本真綾,
     梶裕貴,津田健次郎,山寺宏一,伊武雅刀,ムロツヨシ他
 
基本的には観た順番にUPするところ、
『引っ越し大名!』を先にUPしました。
それよりも前に観た作品に戻ります。
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
レベルファイブの人気RPG“二ノ国”シリーズが原作のアニメーションだと言われても、
レベルファイブもそのゲームも知りません。
予告編を観るかぎりではついて行けそうな雰囲気だったので鑑賞。
監督はスタジオジブリ出身の百瀬義行、音楽は久石譲が担当しています。
 
ユウ(♂)と親友のハル(♂)とコトナ(♀)は同じ高校に通う幼なじみ。
ハルとコトナは恋人同士でもある。
ユウは生まれてすぐに遭った事故が原因で車椅子に乗る身。
 
ある日、ひとりで帰途に就いたコトナからユウのもとへ電話が入る。
何者かにつけられているのだが、ハルには連絡が取れないという。
慌てて家を飛び出したユウの目の前でコトナは刺されてしまう。
やっと駆けつけたハルは、虫の息のコトナを見てユウを罵る。
言い争うふたりが車に轢かれかけた瞬間、ふたりは異世界へ。
 
そこは現実世界と隣り合わせの魔法の世界“二ノ国”。
町の様子も自分たちを含めた人々が着ている服もまるでちがう。
しかも二ノ国には王様とお姫様までいるらしい。
そして、ユウの車椅子は消えて、すたすたと歩けるではないか。
 
宮殿に潜り込んだユウとハルは、アーシャ姫の姿を見て驚く。
アーシャ姫はコトナと瓜二つで、死の呪いをかけられているという。
咄嗟にアーシャ姫に近寄ったユウは、みごと呪いを解いて英雄に。
現実世界に戻ってみると、コトナもピンピンしていた。
 
アーシャ姫とコトナの命が繋がっているのではとふたりは考えるが、
コトナが悪性の腫瘍に冒されて余命わずかと聞かされ、
死ぬはずだったアーシャ姫を救ったせいでコトナの命が危うくなったとハルは思い込み……。
 
エンディング間際までハルが好きになれずにいました。
自分がスマホを鞄に入れっぱなしでコトナからの連絡に気づかなかったくせに、
車椅子のユウに「おまえ、何してたんだ」はないでしょ。
おまえこそ何してたんだよっ。
とにかくコトナを救うことで頭がいっぱいで、ユウのような賢さがない。
イライラしました(笑)。
 
イライラさせられるのも物語にのめり込んでいる証拠。
とてもわかりやすい物語で、最後に真実が明かされる場面では、へ~っ、なるほど。
ちょっとしたどんでん返しですね。こりゃ幸せ。
 
前日に『ディリリとパリの時間旅行』を観たところで、
どちらをもう一度観たいかと聞かれたら圧倒的に『ディリリ』ですが、
これも楽しめるアニメでした。
ただし、巷の評価はものすごく低いようです。
普通に楽しめた私はなんだかお得な気がしてきました。(^^;

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