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『最高の人生の見つけ方』

『最高の人生の見つけ方』
監督:犬童一心
出演:吉永小百合,天海祐希,ムロツヨシ,満島ひかり,鈴木梨央,
   駒木根隆介,ももいろクローバーZ,賀来賢人,前川清他
 
サユリストの皆様には申し訳ないですが、
吉永小百合主演作品をもはや定価で観る気はしません。
シネマポイントカードデーに109シネマズ箕面にて。
 
ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマンの共演で感動作にならないわけもなく、
でも私はもしもこの映画の主演がこのふたりでなかったら、
駄作だと思ったかもしれないと当時書きました。
そのときハシゴした『ミスト』(2007)が強烈すぎたせいもあります。
オリジナルすらイマイチだと思った本作を、犬童一心監督はどう料理するのか。
 
北原幸枝(吉永小百合)は大学卒業後すぐに結婚して以来、ずっと専業主婦。
夫・孝道(前川清)は家事のいっさいを手伝わず、ひたすらダラダラ。
息子・一慶(駒木根隆介)は長らくひきこもり。
頼りになるのは娘・美春(満島ひかり)だが、バリバリのキャリアウーマンで忙しい。
 
末期癌を宣告されたものの、家族にそれを打ち明けられない幸枝は、
病院で同じ病状の剛田マ子(天海祐希)と知り合う。
マ子は巨大ホテルチェーンを一代で築き上げた剛腕女社長。
はるか年下の夫・三木輝男(賀来賢人)は優しいふりして
チャラい女連れで見舞いにくるような阿呆。
 
ある日、闘病中の12歳の少女・神崎真梨恵(鈴木梨央)がふたりの目の前で倒れ、
彼女の落とし物をその弟に渡そうとしたところ、
「お姉ちゃんは死んだから、それはもう要らない」と言われる。
 
真梨恵の荷物の中に見つけた「死ぬまでにやりたいことリスト」
マ子が棺桶リストと呼ぶそのリストに倣って、
幸枝も自分がやりたいことを挙げてみようとしたが、ちっとも思い浮かばない。
そこで幸枝は思いを遂げずに亡くなってしまった真梨恵に代わり、
彼女のやりたかったこと10個に挑戦すると決める。
バカじゃないかと呆れるマ子も話に乗ることにして……。
 
最近の吉永小百合の夫役といえば、『北の桜守』(2017)の阿部寛とか、
なんぼ彼女が若く見えると言っても、ええ加減にせぇよと言いたくなる。
特に開いた口がふさがらなかったのが、『北の桜守』の佐藤浩市の台詞。
すでに何度となく書いた気がするのでここには書かずにおきます。
それらと比べると、今回の夫は前川清。それなりの歳でいいねぇ(笑)。
そして、わりと最近まで鬱陶しいと思っていたムロツヨシ。今は好きです。
マ子の側近役を演じるムロさんがとてもよかった。
 
普通にいい話です。
吉永小百合さすがと思った点があります。笑うのが上手い。
役者って皆、泣くのはとても上手だけど、
序盤に幸枝とマ子が大笑いするシーン、ここはふたりとも上手いと思いましたが、
ほかは吉永小百合が圧倒的な上手さ。
 
一緒に泣くのはわりと簡単。
でも一緒に心から笑うのって難しいんですよね。
 
しかしお金があったらこんなこともあんなこともできるねんなぁと、
本作で言いたいことの真逆のことを思ってしまう。(^^;

—–

『閉鎖病棟 それぞれの朝』

『閉鎖病棟 それぞれの朝』
監督:平山秀幸
出演:笑福亭鶴瓶,綾野剛,小松菜奈,高橋和也,木野花,渋川清彦,
   小林聡美,片岡礼子,山中崇,根岸季衣,ベンガル他
 
TOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴの3本目。
 
1950(昭和20)年生まれの平山秀幸監督。
基本的に安心できる作品を撮っていらっしゃるイメージがありますが、
ときには『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016)みたいなカックン作品がある。
どうか本作はそんなことありませんようにと祈りながら鑑賞。
ある程度以上の年齢の人なら皆「よかった」と言えそうな作品でした。ホッ。
 
殺人を犯し、死刑囚の身だった梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)。
死刑の執行を受けたのに、死亡が確認されてから息を吹き返す。
二度に渡って死刑を執行することはできず、
扱いに困った法務省は秀丸を精神病院「六王寺病院」へ送り込む。

執行に失敗したさいに脊髄を負傷した秀丸は、車椅子生活
しかし、誰に対しても分け隔てなく優しく接する彼は、
六王寺病院の患者のみならず、スタッフたちからも慕われる存在。
幻聴に苦しむ患者の塚本中弥(綾野剛)も秀丸を慕うひとり。
 
ある日、六王寺病院に女子高生の島崎由紀(小松菜奈)がやってくる。
母親(片岡礼子)によれば、ひと月ほど前から口をきかず、不登校だという。
スタッフの隙をついて病院の屋上から飛び降り、
自殺を図った由紀は実は妊娠していたが、飛び降りた衝撃で流産。
彼女が継父から性的虐待を受けていたことを誰も知らない。
 
中弥が育てていた椿の上に落ちた由紀は軽傷で済み、
病院に身を置くうち、秀丸と中弥には心を開くようになるのだが……
 
若手女優の中では小松菜奈がダントツで好きです。
恋に悩む可愛い女子高生の役もできれば、奇天烈な霊媒師の役もできるし、
こんな影のある女性役もできる。今回も非常にイイ。
頑なだった心が少しほどけそうなときに心にも体にも暴力を負わせる人が憎いです。
 
秀丸が車椅子生活を余儀なくされた理由も違うし、
映画版では死刑執行に失敗して精神病院に入れられるけれど、
原作ではもっと無責任に放り出されている。
死刑執行に失敗するなんて、そうあることではないでしょうが、
実際にこういうことが起きた場合はいったいどうなるの?
 
原作では最低最悪な奴の胸だか腹だかを突き刺していましたが、
映画版では股間を刺していてスッキリ。(^^;
 
事情がない人なんていない。でも、生きていればこそ。

—–

『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』

『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(原題:It: Chapter Two)
監督:アンディ・ムスキエティ
出演:ジェームズ・マカヴォイ,ジェシカ・チャステイン,ビル・ヘイダー,イザイア・ムスタファ,
   ジェイ・ライアン,ジェームズ・ランソン,アンディ・ビーン,ビル・スカルスガルド他
 
TOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴの2本目。
 
鑑賞時にマジに停電が起こるという惨劇に遭いました(笑)。
予告編を観ると、怖さは前作を凌ぐような気がして、観に行くべきかどうか迷いましたが、
この頃はもうホラー苦手ですと言えないぐらい観ているし、好奇心には勝てない。
酔っぱらいって無敵。おかげで序盤だいぶ寝た。(^O^;
 
メイン州の田舎町デリーで連続児童失踪事件が起きてから27年が経過。
おぞましきピエロ“ペニーワイズ”と対決した“ルーザーズ・クラブ”のメンバーは、
町に残って事件の調査を続けるマイクを除き、みんな町から出ていた。
しかし、マイクからペニーワイズが戻ってきたことを知らされ、
かつて何か起きればこの町に戻ると約束したメンバーたちが集結する。
 
脚本家として活躍するビル、ファッション業界で成功を収めたベバリーなど、
再会を喜んだのも束の間、それぞれが懐かしい場所を訪れると、あの悪夢が襲ってきて……。
 
酔っぱらってホラー映画を観るのって、ものすごく楽しいんです。
怖すぎていっぱい笑いました。もうやめんかいとつぶやきながら(笑)。
 
上映時間169分って、なんでこんなに長いねん、怖いやろと思ったけれど、
回想シーンがやたら多い。
ほぼ忘れているとはいえ、一度観たシーンではそないに驚かんぜよ。
前作で怖かったシーンも本作では笑えるシーンに。
特にドア3つあって、「超怖い」「怖い」「怖くない」は笑った。
 
怖いのは怖いんですけど、途中からペニーワイズが巨大な蜘蛛になったりして、
ここまで行くとやりすぎでしょ。
スティーヴン・キングというよりは巨大なんたらパニック映画。
前作より直視できないグロいシーンも多くなり、
優れたホラー映画ではなくて、単なる怖がらせ作品みたい。
その分、あまり楽しめませんでした。
 
まぁ、酔っぱらっていましたので、この感想はちぃともあてになりません。
あしからず。(^^;

—–

『ブラック校則』

『ブラック校則』
監督:菅原伸太郎
出演:佐藤勝利,高橋海人,モトーラ世理奈,田中樹,箭内夢菜,堀田真由,
   成海璃子,星田英利,坂井真紀,光石研,でんでん,薬師丸ひろ子他
 
TOHOシネマズ西宮で3本ハシゴの1本目。
2本目と3本目は前日以前に観ることを決めていて、
これを観るつもりはなかったのに、時間が合うのがこれだけ。
大丈夫なのだろうか私と懸念しながら。
 
まぁマシでした。
主演の佐藤勝利が“Sexy Zone”のメンバーだということも、
彼の親友役の高橋海人が“King&Prince”のメンバーだということも、
まったく知らんと観ましたが。(^^;
 
整った顔立ちながら性格が地味すぎて存在感のない小野田創楽(そら)(佐藤勝利)。
彼が通う高校では厳しい校則に生徒が締め付けられており、
創楽も理不尽だとは思っているが、刃向かう勇気などもちろんない。ただ従うだけ。
 
ところがある日の通学時、同級生の町田希央(まお)(モトーラ世理奈)が
校門の前で検閲中の教師から髪色を注意されて帰る姿を見かける。
希央は地毛が茶色なのに、地毛証明書を提出しようとしない。
そのせいで、髪色に黒しか認めない教師から追い返されたのだ。
希央にはこのようなことが続いているため、出席日数が足りなくてこのままでは退学になる。
彼女に想いを寄せる創楽はなんとか校則を変えられないかと考えはじめる。
 
創楽の親友・月岡中弥(高橋海人)は、創楽と違って軽く明るく超ポジティブ。
中弥にさっそく相談、ふたりは希央に会いに行くと、
校則を変えてみせるから、今だけ我慢して髪を染めて登校してほしいと頼むのだが……。

みんな上手いやん。
創楽のあまりにダメダメな性格にイライラしますが、中弥のキャラが結構好き。
モトーラ世理奈ちゃんは不思議な子ですね。
すっごいそばかすに本人もかつては劣等感を抱いていたとのことだけど、こうなりゃ個性。
こんな子はちょっといないから、今後も需要があると思います。
モデルだけあってスタイル抜群だし。
 
刺したくなるぐらいえげつない教師役にほっしゃん
唯一生徒の味方の教師役にロックバンド“トリプルファイヤー”のボーカル、吉田靖直。
この人は正直言って下手(笑)。でも本業が役者でない感ありありで許せてしまいます。
嫌な教師ではないけれど特に生徒に肩入れもしていないふうの教師に成海璃子
最後まで観れば一応いなくてはいけない役でしたが、ちょっと中途半端かな。
希央の母親役の坂井真紀と掃除のおばさん役の薬師丸ひろ子が異彩を放っています。
この辺りはなんかもう酸いも甘いも噛み分けた女優陣という感じ。
 
幾分イライラはさせられつつも、まぁまぁ楽しかったので良しとする。

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『解放区』

『解放区』
監督:太田信吾
出演:太田信吾,本山大,山口遥,琥珀うた,佐藤秋,岸建太朗,SHINGO★西成他
 
先々週の土曜日に出かけた帰り、テアトル梅田にて20:40の回を鑑賞。
てか、本作はその1回しか上映していなかったんですけど。
今はほかの劇場でも徐々に拡大公開されつつある静かな話題作。
 
大阪市の助成金を得て2014年に制作され、
同年の大阪アジアン映画祭で上映されるはずが、大阪市から内容の修正を求められて拒否。
太田信吾監督は大阪市に助成金を返還し、自主上映を実施するとともに、映画祭に出品。
5年の歳月を経てやっと一般公開に至りました。
 
阪本順治監督が公開に際して寄せたコメントの中に、
「先達が、フィクションはノンフィクションのように、
ノンフィクションはフィクションのように作るべしと言っていたが、
そのどちらでもありどちらでもないありかたに驚いた」とあります。
ほんとにそのとおりで、まるでノンフィクション、でもフィクション。
また、阪本監督は「まずは映画人が観るべき映画」とも書いていて、これもまたその通り。
一般人が観て面白いかと聞かれると困る。
少なくとも周囲の人には薦めない。何これって言われそう。
 
ドキュメンタリー作家を目指すスヤマは、番組制作会社に所属。
アシスタントディレクターとしてひきこもりの青年とその家族に取材するが、
撮影の進め方をめぐって先輩ディレクターと衝突。
怒りのおさまらないディレクターから暴行を受け、スヤマはその場を走り去る。
 
別の企画を進めて自分で好きなように撮るべく、
先輩ディレクターとは連絡を絶って、大阪・西成に単身乗り込むスヤマ。
しかしひとりではどうにもならないこともありそうで、
誰か協力者がほしいと思い浮かんだのはあのひきこもり青年。
必要とされた青年はこっそりと実家を出て大阪へやってくるのだが……。

監督自身が演じるスヤマは身勝手を絵に描いたような人。
冒頭こそ、あまりに偉そうな先輩ディレクターに虐げられる彼に同情するし、
警戒感あらわなひきこもり青年との距離を縮めるには
スヤマのやり方でなければ無理でしょうと思いもしますが、
西成へ青年を呼びつけてからの彼と言ったら、酷い。
 
ギャラを出すと言っておきながら、すべてひきこもり青年に立て替えさせる。
高速バスの代金ももちろん払わず、ふたりで数百円の食事代すら「すぐ返すから」と言って出さない。
宿とは言い難いドヤ街に寝泊まりさせてその代金も払わず、
青年が領収書を取って支払いを請求すると、
「ろくに仕事もしていないくせに、どうしてそんなにかかるのか」と怒る。
青年がスヤマに負けずに言い返していたのがせめてもの救い。
 
人には言いがかりをつけておいて、自分は飲みに行った先で拾った女と寝る。
起きたらその女に一切合切盗まれていて呆然。
こんなときになって青年を頼ったら、バッサリと切られていい気味です。
同棲中の彼女に電話して大阪まで金を持ってきてほしいと言えば、
これもあっさり「勝手だね。自分のことしか考えてない」と断られ。
 
ここからがまた凄い。
誰にも相手にされなくなったスヤマは、日銭を稼ぐしかありません。
そこで一緒になったおっさんやニイちゃんから、
ちょっと来てちょっと取材したぐらいで何がわかるっちゅうんや、
シャブの1本ぐらい試してみぃというようなことを言われます。
 
ドキュメンタリーを観ているかのようでした。
大阪人でさえ足を踏み入れたことのない人も多い釜ヶ崎=あいりん地区。
私も行ったことがありません。いたずらに行くことはたぶん許されない。
でも人情のある街だろうと思うのは甘いですか。
 
宿代が安いために今はバックパッカーなども増えているとのこと。
制作されてから公開までの5年の間に釜ヶ崎の印象は変わったでしょうか。

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