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『エンド・オブ・ステイツ』

『エンド・オブ・ステイツ』(原題:Angel Has Fallen)
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー,モーガン・フリーマン,ジェイダ・ピンケット・スミス,
   パイパー・ペラーボ,ニック・ノルティ,ダニー・ヒューストン他
 
『アナと雪の女王2』も一応観なあかんと思いつつ、
そろそろ上映終了してしまうかもしれない本作が気になって、
日曜日に16時の晩ごはんを終えてから109シネマズ箕面へ。
 
ジェラルド・バトラー主演のアクション・シリーズ第3弾、とかいう触れ込みですけれど、
前作のことはほとんど忘れているし、
“エンド・オブ・なんたら”っちゅうタイトルだけのシリーズだと思っていました。
前々作と前作のあらすじをおさらいしてみたら、確かにちゃんとシリーズだった。(^^;
 
最強のシークレットサービスとして米国大統領を守ってきたマイク。
下院議長から副大統領へ、そしてついに大統領となったトランブルの信頼も厚く、
まもなく退任するシークレットサービス長官から後任はマイクにと言われている。
しかし、長年酷使してきたせいで体はぼろぼろ。
妻と生まれたばかりの娘との時間を持ちたいこともあって引退を考えるが、
現場にできるだけ留まっていたい気持ちもある。
 
ある日、休暇中のトランブルが湖で釣りを楽しんでいたところ、
突然大量のドローンが飛来し、爆撃を開始する。
湖岸に多数配置されていた護衛は皆、攻撃を受けて即死。
トランブルの船に同乗していた護衛も即死。
なんとかその船に追いついたマイクはトランブルと共に湖へ飛び込む。
救出されて病院へ運ばれるが、トランブルは意識不明のまま。
目を覚ましたマイクには手錠が掛けられていた。
 
マイク以外の護衛がすべて死亡したこと、
マイクには隠し口座があり、そこに多額の金が振り込まれていたことなどから、
彼は大統領暗殺未遂容疑でFBIに拘束されてしまい……。
 
「んなもんあるわけないやん」な展開。
マイクの元同僚ウェイドはきっと観る人誰もが疑う怪しさ(笑)。
ウェイド役のダニー・ヒューストンって、悪役が多いんですよねぇ。
一見善人、でも裏切り者のイメージが付いています。
善人役を演じたらいい人に見えるのかしらん。
 
トランブル役のモーガン・フリーマン
シークレットサービス長官役のランス・レディック、格好いい。
マイクの妻役、見たことあるけど誰だっけと思ったらパイパー・ペラーボ
彼女には『コヨーテ・アグリー』(2000)のイメージしかないんですが。
 
誰がいちばん良いって、マイクの父親役のニック・ノルティ
シワシワの爺さんが息子の家族のために奮闘する姿には胸が熱くなります。
まさかこんなシワシワの裸体を披露するはめになるとは思わなかったでしょう(笑)。
 
どんなにヨレヨレでも最後は必ず勝つという安心感。
ジェラルド・バトラー出演のアクション作品の良いところ。

—–

『ゾンビランド:ダブルタップ』

『ゾンビランド:ダブルタップ』(原題:Zombieland: Double Tap)
監督:ルーベン・フライシャー
出演:ウディ・ハレルソン,ジェシー・アイゼンバーグ,アビゲイル・ブレスリン,
   エマ・ストーン,ロザリオ・ドーソン,ゾーイ・ドゥイッチ,ルーク・ウィルソン他
 
TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの2本目。
『アナと雪の女王2』とどちらを観るか迷いましたが、
『アナ雪』はたぶんロングランになるでしょうし、
速攻で上映終了しそうなこちらを観ておかねばきっと後悔する。
 
楽しかったんです、前作の『ゾンビランド』(2009)。
おバカ極まりない作品だったのに、玄人の評価も高かった。
なにしろクエンティン・タランティーノが同年のベスト5にまで選んでいます。
そんな作品だったから、10年ぶりの続編製作と聞いて嬉しかった。
結果、まぁまぁ。もう続編は要らんかな(笑)。
 
突然増殖したゾンビを独自のルールを貫いてなぎ倒し、生き延びてきた4人。
体力と射撃力に自信を持つオッサン、タラハシー。
元はゲームオタクでひきこもりの大学生、コロンバス。
詐欺師だった姉妹、ウィチタとリトルロック。
今はコロンバスとウィチタは仲睦まじいカップル。
出会いも何もなくてつまらないリトルロックは、父親面するタラハシーのことがうざい。
 
安全なホワイトハウスに住み続ける彼らだったが、
コロンバスがウィチタにプロポーズして怒らせた翌朝、
姉妹は乱暴な手紙を残したうえにタラハシーの愛車を盗んで出て行ってしまう。
 
ウィチタに未練たらたらのコロンバスは、
ひまつぶしに出かけたモールで、頭も尻も軽いマディソンという女性と出会う。
タラハシーの反対を押し切ってマディソンをホワイトハウスに連れ帰り、
彼女から言い寄られて一夜を共に。折悪くそこへウィチタが戻ってくる。
 
ウィチタによれば、姉妹がタラハシーの車を走らせているときに、
バークレーという男性と出会い、リトルロックが一目惚れ。
ウィチタを残してリトルロックとバークレーは逃げてしまったらしい。
タラハシーとコロンバスは一緒にリトルロックを探すことにするが、
マディソンだけ置いて行くこともできず、
呆れるウィチタの冷たい視線を浴びながら、マディソンを同乗させるのだが……。
 
悪くはないけれど、決して一般受けはしません。
そもそもオタクネタが多く、ビル・マーレイを知らなきゃまず笑えない。
“ターミネーター”の話にはついていける人も多いかと思いますが、
それも知らないようだと面白さ半減どころか9割減かも。(^^;
 
しかし疾走するゾンビはやっぱり怖いでんな。殺しても殺しても死なんし。
殺し方にそれほど工夫がないのはイマイチ。
ほほ〜っとうならせるような大技、出ないもんですかね。
 
ゾンビも変異してどんどん強くなる。今後のゾンビ映画はさらに怖くなる!?

—–

『決算!忠臣蔵』

『決算!忠臣蔵』
監督:中村義洋
出演:堤真一,岡村隆史,濱田岳,横山裕,荒川良々,妻夫木聡,大地康雄,西村まさ彦,木村祐一,
   寺脇康文,鈴木福,滝藤賢一,笹野高史,竹内結子,西川きよし,石原さとみ,阿部サダヲ他
 
〈おことわりとおわび〉
UP後に友人から「堤さんは尼崎出身じゃなくて西宮出身やで」とメールをもらいました。
なぜか私の頭の中に堤さんはアマ出身と刷り込まれていました。ご指摘に感謝。
おわびして訂正いたします。すみません。
 
TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。
 
非常に商業的だとは思いますが、楽しく安心な作品を撮ることは間違いない中村義洋監督。
私は彼の伊坂幸太郎原作の映画化作品が特に好きなのですが、
こうした時代小説ホラー小説にもちゃっかり手を出して(笑)、いつもそれなり以上に面白い。
これも楽しかったです。原作は歴史学者・山本博文の『「忠臣蔵」の決算書』。
 
18世紀初め、江戸時代、元禄年間。
賄賂などの不正を嫌う赤穂藩藩主・浅野内匠頭(阿部サダヲ)は、
江戸城内で幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかるという刃傷沙汰を起こす。
喧嘩両成敗のはずが、咎められたのは内匠頭のみで、
即日切腹と藩のお取り潰しという厳しい裁定が下される。
 
納得の行かない藩士たちは、仇討ちすべきだと息巻き、
筆頭家老・大石内蔵助(堤真一)はこれからどうしたものかと大弱り。
幼なじみの勘定方・矢頭長助(岡村隆史)に相談すると、
もしも城の引き渡しを拒んで籠城すれば、割賦金(=退職金)はもらえないと言う。
おとなしく開城してお家再興の道を選べば割賦金が手に入る。
現実的に考えて、割賦金をもらえなければ皆困る。
お家再興だって立派な「戦い」であると藩士たちを説き伏せて開城。
 
割賦金のおかげで各々はしばらく路頭に迷うこともないが、
藩としてはまったくお金がない。
しかし、長助らが万が一のときのためにとコツコツ貯めていた金が
いくらかあることを内蔵助は知り、それを有効活用しようと考えるのだが……。
 
時代ものに疎いうえに、お侍さんのことは全然わからない。
だから、番方、役方という名前も初めて聞きました。
長助たちのような文官系統の武士を役方、
内蔵助たちのような武官の系統の武士を番方というのですね。
 
番方は戦は刀を振り回してなんぼと思っているから(言い方悪くてすみません(^^;)、
お金の計算がちっともできない。
与えられれば与えられただけ使って、貯めることなど考えない。
役方は番方はお金の使い方を知らんと嘆くわけです。
 
この役方役のナイナイ岡村がええ味を出していて笑った。
堤真一も尼崎出身だから、このふたりの関西弁が完璧で。
ほかには中村監督作品の常連組、濱田岳が可笑しい。
この中にあってはやや異質な感じの石原さとみが美しい。
 
昔の金の単位で言われてもなかなかピンと来ないものですが、
蕎麦1杯が16文、今でいうところの480円だったという話から始まり、
いちいち今の何円に値するかを言ってくれるのがありがたい。
おかげで話がとてもわかりやすく、良いお勉強になりました。
 
ひとつ気になったのが終盤、堤真一の顔がアップになったときに、
鼻の頭付近に付いていた毛。
太さから言って鼻毛ではなくて睫毛だと思われます(笑)。
うわっ、誰か取れよと思っていたら、次のアップ時にはなかった。
撮り直しできなかったのでしょうか。(^^;
 
お金のやりくりは今も昔も大変。

—–

11月に読んだ本まとめ

2019年11月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3621ページ
ナイス数:1091ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
 
■5分後に意外な結末 ベスト・セレクション (講談社文庫)
1話ほぼ5分、22話。酒飲んだ帰りの酔っぱらい状態で電車の中で開いても、読んでいてわからなくなることはありません。ものすごくとっつきやすい話ばかりです。ただ、わかりやすすぎて、最初の数ページでオチばればれやろとツッコミ入れたくなる話も。特に5話目の『あの日を思い出して』、どないよ。と、ダメ出しをしてみたところで、どれも私には絶対思いつかない話ですし、太宰治の小説をモチーフにしたものなどもあり、いろんなパターンを楽しめます。長編を読む馬力はないけど活字は読みたいというときにいいのでは。
読了日:11月02日 著者:桃戸 ハル
https://bookmeter.com/books/14433498

■きみはぼくの宝物 史上最悪の夏休み (幻冬舎文庫)
夏休みの話をなぜ今ごろ読むかな私。今読まなければまた来年の夏まで寝かせてしまいそうで。高野秀行の児童文学を読んだとき、高野さんにはやはりノンフィクションを書いてほしいと思いました。木下半太まで児童文学に手ぇ出すんかいと思ったけれど、これは良かった。京都と大阪、特に北摂地域に土地勘のある人ならたぶん三割増以上で楽しい。いつもは「ら抜き」だらけの印象があったのに、「食べられる」「来られる」と正しい日本語。児童文学のほうが言葉に気を遣うのか。槇原敬之の歌と同じタイトルだから、思わず口ずさむ。だって君は僕の宝物。
読了日:11月03日 著者:木下 半太
https://bookmeter.com/books/12136875

■祝祭と予感
全編『蜜蜂と遠雷』の後日譚かと思っていたらそういうわけでもないのですね。本編では完全に脇役だった人たちのことだから、名前を見ても私は思い出せず、読み進めてようやくあの人のことかと思い当たる。師匠や友人、課題曲の作曲家など、さまざまな形で主役の4人に関わってきた人たちも善人ばかり。だから、どろどろしたシーンなんてなかったけれど、複雑な思いを抱えていたのは主役だけじゃない。私が特に好きだったのは奏の話。報われた、そんな気がします。欲をいえば、読者に大人気の明石にまつわる誰かの話も聞きたかったですよねぇ。
読了日:11月05日 著者:恩田 陸
https://bookmeter.com/books/14441026

■閉鎖病棟 (新潮文庫)
単行本の初版は25年も前なのですね。その5年後に一度映画化されていることも知らず、今回の映画化が発表されてから文庫本を購入、読むより先に映画を観ました。原作とは時代も人物像も異なっていて、映画化というよりはモチーフにした程度という印象を受けます。登場人物ひとりひとりが精神病棟に入るまでの過程も丁寧に綴られているけれど、映画版のイメージのまま読むといささか退屈に感じてしまう。冷たい家族を見れば酷いとは思うものの、実際にその立場になったとき、はたして私は優しくなれるだろうか。その人の幸せを考えられるだろうか。
読了日:11月09日 著者:帚木 蓬生
https://bookmeter.com/books/580036

■堕天使堂 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)
プロローグが終わったら第一章のタイトルが「長坂パグ男の新事務所」。げげっ、いきなりパグ男かよ。シリーズ初の洋モノ怪異にあさま山荘事件が絡められていて、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)を観て以来、「総括」という言葉が使えなくなった私としてはマジで怖い。幽霊は信じないタチですが、やはり禁忌に触れてはいけないと思う。やたら可愛げの出てきた春菜ちゃん、妄想シーンが恥ずかしい(笑)。「曳き屋に曳けないものはない」って、カッケー。映像化するとしたらいったい誰が仙龍か、そればかり考えてしまうのでした。
読了日:11月11日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/14496540

■夫の骨 (祥伝社文庫)
30頁ほどの短編9つ。タイトルと表紙からはどの手の話なのか想像つかず。基本的にはイヤミスに分類される話が多く、各話終盤の「傍点を振った一文」に「あらら、そうだったのね」と二度見ならぬ何度見かをしました。登場する女性の妊娠がそもそものきっかけとなっている話がいくつかあり、女性のしたたかさを感じて怖くなるけど、身勝手な男性やマウンティング女子にここぞというときにボソっと、でもきっぱり言ってやったときにはスッキリ(笑)。9編のうち少し異質で普通のミステリーっぽい『虚ろの檻』が好きでした。今後も読みたい作家です。
読了日:11月14日 著者:矢樹純
https://bookmeter.com/books/13708346

■残業禁止 (角川文庫)
ビルの建設現場のそばを通るとき、そこで働く職人さんを見るだけで胸がキュンとして泣きそうになるという友人が私のまわりに少なくとも3人はいます。なんでさと笑っていたのですが、この本を読むとなんとなくその気持ちがわかる気がしてきました。オリンピックの集客を見込んで建てられるホテルの建設現場を仕切る準大手ゼネコンの現場監督。サブロク協定違反があってはならない、だけど納期は延ばせない。三十路を超えるとなかなか考え方は変えられんと思っているので、五十路近くなってもこんなふうに柔軟に考えられる人は良いなぁ。目指したい。
読了日:11月15日 著者:荒木 源
https://bookmeter.com/books/14455664

■望み (角川文庫)
自分の息子が殺人の被害者として死んでいるのと、加害者として生きているのとどちらが良いか。父親と母親の視点から交互に。ふと思い出したのは、映画『ベン・イズ・バック』(2018)。それは殺人ではなかったけれど、麻薬中毒の息子が帰宅したときの両親と妹の反応がちょうど本書と似ていると感じました。『ある少年の告白』(2018)もそう。息子がゲイだとわかったときの両親の反応の違い。どうであれ息子には生きていてほしいと願う母親。愛していることは確か、でも父親はちょっと複雑だというニコール・キッドマンの台詞がよぎります。
読了日:11月19日 著者:雫井 脩介
https://bookmeter.com/books/13609877

■世界のシワに夢を見ろ!〔小学館文庫〕
高野さんを大人買いしたときに読まなかったはずはないのに、よほど気に入った本でないかぎり、読んだ端から誰ぞに進呈してしまうせいで、読んだかどうかわからなくなってまた買ってしまった。手元になかったということは、そこまで気に入った本ではなかったということです(笑)。『桜島に起立!』の内容だけは覚えていたけれど、なぜか私の記憶では山下公園に変わっていたため、鹿児島の話だったのかと驚く。いや、山下公園でこんなことになってたら通報されそうやし(笑)。どれもそれなりに面白いけれど、高野さんの面白さはこれにとどまらない。
読了日:11月22日 著者:高野 秀行
https://bookmeter.com/books/539849

■珈琲城のキネマと事件 (光文社文庫)
洋館の描写に『ベルサイユのばら』の外伝「黒衣の伯爵夫人」を思い出しました。ここで交わされる話は不出というところには、『ジョン・ウィック』の掟に守られるホテルを思い出したりなんかも。でもそんなにおどろおどろしくも暗くもなければ危険でもない、ミステリーマニアの集う喫茶店。トリックのヒントとして登場する映画はかなり古い名作。タイトルぐらいは知らないと退屈かも。マニアたちは個性豊かで会話も芝居がかっているから、舞台劇になったら面白そうな気がします。私の「文庫書き下ろしはイマイチ説」をぶち破るほどではないんだなぁ。
読了日:11月26日 著者:井上 雅彦
https://bookmeter.com/books/14792026

■恋のゴンドラ (実業之日本社文庫)
またスキー場でテロ騒ぎが起きるのかと思ったら、ミステリーでもサスペンスでもない。東野圭吾なのに。序盤の「心はぴょーんと空まで飛んだ」だなんて一文に苦笑い。スキー場シリーズのパトロール隊員がこそっと活躍。居合わせた男女の悩みを解決するのに一役買います。しかしそんなにいい話じゃない。浮気する男は何度でも浮気する。これがまたイケメンかしらんけどどこがええねんこんな奴という男で。本命に浮気がバレれば浮気相手のせいにして、もう最低。何の謎もないやんかと言いたいけれど、男女間のあれこれが謎そのものなのかもしれません。
読了日:11月28日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/14366431

■ホテル・ウィンチェスターと444人の亡霊 (講談社タイガ)
怖がりのくせして“ウィンチェスター”と聞くと引き寄せられてしまうんです。『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(2018)も観に行きましたが、素面じゃ怖くて酒飲んで鑑賞したら爆睡してしまった(笑)。そんな幽霊屋敷をモチーフにしたらしい亡霊が棲むホテルの話。亡霊と会話もできるコンシェルジュが亡霊から呼び捨てにされているのが可笑しい。トラブルが起きたときこそビッグチャンスだというのは、すべての接客業において同じな気がします。“妖怪アパート”シリーズなどが好きな人にはお薦め。軽いのですぐ読める。
読了日:11月29日 著者:木犀 あこ
https://bookmeter.com/books/14662054

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『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』

『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』(原題:Life Itself)
監督:ダン・フォーゲルマン
出演:オスカー・アイザック,オリヴィア・ワイルド,マンディ・パティンキン,オリヴィア・クック,
   ライア・コスタ,セルヒオ・ペリス=メンチェータ,アネット・ベニング,アントニオ・バンデラス他
 
TOHOシネマズ西宮にて、無理やりつくった時間で1本だけ。
 
予告編を観たとき、輪廻の話なのかなと思っていました。
そうではありませんでしたが、「人生そのもの」の話はちょっぴり哲学的。
その部分についてはちゃんとは理解できなかったけれど、
理解できてもなんとなく言わんとすることは伝わってきます。
 
おおまかに分けて3つの話。
時代が少しずれているところとかぶっているところがあります。
どこから話してもネタバレになってしまうから、
ご覧になる予定の方はここから先を読まずに劇場へどうぞ。
 
ニューヨーク。大学時代に知り合ったウィルとアビー。
アビーにぞっこんだったウィルが想いを打ち明けて実らせ、結婚に至る。
ところが、あと3週間で女の子が生まれるというときに、
アビーは道路の真ん中でバスにぶつかって死亡する。
最愛の妻を喪ったウィルは精神を病み、
退院後にカウンセリングを受けるも精神科医の前で自殺。
 
アビーのお腹の中にいた赤ん坊は無事に生まれていた。
名前は母親アビーが切望していたとおり“ディラン”と名付けられ、
祖父アーウィンが引き取って育てる。
しかし父親ウィルは一度もディランに会いにくることなく死んでしまった。
アーウィンの愛情を痛いほど感じて感謝はしているが、
生まれたときから不幸だらけの身の上だから、とても素直になれない。
 
ニューヨークから遠く離れたスペイン・アンダルシア。
大地主サチオーネのオリーブ畑で働くハビエルは、
その実直さを見込まれ、作業長として住居を与えられる。
それを機会に恋人イザベルと結婚、ほどなくして息子ロドリゴが生まれる。
初めての家族旅行でニューヨークを訪れるのだが……。
 
3つの話がどう繋がるのか、見当もつきませんでした。
アビーが事故死したことがわかるのも、1つめの話が終わる頃になってからです。
そして、お腹の中の赤ちゃんが生きていたことがわかったときもビックリ。
 
役者が皆とてもいいんです。
特によかったのは、ディラン役のオリヴィア・クック
自分の誕生日が母親の命日。
父親は母親の死から立ち直れないまま自ら命を絶ったなんて、
これはもう不幸以外の何物でもない。
そりゃグレもするでしょう、髪の毛を真っ赤っかに染めてヘソ出して。
でもそんな見た目であっても祖父に感謝していることはわかる。
息子夫婦が孫を遺して逝ってしまって、頑張る爺ちゃんの姿には涙が出ます。
 
また、サチオーネ役のアントニオ・バンデラスもめちゃくちゃイイ。
オッサンどころかジジイになったなぁバンデラスと感慨深い。
彼がイザベルとロドリゴに無償の愛を注ぎ(金持ちだからできることなんですが(笑))、
ひそかにハビエルに手紙を書き続けていたことがわかるシーンにも涙。
 
サミュエル・L・ジャクソンが「信頼できない語り手」として登場しています。
随所にユニークな点も見られ、深刻な話の中に笑いも。
 
ボブ・ディラン好きの人には特にお薦めしますが、
ディランよう知らんという私みたいな人も「なんかよかった」と思える作品なのでは。

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