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『マリッジ・ストーリー』

『マリッジ・ストーリー』(原題:Marriage Story)
監督:ノア・バームバック
出演:スカーレット・ヨハンソン,アダム・ドライヴァー,ローラ・ダーン,
   アラン・アルダ,レイ・リオッタ,マーク・オブライエン他
 
Netflix独占配信の作品が増えましたよねぇ。
劇場とTSUTAYA DISCASでじゅうぶんと思いつつ、
Amazonプライムビデオにも手を出し、
先週はついにNetflixにも登録しかけたのですが、
前週まであったはずの30日間無料体験がなくなっている。
一旦登録してしまったら今後も無料体験できないわけでしょ。
とりあえずいま登録するのは止めることにしました。
 
で、がっかりしたその翌日。
月曜日が1,100円のイオンシネマで何を観ようか物色していたら、
Netflix独占配信前の本作が上映中ではないですか。
そりゃNetflixに登録して観るほうが単価は安いけど、
せっかく劇場で観るチャンスを逃したくはなくて、イオンシネマ茨木へ。
 
アダム・ドライヴァーの顔が苦手なんです。
アメリカではこういう顔がモテるんだろうかと毎度不思議に思う。
でも出演作はほぼ例外なく面白いんですよね。
絶対見たくないほど嫌な顔というわけでもないからついつい観てしまうのです。
“スター・ウォーズ”のカイロ・レン役は置いておくとして、
『ブラック・クランズマン』(2018)はめちゃめちゃ面白かった。
 
そしてたまに、この人イイかもとも思わされてしまうのです。
『パターソン』(2016)がそうでした。
本作の彼はそれ以上によかった。
苦手な男性の顔のどアップを見て泣いてしまうなんて。
 
人気舞台監督のチャーリーと劇団の看板女優ニコール。
可愛い一人息子ヘンリーにも恵まれて幸せな日々を送っていたはずが、
いつのまにかすれ違うようになり、離婚を考える。
 
女優として躍進中のニコールにドラマ出演の話が舞い込み、
ニコールは撮影の期間中という約束で実家のあるロサンゼルスへ。
ニューヨークで暮らすチャーリーは一時的な別居と捉えていたが、
ニコールには戻る気がなく、ヘンリーもロスの小学校へ転校させる。
 
誰も介さずふたりで離婚の話を進めるつもりが、
知人から弁護士ノーラを紹介され、なんとなく頼むことに。
弁護士を介した瞬間に円満な協議離婚はどこへやら、
裁判も辞さない泥沼離婚の様相を呈してきて……。
 
アダム・ドライヴァー演じるチャーリーと、
スカーレット・ヨハンソン演じるニコール、どちらも善人なんです。
嫌いになったわけじゃない、円満に離婚して友人としてつきあいつづけたい。
よく聞く台詞ではあるけれど、ふたりとも心底そう思っている。
ヘンリーの養育権についても五分五分でふたり同じにと考えている。
 
でも弁護士にとっては勝たなければ意味がない。
相手のどんな些細な話も見逃さず、でっちあげられそうなことにはすぐ飛びつく。
やり手の弁護士役のローラ・ダーンレイ・リオッタのバトルを見て、
唖然呆然とする当の夫婦は何も言えないまま。
 
アメリカの離婚事情にはいつも興味を惹かれます。
ロサンゼルスかニューヨークか、どちらで裁判になるかも大事。
 
途中のニコールが何気なくチャーリーを気遣うシーンが好きでした。
チャーリーの靴紐がほどけているのを見て「ちょっと待って」と結んだり、
弁護士を交えての話し合いの場で出前のメニューを決められないチャーリーに代わり、
「チャーリーは、そうね、これとこれ」と言うニコールには、
「困った人ね感」も「やってやってる感」もない。
チャーリーもそのことを嫌だと思っていないし、当たり前のように受け入れているのです。
 
本作に関してはネタバレになりそうなことは言いたくありません。
オープニングとエンディングが秀逸で、
あれほど好きではないと思っていたアダム・ドライヴァーの表情にジワーン。
 
確かに、劇場で観なければ醍醐味がないような派手なシーンは皆無だけれど、
それでも本作を劇場で観ることができてよかった。
 
相手の好きなところ、書き出してみましょう。

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『ファイティング・ファミリー』

『ファイティング・ファミリー』(原題:Fighting with My Family)
監督:スティーヴン・マーチャント
出演:フローレンス・ピュー,レナ・ヘディ,ニック・フロスト,ジャック・ロウデン,
   ヴィンス・ヴォーン,ドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソン他
 
29回目の『ボヘミアン・ラプソディ』を鑑賞した後、TOHOシネマズなんばへ。
終映してしまいそうで心配だった本作を観逃してたまるかとレイトショーにて。
 
プロレスの映画って面白いですよねぇ。なんか客層が違う。
特に後者はいかにもプロレスファンという人だらけで、
素人の私は目が点になるほどでした。
本作のレイトショーにもそんな人が多くて、心底楽しんでいる様子。
プロレス映画は劇場で観るに限ります。絶対楽しさが倍増する。
 
さて、本作は実話に基づく作品です。
アメリカのメジャープロレス団体WWEで活躍したイギリス出身の女子プロレスラー、
ペイジのデビューまでを綴った伝記コメディ。
父親役がニック・フロスト、WWEの鬼トレーナー役をヴィンス・ヴォーン
そのうえ、今は誰もが知るハリウッドスターとなった元WWEのスター、
ドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソンが脇役で出演しているのですから、
面白いことは約束されたようなもの。期待に違わず面白い。
 
イギリス北部ノーウィッチに暮らすナイト家はプロレス一家。
プロレスをこよなく愛する父親リッキーと母親ジュリアはプロレス団体を営んでいる。
弱小団体ながら地元のプロレス好きに愛され、
子どもたちにもプロレスのレッスンをおこなって大人気。
そんな家庭に生まれた息子ザックと娘サラヤもプロレス好きに育ち、
ふたり揃っていつかは世界で活躍する選手になることを夢見ている。
 
ザックとサラヤのデモテープをWWEに送り続けていたところ、
やっとWWEのトライアウトに参加する権利を得る。
当日、多数の参加者のなか、トレーナーのハッチ・モーガンが合格させたのはサラヤのみ。
 
ザックが不合格であることに納得できずにいたサラヤはハッチに直談判するが、
ハッチはザックには無理だと言うだけ。
ザックを合格にしなければ自分も帰ると言ってもハッチは首を縦には振らず、
結局ザックから諭されたサラヤは単身アメリカに渡って挑戦することを決意するのだが……。
 
昔から殴り合いを見ているのはどうにもつらくて、ボクシングもプロレスも苦手でした。
特にプロレスは「イカサマ」だと思っていたから、全然好きじゃなかった。
私のその意識を変えたのは『レスラー』(2008)でした。
ずたぼろになるミッキー・ロークを見て、こんなに痛々しいイカサマがあるか。
イカサマならこんなに凄まじいことにはならない。怪我もしないだろう。
プロレスラーって、体を張って、命を懸けているんだと思いました。
 
本作でも興行のビラ配りのさいに同年代女子からイカサマ呼ばわりされて
サラヤがキレるシーンがあります。
また、ザックの恋人コートニーの両親が悪気なく「脚本があるんでしょ」と言ったときには
ナイト一家が「おのれ何を言うか」てな表情で一斉に立ち上がるシーンも。
派手に泣かせにかかるシーンはなく、とても面白くて笑えてジワッと良い。
 
しかし今さらながらドウェイン・ジョンソンってプロレスラーの中にあっては
ものすごい演技力のある人なんやなぁと驚く。
あのガタイと風貌では普通の人の役はできないでしょうが(笑)、
立派なハリウッドを代表する役者ですよね。
 
コーチ役のヴィンス・ヴォーンもいいなぁ。彼にいちばん泣かされかけた。
そして、モデルやチア上がりの綺麗なだけのお姉ちゃんたちが
どれほどの覚悟を持ってプロレスラーを目指しているのかも知らされます。
最初は彼女たちを馬鹿にしていたサラヤがあるときから打ち解けるくだりも好き。
人を見た目で判断してはいけないし、何も知らないくせして上から見てはいけない。
 
プロレスの魅力を知り、ドウェイン・ジョンソンをますます好きになる作品です。
脇役だけど、目立ってしまうのは仕方ない。(^^;

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『盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲』

『盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲』(原題:Andhadhun)
監督:シュリラーム・ラガヴァン
出演:アーユシュマーン・クラーナー,タブー,ラーディカー・アープテー,アニル・ダワン,
   ザキール・フセイン,マナフ・ヴィジ,チャヤー・カダム,パワン・シン他
 
“映画で旅する自然派ワイン”を観たあと、もう1本。
同じくシネ・リーブル梅田にて本作を。
 
138分と相当長いけれど、インド作品なら短いぐらいに思えます。
これは踊りのシーンほとんどなしのボリウッド
 
インド・マハーラーシュトラ州プネーに暮らす男性アーカーシュは、
実は目が見えるのに盲目のふりをしているピアニスト
目の見えない状態であることが芸術的インスピレーションを得ると信じているから。
そのうちコンクールに出場してロンドンに渡る機会を狙っている。
 
ある日、白杖を突いて歩いていた折、
単車を運転する女性ソフィが不注意からアーカーシュにぶつかる。
お詫びにソフィはアーカーシュにお茶をごちそうし、
話をしているうちに彼がピアノの達人であることを知る。
 
ソフィの父親が経営するレストランでピアノを弾いてほしい。
そう頼まれてアーカーシュが引き受けたところ、
その演奏の素晴らしさに過去最高のチップを記録。
来店中だった往年のスター、プラモードもアーカーシュを気に入り、
歳の離れた美貌の妻シミーのためにサプライズ演奏を頼まれる。
 
プラモードとシミーの結婚記念日にプラモード邸を訪ねたアーカーシュは、
とんでもないものを目にしてしまう。
それは、いま殺されたばかりであろうプラモードの遺体。
そして、部屋にはシミーの浮気相手とおぼしき男。
 
想像するに、彼女の浮気中にプラモードが帰宅し、
シミーと相手の男がプラモードを殺害したにちがいない。
アーカーシュが盲目であると信じているシミーはその場を取り繕い、
夫は帰ってきそうにないからとアーカーシュのことを追い返す。
 
このさい、自分は盲目のふりをしているだけだと打ち明けて通報しようと
警察へ乗り込んだアーカーシュだったが、
呼ばれて出てきた署長がなんとシミーの浮気相手で……。
 
シミーを演じるのは美魔女も美魔女、49歳のタブーという女優。
この人がもう鬼なんです。
最初はちょっと同情もしましたが、途中からほとんど殺人鬼(笑)。
 
道端で倒れていると親切に病院へ運んでくれる人がいたとしても信じられない。
医者は臓器が目当てで、運び込んだ人も医者から金をもらうのが目当てだなんて。
 
これまでのインド作品とは一味も二味も違うインド作品でした。
話としてはよくできています。
オープニングの盲目のウサギに何が起きたかがわかるラストにも唸りました。
でもブラックすぎて、イマイチ好きになれません。
 
もうちょっと明るく笑えるボリウッドがいいなぁ。

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『ジョージア、ワインが生まれたところ』/『ワイン・コーリング』

シネ・リーブル梅田にて“映画で旅する自然派ワイン”という特集上映をしています。
上映作品はドキュメンタリー2本。
今日までの上映なので、時間休を取って2本とも観てきました。
 
1本目は『ジョージア、ワインが生まれたところ』(原題:Our Blood Is Wine)。
アメリカ人のエミリー・レイルズバック監督がジョージアへ。
 
ジョージアってややこしいですよね。
以前はグルジアだったはずなのに、いつからジョージアと呼ぶようになったのか。
グルジアの表記はロシア語起源なのだそうですが、
約10年前にロシア軍の侵攻を受けたことから、
ロシア語は嫌やねんと(言ったかどうかは知らんけど)、
英語表記のジョージアと呼んでくれと(も言ったかどうか知らんけど)なったらしい。
 
で、そんなややこしい国ではありますが、ワイン発祥の地である。
ワインといえば木製にしろステンレス製にしろ樽を用いるものだと思っていたら、
こんな壺を土の中に埋めてワインを造っているとは。
8千年もの歴史を持つ“クヴェヴリ製法”という製造の方法なのだそうです。
 
壺を洗うのが大変で、もう無理だと笑う爺ちゃん。
昔ながらの方法を守る現地の人々の様子すべてが私にとっては新しい。
 
2本目は『ワイン・コーリング』(原題:Wine Calling)。
こちらはフランス人のブリュノ・ソヴァール監督による作品です。
 
有機栽培で育てた葡萄のみを使って、添加物をいっさい使わずに造る自然派ワイン。
南フランスの生産者たちに密着し、製造過程やライフスタイルを撮っています。
 
1本目より2本目のほうが圧倒的にポップ。
ノリのよい音楽がBGMとしてふんだんに流され、睡魔に襲われる率も1本目より低い(笑)。
私自身が行きつけのお店で自然派ワインを多く飲ませてもらっているから、
ジョージアワインと聞くよりもビオやナチュラルといわれるほうが馴染みがあるゆえかも。
 
ほったらかしのイメージもあるけれど、ほったらかしにするって思うよりも難しいこと。
あれこれ手をかけたほうが病気にもなりにくいでしょう。
人の体と同じことで、予防や治療に薬を投与することで、病に罹らない、治る。
でも何もしないで病に罹らないようにするのは大変です。
湿疹を何もしないことで治そうとしたとき、本当に大変だったから。
でも何もしないで大丈夫な体をつくれたら、次に病に罹りかけてもすぐ治るんですよねぇ。
 
ワインも人も同じだなんてことを思いながら観た2本でした。
ワインを飲まない人生なんて。

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『HUMAN LOST 人間失格』

『HUMAN LOST 人間失格』
監督:木崎文智
声の出演:宮野真守,花澤香菜,福山潤,沢城みゆき,
     千菅春香,松田健一郎,小山力也,櫻井孝宏他
 
TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの2本目。
 
原案は太宰治の『人間失格』。
『人間失格 太宰治と3人の女たち』が公開されたのがついこの間。
没後70年経っても著作があの手この手で映画化されるのが凄い。
 
昭和111年。医療革命により全国民が無病長寿となった日本。
政府は国民に毎日19時間という長時間労働を強制し、環境問題も無視。
その結果、GDP世界1位、年金1億円支給を実現する。
 
しかしこのような社会システムの下、貧富の差は拡大するばかり。
東京首都圏では富裕層が住まう環状7号線内を“インサイド”、
貧困層が住まう大気汚染が深刻な環状16号線外を“アウトサイド”として分けている。
 
アウトサイドで暮らす青年・大庭葉藏は、類い希なる画才を持ちながら、
生きる意味を見出せずに薬物と酒と女に溺れる日々を送っている。
ある日、兄貴分の竹一から誘われて、インサイドへ突貫する暴走行為に参加。
ところが攻撃を受けた竹一が異形の怪物“ロスト体”へと変貌して絶命する。
 
葉藏も命が危うくなりかけるが、そこへ現れた柊美子に救われる。
美子は不思議な力を持つ女性で、葉藏も美子以上の力を持っているらしい。
その力こそが今の日本を希望ある姿に変えられると諭され、
美子と共に日本を変えようと考えはじめる葉藏。
だが、ロスト体を生む薬物をばらまいている堀木正雄に襲いかかられ……。
 
いんや~、もう、ついていくのが結構大変でした。
ロングランになっている『プロメア』にしても同様で、
この手のSF作品は凡人の私には難しい。
たびたび睡魔に襲われる。つまらないんじゃなくて難しいんです。
 
そもそもどこをどうすれば『人間失格』がこんな話になるのかも私には理解不能。
とりあえず、こんなネタにもなる太宰治がいかに凄いかということだけはわかりました。
随所に影響が感じられる『AKIRA』(1988)が凄いということも。
 
それともうひとつ、思ったのは、空が青いって素晴らしいということ。

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