『見えない目撃者』
監督:森淳一
出演:吉岡里帆,高杉真宙,浅香航大,大倉孝二,酒向芳,
松大航也,國村隼,渡辺大知,松田美由紀,田口トモロヲ他
日曜日の朝、TOHOシネマズ伊丹にて、1本だけ。
初めて予告編を観たとき、タイトルといい、内容といい、
なんかデジャヴだなぁと思っていたら、以前観た作品のリメイクでした。
原題が“我是証人”という2015年の中国作品で、それもリメイク。
オリジナルは中国版と同じ監督による韓国作品でした。
中国版がとても面白かったので、日本版の主演が吉岡里帆と聞いてちょっと心配。
だって私は彼女にちっとも良い印象がない。
すごく可愛い女優だとは思うけれど、彼女の出演作が面白いと感じたことがなくて。
だから期待値低めで観に行ったら、彼女のことを見直しました。上手いやん!
これに彼女を起用した森淳一監督、グッジョブ。
警察学校を首席で卒業した浜中なつめ(吉岡里帆)。
しかし、助手席に弟の大樹(松大航也)を乗せた車で事故を起こし、
大樹は死亡、なつめも両目の視力を失う。
当然のことながら警察官の道も絶たれて3年が経過。
出かけるときは盲導犬のパルが頼り。心の傷はまったく癒えないまま。
ある日、大樹の墓参りに行くべく満代と家を出たなつめだったが、
どうしてもまだ大樹の墓に近寄る気持ちになれず、
満代と口論した挙句、パルを伴ってひとりで帰ろうとする。
その途中、車が誰かと接触する音を聞いて現場に駆けつけると、
車の後部から助けを求める女性の声が聞こえ、車は急発進。
なつめは誘拐事件に違いないと考え、警察に連絡するが、
一歩も引こうとしないなつめを持て余し、
なつめが主張するもうひとりいるという目撃者、すなわち車と接触したらしい人物を探し、
絶対に中国版リメイクのほうが面白いだろうと思っていたら、お見それしました。
遜色ないというのか、日本の話である分、こっちのほうが入り込みやすい。
犯人については、韓国版や中国版を観ていなくても途中で想像がつくかと。
だってそいつの態度、あきらかにおかしいから(笑)。
ネグレクトによる事件のニュースが後を絶たない昨今、
家出しても気にもかけられない子どもたちがこんな目に遭っている。
かなりグロいシーンも多いので、それが駄目な人はご用心。
被害者たち同様に親には無視されてきた春馬が、
なつめの熱意を鬱陶しく思いながらも協力し、
自分の将来に夢を抱きはじめたラストもとても良いです。
里帆ちゃん、あなたを見る目がまるで変わったので、今後は期待しています。
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