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『ラスト・クリスマス』

『ラスト・クリスマス』(原題:Last Christmas)
監督:ポール・フェイグ
出演:エミリア・クラーク,ヘンリー・ゴールディング,ミシェル・ヨー,
   リディア・レオナルド,ロブ・ディレイニー,エマ・トンプソン他
 
“午前十時の映画祭”で『ウエスト・サイド物語』を観た後に。
TOHOシネマズなんば別館にて。
 
鑑賞日はクリスマス直前の日曜日でした。
日本で知名度の高い俳優が出ているわけでもないのにチケット完売、満席です。
しかもカップル率90%。これはやはりクリスマスゆえか。
 
私はすでに「貯まったポイントで観る月間」に入っていたため、無料鑑賞。
でもワム!の同名曲をモチーフにしていること、
ヘンリー・ゴールディングが出演していることも気になって選択した作品。
アメリカでは凡庸だという評判で、ほんとそのとおりなんですが、泣けた。
私はこれ、大好きでした。
 
ジョージ・マイケル命のケイトは、ユーゴスラビア出身。
まだ幼い頃に家族でロンドンへと移住してきた。
心配性の母親は扱いづらく、一緒にいるとこちらまで気が変になりそう。
父親も同様らしく、タクシー運転手をして家に居る時間を減らすように務めている。
 
そんなわけで友人の部屋を渡り歩いているケイトだが、
酒を飲んでは男を逆ナンパ、すぐに連れ込むものだから、
どんなに親しい友人も堪忍袋の緒が切れてケイトを放り出す。
 
本業は歌手だと言いたいところだが、それも駄目。
寝坊してオーディションに遅刻、駆けつけても失態ばかり。
彼女を雇ってくれたクリスマスショップの女性オーナー・サンタも
そのうちケイトに愛想を尽かすかもしれない。
 
そんなある日、風変わりな青年トムと遭遇。
トムはケイトが落ち込むたびにどこからか現れ、
いつのまにかケイトは彼に惹かれていくのだが……。
 
ケイト役のエミリア・クラークがたまらなくキュート。
彼女のことを私は“スター・ウォーズ“ターミネーター”で観ているはずなのですが、
全然記憶にない。たぶん本作の彼女のほうが断然イイ。
エミリアは何年か前にクモ膜下出血で倒れて言語障害も残っていたそうで、
そんな彼女がここまで喋りまくる役というのが嬉しいです。
 
トム役のヘンリー・ゴールディングとサンタ役のミシェル・ヨーは、
『クレイジー・リッチ!』(2018)で親子を演じています。
ミシェル・ヨーっていいなぁ。美しく気高くこんなコメディも演じられる人。
 
エマ・トンプソンの原案と脚本だというのが驚き。
凡庸でもいいじゃないか。
完全なハッピーエンドとも言えないけれど、
クリスマスのカップルにうってつけのいい話。
 
「毎日のおこないがその人の人格を形成する」。
ひとつひとつ、善いこと、正しいことができたなら、
そのひとの人生は豊かなものになる。

—–

『テッド・バンディ』

『テッド・バンディ』(原題:Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile)
監督:ジョー・バーリンジャー
出演:ザック・エフロン,リリー・コリンズ,カヤ・スコデラーリオ,ジェフリー・ドノヴァン,
   アンジェラ・サラフィアン,ハーレイ・ジョエル・オスメント,ジョン・マルコヴィッチ他
 
“午前十時の映画祭”で『サウンド・オブ・ミュージック』を観た後に、
同じくTOHOシネマズ西宮にて。
 
1970年代にアメリカの7つの州に渡って30人以上の女性を殺害したとされるテッド・バンディ。
世にも恐ろしいこの連続殺人鬼を形容するために「シリアルキラー」という言葉が生まれたとか。
ちょっとウィキペディアを覗いてみましたが、凄いボリュームです。
途中で読むのを断念してしまったぐらい(笑)。
男前ゆえに声をかけられた女性が皆だまされたという話だけれど、この顔、男前か?
そりゃもう彼役のザック・エフロンのほうがずーっと男前。
 
監督のジョー・バーリンジャーはテッドのドキュメンタリーも手がけた人とのこと。
原題の“Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile”は直訳すると「極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣」。
テッドに死刑判決を言い渡すさいに裁判長が口にした言葉だそうです。
 
1969年のワシントン州シアトル
シングルマザーのリズは、バーで声をかけてきたテッドと恋に落ちる。
リズのひとり娘モリーもすっかりテッドに懐き、訪れる幸せな日々。
 
ところが1974年、若い女性の行方不明事件が多発、
その犯人としてテッドが逮捕されてしまう。
テッドの必死の訴えに、リズは無実を信じようとするものの、
彼の犯行と考えざるを得ない状況証拠が次々と明らかになり……。
 
殺戮にまつわるえげつないシーンもあるのかと思ったらほぼ無し。
テッドとリズの穏やかな日常とそれが一転してからの獄中の日々、
そして華々しいとも言える裁判の様子が繰り広げられます。
 
リズ役にはリリー・コリンズ
まったく、彼女の父親があのハゲ親父のフィル・コリンズだとはいまだに信じがたい。
どうしたらあのオッサンからこんな可愛い娘が生まれるのか。(^^;
そして何度見ても驚いてしまうのが、ハーレイ・ジョエル・オスメント
覚えてはります?『シックス・センス』(1999)のあの少年を。
確かに目と口は少年のときのままで、顔の面積を広げたら今の顔なんですけど。
あんなに太って腹の出たオッサンになるとは、誰が想像できるのか。
 
普段は美人のヒロイン役が多いカヤ・スコデラーリオ
実在のテッドの相手に容貌をかなり近づけていて、
エンドロールを見たときには登場人物の中でいちばん似ていると思いました。
 
彼とテッドの法廷でのやりとりが面白く、ここは見どころ。
最後の最後まで本当に彼が犯人なのか考えさせられますが、犯人なんですねぇ。
 
しかし、こんな変態殺人鬼にいとも簡単に殺される女性がいる一方、
一緒に暮らしていても殺されない女性もいる。
この境界っていったいどこにあるのでしょう。

—–

“午前十時の映画祭”ファイナルに行く。

今日からしばらくは旧年中に観た作品の話です。
「今年観た映画50音順」を始めてから中断していた分。
 
2010年に始まった“午前十時の映画祭”
第1回は1950年代~1970年代を中心とする外国映画に限定して50本が上映されました。
 
映画祭はその後も続き、年代も前後に広がって邦画もかかるように。
全国の劇場で、上映は午前10時からの1回のみ。
私の行動範囲内の劇場だと、大阪ステーションシティシネマ、
TOHOシネマズ西宮、なんばが上映館でした。
 
それが今年度で終わってしまう。
いまさらながらもっと観に行けばよかったと後悔。
よく、閉店するお店のスタッフたちが、閉店を告知するとお客さんがいっぱい来てくれる、
それまでに足を運んでくれていたら閉店しなくて済んだのに、
なんてぼやいていらっしゃるのを耳にしますが、
この映画祭もそんな感じなのかなぁ。
でも、TOHOシネマズのなんば別館なんて、いつも満席でしたけどね。
 
最後に観ておこうと思った2本は、
『ウエスト・サイド物語』(1961)と『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)。
どちらも監督はロバート・ワイズ。
そしてどちらも劇場で観るのは初めてです。
 
先に観たのは『サウンド・オブ・ミュージック』、TOHOシネマズ西宮にて。
冒頭にかかる“ドレミの歌”のインストゥルメンタルだけでなぜか泣けてしまった。
50年以上経つ今も、日本でも歌われているんだなと思ったら。
小学生の頃、アホな替え歌も歌ったなぁ。
「ドは土管でプッ、レは連発でプップップ、ミはみんなでプッ、ファはファイトでプッ。
ソは空からプッ、ラはラッパでプッ、シは尻からプッ」とかって。
レとミとソとシはいいとして、土管でプッとか何!?(笑)
 
マリア役のジュリー・アンドリュース、84歳。
トラップ大佐役のクリストファー・プラマー、90歳。
両者健在なのが嬉しい。
逆に子役たちの何人かはすでに他界していて、順番には逝かないものなのですね。
 
翌日観たのは『ウエスト・サイド物語』、TOHOシネマズなんば別館にて。
こちらもヒロインの名前はマリア。ナタリー・ウッドが美人すぎてビビる。
43歳で事故死してしまった彼女、まだ生きていたら素敵なおばあちゃんだったでしょうか。
 
3月まで、名残を惜しんであと何作かは観たいと思っています。

—–

好きだった映画、嫌いだった映画〈2019年〉

あけましておめでとうございます。
去年こうして書いたときはまだ平成でした。令和もよろしくお願いいたします。
 
2019年に劇場鑑賞した作品は300本、DVD鑑賞した作品は53本で、合計353本。
去年11月末の段階では劇場鑑賞本数がまだ261本だったので、
2018年の295本を抜くのは到底無理だと思っていました。
が、なんとなく意地になってラストスパートをかけてしまい、
12月の鑑賞本数は39本。結果、初の300本達成。疲れた(笑)。
 
月間39本は過去最多だと思っていましたが、
一昨年も12月は39本観たようです。昨年の各月間鑑賞本数は、
1月28本、2月26本、3月29本、4月16本、5月27本、6月21本、
7月21本、8月25本、9月26本、10月26本、11月16本、12月39本でした。
 
300本観たうちからベストを選ぶのは大変です。
それよりもずっと簡単に選べるワーストを先に。
私がどうにも好きになれなかったのは以下の5本です。
 
 
ちなみに、DVDで観たワーストはぶっちりぎでこれ。↓
 
 
ベストのほうは順位をつけるなんて無理だからと、
毎年、順位はつけずに好きだった作品を観た日付順に挙げているのですが、
2019年のベストは断然これ。
 
 
以下、特に好きだったのは下記の20本でしょうかねぇ。
明日書いたらまた挙げるものが変わりそうなんですけれども。
好きな度合い順ではなく、観た順です。
 
 
そのほか、印象に残っているのは次の10本。
 
 
昔より泣かなくなりましたが、それでもまだ10本観れば5本は泣きます。
そんななかでもボロ泣きだったのは次の2本。
 
 
毎度キリがありません。
最後に、人と人との繋がりに幸せを感じさせてくれる作品として、
ちょっとよかった『アイネクライネナハトムジーク』を挙げておきます。
 
ついでに、2019年に読んだ本は例年より少なくて132冊でした。
まぁ映画をこれだけ観たら読書の時間は減るか。(–;
ハマったのは中山七里。“御子柴礼司”シリーズに没頭中。

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2019年12月に読んだ本まとめ

2019年12月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3353ページ
ナイス数:646ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
 
■いちばん悲しい (光文社文庫)
プロローグですでにわくわく。人の不幸は蜜の味というのは本当だと思うと同時に、こんなにわくわくしている自分が嫌になる(笑)。雨の夜の刺殺体、どう見ても怨恨。被害者は浮気していて、不倫相手には偽名を使っていた。妻は冴えない夫の浮気に全然気づかず。どろどろです。妻と愛人そのほか誰にも共感できません。好きになれそうな登場人物といえば女性刑事ぐらい。彼女の言うとおり、犯人にたどり着くまでどこを向いても「女」に当たる。女の嫌な部分をありったけ見せつけられます。「私がいちばん可哀想」と言いたがる人に限ってそうではない。
読了日:12月02日 著者:まさき としか
https://bookmeter.com/books/14582764

■姉・米原万里 (文春文庫)
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』が大好きだったのに、万里さんの著作で読んだのはそれのみ。56歳でお亡くなりになっていたことも、妹のユリさんが井上ひさし氏と結婚されていたことも知りませんでした。万里さんがたぶん自覚はなく相当におもしろい人であったのはもちろん、彼女のご両親も強烈。でも愛情に溢れている。汲取り式の便所に何度も落ちたところは想像したくないけれども(笑)。料理研究家のユリさんだから、出てくる料理やお菓子の話がものすごく美味しそう。私もカツ丼が食べたくなるだろうかと、椎名誠の本をさっそく買いました。
読了日:12月04日 著者:井上 ユリ
https://bookmeter.com/books/13298228

■いつか夜の終わりに (双葉文庫)
その字面からきっとよく高田郁さんと間違われるであろう侑さん。私も『顔なし子』を買ってから別人だと気づきましたが、わりと私好みの暗い話でした。始まりは嫌な予感。だって怖いでしょ!?「森」の話って。最強(恐)は三津田信三の『ついてくるもの』に収録されている「八幡藪知らず」、その次が宇佐美まことの『入らずの森』。それらを思い出して警戒しながら読んだら、ホラーというよりもファンタジー。どの話にも滲む諦念や後悔。でも、幸せだったかどうかは他人が決めることじゃない。『タンポポの花のように』には涙。再版されますように。
読了日:12月05日 著者:高田 侑
https://bookmeter.com/books/7237639

■影踏み (祥伝社文庫)
映画を観たら、原作もこのままなのかどうか知りたくなり。まず驚いたのは、映画版ではちゃんと人として登場する双子の弟が、原作では声はすれども姿は見えずという存在であること。事件の謎にはほぼ驚かされることなく、一卵性双生児ってこんなにも一心同体なのかと驚かされるのは映画も原作も同じ。映画では滝藤賢一が演じていたもう一組の双子について、殺されるほうが原作とは異なっていたのもビックリ。しかし、北村匠海が歳を取ったら山崎まさよしって無理があるような気がするんですけど。あ、また映画の話になっちゃってすんません。(^^;
読了日:12月11日 著者:横山 秀夫
https://bookmeter.com/books/548975

■悪徳の輪舞曲 (講談社文庫)
内藤了の“藤堂比奈子”シリーズを読み終えた今、いちばん楽しみにしているのは同じ著者の“よろず建物因縁帳”シリーズだったはずなのに、中山センセの“御子柴弁護士”シリーズのことも気になって仕方がない。猟奇殺人事件の犯人だった少年が弁護士になり、夫を殺した罪で逮捕された自分の母親を弁護する。凄絶以外の何物でもない設定。怒涛の勢いはないように感じましたが、残り50頁で本当にまとめられるのかと思ったらピシッと。どれだけ気をつけてみても騙される私でした。そうだったのね、第1章。私は要潤よりも三上博史のほうがいいなぁ。
読了日:12月16日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/14535327

■バー堂島 (ハルキ文庫)
ピンポイントすぎて、登場する地名がわからなかった場合ははたして楽しめるだろうかと心配になる。そのうえナッツ・キング・コールとかチョット・ベイカーとかダジャレにもほどがあるし。曲名は書いていないけれど、「さあねぶりなさい」って、岩崎宏美やん。おかげで『聖母たちのララバイ』が頭の中をぐるぐるまわる。憂歌団の木村クンみたいなダミ声になりたいって、ほなら酒飲んで喉つぶしてまえ。と、これ全部に反応できた人ならば読んでみてもいいかも。燻製とバーボンは試したくなりました。ウイスキーフロート、つくってください。
読了日:12月18日 著者:吉村喜彦
https://bookmeter.com/books/14555433

■騙し絵の牙 (角川文庫)
私の勤務先に出入りしている大手書店に注文しても、品切れで入ってこない本がたまにあります。そんな本でもアマゾンに注文すればすぐ手に入る。だから私の認識は、「アマゾンで入手できない本はどこの書店でも無理」。本作を読めば事情に納得。大泉洋に当て書きされただけあって、彼の声がそのまま聞こえてきそうだから、430頁超でも難なく読了。ただ、ラストには呆然。映画では彼の関西弁も聞けるのでしょうか。私はまだまだ「本は紙で読みたい派」。『映画秘宝』の休刊決定、出版社解散を知り、寂しい気持ちでいっぱいになっている今日この頃。
読了日:12月20日 著者:塩田 武士
https://bookmeter.com/books/14785386

■綴られる愛人 (集英社文庫)
双方自分の経歴を偽って始めた文通。女は下にサバを読み、男は上にサバを読む。本当は35歳と21歳なのに、手紙の中のふたりは28歳と35歳。女は最初から彼の嘘を見抜いている。男が偽りの自分に酔って、相思相愛だと思い込む姿は滑稽。美人売れっ子作家である女に対する私の嫉妬も多分に含まれて、両者にイライラ。ふたりが初めて会ったときの、彼女の容姿への彼の感想を読んで安心する私が居るのでした(笑)。自分を偽りながら手紙を書くふたりの心理描写が上手い。彼は手紙を書く技術を身につけることができただろうかなんてことを考える。
読了日:12月22日 著者:井上 荒野
https://bookmeter.com/books/13659319

■クローバーナイト (光文社文庫)
ぶっちゃけ、私はこの著者を好きだと思って読んだことはないのです。優等生で、かまってちゃんで、私の超苦手な「がんばってるアピール」を感じてしまうことがよくある。なのに読まずにはいられない。家族と保育園の日常を夫の目線で描いています。ママ友のちょっとした不可解な行動を解き明かすミステリー要素も。「ねー」とか「よー」とかいう語尾が頻発する文章は苦手でぞわぞわするし、ある人の言動には腸が煮えくり返り、血圧上がって倒れそうになりました(笑)。でも素直になって振り返ると、いい話なんだなぁ。これからも読みます辻村さん。
読了日:12月24日 著者:辻村 深月
https://bookmeter.com/books/14788978

■ラストナイト (角川文庫)
人生は幸と不幸とちょうど半分ずつになるようにできているなんて言う人もいるけれど、到底そうだとは思えない。明るく真面目で人の好い青年が、良き伴侶と共に夢を叶えようとしていた矢先、その性格ゆえにチンピラの行いを見過ごせずに刺してしまう。以降30年以上にわたり、刑務所とシャバを行ったり来たり。まともな暮らしに戻ろうという素振りすら見せない彼は、いったい何を考えているのか。薬丸さんの書く「事件その後の人生」はいつもとてつもなく苦しく切ない。電車の中で読んでいたら、ラストは嗚咽しそうになりました。彼の微笑みが救い。
読了日:12月31日 著者:薬丸 岳
https://bookmeter.com/books/14121367

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