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『ジョン・デロリアン』

『ジョン・デロリアン』(原題:Driven)
監督:ニック・ハム
出演:ジェイソン・サダイキス,リー・ペイス,ジュディ・グリア,
   イザベル・アライザ,マイケル・カドリッツ,ベネディクト・ティーサ他
 
旧年暮れのラストスパート、初日はシネマート心斎橋で4本ハシゴして、
2日目はここまでに2本、食べ過ぎ飲み過ぎ睡眠不足でへろへろです。
心斎橋の4本ハシゴは奇跡的に眠気に襲われることなく、
それも4本すべて面白かったからなのでしょう。
2日目のシネ・リーブル梅田での2本目までも寝ることなく終了。
これも大丈夫だと想定していた3本目、しばしばうつらうつら。
いつぞやの「起きたらゾンビだらけになっていた」というような眠り方ではありませんが、
ところどころ記憶が飛んでいます。
 
さて、デロリアンといえば“バック・トゥ・ザ・フューチャー”シリーズに登場する名車。
その生みの親であるジョン・デロリアンにまつわる実録犯罪コメディです。
車の話が大半を占めるのかと思ったら、麻薬取引で逮捕されたジョンの裁判の話が主。
 
1977年の南カリフォルニア。
パイロットのジム・ホフマンは麻薬の密輸でFBIに捕まり、
罪を見逃してもらう代わりにFBIの情報屋を務めることに。
 
FBIの計らいでセレブの街に移り住み、新生活をスタート。
何も知らない妻は、こんな生活にウキウキ。
隣人となったのは、ポンテアックGTOを開発した天才エンジニア、ジョン・デロリアン。
なんとなくウマが合い、ジムとジョンは友情を育む。
 
当時のジョンは自分の会社を立ち上げたばかり。
時の人となってもてはやされ、派手な生活を送っていたが、
革新的な車の開発はトラブルに見舞われ、資金繰りが困難に。
 
一方のジムはFBIから大物をしょっ引けそうなネタを掴むように迫られ、
プレッシャーを感じて焦りを募らせるのだが……。
 
実際の人物像にどれほど近づけているのかはわかりませんが、
ジムがとにかく軽いんです。
こんな人を麻薬組織もFBIも信じるなんてどうなんだと思ってしまう。
このバカっぽさが逆に人を欺けそうになくていいんですかねぇ。
 
物語は裁判シーンから始まり、ジョンが麻薬取引に手をつけるところまでを回顧。
ジムの証言でジョンが有罪か無罪かの判決が下されます。
はたしてジョンは自ら麻薬の売買を提案したのか否か。
 
終盤はすっかり目が覚めて、肝心の判決シーンは面白く観ました。
お互いに信頼関係にあったふたり。
ジョンの弁護人を務めるジャスティン・バーサがなかなかよかった。
ジムがジョンを守るか、FBIにいい顔をさせて自分をも守るか。
ここは見応えがあります。

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『THE UPSIDE/最強のふたり』

『THE UPSIDE/最強のふたり』(原題:The Upside)
監督:ニール・バーガー
出演:ブライアン・クランストン,ケヴィン・ハート,ゴルシフテ・ファラハニ,
   アヤ・ナオミ・キング,テイト・ドノヴァン,ニコール・キッドマン他
 
シネ・リーブル梅田で4本ハシゴの2本目。
 
『最強のふたり』(2011)のハリウッドリメイクと聞けば観たくなる。
意外に早く上映終了してしまいそうで焦りましたが滑り込みセーフ。
 
スラム街で育った無学の黒人男性デル。
保護観察中の身で、求職活動をしていることを証明しなければ生活できない。
掃除人を募集しているらしい大富豪フィリップのペントハウスへ、
面接に来たというサインだけを求めて乗り込む。
 
他の応募者を見ると、皆きちっとした格好をして、おとなしく順序を待っている。
そんなに待てずに面接がおこなわれている部屋に入ってみると、
雇用主のフィリップは車椅子に乗り、首から上しか動かない、全身麻痺。
 
秘書を務めるイヴォンヌにとにかくサインだけくれと頼むと、
意外にもフィリップは自分を採用すると言う。
破格の待遇のうえに、住むところもないデルに対して仕事は住み込みとのこと。
別居中の妻子にいい顔をしたいこともあり、デルはフィリップの介護職に就くのだが……。
 
基本的にはいい話です。
もっと感動できたはずなんですが、そうでもなかったのはなぜなのか。
 
オペラを観るシーンは嫌でした。
ほかの観客が静かに鑑賞するなか、オペラを初めて観るデルの態度はひどい。
フィリップはそれを注意するでもなく面白がります。
金持ちゆえ、何でも許されていそうなところが鼻につく。
最終的にはすっかりオペラの虜になったデルが
真っ先に立ち上がって「ブラボー!」を連呼するのはいいけれど、
前のめりになって鑑賞するのはそもそもルール違反ですよね。
 
硬いこと言いなさんなと言われそうな、こんな部分がいくつかあります。
凹んだときにはドラッグ有効みたいな雰囲気もあるし、
手放しでは楽しめなかったのが残念なところ。
 
オリジナルではすごくよかったアース・ウィンド・アンド・ ファイアーの“September”も
本作では聴けず。その代わり、アレサ・フラクリン。これはこれで○。
 
文句は付けてみたけれど、それなりには良かった。悪くはありません。

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『だれもが愛しいチャンピオン』

『だれもが愛しいチャンピオン』(原題:Campeones)
監督:ハビエル・フェセル
出演:ハビエル・グティエレス,アテネア・マタ,フアン・マルガージョ,
   ヘスス・ビダル,ホセ・デ・ルナ他
 
シネマート心斎橋で4本ハシゴした翌日は、シネ・リーブル梅田で4本ハシゴ。
確実に命削って映画鑑賞しているような気がします。
これがあっての年間300本達成なのですけれど。
 
知的障害のある人々で結成されたスポーツチームが感動を呼ぶ。
泣けるのは約束されたようなもので、
ちょっと涙の安売りをしすぎではないかとうっすら嫌悪感。
だからパスしようかと思いつつ観に行ったのですけれど。
良かったんだなぁ、これが。
本国スペインで大ヒットを飛ばした作品なのだそうです。
 
背は低くとも有能なサブコーチとしてプロ・バスケットボールチームに勤めていたマルコ。
ところが、旧知のコーチのやり方にどうにも納得できず、
試合中に暴言暴力を働いたところがTV中継までされて、クビになってしまう。
簡易裁判で言い渡された判決は、服役の代わりの社会奉仕活動
知的障害者が集うバスケットボールチームのコーチをすることに。
 
刑務所に入るよりはマシだと行ってみてビックリ。
意思の疎通すら危うく、バスケをするなど到底無理。
しかし、近々開催される試合に出場することが彼らの夢で……。
 
話自体には何の新鮮味もありません。
知的障害者に偏見しか持っていなかったマルコが、
彼らと接するうちに考え方を変えてゆく。
教えているはずが、教えられていたという王道の物語です。
 
でも、オーディションで選ばれたという、実際に知的障害を持つキャストが素晴らしい。
知的障害があるから理解できない、していないということが偏見そのもの。
彼らはわかろうと努めているし、わざわざ努めずともわかっていることもある。
 
妻と別居中のマルコが、彼らのおかげで復縁。
40歳を過ぎている妻は出産を熱望しているけれど、
マルコは年齢ゆえにダウン症等の障害が出る可能性を心配しています。
妻とのその会話を聞いてしまったチームの一員のひとりにマルコが取り繕おうとしたとき、
「いいんだ。僕たちも僕たちのような子どもは生まれてほしくない。
でも父親はあなたのような人がいい」。泣いてしまった。
 
試合に出るからには勝ちたい、それは当たり前の気持ちでしょうけれど、
真剣に戦い、楽しみ、お互いを尊重しあって称えること。それがいちばん。

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『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』

『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』(原題:Hevi Reissue)
監督:ユッカ・ヴィドゥグレン,ユーソ・ラーティオ
出演:ヨハンネス・ホロパイネン,ミンカ・クーストネン,ヴィッレ・ティーホネン,
   マックス・オヴァスカ,アンティ・ヘイッキネン,サムリ・ヤスキーオ,ルーン・タムティ他
 
シネマート心斎橋で4本ハシゴのラスト。
 
ずいぶん前に「俺たち、ほにゃらら」という邦題が目白押しでした。
どれもB級確実。これももちろんB級です。でも愛すべき作品。
オンライン予約した時点では10席ほど埋まっているだけでしたが、
入場してびっくり、ほぼ満席。
この手の作品って、客層が面白いんですよ。
このタイトルですから当たり前なんでしょうが、みんなメタルファン。ですよね?
 
フィンランド/ノルウェー作品。
ちなみにフィンランドはメタル大国なのだそうです。
 
フィンランド北部、ロン毛は「ホモ」とからかわれるような片田舎。
ロン毛のままでいることだけは譲れない25歳のトゥロ。
老人介護施設で働きながら、旧友とヘヴィメタバンドを組んで練習に励んでいる。
トゥロはボーカルを務め、ギターはロットヴォネン、ベースはパシ、ドラムはユンキ。
結成して12年になるというのに、まだ一度もステージに立ったことがない。
 
ある日の練習中、フランクと名乗る中年男性がやってくる。
てっきりトナカイの肉を買いに来たのだと思ったら、
ノルウェーで開催される巨大メタルフェスのプロデューサー。
そうと知ったユンキが咄嗟にデモテープを渡すと、
フランクも彼らの演奏を気に入ってくれた様子。
 
連絡係となったトゥロは、フランクの確約も取れないうちに、
想いを寄せる花屋の店員ミーアにフェス出場が決まったと言ってしまう。
小さい町のこと、ミーアが誰彼となく触れ回り、トゥロたちは町の英雄に。
現状を知るのはトゥロだけだから、メンバーたちも大盛り上がり。
フェスに出場する前に町の店のライブに出演することになるのだが……。
 
こんな話がA級作品になるはずもなく、しょうもなと思いながら観ていました。
なのに時折ふきだしてしまうぐらい可笑しい。
 
この日の客はたぶんほぼ全員ヘヴィメタファン。だからヘヴィメタネタできっちり笑う。
例えば、カバー曲ばかり演奏している彼らが「まずはオリジナル曲を作らんと」と言うところ。
ギターのロットヴォネンがオリジナルだよと自慢気にリフを奏でると、
なんでも知っているパシが「それパンテラのいついつのなんとかいう曲」と即座に突っ込む。
事故で呆気なく昇天してしまったユンキの葬儀の席では、
パシが素晴らしい詩を謳って一同感動してシーンと静まり返るわけですが、
パシの詩だとばかり思っていたら、「1980年、ロニー・ジェイムス・ディオ」とか。
客席大爆笑。メタルファンでもないのについていっている私、エライかも(笑)。
 
ゲロネタだけは勘弁してほしかったけれど、
ゲロがゲロっぽくなくて、真っ白キレイだったからまぁええか。
 
エンドロールが回り終わったとき、拍手も起きていました。
本作を観て思ったのは、「ロレス関係の映画とヘヴィメタ関係の映画は劇場で観るに限る」。
観客の一体感が凄くて、めちゃめちゃ楽しいです。

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『スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班』

『スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班』(英題:Hit-and-Run Squad)
監督:ハン・ジュニ
出演:コン・ヒョジン,リュ・ジュンヨル,チョ・ジョンソク,ヨム・ジョンア,
   チョン・ヘジン,ソン・ソック,キー(SHINee),イ・ソンミン他
 
たいてい、全部アタリという幸せな年末になります。
去年の4本ハシゴも、1本目の『アイリッシュマン』当たり、
2本目の『2人のローマ教皇』も当たり、そして3本目の本作も大当たり。
めっちゃ面白かった。
 
F1レーサーで大物実業家チョン・ジェチョルが
警察署長に賄賂を贈ったらしいという疑惑があり、
それについて調べていたエリート女性警官ウン・シヨン。
しかし捜査は実らなかったばかりか、交通課に左遷されてしまう。
 
とんでもないところに飛ばされたものだと凹むシヨンだったが、
その人事は先輩警官ユン・ジヒョンの思惑あってのこと。
シヨンの異動先は未解決のひき逃げ事件を扱うひき逃げ専門捜査班で、
ジヒョンによればジェチョルを捕まえるチャンスがあるらしい。
 
ひき逃げ専門捜査班のオフィスは地下の窓もない部屋。
シヨンが出勤すると、そこにいるのは身重の妊婦課長ウ・ソニョンただ一人。
窓際に追いやられたお荷物部署としか思えなかったが、
ソニョンが「我が課のエース」と呼ぶソ・ミンジェと行動を共にしてみると、
並外れた洞察力を持っているうえに、車にもやたら詳しい様子。
 
そんななか、数カ月前に起きたひき逃げ事件の犯人について、
ジェチョルである可能性が浮上、色めき立つシヨンだったが……。
 
登場人物の個性が際立っていて、とても良いのです。
特にリュ・ジュンヨル演じるミンジェは、元暴走族のリーダー。
モサッとしている風なのに、腕をまくれば刺青だらけ、
喧嘩をすれば一網打尽、車のハンドル握ればかっ飛ばす。
そうとは見えないだけに、やるときゃやる姿がカッケー。
ミンジェが暴走族をやめて警官になった経緯がまた泣かせる。
 
チョ・ジョンソク演じるジョチェルは憎らしいことこのうえない。
お目目パッチリ、可愛いかしらんけど私の苦手なタイプで(笑)、
余計に憎たらしさを増しているという。
 
続編ありそうな感じです。
次作がこれより面白くなるとは思えないけれど、観に行っちゃうかも。
ほんと、めっちゃ面白かったんですから。

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