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『つつんで、ひらいて』

『つつんで、ひらいて』
監督:広瀬奈々子
 
前述の『インディペンデントリビング』を観た後、1階下のシアターセブンへ。
 
是枝裕和監督の秘蔵っ子と言われる広瀬奈々子監督が撮ったドキュメンタリー作品で、
是枝監督もプロデューサーとして名を連ねています。
 
日本を代表する装幀家である菊地信義さんに密着しています。
 
菊地さんは今年77歳。
装幀家として40年、実に1万5千冊以上の本のデザインを手掛けてこられました。
 
装幀家の仕事を全然知らなかったから、最初から最後までびっくり。
こうして紙を選び、印刷に回して製本されるのですね。
定規と鉛筆、色見本片手に試行錯誤する様子と共に、菊地さんの日常も描かれています。
行きつけの喫茶店のコーヒーのおいしそうなこと。
 
裏表紙のバーコードと定価が記される場所は規定されているから変えられない。
それも込みで考えるデザイン。
 
基本的には文庫本しか買わない私ですが、
単行本を手に取って装幀をじっくり眺めてみたくなりました。

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『インディペンデントリビング』

『インディペンデントリビング』
監督:田中悠輝
 
年に数度ある職場の全館停電の日は仕事も休み。
観覧車に乗りたがっていた義両親をエキスポシティへ連れて行き、
水族館とフードコートにも寄って実家へ送り届けた後、
私は映画を観るべく十三の第七藝術劇場へ。
 
観るのに気力と体力が要りそうで迷っていたドキュメンタリー。
上映開始時間に間に合えば観ようと決めていました。間に合った。
 
障害者が自立生活を送れるよう、全国各地に設立されている「自立生活センター」。
障害種別は問わず、日常的に介助を必要とする障害者に総合的なサービスを提供。
自立生活センターは運営委員の過半数と事業実施責任者が障害者であるというのが
面白いというのか凄いとこ。
 
凄いとこと言ってしまう自分にすでに差別意識があることに気づきます。
障害者が運営してやっていけるのか、そんな気持ちがあることに。
 
確かに、障害者の気持ちは障害者でなければわからないでしょう。
同じ立場の人が運営するセンターであればこそできることがいろいろある。
 
本作では大阪の自立生活センターに密着取材。
身体障害者もいれば知的障害者もいる。
でもそこに通う人は皆、自立した生活を送りたいと思っています。
 
多発性硬化症車椅子生活を送る女性が自立生活センターに関わるようになったのは、
「障害を受容するということは、何もかもあきらめる生活を受容することなのか」
という疑問が湧いたからだと話していました。
 
こんなセンターがあることも知らなかったから、
いかに自分が日々に感謝もせずに漫然と生きているのかを思い知らされます。
客は大入りで、関心を持っている人がこれだけいることに嬉しくなりました。
嬉しがっているだけじゃ駄目なんですけどね。

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『サヨナラまでの30分』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の23本目@伊丹)(完)

『サヨナラまでの30分』
監督:萩原健太郎
出演:新田真剣佑,北村匠海,久保田紗友,葉山奨之,
   上杉柊平,清原翔,牧瀬里穂,筒井道隆,松重豊他
 
前述の『シグナル100』でゲンナリしたあと、
フリーパス人生最後の鑑賞となる本作を鑑賞しました。
監督が『東京喰種 トーキョーグール』(2017)の萩原健太郎ということで、
『シグナル100』よりこっちの監督のほうがグロいの好きそうだったけれど、
本作は全然そうじゃなくてよかった。安堵の涙。(T_T)
 
就活中の大学生・窪田颯太(北村匠海)は父親(筒井道隆)と二人暮らし。
人づきあいが大の苦手で、友だちはひとりもいないし、
そうであることをむしろ心地良く思っている。
就活の面接でそんなことを言うものだから、どこにも通らない。
 
ある日、秘密の場所でいつもどおりひとりで過ごしていた颯太は、
カセットテープが入ったソニーのウォークマンを拾う。
再生ボタンを押してみると、見知らぬ若者が目の前に出没。
彼は1年前に亡くなったミュージシャン・宮田アキ(新田真剣佑)で、
テープが再生されている30分だけ、アキが颯太になれるらしい。
アキの姿が見えるのは颯太だけ、
アキに体を乗っ取られている間の颯太のことが見えるのはアキだけ。
 
颯太とちがってアキは社交的でしゃべりも上手。
代わりに臨んだ面接ではこともなげに合格を成し遂げてしまう。
 
アキは颯太の体を借りて、恋人だった女性・村瀬カナ(久保田紗友)や、
彼の死のせいでメジャーデビュー目前に解散したバンド“ECHOLL”のメンバーに会いに行く。
当然のことながら、見た目は颯太のアキの言動は変人扱いされるが、アキは懲りない。
30分経てば颯太に戻ってしまうから、
颯太もカナやバンドメンバーとつきあわざるを得なくなり……。
 
カセットテープというのは私たちの世代の心をくすぐります。
作品中に見えたテープの銘柄は“FUJIFILM AXIA”。懐かしい。
私はTDK派でしたが、そりゃAXIAも使いました。
 
それより本作のウィキペディアのページで、
タイトルの振り仮名が「さよならまでのさんじゅっぷん」になっているのが気になる(笑)。
「さんじっぷん」が正解のはずだけど、今はもう「じゅっぷん」も許容なのかな。
 
同じく気になったといえば、序盤に「LINEのグループに入ってよ」と言われた颯太が、
「大丈夫です」と答えるシーン。
大丈夫ってどっちやねん!?と言いたくなりません?
「結構です」の意味で使われることが多くなった「大丈夫です」。
はっきり「要りません」というよりもやわらかく聞こえるからでしょう。
でもはっきり言ってほしいことも多いねん。
 
ほとんど映画の内容とは関係ないことを書いてしまった。
カセットテープは手のひらで包み込める音楽だというのがいいと思ったけど、
今はiPodだって何だって、手のひらで包み込めますよねぇ。(–;
でもやっぱりいいもんだよ、カセットテープ。懐かしくて、切なくて。

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『シグナル100』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の22本目@伊丹)

『シグナル100』
監督:竹葉リサ
出演:橋本環奈,小関裕太,瀬戸利樹,甲斐翔真,中尾暢樹,
   福山翔大,中田圭祐,山田愛奈,中村獅童他
 
TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスポートの期限最終日、
凄まじくグロい作品を観てしまいました。
お金払っても観たくなかったレベル(笑)。
 
原作は宮月新と近藤しぐれによる同名コミックだそうです。
こんなグロいシーンてんこ盛りの作品の原作って、どんななのでしょう。
興味はあるけど、絶対に読みません。(^^;
 
聖新学園高校3年C組の生徒たちは、担任の下部(中村獅童)の指示で視聴覚室に集合する。
ひとり遅刻してきた女子生徒が下部から預かったCDを視聴覚室に持ち込んで再生すると、
そこに流れたのはなんだかわからない不気味な映像。
直後、CDを持ち込んだ女子生徒が窓から飛び降りて自殺する。
 
CDの映像を観たことで生徒全員が自殺催眠にかかったのだと下部は言う。
さらに、催眠が発動して自殺へと至るきっかけとなる行動は100種類あり、
知らずにその行動に走ればただちに自殺してしまうと下部は説明。
警察に通報しようとした生徒も自殺し、
携帯をかけるということも100種類のうちのひとつだとわかる。
 
催眠を解く方法は、自分が最後の生き残りとなること。
つまりほかの全員が自殺してしまえば、自分だけは生きていられるのだ。
呆然とする生徒たちの前で、下部も飛び降りて死亡。
それ以上のことは聞けなくなってしまい……。
 
催眠がかかった状態での自殺は、ふだんより力が出て想像を絶するものになるのですって。
死に方のえげつなさに直視できず、暗闇で読書しようかと思ったけれど、
読書するには場内が暗すぎて叶いませんでした。(^^;
直視せずに音だけ聞いてもえぐい。頭を叩き割る、骨が折れる、首が一回転する。
そこらじゅうのものが凶器となって自分で自分を殺してしまうのです。
 
生徒役には橋本環奈小関裕太瀬戸利樹恒松祐里などなど。
しょっぱなに栗原類が死んでしまったのにも驚いた。
 
教師がこんなことをしでかした理由もわからず、
ただ単に他人を催眠にかけて自殺するところを見たかっただけって。
もうほっんと、勘弁してください。
これがフリーパス最後の映画鑑賞にならなくてよかった。
 
あ、中村獅童演じる下部は生きていたってオチですからっ!
あ、あ、ネタバレしちゃった。

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『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』

『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(原題:Les Traducteurs)
監督:レジス・ロワンサル
出演:ランベール・ウィルソン,オルガ・キュリレンコ,リッカルド・スカマルチョ,シセ・バベット・クヌッセン,
   エドゥアルド・ノリエガ,アレックス・ロウザー,アンナ・マリア・シュトルム,フレデリック・チョー,
   マリア・レイテ,マノリス・マフロマタキス,サラ・ジロドー,パトリック・ボーショー他
 
もうそろそろ終業後に2本観る生活はやめておかないと倒れる。
と思いつつも、気になっていた本作を観にシネ・リーブル梅田へ。
 
フランス / ベルギー作品。
これが全部実話なら震え上がるところですが、実話をモチーフにしているだけ。
とはいうものの、世界的ベストセラーの翻訳に当たって翻訳家を監禁するって、じゅうぶん怖い。
『ダ・ヴィンチ・コード』をはじめとするダン・ブラウン原作の小説、
『ロバート・ラングドン』シリーズの4作目『インフェルノ』を出版するさい、
出版元が海賊行為と違法流出を恐れ、各国の翻訳家を地下室に隔離して翻訳をおこなったという話が
本作のモチーフとなっています。
 
覆面作家オスカル・ブラックによる世界的ベストセラー3部作『デダリュス』の完結編が完成。
出版権を獲得した出版社社長エリック・アングストロームは、世界同時出版することを大々的に発表。
フランスの豪邸に集められた各言語の翻訳者9人はしばし唖然。
というのも、作業場は重厚な扉の向こう、作業終了まで一歩も外に出られない。
広大な地下室に監禁され、作業時間まできっちりと管理されるらしい。
豪勢な食事にプールまである地下室だが、携帯やパソコンも没収されてしまう。
 
そんな厳重な漏洩対策下だったにもかかわらず、
ある日、ネットに冒頭の10頁が流出し、アングストロームのもとに脅迫状が届く。
「次の100頁を公開されたくなければ、24時間以内に500万ユーロを指定口座に振り込めと」。
犯人は翻訳家の中にいるに決まっているとアングストローム自ら奔走するのだが……。
 
いささかスノッブな印象はありますが、面白い。
さまざまな国の翻訳家たちのうち、誰が犯人なのか。
それをどのようにやり遂げたのか。
 
知っている俳優はアングストローム役のランベール・ウィルソン
脚本が面白ければ誰がやっても面白いことを確認。
また、面白ければ、いくら睡眠不足でも眠くならないことを確認(笑)。
 
誰のための本の出版なのでしょうね。
確かに、自社が儲けることしか考えていない出版社には出してほしくない。

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