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『1917 命をかけた伝令』

『1917 命をかけた伝令』(原題:1917)
監督:サム・メンデス
出演:ジョージ・マッケイ,ディーン=チャールズ・チャップマン,マーク・ストロング,
   クレア・デュバーク,コリン・ファース,ベネディクト・カンバーバッチ他
 
109シネマズ箕面にて。
 
サム・メンデス監督が彼の祖父アルフレッド・メンデス氏から聞いた話を基にしたそう。
エンドロールでお祖父さんへの謝辞も述べられています。
 
1917年4月6日、ヨーロッパは第一次世界大戦の真っ只中。
西部戦線ではドイツ軍が後退しはじめ、
連合軍はこの好機を逃す手はないと、一気にドイツ軍を叩くことを決める。
 
そんな中、イギリス軍のエリンモア将軍から呼びつけられた若い兵士ふたり。
トム・ブレイクとウィル・スコフィールドは将軍の話を聞いて驚く。
航空偵察をおこなったところ、ドイツ軍の後退は罠であることがわかったという。
もしも連合軍がドイツ軍の後退を鵜呑みにして総攻撃をかければ、
引き込まれたところでドイツ軍が待ち構えているというのだ。
 
ドイツ軍を叩こうと進撃中のデヴォンシャー連隊に
なんとしてでも攻撃中止を伝えなければならないが、電話線は切れている。
直接走って伝えに行くしかなく、それを命じられたのがトムとウィル。
 
デヴォンシャー連隊にはトムの兄ジョセフもいる。
兄を救いたい一心で命令を受けたトムに対し、
ウィルは白昼に向かっても撃たれるに決まっていると主張するが、トムは出発。
致し方なくウィルもついて行くのだが……。
 
昨年から何度も目にしていた予告編。
「全編ワンカット」の触れ込みに、全編ワンカットがホンマなら凄いけど、
そんなことできるんかいな、無理やろと思っていました。
正確には「全編ワンカットで撮影したように見える」、そういう撮り方。
実際そう見えます。緊迫感が凄くて圧倒されました。
 
前途は当然多難。
ドイツ軍が後退したとはいえ、彼らがいた場所には爆弾も仕掛けられている。
別の隊と出会って車に乗せてもらったものの、道はぬかるんでいるし、
橋が壊されていて思うように前には進めない。
やっぱり自分の足で歩くしかなくなってしまうのです。
 
ホラー映画でもサスペンス映画でもないのに、
戦場で何が起こるかわからないからやけに緊張して、
座席の上でなんどかビクッとしました。
 
任務を果たしたところで戦争は終わらない。
しかも明日になればまた違う伝令が届くかもしれない。
戦うことが何になるというのか。
 
最後まで走り通すことになるウィル役のジョージ・マッケイと、
途中で命を失ってしまうトム役のディーン=チャールズ・チャップマンを除けば、
あとはちょこっと映る程度。
なのに将軍役のコリン・ファース、大尉役のマーク・ストロング
大佐役のベネディクト・カンバーバッチの素晴らしい存在感。
 
重い。
すっごく見応えがあります。

—–

『黒い司法 0%からの奇跡』

『黒い司法 0%からの奇跡』(原題:Just Mercy)
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:マイケル・B・ジョーダン,ジェイミー・フォックス,ブリー・ラーソン,
   ロブ・モーガン,ティム・ブレイク・ネルソン,レイフ・スポール他
 
なんばパークスシネマにて、前述の『プレーム兄貴、王になる』とハシゴ。
 
原作は全米ベストセラーのノンフィクション『黒い司法 黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う』。
監督は『ガラスの城の約束』(2017)のデスティン・ダニエル・クレットン。
これもとてもよかった。
 
ハーバード大ロースクールにかようブライアン・スティーブンソンは、
インターンのときに「おつかい」でアラバマ州刑務所を訪ねた折、
たいした捜査もされないまま死刑囚にされた囚人が多いことに驚き、
弁護士となって彼らのために無償で働きはじめる。
 
南部アラバマ州は人種差別がはびこる土地。
自身も黒人のブライアンは、刑務所訪問のさいにも看守から侮蔑的な態度を取られる。
怒りを抑えて、複数の死刑囚と面会したところ、
大半が物的証拠なし、黒人だからという理由だけで犯人に仕立て上げられている。
 
特に、ウォルター・マクミリアンという男性は明かな冤罪
近隣の店で若い白人女性が殺害された事件で、
ウォルターを昔から知る前科者が偽証言をしたらしい。
 
過去に担当した弁護士からは裏切りに近い好意を受けているウォルターは、
ブライアンのことも信じようとしなかったが、
ウォルターの家族に会って丁寧に話を聞くブライアンの様子を知り、
再審請求に賭けてみようと考えるのだが……。
 
白人だけどブライアンをサポートする女性にブリー・ラーソン
 
こんな酷いことがあっていいのだろうかと憤りたくなる実話。
黒人を除く住民全員が差別主義者かと思うほど。
しかし住民たちにはその自覚がないのか、
この土地が『アラバマ物語』(1962)の舞台だと誇らしげに言う。
あんな差別に満ちた土地だと明らかにされた映画が自慢って、どうよ。
 
黒人を犯人に仕立て上げるためなら何だってやる。
法の番人すら公平な目では見てくれない。
それでも負けなかったブライアンが凄い。
 
いくら信じてみてもどうにもならないことは世の中にあるけれど、
絶望は正義の敵になる。
駄目だとあきらめたら終わっちゃうんですね。
 
良い映画でしたが、ウォルターを陥れた保安官が、
つい昨年まで6期に渡って再選されたという事実。
差別はちっともなくなっていないことの証しのようで悲しい。

—–

『プレーム兄貴、王になる』

『プレーム兄貴、王になる』(原題:Prem Ratan Dhan Payo)
監督:スーラジ・パルジャーティヤ
出演:サルマーン・カーン,ソーナム・カプール,ニール・ニティン・ムケーシュ,ディーパク・ドブリヤル他
 
「コロナ騒ぎのせいで映画館空いてる?」と尋ねられることが多くなりました。
だけど、この騒動の前からもともと映画館ってそんなに混んでませんから。(^^;
最近よく客が入っているなぁと思ったのは『パラサイト 半地下の家族』ぐらいで。
 
次年度に繰り越しできない有休消化も続いております。
時間休を取ってなんばパークスシネマへ。
 
その「おじさん」を演じたインドの国民的スター、サルマーン・カーンが主演。
観る前からワクワクします。絶対楽しいはず。
 
下町に暮らすプレームは、みんなから兄貴と慕われる善人。
町の貧乏劇団に役者として所属し、人々を楽しませている。
稼ぎのすべてを美貌の王女マイティリーが仕切る慈善団体に寄付するプレームに、
彼の親友で同じく役者のカンハイヤはぼやいてばかり。
 
プリータムプル王国の王子ヴィジャイの国王就任式典を4日後に控えた日、
ヴィジャイの婚約者であるマイティリーがやってくるとの噂を聞いたプレームは、
寄付金を彼女に直接渡すチャンス到来と、カンハイヤを誘ってプリータムプルへ。
 
ちょうどその頃、国王の座を狙うヴィジャイの異母弟アジャイが陰謀を企て、
ヴィジャイの乗る馬車を崖から墜落させる。
幸い発見が早くて一命は取り留めたものの、意識不明の状態。
忠実な宰相と護衛は密かに城の地下へとヴィジャイを運び込む。
 
そんな折、ヴィジャイに投じる薬を買うために街を訪れた護衛は、
「一目でいいから王女に会わせてほしい」とすがるプレームを見てびっくり。
プレームはヴィジャイと瓜二つだったから。
さっそく城に連れ帰ると、プレームとカンハイヤに宰相が事情を説明し、
ヴィジャイが快復するまで影武者として演技をしてほしいと言われるのだが……。
 
インド映画はとにかく長い作品が多い。これも160分超。
最初の約30分はどうしようかと思いましたが、
プレームが影武者を演じることになってからは楽しいのなんのって。
 
プレームとヴィジャイはそっくりだとは言っても、性格はまるで違う。
お人好しで面倒見のいいプレームとは対照的に尊大なヴィジャイ。
マイティリーはヴィジャイの気持ちが理解できず、
このまま結婚してもよいのかどうか悩んでいました。
ところが人が変わったようなヴィジャイ、
つまりプレームと接して好きで好きでたまらなくなります。
 
恋い焦がれてきた憧れの女性と一緒に過ごせるというのに、
プレームには下心いっさいなし。
ヴィジャイと仲違いしていた異母弟妹たちのことも見ぬふりはできず、
彼に会うと誰もがそのペースに巻き込まれ、心が溶けてゆくのです。
 
踊らないインド映画が増えて、踊り手たちの仕事がなくなって困っていると聞きました。
これはボリウッドらしい作品で、踊るシーンもいっぱい。
スーパーハッピーエンドの本作、世間が暗い今、オススメです。

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『影裏』

『影裏』
監督:大友啓史
出演:綾野剛,松田龍平,筒井真理子,中村倫也,平埜生成,國村隼,永島暎子,安田顕他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、
 
沼田真佑の芥川賞受賞作大友啓史監督が映画化。
原作は未読で、映画版とどう違うのか知りません。
その後、読みました。そのときのレビューはこちら
 
岩手県盛岡市に転勤してきたばかりの今野秋一(綾野剛)、30歳、独身。
社交的とは言いがたい彼は、慣れない土地で心細さを感じている。
 
ある日、社内の禁煙の場所で喫煙する日浅典博(松田龍平)を見かけて注意する。
まったく気にするそぶりもなく吸い続けるそいつは同僚で、
何を思ったか突然日本酒の一升瓶を抱えて今野の部屋へとやってくる。
 
以来、日浅に誘われて酒を飲んだり釣りに行ったり。
もっぱらひとりで過ごしていた今野の休日は見事に変わり、毎日が楽しくなる。
 
ところが日浅が何も告げずに会社を辞めてどこかに行ってしまう。
日浅と同じ部署の西山(筒井真理子)らから、
あれほど仲が良かったのに何も聞かされていないのかと訝られ、
本当に何も知らない今野は喪失感を拭えないまま月日が経ち……。
 
映画版を観るかぎりではそれほど芥川賞っぽくはない。
ただ、ところどころ「全部言わんけど読み取れ」みたいな部分があります。
 
今野がただ孤独な青年なのではなく、ゲイであるとわかるのは中盤以降。
しかし、序盤に彼が眠るベッドの撮り方は、
晒し出された綾野剛の脚を爪先から映していて、なまめかしい。
後になれば、あのショットは伏線だったのだとわかります。
 
日浅に惹かれてゆく心を抑えられなくなる今野。
一緒に映画を観に行けば切ない想いが極まってひそかに涙を流し、
焚き火を見ればそれがガラスの炎のように見えて自らの恋心と重ねてしまうのです。
綾野剛、お見事。
 
一方の日浅はちゃらんぽらん。
今野の気持ちを知っていながら弄んでいるようなところがある。
経歴を詐称して、國村隼演じる父親や安田顕演じる兄に絶縁されている。
あの東日本大震災が起きてから行方不明になっているというのに、
父親も兄も日浅を探そうともせず、「死んでいるとは思わない。
どこで何をしようが生きていける奴」と断言する。
 
「嘘をつかれたから縁を切る」という父親の言葉を聞いて、
今野がつぶやくひと言が印象的。「その程度の嘘で」。
ゲイである自分は、つきたくない嘘をつかざるを得ない場面だらけだったのでしょう。
 
消化不良の部分はありますが、なんだか心に残る作品です。

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『阪神タイガース THE MOVIE 猛虎神話集』

『阪神タイガース THE MOVIE 猛虎神話集』
監督:石橋英夫
ナビゲーション:掛布雅之
ナレーション:石坂浩二
 
阪神タイガースの創設85周年を記念して製作された、
球団初の公式ドキュメンタリーですと。
年間予約席を持つ身としては、そりゃまぁ観に行かねばなるまい。
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
割引のある日に観に行こうとしたら、いつ行こうが割引なしって、どんな強気。
レディースデーの割引もレイトショーの割引もなしなんて。
1,900円払って観に来ている客は当然阪神ファンでしょう。
 
ナビゲーターは顔ぱっつんぱっつんに膨らんでいる掛布雅之。
ナレーションを石坂浩二が担当し、
あとは阪神ファンで知られる有名人たちが出演。
千秋はちょこっと出るだけですが、
松村邦洋は掛布と対談、佐藤隆太が若手選手へのインタビュアーを務めています。
 
1985年のバース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発に始まり、
取り上げられる「ネタ」は、1973年の江夏豊による史上初の延長ノーヒットノーラン、
そして自分でサヨナラホームラン打っちゃったというやつ。
名ショート特集にちゃんと鳥谷が入っているのが嬉しい。
鳥谷に関しては、2000本安打を放ったシーンもしっかり。
阪神で2000本安打を達成したのは藤田平と鳥ちゃんだけ、
そして甲子園でそれを達成したのは鳥ちゃんだけですからね。
 
掛布と対談するのは、江夏、田淵。
佐藤隆太は大山と近本にインタビューしています。
江夏と掛布の時代は大きく取り上げられているけれど、
その次に取り上げられているのは最近のことで、あいだはわりとざっくり。
すっぽり抜けていると言ってもよさそう。
矢野タイガースが映る時間は結構長い。
北條とか木浪なんてこんな映画でいっぱい映るほどの活躍か!?
 
エンディングには“六甲おろし”が流れます。
客が多ければみんなで歌うことでしょう。
 
ビミョーな感じですが、これはこれで楽しかったです。
鳥ちゃんの扱いがテキトーではなかったことだけでも良しとします。
 
コロナウイルスにあっちもこっちも揺れる。
高校野球もプロ野球もどうなるのかなぁ。

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