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『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』

『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』(原題:地球最后的夜晩)
監督:ビー・ガン
出演:タン・ウェイ,ホアン・ジュエ,シルヴィア・チャン,チェン・ヨンゾン,リー・ホンチー他
 
こんなご時世でも映画に普通に行っております。
もともと映画を劇場で観る人は少ないから空いている。
コロナのせいで空いているという印象はありません。
時間休を取ってシネ・リーブル梅田へ。
 
前半は2Dなのに後半が60分間3Dのワンカット撮影という映画史上初の試み。
ビー・ガン監督は1989年生まれの31歳だから、
本作が発表された2018年はまだ28歳だったという中国期待の新鋭です。
世界中で話題になっているようで、一応観ておかなあかんかなと思いまして。
 
幼なじみの白猫(パイマオ)から預けられたリンゴの箱を、
ズオという男に渡しに行くことになっていたルオ・ホンウは、
すっかりそれを忘れてそのままに。
やがて白猫が何者かに殺されたことを知る。
腐らせてしまったリンゴの箱の下には拳銃が入っていた。
 
かつてあったそんなことを思い出していると、父親の訃報が。
それを機に、ルオは故郷の凱里(かいり)へ12年ぶりに帰る。
 
凱里で考える、ある女のこと。ズオの愛人だったらしい。
彼女は香港で有名な女性歌手ワン・チーウェンと同じ名前を名乗ったけれど、
それが本名だったのかどうかもわからない。
忘れようとすれば必ず夢に現れる彼女の面影を追い、さまようルウ。
 
不思議な映像に最初は興味を惹かれて食い入るように観ていたのですが、
前半の途中から睡魔に襲われ、うつらうつら。困った(笑)。
このままずっと寝てしまいそうだと心配していたら、噂の後半部分に。
 
訪れたポルノ映画館でルウが居眠りをして目覚めたところからが
“ロングデイズ・ジャーニー”、3Dです。
シネ・リーブルでは2D版しか上映していないから私が観たのは2D。
それでも何なのでしょう、この3D感。初めての体験です。
 
話はとにかく難解。凡人が一度観ただけで理解できる内容ではありません。
時間を行きつ戻りつ、同じ人が違う人物として何度も出てくるし、
同じ話を違う人が聞かせてくれるし、ものすごく哲学的。わからん。
 
ビー・ガン監督の生まれ故郷はもちろん貴州省凱里市。
ウィキペディアを見ても最小限の情報しかなく、どんなところなのでしょう。
 
中島みゆきの“アザミ嬢のララバイ”が流れるシーンがあります。
その雰囲気が作品にとてもよく合っていて驚きました。
 
わからないのに、なんだか癖になりそうな作品。
最後まで観て、また最初に戻る。エンドレスで観ても話が繋がりそう。

—–

『Fukushima 50』

『Fukushima 50』
監督:若松節朗
出演:佐藤浩市,渡辺謙,吉岡秀隆,緒形直人,火野正平,平田満,萩原聖人,堀部圭亮,
   篠井英介,津嘉山正種,段田安則,吉岡里帆,富田靖子,佐野史郎,安田成美他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、2本ハシゴの2本目。
東日本大震災からちょうど9年が経った3月11日に観ました。
 
原作は門田隆将のノンフィクション。
若松節朗監督にはイマイチ乗れないイメージが私にはあり、懸念しつつの鑑賞。
 
2011年3月11日、最大震度7の巨大地震と大津波が東日本を襲う。
福島第一原子力発電所(通称イチエフ)は全電源を喪失し、
1号機から3号機の原子炉および定期検査中だった4号機が通常の冷却機能を失う。
このまま原子炉の冷却ができない状況が続けば、メルトダウン(炉心溶融)確実。
東京を含む東日本の広域に壊滅的な被害をもたらす危機が迫る。
 
1号機と2号機の当直長・伊崎(佐藤浩市)ら現場作業員たちは、
所長・吉田(渡辺謙)の指揮のもと、事態の把握と収拾に奔走するのだが……。
 
よくこんなに人を集めましたなというぐらい著名な俳優が出ているから、
それだけでも凄いなぁと思います。
 
アメリカに向けたポーズと建前に満ちた首相の阿呆じゃないかという言動。
それを止めない取り巻きたち。
勝手なことばかりデカい態度で言い放つ東電本店のお偉いさんたち。
見ていて腹の立つことばかり。
 
アメリカ人に助けられましたと言わんばかりの撮り方はちょっと疑問。
だったら台湾とかほかの国のことも言ってほしかった。
 
そんなわけで、一般的には感動作だと思いますが、
私はかなりひっかかりも感じてしまう。
 
と、わりと否定的な目で観てしまった部分もありますが、
現場の人たちの命がけの行動には深く敬意を表します。
自然を甘く見てはいけないのだという教訓。
語り継いでいかなければなりません。

—–

『仮面病棟』

『仮面病棟』
監督:木村ひさし
出演:坂口健太郎,永野芽郁,内田理央,江口のりこ,丸山智己,
   笠松将,藤本泉,小野武彦,鈴木浩介,大谷亮平,高嶋政伸他
 
コロナ騒動の中であろうが私は普通。
仕事帰りにいつもどおり空いている劇場へ。
TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。
 
原作は知念実希人の同名ベストセラー小説。
すごいですよねぇ、現役のお医者さんで作家で、映画化までされちゃうなんて。
まだ40歳を過ぎたばかりの方のようで。その才能のかけらがほしい。
 
監督は『仁侠学園』(2019)や『屍人荘の殺人』(2020)の木村ひさし。
TVドラマから映画へと活躍の場が動いてきているようです。
 
意外に登場人物が少ないのは、一応密室サスペンスミステリーだからでしょうか。
主に出ているのは5人だけですもんね。
 
プロポーズをしようとしていたその日に自分の運転する車で事故に遭い、
同乗していた恋人を死なせてしまった若い医師・速水秀悟(坂口健太郎)。
立ち直れないでいる彼のことを心配し、
恋人の兄であり先輩医師でもある小堺司(大谷亮平)が
ある病院の一夜限りの当直を交代してほしいと連絡を寄越す。
 
その病院はかつて精神病院だった田所病院。
速水の恋人の受け入れを拒否した病院でもある。
しかし恨んだところで彼女が戻ってくるはずもなく、
努めて冷静な気持ちで速水は当直を引き受ける。
 
田所病院に入院しているのは認知症など記憶の定かでない患者ばかり、64名。
院内を案内してくれた看護師・東野良子(江口のりこ)によれば、
医師の手を煩わすことなど何も起きないから、当直室にいてくれさえすればいいとのこと。
 
そのとおりに当直室にこもってうつらうつらしていたところ、
東野からただちに1階に降りてきてほしいという電話が入る。
駆けつけてみると、そこには銃で撃たれたらしい女子大生・川崎瞳(永野芽郁)と、
その犯人のピエロの仮面をつけた男がいて……。
 
上記以外の主なキャストは、病院長役の高嶋政伸と若い看護師役の内田理央
 
犯人は金銭のほかに何か目的があって立てこもっている様子で、
それと合わせて考えれば、院内に誰か協力者がいることが明らかです。
この人しかおらんやろという想像は早いうちについてしまう。
 
面白かったことは否定しませんが、いくら復讐の気持ちがあろうとも、
こんな人がこんなに次から次へと躊躇なく人を殺すのはどうだか。
しかも金持ち逃げして、トンズラしたままということでしょ。
私はとても清々しい気持ちにはなれません。
 
ただ、人の命の価値を医師が選別して、
死んでいい奴、生かす奴を判断していいわけがないという言葉は心に沁みる。
なぜ告発しようと思ったのか、正義感を見せたいだけかと記者たちから問われた速水が、
裏切りたくないから、と言うシーンもよかったです。
 
ま、こんなもんということで。

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『ジュディ 虹の彼方に』

『ジュディ 虹の彼方に』(原題:Judy)
監督:ルパート・グールド
出演:レネー・ゼルウィガー,ジェシー・バックリー,フィン・ウィットロック,
   ルーファス・シーウェル,マイケル・ガンボン他
 
シネマート心斎橋で2本ハシゴして2本とも泣いた後、
ぷらぷら歩いてなんばへ向かう。
すっかり外国人客の減った戎橋筋商店街などを歩きながら、
TOHOシネマズなんば別館へ。
 
レネー・ゼルウィガーといえば、ぽちゃっとした明るい女性の印象。
そのイメージそのままに大人気を博したのが、“ブリジット・ジョーンズの日記”シリーズでした。
私はそれよりも前の『ザ・エージェント』(1996)の彼女も忘れられません。
最近見かけなくなったことを残念に思っていた折、
『砂上の法廷』(2016)を観て衝撃を受けました。
「誰やねん、この女優?」と最初はわからなかったほど。
やつれて老けてしまった彼女、言うてもまだ50になってへんやろ?悲しすぎるって。
 
本作の予告編を観たときも、まぁまぁの衝撃を受けました。
あの溌剌としたレネーはどこへ。
でもこれはそんなデコのシワも役にぴったり。
ミナミでハシゴの3本目でしたが、これも泣きました。
 
1939年に公開されたミュージカル映画『オズの魔法使』に主役のドロシーとして出演、
17歳にして一躍大スターとなったジュディ・ガーランド
1940年代から50年代にかけてハリウッドで大活躍した彼女が、
身も心もぼろぼろになっていた1968年から本作は始まります。
 
子役の頃から自由な時間はなく、太らぬように食事制限されて睡眠も十分に取れず。
そんな日々を30年に渡って送ってきたジュディはほぼ薬漬け。
仕事のオファーといえば巡業ショーしかなく、
娘と息子を連れてあちこちを転々とする毎日。
定宿にしていたホテルの宿泊費を滞納して追い出され、
致し方なく子どもたちの父親である3人目の元夫シド・ラフトのもとを訪れる。
 
安定した収入があり、子どもたちにも愛情を注いでいるシドは、
ジュディからふたりを引き取ることを申し出る。
激しく拒否するジュディだが、金が貯まるまではそうすることに。
 
ロンドンではいまだ絶大な人気を誇るジュディは、こうして単身渡英。
ロンドンでの公演に再起をかけて臨むのだが……。
 
吹き替えなしで歌ったというレネーの歌が素晴らしい。
デコのシワを見るにつけ、切なさで胸が痛みます。
 
ロンドン公演に再起をかけていたくせして、情緒不安定。
世話係のロザリンを振り回し、もう大変。
結局、飲酒して薬を飲んでステージを台無しに。
彼女の出演はなくなり、代役を立てて公演が続けられることに。
 
終盤、ロザリンとバンドリーダーのバートが用意してくれたケーキを
おそるおそるジュディが食べるシーンになぜか涙。
あとは、ステージ上で歌えなくなったジュディに起こること。
これ、間違いなく私が泣いてしまうパターンで(笑)、そのとおり号泣。
 
子どもたちへの彼女の想いを考えれば居たたまれない。
虐待や育児放棄が毎日のようにニュースで取り上げられるなか、
彼女は本当に子どもたちを愛していたし、子どもたちもそうだった。
 
ロンドン公演が終わった半年後には亡くなったという事実が残念でなりません。
きっと永遠に歌い継がれる、“オーバー・ザ・レインボウ”。
 
ところで、シド役のルーファス・シーウェルって、マジでハゲた?

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『劇場版 おいしい給食 Final Battle』

『劇場版 おいしい給食 Final Battle』
監督:綾部真弥
出演:市原隼人,武田玲奈,佐藤大志,豊嶋花,辻本達規,水野勝,
   直江喜一,ドロンズ石本,いとうまい子,酒向芳他
 
3本とも泣いたハシゴの2本目。同じくシネマート心斎橋にて。
 
TSUTAYA DISCASの新作情報をチェックしているとき、
本作のTVドラマ版のことを知りました。
なんか面白そうやんと思っていたら、その劇場版が折良く公開。
きっとTVドラマ版未見でも楽しいに違いないと信じて。正解!
 
常節中学校の教師・甘利田幸男(市原隼人)は、給食を愛してやまない男。
給食のために学校に来ているといっても過言ではないが、
そんな気持ちを万が一周囲に気づかれでもすれば、
教師としての威厳が消え失せてしまうから、絶対に悟られたくはない。
 
給食のない中間試験期間が終わり、甘利田の心はウキウキ。
給食再開の初日、はやる心を抑えながら幸せに給食を完食。
 
ところが、おそらく甘利田に勝るとも劣らない給食愛を持つ生徒・神野ゴウ(佐藤大志)が、
信じがたい食し方をしているのを見て、甘利田は敗北感でいっぱい。
翌日の給食に向けて対策を練るが、それも見事にゴウにやられてしまう。
こうして密かに続く静かなるバトル。
 
そんなある日、校長・渡田寛治(酒向芳)から呼ばれた甘利田は、
教育委員会からやってきた委員長・鏑木(直江喜一)の言葉に呆然。
なんと半年後に給食が廃止されるというのだ。
抵抗を試みようとする甘利田に、鏑木は決定事項だと冷たく言い放ち……。
 
舞台になっているのは1984年らしいですが、そんな昔の雰囲気はありません。
それでも給食は給食、私たちが子どもの頃と同じで嬉しくなる。
 
知らない献立がいっぱいあったのは目からウロコ。
ソフト麺なんてものは知らないし、ぶどう豆にレーズン食パンというのも衝撃的。
ミルメイクも聞いたことすらなくて、そんなものがあるのかとビックリ。
 
教育実習生の話ははたして必要だっただろうかと疑問ですが、
それ以外はとても楽しかった。
市原隼人がめちゃめちゃ可笑しい。生徒相手に本気になる可愛い先生です。
教育委員長役の偉そうなハゲ、誰やねんと思ったら直江喜一で笑った。
給食のおばさんがいとうまい子(伊藤麻衣子改め)というのもいいでしょ?
 
国語のテストで三島由紀夫が出てくるのもオツ。
焚き火を越えて来いという気持ち、私ならなんと回答しようかな。
 
映画と本でいっぱいっぱいだから、TVドラマを観る時間はつくれそうにないのですけれど、
これは観たいな、TVドラマ版も。

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