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『サーホー』

『サーホー』(原題:Saaho)
監督:スジート
出演:プラバース,シュラッダー・カプール,マンディラ・ベーディー,
   ニール・ニティン・ムケーシュ,ジャッキー・シュロフ他
 
ダンナは19時すぎから自宅でテレビ会議に出席すると言う。
ほなら私は17時すぎからの映画を観に行ってもええやん。
というわけで、家から5分で行ける109シネマズ箕面へ。
 
本作上映のシアター6は客席270超。
上映時間169分で、予告編を入れると3時間ちょうど。
いつも不満な109シネマズ箕面の駐車サービスは、
いくら長い映画を観ようともハシゴしようとも3時間が上限。
キワキワに行けばもしかすると3時間で出庫できるかもと思い、
ギリギリの時間に到着するように行ったのに、他に客がいない。
“おひとりさま”だわ♪と思ったら、あと2人来場。
それでも3人しかいないのね。空き空きの安心映画館。
 
“バーフバリ”シリーズのプラバース主演のインド作品。
最初の説明がやたら速くてややこしく、ついて行けず。
このまま置いてけぼりを喰らうのではと心配しましたが、
終わってみればめっちゃ面白かった。さすがボリウッド
 
暗黒帝国の大都市ワージーを牛耳るロイ・グループ。
そのトップに君臨するロイにはこんな過去がある。
かつてムンバイにおいて抗争に敗れ、ムンバイからワージーへ脱出、
ワージーの首領プルドヴィラージの目に止まったのだ。
 
プルドヴィラージのもと、順調に組織を発展させたロイは後継者に。
後継者の座を奪われたプルドヴィラージの息子デーヴラージは、
ロイのことが憎くてたまらない。
このような内部対立が表面化し、またしても抗争となることを恐れたロイは、
裏社会から脱却してロイ・グループを設立、合法的事業を展開する。
 
やがてロイは再生可能エネルギーと水力発電事業を手がけ、
インド政府からも認められて優遇措置を受けるまでに。
やっと大手を振ってムンバイへ戻れることになり、凱旋。
ところが、その折、ロイは何者かに暗殺されてしまう。
 
その3週間後、ムンバイで被害総額3億ドル(約300億円)の窃盗事件が発生。
数十名に上る実行犯を全員逮捕したものの、全員犯行を否定。
供述を聞いたところ、彼らは犯罪と認識せずに行動した結果、
最終的に窃盗が起きて、首謀者が全部持ち去った様子。
 
難解な事件のため、ムンバイ市警幹部は覆面捜査官に解明を託す。
現場に現れた捜査官の名前はアショーク。
驚異の身体能力と強靱な体力、鋭い洞察力を兼ね備える彼は、
組織で見下されてくすぶっている美人刑事アムリタをメンバーに加え、
捜査を開始するのだが……。
 
インド作品を初めて観る人にはお薦めしません。
ボリウッド慣れしている人ならば、ニタニタできるでしょうけれど、
そうでなければネタに笑えず、薄ら寒ささえ感じてしまうかも(笑)。
要はおじさん的ノリで、スベっているのです。
でもそこも楽しいところで、寒いなぁと思いつつ笑いました。
 
肝心の事件のほうはドンデン返しに次ぐドンデン返し。
最初から誰が味方で誰が敵やらわからないのですが、
それがわかってからも、えーっ、えーっ、えーっの繰り返し。
強すぎるアショーク、いえ、サーホーが頼もしくて、
自意識過剰気味なところも可愛らしく思えてしまう。
 
暑苦しい顔もインドでは人気なのかなぁ。
私はサルマーン・カーンのほうがタイプだけど、
ずっと見ていたらプラバースもいいと思っちゃうかも。
 
ボリウッド、楽し。

—–

『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』

『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』(原題:El Pepe, Una Vida Suprema)
監督:エミール・クストリッツァ
 
テアトル梅田にて、前述の『ママをやめてもいいですか!?』とハシゴ。
 
どっちを向いてもコロナウイルスのニュースだらけ。
感染マップを見ていたら、ふと気づきました。
日本地図を見ていてもどこの県だか全部言えそうにない私、
世界地図なんて見たら、どの国がどこにあるのかまったくわからん。
 
そんなことに気づいて、自分の物知らなさ加減に唖然としていたら、
大好きなエミール・クストリッツァ監督がウルグアイのドキュメンタリーを撮ったという。
ウルグアイってどこにある?
そっか、ここにあるのですね。このたびしっかり頭に叩き込みました。
 
南米の小国ウルグアイ。
1950年代までは「南米のスイス」と言われていたそうです。
その後は打って変わってほかの南米の国と同じく軍事政権に。
そこで2010年から2015年にかけて大統領を務めたホセ・ムヒカ。
クストリッツァ監督がホセ・ムヒカの日常に密着した作品です。
 
ホセ・ムヒカは収入のほとんどを貧しい人々に寄付。
今にも止まりそうなボロッボロのワーゲンに乗り、職務の合間に農作業。
腐敗とは無縁な質素な暮らしぶりを続けました。
 
そんな彼ではありますが、若い頃には左翼ゲリラに参加。
過激な政治闘争を繰り広げ、約13年間の獄中生活を送った過去があります。
身体中に銃弾を撃ち込まれて、脾臓摘出、肺も4分の3がないんだとか。
 
ほとんど知識のない国のことだったから、いろいろびっくり。
まず、若かりし頃にこんな経歴を持つ人が大統領になったということに驚愕。
しかしこういう人だからこそ民衆の気持ちがわかるのか。
そういえば現在のローマ教皇だって若い頃は過激な行為に走ったこともあり、
それを非難されることもあったけれども同時に愛されているんだなぁと。
 
ウルグアイという国について知りたくなる1本です。

—–

『ママをやめてもいいですか!?』

『ママをやめてもいいですか!?』
監督:豪田トモ
ナレーション:大泉洋
 
不要不急の外出は控えよと言われても、映画を観るのは私の生き甲斐。
劇場が休業しているならともかく、営業しているならば行きたい。
どこもかしこも開店休業状態になって潰れちゃったりしたら困るのです。
テアトル梅田へ。
 
豪田トモ監督、失礼ながら存じ上げません。
お名前を見ててっきり女性だと思っていました。男性だとは。
中央大学法学部を卒業してサラリーマン生活を送ったのち、
突然(だったかどうかは知らんけど)映画監督になろうと海外へ。
修行を積んで何本かの短編映画を制作。
 
日本に帰国してフリーの映像クリエイターに。
自身のプロダクションを立ち上げて、『うまれる』(2010)を製作、公開。
その『うまれる』でも本作でもプロデューサーを務めている牛山朋子さんが奥様とのこと。
『うまれる』は現在も各地で自主上映会がおこなわれているそうです。
 
さて、私は、以前にもこのブログに書いたことがあるかもしれませんが、
幼稚園のとき、いじめられっ子でした。
と言ってもいじめっ子はふたりだけ。彼女たちはいとこ同士でした。
入園初日に母から離れたくないと私は園庭で大泣きし、
それを面白がったいとこ同士のふたりに運悪く背の順で挟まれることに。
頭から砂をかけられたり、ねちねちと意地悪なことを言われたり。
近頃のいじめと比べれば何ちゅうことないいじめだったと思いますが、
そのことが心の傷となったせいで、自分で子どもを持つ気には到底なれませんでした。
 
幸いにしていじめっ子ふたりは別々の小学校に。
片方と私は同じ小学校でしたが、ひとりじゃ何にもできないいじめっ子。
同じクラスになることもなく、小学校以降は私は楽しい毎日を過ごしました。
でも、自分の子どもがあんな目に遭うかもしれないと思ったら怖すぎて。
 
このドキュメンタリー作品に登場するママたちは、
そういうことではないけれど子育てについて悩んでいるのだと思っていたら、
ひとりは幼い頃に母親が自殺、もうひとりはやはり幼少期に母親が蒸発と、
私のいじめられた話なんて屁でもないぐらいの体験をされていました。
 
そのせいで、完璧な母親になりたいという気持ちが強すぎたり、
なのに子どもを抱きしめることに躊躇したり。
子どもはそれを感じ取っているのか、「ママは私のことが好き?」と手紙を書いてきたりする。
 
もっとシンプルかつ切実に悩んでいるママたちもいっぱい。
パパに手伝ってほしい、でもなかなか言えない。
してほしいことがあれば何でも言ってくれと言うけれど、
実際に言えば嫌な顔をするじゃない、とか。
「もっと早く帰ってきて」、でも「もっと稼いできて」、
どないせえっちゅうねんというパパの声もあります。
 
ママたち、みんな凄い。
私はチャレンジしなかったことだから、本当に凄いと思う。
涙ぽろぽろこぼれました。
 
コロナ騒ぎのなか、子どもと自分だけの時間が増えて、
ストレスを溜め込んでいるママたちも多いはず。
オンライン署名が1000名分集まったら、オンライン上映が実現するそうです。
署名に参加しませんか。

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『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』

『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』
監督:豊島圭介
ナレーション:東出昌大
 
109シネマズ箕面にて。
 
三島由紀夫に関する私の知識はとても浅い。
知っているのは1970(昭和45)年11月25日の三島事件のことぐらい。
「天皇万歳!」と叫んで割腹自殺したという事実が頭に残り、
天皇大好きな右翼作家と決めつけていました。数年前までは。
 
職場で「ご自由にお持ちください」と書かれた箱の中にあった『美徳のよろめき』
「観なきゃ、読まなきゃ、文句も言えない」というのが私の信条ですから、
読まず嫌いもどうかと思って読んでみて度肝を抜かれる。
なんと美しい日本語なのでしょう。私のイメージが変わる。
 
その後観た『美しい星』(2016)。
三島が原作となった本を書いたのは50年以上前だということにまた驚く。
いやはや凄い人だと思いました。
 
それでもまだ本作を観るまでは「右のひと」のイメージ強く。
その変人ぶりを見るつもりで劇場へ足を運んだのに、
三島由紀夫という人に魅せられてしまった。
 
1969(昭和44)年5月13日。その年の初め、東大安田講堂事件が起きました。
これは、全学共闘会議、略して全共闘を名乗る新左翼の学生たちが、
授業料の値上げ反対や大学の民主化を掲げ、安田講堂を占拠した事件。
全共闘が相反する主張を持つ三島由紀夫を招き、
三島一人を全共闘の学生千人が迎え撃つ形で討論することに。
 
そのときすでに大作家となっていた三島をやり込めてやれ。その場で切腹させてやる。
そんな気持ちで駒場キャンパス900番教室に集まった学生たちのもとへ単身乗り込んだ三島。
 
血気盛んな学生たち相手だから、何が起こるかわからない。流血騒ぎになるかも。
周囲に心配されて始まった討論は意外にも和やか。
討論会のポスターには近代ゴリラと揶揄された三島の似顔絵と
飼育料100円(つまり参加料のカンパ)というナメた文言があるにもかかわらず、
それを笑い飛ばす余裕が彼にはあります。
 
余裕があると言っても、学生たちのことを見下しているわけではない。
次々と繰り出される彼らの意見を真剣に聴き、
ユーモアを交えながらも真摯に答え応じる。
なんだかんだで学生たちも三島のことが好きだったにちがいありません。
 
右翼作家だと思っていたけれど、彼の思想は決して右ではない。
言葉の持つ力を信じ、言葉で社会は変えられると信じている。
このドキュメンタリー作品を観て、彼のことが好きでたまらなくなりました。
 
インタビューに応じているのは、元全共闘の学生、および三島が立ち上げた楯の会の学生、
ほかに平野啓一郎瀬戸内寂聴など。内田樹の話が非常に面白かった。
 
哲学的な話も三島のように解説してくれる人がいたならば。
あの自決がいまさらながら残念でなりません。
そして今、大阪の劇場がすべて休業中でこの作品を観られないことも残念至極。

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『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』(原題:Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)
監督:キャシー・ヤン
出演:マーゴット・ロビー,メアリー・エリザベス・ウィンステッド,ジャーニー・スモレット=ベル,
   ロージー・ペレス,クリス・メッシーナ,エラ・ジェイ・バスコ,ユアン・マクレガー他
 
昨日から大阪の劇場はすべて休館で、本作を観に行ったことすら懐かしい。
109シネマズ箕面にて。
 
『スーサイド・スクワッド』(2016)が面白かったのは覚えているけれど、
なにせ3年以上前のこと、内容は記憶の彼方。
DCコミックスの人気悪役キャラクターが一堂に会した作品だったのですねぇ。
 
そういえば3年以上前の公開時は、DCコミックスに詳しい人でなければ、
主人公のハーレイ・クインがジョーカーの恋人だと言われても、
ジョーカーって誰よという感じだったでしょう。
それが『ジョーカー』(2019)の想定外の大ヒットのおかげで、
みんながジョーカーのことを知っている。
とはいうものの、あれは既存のアメコミ作品とは一線を画していたから、
あのジョーカーと本作で名前の出るジョーカーとは違う気もします。
 
悪のカリスマと言われるジョーカーの恋人だったハーレイ・クイン。
破局したことをしばらくは誰にも言えずにいたが、
吹っ切るべく行動に出たところ、ふたりの別れがゴッサムシティ中に広がる。
 
ジョーカーの後ろ盾がないとわかれば、ハーレイを抹殺したい悪党うようよ。
ハーレイはあちらからもこちらからも命を狙われるようになる。
 
その中でも特にハーレイを嫌う“ブラックマスク”ことローマン・シオニス。
極悪中の極悪として名高い彼からあろうことかダイヤを盗んだ奴が。
 
犯人は凄腕の掏摸、まだ少女のカサンドラ・ケイン。
ちょうどローマンに取っ捕まったハーレイは、
カサンドラを見つけてローマンに引き渡すことを約束。
ローマンは条件を飲み、ハーレイを解放するのだが……。
 
女性の活躍する作品のなんと多いことよ。
本作も予告編でワルカワとありましたが、悪くて可愛く、めちゃ強いんです。
 
ローマン役には悪役はなかなかに珍しいユアン・マクレガー
彼に立ち向かうワルカワ女子軍団は、ハーレイ役のマーゴット・ロビーほか、
復讐に燃える暗殺者、ハントレス役のメアリー・エリザベス・ウィンステッド
人を吹っ飛ばすほどの歌声を持つブラックキャナリー役にジャーニー・スモレット=ベル。
あ、ワルカワはここまでで、あとひとり、ただのおばちゃんが(笑)。
男に手柄を横取りばかりされているおばちゃん刑事役がロージー・ペレス。ワラける。
 
小気味よくて気分爽快。
マーゴット・ロビーは、普通の女子の役よりもこんな役のほうがやはり似合う。
まだまだ続きそうなので期待します。

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