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『ラスト・デイズ』

『ラスト・デイズ』(原題:Los Ultimos Dias)
監督:ダビ・パストール,アレックス・パストール
出演:キム・グティエレス,ホセ・コロナド,マルタ・エトゥラ,レティシア・ドレラ他
 
引き続き、Amazonプライムビデオの見放題作品の中で未見のものを探す。
コロナ禍で観るにはうってつけなやつ、発見。
 
2013年のスペイン作品。
どう見てもB級だからDVDスルーだったろうと決めつけていたら、
えっ、これ、劇場公開されたんですか。
客がどの程度入ったのかめちゃくちゃ興味があります。
しかし今ならこの手の作品はどれも先見の明があったかのように思われそう。
 
いろんなサイトで紹介されているあらすじがちょっと変なんです。
「ニューヨークで引きこもりの少年が自殺」とかって、カナダやし。
「シドニーのオペラハウスでは客が外に出ることを拒否」って、そんなシーンないし。
こういうところもB級だからなんやろなぁ。
 
「20分ルール」なんてものはなく、すでに急変した事態から始まります。
 
スペイン・バルセロナ
人々が建物の外へ出られない状態になってしばらく経つ。
外へ出た瞬間に悶え苦しんで死に至ってしまうからだ。
 
ある会社に勤めるマルクが異変に気づいたのは、
彼の隣人がいつからか怯えていっさいの外出をやめたから。
また、同僚のロビラがこっそり会社に寝泊まりするようになる。
何かを恐れて外に出ようとしないロビラは解雇されたが、
無理やり外に連れ出された瞬間に泡を吹いて死亡。
ロビラのロッカーを開けてみると、
そこには非常用の飲食品や燃料、懐中電灯などが入っていた。
 
今は誰もが建物内にこもり、行き来するには地下を通るしかない。
食物を求めて諍いが起こり、治安は悪くなるいっぽう。
 
マルクは喧嘩別れしたままの恋人フリアのことが心配。
どうにかしてフリアに会いにいけないものかと考えていたところ、
マルクの会社に人員整理のために来ていたエンリケが
GPS機器を持っていることを知る。
 
エンリケがどこかから盗んできたことは確実。
誰もがほしがっているものをエンリケが持っているとバレれば、命が危うい。
そこでマルクはそれをネタに脅しをかけ、
フリアのところへ連れて行ってほしいと頼む。
 
エンリケにも行きたい場所があるらしく、
お互いに信頼できないふたりが一緒に出発するのだが……。
 
「スペインで最初の死者が出てから2週間、それが今や世界へ」というところが、
シャレにもなりません。
何かのウイルスが蔓延しているようなのですけれど、それが何なのかは明かされず。
外に出たらあかん言うけど、窓を破って外の風にさらされても大丈夫って、どーゆーことよ。
 
もうツッコミどころは満載なのですが、こういうのは嫌いじゃない。
クビにする側とクビにされる側だったふたりが、
行動を共にするうちに絆を固くするというのも、ありがちで悪くないし(笑)。
 
オーストラリアの部族がウイルスに打ち勝つすべを知っているらしいという話に、
『ナイチンゲール』を観たばかりだった私はびっくり。
アボリジニという名前は出てこなかったけれど、
「ブーメランを使う部族」と作品中で話されていました。
 
ウイルスに有効な手立てはないまま最後まで話は進み、
結局、えっ、思い切りが大事ってこと!?
ハッピーエンドだから、まぁいいや。
 
Echo Show 5のスクリーンは小さいけれどとても綺麗。
ウイルスが蔓延しようともバルセロナの街は美しい。

—–

『こんぷれっくす×コンプレックス』

『こんぷれっくす×コンプレックス』
監督:ふくだみゆき
声の出演:林奏絵,上妻成吾,春名風花,山口遥,広江美奈他
 
劇場で観た作品については、昨日UPした『春を告げる町』で打ち止めです。
営業している劇場があるかぎり通うつもりでしたが、もうどこも開いてない。
私の行動範囲内の劇場がすべて休業という事実に
こんなにも自分が凹むとは想像もしていませんでした。
一日も早くコロナが収束してまた劇場にかよえる日を夢見ながら、
あまり利用したことのないAmazonプライムビデオで物色。
 
Amazonがいろいろと映画を薦めてくれるけれど、観たやつばっかりなんです。
そらそうだ、シネコンでは観るものがなくなるぐらい観ていたんだから。
そう思うと今の状況が余計に悲しくなっちゃって。
 
新作や最新作の映画の中には未見の作品がほとんどなし。
ならば旧作で観そこねていたものを探しましょう。
あまり前向きな気持ちになれないゆえ、まずは2017年のサクッと24分の作品を。
 
観はじめて気づく、これ、観たことあるでぇ。
そやわ、TSUTAYA DISCASで定額レンタル枚数を消化するために観たやつやわ。(^^;
2度目でしたが、わりと面白かったのでご紹介。
 
編集とプロデューサーを務めるのは『カメラを止めるな!』(2018)の上田慎一郎
そやそや、それでレンタルしたんやったわ〜。
 
中学2年生の小谷ゆいは、男子の脇毛が気になって仕方がない。
水泳の時間、まだ脇毛の生えていない男子が多いなか、
同級生の武尾マサトの隆々とした脇毛に目が釘付け。
 
ある日、前髪を切りすぎたゆいに武尾くんが「マチルダみたい」と声をかける。
マチルダ!?マチルダって何!?
ネットで検索したゆいは、ある映画に出てくるヒロインの名前だと知る。
さっそく父親を誘ってその映画を観るゆい。
 
これをきっかけにゆいと武尾くんは言葉を交わすようになるのだが……。
 
マチルダが出てくるのは何の映画かというと、
そこそこ映画好きの人ならすぐにわかるはず、『レオン』(1994)です。
あのとき13歳かそこらだったナタリー・ポートマンもアラフォー。
お母さん役を演じる女優となりました。
 
武尾くんは『レオン』のことも知っていたけれど、本来はカンフー好き。
彼と話したい一心でカンフー映画のビデオを借りるゆいは、
カンフー自体に興味は持てず、とにかく俳優の脇毛をチェック。
ブルース・リー何点、お父さん何点、先生何点などと脇毛に点をつけて
メモ帳に書いているところが可笑しい。当然、武尾くんの脇毛ダントツ(笑)。
 
武尾くんが脇毛を剃ってきたときの衝撃と言ったら。
それをきっかけにゆいは脇毛に対する思いを打ち明けますが、
ふたりで号泣するシーンは笑って感動(とまでは行かないか(^^;)。
 
ちょっと楽しい24分間。
プライム会員なら無料で観られますから、気が向いたらどうぞ。

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『春を告げる町』

『春を告げる町』
監督:島田隆一
 
大阪と兵庫に緊急事態宣言が発令されるなか、
京都シネマで4本ハシゴの4本目。
次週には京都の劇場も自粛となったので、
本作を最後に劇場に行くことは叶っておりません。
だから、今のところ最後の劇場映画鑑賞。
 
東日本大震災で町民の避難を余儀なくされた福島県双葉郡広野町。
本格的に帰還した人びとの日々を記録したドキュメンタリー作品です。
 
2020年の東京オリンピックは「復興五輪」を掲げられ、
この広野町が聖火リレーの出発地点に選ばれました。
復興復興というけれど、そもそも復興って何なの?
そんな疑問を私たちにもぶつけています。
 
震災の日にこの世に生を受けた赤ちゃん。
町おこしには賛成派もいれば反対派もいる。
被災体験をモチーフにした演劇を手がける高校生たち。
 
コロナ騒動が起きなければ、聖火リレーも続いていたはずなのにと複雑な気持ち。
復興について改めてじっくり考えられる日が来ますようにと、
今は念じるしかありません。

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『最高の花婿』、2回目。

大阪と兵庫に緊急宣言事態宣言が発令され、劇場は軒並み休業中。
営業している京都シネマまで出かけて『もみの家』『淪落の人』を鑑賞したけれど、
ほかに上映中の作品で未見のものは、その後2時間15分空けなければ無し。
普段であれば、ココン烏丸の1階にある“オーバカナル”で1杯飲みながら
読書してその2時間15分を潰すところですが、オーバカナルも休業中。
 
う〜ん、どうしようと迷っていたら、
500円で観られる名画リレーという催しで上映中の作品が目に飛び込む。
おっ、これは4年前にシネ・リーブル梅田で観て、めっちゃ笑ったやつ。
『最高の花婿』をもう一度観ることにしました。
 
フランスのシノンに豪邸を構える夫婦には娘が4人。
長女、次女、三女がそれぞれにフランス人ではない男性と結婚し、
四女だけはフランス人と結婚してくれるものだと信じていたら、
なんと今度はアフリカ系黒人を連れてきた、というお話でした。
もうほんとに楽しくて大笑い、ちょっぴりじんわり、
ハートウォーミングとはこういう作品のことだなと思ったものでした。
 
本当はこの続編である『最高の花婿 アンコール』が先月末から公開の予定でしたが、
コロナ騒動のせいで公開延期に。
で、こうして名画リレーでかかっているというわけですね。
 
2回目もやっぱりすごく楽しい作品でした。
こんな映画を観ている間は、世間の暗い話を忘れられる。
劇場を出てから、がら空きの街並みを見て、客の少ない電車に乗ると、
一気に現実に引き戻されます。そのときの喪失感の大きさといったら。
 
劇場もどこも大変。
今さらですが、この日は京都シネマの会員になりました。
これまでは第七藝術劇場などの劇場間相互割引価格で観ていたのですけどね。
劇場もがんばれ!

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『淪落の人』

『淪落の人』(原題:淪落人)
監督:オリヴァー・チャン
出演:アンソニー・ウォン,クリセル・コンサンジ,サム・リー,セシリア・イップ,ヒミー・ウォン他
 
京都シネマで4本ハシゴの2本目。
大阪の劇場が休業中でなければ、きっとシネ・リーブル梅田で観ていたでしょう。
 
予告編を観たとき、『最強のふたり』(2011)の二番煎じを想像していました。
だって、身体に麻痺があって車椅子に乗る主人公が家政婦を雇うって、
男か女かの違いを除けば、まんまおんなじ気がしましたから。
そう思いつつもいい話だろうと思って観に行ったら、やっぱりいい話。
むしろ本作のほうがより共感できます。おなじアジアということなのかなぁ。
 
不運な事故に遭って半身不随となった男リョン・チョンウィン。
妻は息子を連れてリョンのもとを去り、再婚。
リョンはわずかな賠償金を頼りにつましい一人暮らし。
車椅子生活ではいろいろと不便があり、身の回りの世話をしてくれる人が必要で、
フィリピンから出稼ぎに来た家政婦エヴリンを雇う。
 
エヴリンは英語はできるが広東語はできない。
リョンは英語ができないから、意思の疎通を図るのも大変
しかし、看護師だったエヴリンは下の世話なども嫌がらない。
ほかに家政婦を探すのも面倒になり、エヴリンを雇い続けることにするのだが……。
 
『最強のふたり』の雇い人と雇われ人が同じ国の人間だったのに対し、
本作は香港とフィリピンというまるで違う国の人間。
エヴリンには夫がいて、その夫と別れるべく香港へやってきました。
フィリピンの婚姻事情については私は全然知りませんが、
離婚するのはたいそう難しいらしく、エヴリンも苦労しています。
 
フィリピンから香港へ出稼ぎに来ている女性たちはSNSを通じて繋がり、
情報を共有し合って、たまにストレスを発散すべく女子会なんかも。
道端に段ボールで囲ったスペースを作り、
そこでお菓子を食べながら話している姿は衝撃的でした。
家政婦として務めるときはバカのふりをしたほうがいいというアドバイスも受けます。
 
写真家になりたくて、大学にも合格していたのに、
夢を諦めざるをえなかったエヴリン。
その夢の実現になんとか協力したくてこっそり行動を開始するリョン。
彼が事故に遭った当時の同僚ファイ役をサム・リーが演じていて、非常によかった。
ファイが何故にこれほどまでリョンに手を貸すのかをエヴリンに問われたとき、
自分はよそからやってきて、広東語も下手で、
だけどリョンだけは優しかったと答えます。
国の事情を垣間見ることができて、いろいろと心に刺さりました。終盤は涙の嵐。
 
英訳タイトルは“Still Human”。
そう、どうなろうが、人は人。
車椅子に乗らなければ動けなくても、心持ちは運べる。
 
今のご時世でも、心持ちだけは運びたい、届けたいですね。

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