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『未成年』

『未成年』(英題:Another Child)
監督:キム・ユンソク
出演:ヨム・ジョンア,キム・ソジン,キム・ヘジュン,パク・セジン,キム・ユンソク他
 
先週の土曜日。晩ごはんは祇園だというのに、動線を無視して心斎橋へ。
営業再開後初のシネマート心斎橋。
 
韓国作品で非常によく見かける俳優キム・ユンソクの監督デビュー作。
いくら名優でもメガホン持たせたらたいしたことなかった、
みたいなケースはよくあると思いますが、この名優は名監督のようです。
とてもよかった。
 
女子高生ジュリは、父親ダウォンが不倫していることを知り、
相手の女ミヒが経営する鴨料理屋に行き、こっそり様子を窺う。
慌てて帰る途中、同じ学校に通うユナとばったり。
ユナはミヒの娘だったのだ。
 
ミヒのほうからダウォンを誘ったのだと決めつけるジュリは、
もうふたりが会わないようにしろとユナに言うが、鼻であしらわれる。
そのときちょうどジュリに母親ヨンジュから電話がかかってきて、
ユナはヨンジュに「あなたの夫の不倫相手が妊娠している」とバラす。
 
ジュリの家では両親の間に不穏な空気が漂い、
すべてミヒ母娘のせいだと考えるジュリは、翌日ユナに殴りかかる。
大喧嘩となり、ふたりそろって教師から大目玉を喰らうが、
日頃から問題児のユナだけが先に帰され、
優等生のジュリから事情を聴こうと教師は必死。
 
一方、夫の浮気を知ったヨンジュはミヒの店へ。
まさか彼女が妻だとは思いもしないミヒは普通に接客。
ヨンジュも自分がどうするつもりなのか何をしたいのかわからない。
そのとき、ミヒが電話を受ける姿を見て、相手は夫だと確信。
居たたまれずに店を飛び出したところ、
追いかけてきたミヒをつい突き飛ばしてしまう。
 
ユナに病院から電話があり、学校に引き返したユナは、
病院に双方の母親がいるらしいとジュリに知らせる。
がなりたてる教師を置き去りにしてふたりは病院へ駆けつけるのだが……。
 
父親の情けないことと言ったらありゃしない(笑)。
なんでこんな男と結婚したのよ、不倫しているのよと、
ヨンジュとミヒ両方に言いたくなります。
娘たち、母親たちの誰の気持ちを考えても、たぶん女ならわかる。
 
ジュリ役のキム・ヘジュン、ユナ役のパク・セジン、
どちらも思春期の女子を目一杯演じていて好感度抜群。
ユーモアにも溢れていて、暗くなりすぎることがありません。
 
仲良くなれそうにもなかったふたりが、
早産で生まれてきた弟が保育器の中で快復していく様子を
一緒に見つめるシーンには心が温かくなります。
 
出会いと別れ、生と死。
いろんな場面で切なさが押し寄せ、涙が出ました。
この若い女優たちが今後どんな活躍を見せてくれるのかも楽しみです。

—–

『罪と女王』

『罪と女王』(原題:Dronningen)
監督:マイ・エル=トーキー
出演:トリーヌ・ディルホム,グスタフ・リンド,マグヌス・クレッペル,
   スティーヌ・ギルデンケアネ,プレーベン・クレステンセン他
 
1カ月半ほど劇場で映画を観られなかった鬱憤を晴らすように、
連日終業後劇場へ。この日はシネ・リーブル梅田まで行きました。
 
デンマーク/スウェーデン作品。
エロそうなポスターだけど、オバハンと少年の禁断の愛みたいな感じで、
オバハンの妄想が大の苦手な私は観るのを躊躇。
しかし次週以降のハシゴスケジュールを考えた場合、
本作を観ておかなければ次週観るものがなくなってしまう。(^^;
 
結果的には、凄く嫌な話でしたが、面白かったです。
 
中年女性のアンネは、児童保護を専門とする有能な弁護士
暴力や性的虐待を受けた子どもたちの支援に尽力している。
夫のペーターも優秀な医師で、可愛い双子の娘に囲まれ、
公私ともに充実した毎日を送っている。
 
ある日、ペーターの前妻の息子グスタフを一時的に引き取ることに。
17歳のグスタフは学校で問題ばかり起こして退学になり、
前妻のレベッカが寄宿学校に入れることにしたと言うから。
なんとか更生してほしいと願うペーターとアンネは、
グスタフをしばらく家族として迎え入れる決意をしたのだ。
 
心を閉ざしたままのグスタフだったが、
ある出来事をきっかけに、打ち解けようと努めるように。
双子の面倒もよくみる彼をアンネは好ましく思い始める。
 
そんな折、グスタフが夜中にガールフレンドを連れてくる。
アンネはグスタフの部屋から漏れ聞こえる声に耳を澄まして悶々。
その気持ちを抑えきれず、あるとき彼を誘惑してしまうのだが……。
 
子どもを守る立場の人間が、親子ほども歳の違う少年に手を出す。
本作を観た女性はまず間違いなくアンネに憎しみを抱くでしょう。
 
同様にオバハンが少年に手を出す話と言えば『愛を読むひと』(2008)がありますが、
『愛を読むひと』でケイト・ウィンスレットが演じた女性は
未成年と性行為に及ぶのは違法であることをきっちりと認め、
そのうえで、遊びなどではなく、本気の恋になりました。
アンネは完全に火遊びのつもりで、若い肉体がほしかっただけ。
バレそうになると知らんぷりを決め込むのですから、シャレにならん。
自分の息子を信じずに、嘘つきの妻を信じるペーターも同罪。
 
グスタフのことも好きにはなれませんでしたが、
それでもこの最期はあまりに気の毒。
 
グスタフのきゃぴきゃぴのガールフレンドを見た後に、
自室で裸になって自分の体をチェックするアンネも怖かった。
垂れた乳も服を着ればどないとでもなるようです(笑)。
あぁ、おぞましい。
 
だからさぁ、オバハンの妄想につきあったらあかんねんてばっ!

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『デッド・ドント・ダイ』

『デッド・ドント・ダイ』(原題:The Dead Don’t Die)
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ビル・マーレイ,アダム・ドライヴァー,ティルダ・スウィントン,
   クロエ・セヴィニー,スティーヴ・ブシェーミ,ダニー・グローヴァー他
 
『ANNA/アナ』を観た翌日も仕事帰りに1本。
109シネマズ箕面にて。
 
前週公開になった最新作の中でいちばん楽しみにしていたのが本作だったのですが、
いちばんつまらなかったような。イマイチでものすごく残念です。(T_T)
 
警察官がたった3人しかいないアメリカの田舎町センターヴィル。
事件らしい事件が起こるはずもない平和な町だったのに、
家畜やペットが次々といなくなるなど、不可解な現象が発生。
ある工事が原因で地球の自転軸がずれたらしいとの情報が。
 
地元唯一のダイナーで、ウェイトレス2名が惨殺される。
その遺体を見た警察官ロニーは、これはゾンビの仕業だと断言。
半信半疑の年長警察官クリフと婦人警察官ミンディだったが、
本当にゾンビが住民に襲いかかる姿を目の当たりにして震え上がる。
 
続々と出没するゾンビ。町はゾンビだらけになる。
3人は一緒にパトカーに乗り込み、巡回に出かけるのだが……。
 
曲者だらけのキャストは実に面白いんですよねぇ。
ミンディにはクロエ・セヴィニー
葬儀屋の女主人役のティルダ・スウィントンは特に○。
よそから遊びにやってきた女性にセレーナ・ゴメス
彼女もゾンビにやられたのちにロニーに首をぶった切られます。
 
いつものジム・ジャームッシュ監督のように、
シュールなところもあるにはあるものの、無駄にグロくて観ていられません。
 
ちょっと笑ったのは、アダム・ドライヴァー演じるロニーのキーホルダー。
「いい映画よね」という会話があって、自画自賛がワラける。
 
ま、普通の映画が好きな人には決してお薦めできません。
物好きな方だけどうぞ。

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『ANNA/アナ』

『ANNA/アナ』(原題:Anna)
監督:リュック・ベッソン
出演:サッシャ・ルス,ルーク・エヴァンス,キリアン・マーフィ,ヘレン・ミレン,
   レラ・アボヴァ,アレクサンドル・ペトロフ,エリック・ゴードン他
 
仕事帰りにTOHOシネマズ伊丹にて。
 
リュック・ベッソン監督によるフランス/アメリカ作品。
ちょうど1年前にアメリカで公開され、
日本では今年のGW明けに公開予定でしたが、コロナのせいで延期に。
アメリカでは評判イマイチだったようです。
もっと面白くあってほしかったけれど、それなりには面白い。
 
1990年のモスクワ。
露店でマトリョーシカを売っていた大学生アナは、
パリのモデル事務所にスカウトされる。
瞬く間にトップモデルとなった彼女は、
事務所の共同経営者オレグに見初められて交際開始。
しかし、何度会おうが体を許そうとしないアナに、
オレグはとっておきの秘密として自分が武器商人であることを打ち明ける。
バスルームへ入ったアナが出てきたとき、彼女の手には銃が。
オレグはアナに撃たれて死亡。彼女はその場を立ち去る。
 
話がいきなり5年進んだかと思えば数年前に戻ったり、
数カ月後とか数カ月前とかを行ったり来たり。
だからと言ってややこしいわけでもないのはすごいとこ。
 
マトリョーシカを売る前、天涯孤独の身でホームレス同然だった彼女は、
ペーチャというガラの悪い男に拾われました。
不幸な生活を送りながらも他に行くところがなく、ペーチャから離れられない。
ところがある日、ペーチャが本当の悪事を働いて、警察に追われます。
アナとペーチャが追っ手をかわして部屋に戻ったところ、
そこで待ち受けていたのがKGBの職員アレクセイ。
アレクセイはペーチャを瞬殺、なんとアナをエージェントとして養成しようとするのです。
つまりは、トップモデルになったのもオレグを殺したのも、すべてKGBの仕事。
 
ここにCIAの職員レナードも加わって、アナの取り合い、出し抜き合い(笑)。
こういう騙し合いは目新しい話でもなく、
最後の展開もなんとなく読めてしまって、めっちゃ面白いわけではない。
 
でも、キャストを見ているだけで楽しいです。
アナ役のサッシャ・ルスはロシア出身のスーパーモデルで本当に美しい。
アレクセイ役はルーク・エヴァンスで、この人は男前でええ体してるんですが、
なにしろずいぶん前にカミングアウトしているから、
女性とあまり絡みのシーンを演じられても……と思ったりも。
レナード役のキリアン・マーフィとの三角関係が面白いし、
KGBの幹部オルガ役のヘレン・ミレンもさすが。
ろくでなしのペーチャ役が『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』(2018)の主役、
アレクサンドル・ペトロフであることにも驚きました。
 
本作のサッシャ・ルスといい、美しい女スパイには心が躍る。
こんなスパイになら、騙されてもいいと思いませんか。

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『最高の花婿 アンコール』

『最高の花婿 アンコール』(原題:Qu’est-ce qu’on a encore fait au Bon Dieu?) 
監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
出演:クリスチャン・クラヴィエ,シャンタル・ロビー,アリ・アビタン,メディ・サドゥン,
   フレデリック・チョー,ヌーム・ディアワラ,フレデリック・ベル,ジュリア・ピアトン,
   エミリー・カン,エロディ・フォンタン,パスカル・ンゾンジ,サリマタ・カマテ他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『恐竜が教えてくれたこと』の後に。
 
コロナ騒動で公開が延び延びになっていた本作。
とても面白かった『最高の花婿』の続編です。
 
お金持ちで超保守的なヴェルヌイユ夫妻。
いずれも美人の娘4人が結婚相手に選んだのは、
長女がアラブ人、次女がユダヤ人、三女が中国人で、
最後に残った四女ぐらいは普通にフランス人と結婚してくれるものだと思いきや、
コートジボワール出身の黒人でした。というドタバタが前作。
 
娘の選んだ婿たちだからと、戸惑いながらもつきあってきた結果、
今もまだいろいろないこともないが、孫に恵まれて幸せいっぱい。
 
なのに、フランスでの自分たちの扱いに不満を持つ婿たちが、移住すると言い始める。
妻である娘たちもそれぞれ大賛成で、とっとと会社を畳んで家を売り払いにかかる。
娘が4人とも異国へ行ってしまう。孫と会えなくなってしまう。
ヴェルヌイユ夫妻はその事態をなんとか阻止しようと、あの手この手を考える。
 
一方、四女ロールの夫シャルルの妹が結婚することに。
シャルルの父親は大喜びで、「娘が普通に結婚するするのは躾の賜物」と
ヴェルヌイユ夫妻に自慢げに話すが、実はシャルルの妹はレズビアン
当然のことながら相手は女性で……。
 
前作のほうが笑った気はしますが、この続編もかなり面白かった。
劇場のあちこちから笑いが聞こえてきたのは嬉しいこと。
 
なんだかんだでとてもいい家族なんですねぇ、この人たち。
フランス万歳ではあるのですが、どこの国の人のことも貶めたりしていない作品です。
自分の子どもが国際結婚すると言っても今時そんなに驚かないでしょうけれど、
どうしようと思うことがあればぜひ本作をご覧ください。
 
明るくなれます。ありがとう。

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