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『君がトクベツ』

『君がトクベツ』
監督:松田礼人
出演:畑芽育,大橋和也,木村慧人,山中柔太朗,大久保波留,NAOYA,矢吹奈子,星乃夢奈,遠藤憲一,佐藤大樹他

109シネマズ大阪エキスポシティにて、前述の『28年後…』の次に。

原作は幸田もも子の同名少女漫画で、2019年より『別冊マーガレット』にて連載中。松田礼人監督の作品を私は初めて拝見します。

陰キャの若梅さほ子(畑芽育)は、高校時代、意を決して学校一のイケメンにコクったところ、散々な目に遭う。相手から笑われたのみならず、学校中にさほ子の告白が知れ渡って身の程知らずとまで言われ、以来、徹底したイケメン嫌いで、二度と恋はするまいと決めている。

さほ子の母親(しゅはまはるみ)は定食屋を営んでおり、さほ子もほとんど毎日店を手伝っている。そこへある日、国民的アイドル・グループ“LiKE LEGEND(ライクレ)”のリーダー・桐ヶ谷皇太(大橋和也)がやってくる。皇太の大ファンである親友のためにサインをもらおうとしたところ、皇太はさほ子にキラキラの笑顔を向けてファンサ。ドキッとしつつもイラッとしたさほ子は、誰でもアナタのファンだと思うなよと毒を吐いてしまう。

しかしその日から皇太は頻繁に来店。ハンバーグが大のお気に入りの皇太から出前の注文も入るようになり、さほ子はライクレの他のメンバーたちとも顔見知りに。ファンのために努力を惜しまない皇太の姿を見て、彼への印象が変わってゆき……。 

この手の作品を観ていつも思うのは、地味とかブスとかいう設定のヒロイン、じゅうぶん以上に可愛いから!ということ。眼鏡をかけさせておけば可愛くないように見えるだろうという感じ。いやいやいや、可愛いから。って、前にもこんなことを書きましたよね。ここで本当に可愛くない子が出てきたら、見たくないからと思うけど(笑)。

時折こっちが照れましたが、普通に面白いです。芸能プロダクションに出前に行ったさほ子が見かけるのが、藤田ニコルとか浜辺美波。本人役のカメオ出演。アンミカもテレビの中のタレントとして本人役で出演しています。

ライクレの残りのメンバーを演じるのは、木村慧人、山中柔太朗、大久保波留、NAOYA。誰かお気に入りの人がいるのならどうぞ。私がわかるのは、ほかの映画で見たことのある大橋くんと山中くんだけでしたけど。(^^;

『28年後…』

『28年後…』(原題:28 Years Later)
監督:ダニー・ボイル
出演:ジョディ・カマー,アーロン・テイラー=ジョンソン,ジャック・オコンネル,アルフィー・ウィリアムズ,レイフ・ファインズ他

109シネマズ大阪エキスポシティにて。

ダニー・ボイル監督のことは結構好きですが、前作の『28日後…』(2002)と『28週後…』(2007)は観ていません。だってその頃の私はまだホラーが苦手でしたから。今はホラーも躊躇なく観に行くようになって、話についていけるかなぁと思いつつ、予習もせずに鑑賞しました。

冒頭、大勢の少年と少女がひとつの部屋で肩を寄せ合って“テレタビーズ”を観ています。部屋の外では何かが起きているらしく、子どもたちは不安でいっぱいの顔をしているけれど、出てきてはいけないと親から言われているのか、懸命にテレビ画面に集中しています。しかし、そんな努力も空しく、ドアが破られてゾンビのごとき大人が殺到。逃げ惑う子どもたちが次々と捕まって無残に噛みつかれるなか、ジミーという少年だけが生き延びます。

場面変わって28年後。てっきり上記のジミーが大人になってゾンビと戦うのかと思っていたら、違うじゃあないか。

冒頭のジミーとちょうど同じ年頃の少年スパイクは両親との3人暮らし。ゾンビ(ってか、これってゾンビと呼んでいいんですかね?)の巣窟となっている本土から逃れ、人々は島で暮らしています。島の少年たちは、15歳前後になると大人と共に本土に出向くのが慣習。本土でゾンビを狩りつつ、島では手に入らない生活必需品等を本土で探して持ち帰る。そうして無事に戻れば、大人の仲間入りをしたことを島をあげて祝うのです。

スパイクはまだ12歳ながら、島でも屈指の強さを見せている父親ジェイミーに従って本土へ。動きの遅いゾンビを仕留めることに成功しますが、ゾンビの親玉アルファに遭遇してしまう。ジェイミーの的確な指示のもと、スパイクもなんとか島に帰り着いて皆に褒められます。

しかしそのお祭り騒ぎのなか、スパイクはジェイミーの浮気現場を目撃。スパイクの母親アイラは病に冒されて精神が不安定。そんなアイラを支え続けるジェイミーではあるけれど、スパイクは父親の浮気が許せません。本土に変わり者の医者がいることを知ったスパイクは、アイラを連れて島を抜け出します。母親を医者に診せる気があるとは思えない父親に代わって、自分が母親に治療を受けさせるため。

という物語。ダニー・ボイル監督、アレックス・ガーランド脚本というのがウリの本作は、巷の評判はあまりよくないようですが、私は結構楽しく観ることができました。かつてはゾンビといえば走らないと決まっていたものですが、いつしか走るゾンビが登場し、本作では動きの遅いゾンビと速いゾンビ、両方出てきます。そこも可笑しい。

ジェイミー役にはアーロン・テイラー=ジョンソン、アイラ役にはジョディ・カマー。変わり者の医師ケルソンを演じるのはレイフ・ファインズ。スパイク役のアルフィー・ウィリアムズも知的で勇敢な少年を好演。最後の最後にあのジミーが大人になったのがこのジミーですかという彼が登場します。

で、まだ終わらないのですよ。続くんかい!と思わずツッコミ。はいはい、次も観ますってば。次は早めにお願いしますね。私も体力がもたなくなってしまうから。(^^;

『リライト』

『リライト』
監督:松居大悟
出演:池田エライザ,阿達慶,久保田紗友,倉悠貴,山谷花純,大関れいか,森田想,福永朱梨,前田旺志郎,長田庄平,マキタスポーツ,尾美としのり,石田ひかり,橋本愛他

109シネマズ箕面にてポイント鑑賞しました。

法条遥の同名小説を基に、劇団ヨーロッパ企画主宰者の上田誠が脚本を手がけたそうです。それを松居大悟監督が映画化したとなると、面白そうな匂いしかしません。原作では中学校が舞台となっていますが、映画版では年齢を少し上げて高校の設定。

高校3年生の夏を迎えた美雪(池田エライザ)。同級生の茂(倉悠貴)から本の返却を頼まれて図書室へ行くと、目の前に転校生の保彦(阿達慶)が現れる。空から降ってきたか飛んできたかとしか思えない出現の仕方に驚いていると、保彦は自分が300年後の未来からやってきたことを明かし、今は昨日からここへ飛んできたのだと言う。信じられずに唖然とする美雪だったが、保彦から「今」の案内を頼まれて、学校のみならずあちこちへ一緒に出かけては楽しく過ごす。保彦によれば、彼は未来である小説に出会って魅入られたらしい。そこに書かれていたのはここ尾道のこの時代で、タイムリープできる薬をつくってやってきたと。

ある日、保彦から分けてもらった薬で10年後に一瞬だけタイムリープした美雪は、彼女を待っていたとおぼしき10年後の自分から、小説に書くように言われる。保彦が未来に帰ることになったとき、必ず小説を書き上げて時間のループを完成させることを約束。書き上げた小説を出版社に持ち込むも、保彦との思い出を綴った小説は編集者(長田庄平)からダメ出しを食らう。しかしそのセンスは認められ、ほかの小説を書くとこれが出版されて思いのほかヒット。美雪は堂々の作家となり、いよいよあの夏の日をテーマにした小説の出版話にこぎつけるのだが……。

完全ネタバレです。

保彦の秘密を知るのは美雪だけかと思ったら、同級生だった鈴子(久保田紗友)が同じ体験をしていたことを知ります。同様に小説を書いていた鈴子から敵意をむき出しにされて美雪は戸惑う。そして、もしかすると自分たちは二股をかけられていたのではないかと考えるように。

この時点では、保彦って、なんて酷い男なんだと思いましたね(笑)。ところがそうではありませんでした。

タイムリープしたのはいいけれど、どうにも抜け出せなくなった保彦は人のよさそうな茂に相談。将来小説を書き上げてループを完成させてくれそうな同級生は誰かを探していたのでした。結果、茂以外の同級生全員が保彦と夏を共に過ごし、男子も女子も心をときめかせていたというわけで(笑)。

いや~、茂の頑張りが凄い。もとの時代に帰れなくなった保彦は増え続けて実に33人。33人の保彦それぞれと行動している同級生たちがバッティングしないように注意を払う。保彦に何の義理もないのに、普通はできませんよね、こんなこと。自分を含めて33人が保彦にときめいていることに当時気づいたのはただひとり、友恵(橋本愛)だけ。保彦に恋しつつ憎み、自分を33人目として紹介した茂のことを恨み、自分以外の32人に先に小説を完成させてたまるものかと誓う。とても面白い話でしたが、不幸な家庭に育った友恵の執念と演じる橋本愛の表情が少し怖かった。

なんにせよ、上田誠の脚本は面白い。

『雪子 a.k.a.』

『雪子 a.k.a.』
監督:草場尚也
出演:山下リオ,樋口日奈,占部房子,渡辺大知,石田たくみ,剛力彩芽,池田良,石橋凌他

塚口サンサン劇場で前述の『レオ:ブラッディ・スイート』を観た後、晩の庄内でのイベントまでまだ時間あり。絶妙の時間帯に本作の上映があることを知り、ノーマークだったけど鑑賞。そうしたら、めちゃめちゃ良くて、今まで知らずにいてすみませんと思いました。他の劇場では今年初めに上映されていた作品なのですね。今これを持ってきてくれてありがとう。

草場尚也監督、存じ上げなくてそれもすみません。本作が劇場用映画初監督作なのだそうです。もうこれ1本で絶対忘れない監督になりました。

小学4年生の担任を務める教師・吉村雪子(山下リオ)、29歳ヒップホップが大好きで、自らもラップを始めて数カ月になるが、そんなことは同僚たちに決して言えない。仕事帰りの夜の公園で仲間と集まってラップする時間だけが楽しい。

4年2組の児童たちは皆可愛くて素直だが、問題はいろいろとある。たとえば森幸太郎(猪股怜生)は「音読」の宿題の保護者記入欄に明らかに幸太郎自身が書き込んでいる。親に電話するもいつも不在で、ついに来校した母親(中村映里子)からは音読の宿題に意味があるのかと問われる。突然不登校になった坂下類(滋賀練斗)の家庭を毎週訪問しているが、類は顔も見せてくれず、父親(池田良)は雪子のことを馬鹿にしたように薄ら笑い。

ラップで発散と行きたいところ、初めてバトルではクソミソにけなされ、それが当たっているだけに落ち込む。長く交際している恋人の堀田広大(渡辺大知)からは結婚の話を一方的に進められたうえに、ラップをしているときの雪子のことは正直に言って好きではないなどと言われて……。

自分の気持ちを言葉にするのが上手くはない雪子。ほかの教師たちが子どもたちと明るくコミュニケーションを取っているのに比べ、雪子はそうできません。その代わり、子どもたちのことをよく見ていて、心配事をひとりで抱えている子を見つけるとそっと声をかけます。

得意なはずの跳び箱をパスしようとする女子を見て、担任の谷川修介(石田たくみ)は何も考えていないけれど、雪子はその女子が生理中であることに気づいてそっと声をかけ、保健室に連れて行きます。こんなものとこの先ずっとつきあっていかなきゃならないなんてと嘆く女子と話す雪子の姿がとてもいい。

子どもたちからも「神」と言われているベテラン教師の大迫美香(占部房子)だって、人には言えないことがある。喫煙を「堂々と隠している」という話もよかったし、彼女の「生理用品の購入について」の話もよかった。

嫌な人を演じることの多い池田良が本作でも最初は嫌な人だなぁと思いながら観ていました。毎週判で押したようにやってくる雪子を見下しているとしか思えなかったけれど、本当は不登校になった息子にどう接すればよいかわからず悩んでいることが終盤にわかります。雪子に対して「あなたは毎週来ても気の利いたことひとつ言えない。だけど、あなたの言葉には嘘がない」。そして訪れるこの後の展開には涙がこぼれました。私の後ろの列に座っていた人は嗚咽していましたね(笑)。

吉祥寺から故郷の長崎に帰って出場するラップのコンクール。変装して観に来る父親を石橋凌が演じていて、この格好には笑った。私はラップに詳しくないので、出演者の顔を見ても全然わからないのですが、有名なラッパーが多く出ている模様。今までほとんど聴かずに来たけれど、こんなふうに想いを歌に乗せる音楽っていいかもと思いました。

思わぬ拾い物となった1本。

『レオ:ブラッディ・スウィート』

『レオ:ブラッディ・スウィート』(原題:Leo)
監督:ローケーシュ・カナガラージ
出演:ヴィジャイ,トリシャー・クリシュナン,サンジャイ・ダット,アルジュン・サルジャー,マシュー・トーマス,イヤル,プリヤ・アーナンド,マドンナ・セバスチャン,ガウタム・ヴァスデフ・メノン,ジョージ・マリヤーン他

休日、夜は庄内のカフェマタンゴにて太神楽パーカッションのコラボイベント“衛藤玉之助”。それまでの予定は空けたままにしていましたが、予想外に朝早く目が覚める。に面会に行き、サンドイッチを買いに行ってもまだまだ時間あり。庄内に行くのに都合のよさそうな劇場のスケジュールをいくつか調べてみたら、あるじゃあないか、塚口サンサン劇場で是が非でも観たいインド作品が。

ローケーシュ・カナガラージ監督による“ローケーシュシネマティックユニバース(ロキバース)”と銘打って贈る第3弾。っちゅうてもいまだにその“ロキバース”なるものがなんだかよくわかっちゃいないのですが、とにかく同監督の『囚人ディリ』『ヴィクラム』を観ていれば、知った登場人物の名前が出てきてより面白い。主演は我らが大将ヴィジャイ。やはり相当な人気なのか、わりと良い客入り。

インド北部に位置する静かな町テオグでカフェを経営するパールティバン。動物保護活動家でもある彼は、愛する妻サティヤと息子シッドゥ、娘チントゥの4人家族。一家と親しい森林レンジャーのジョシは、パールティバンとお互いに信頼を置く関係。

警官たちが町に出没したハイエナを捕らえて殺そうと躍起になったとき、ジョシは直ちにパールティバンに応援を要請。シッドゥを高校まで車で送り届ける途中だったが、心配するサティヤにはくれぐれも内緒にと約束して共に現場へ向かう。獰猛なハイエナを殺すことなく麻酔銃で眠らせたあとは自ら保護することにしたパールティバンは人々から賞賛される。

ある晩、強殺を繰り返していたギャングがパールティバンの経営するカフェに乗り込む。最初は金だけ渡しておとなしく帰ってもらおうと計らうパールティバンだったが、女性従業員とまだ幼いチントゥをギャングが傷つけようとした瞬間にパールティバンはキレる。瞬く間に5人を撃ち殺したパールティバンは逮捕されたものの、正当防衛が認められる。ふたたび英雄として褒め称えられ、有名人に。しかし、復讐を誓うギャングの関係者があちこちに現れて落ち着いていられない。

久々に家族と共に出かけた市場でも襲撃されるが、パールティバンは無敵の強さを見せつける。孤児院育ちのパールティバンはいったいどうしてこのように強くなったのか。サティヤとジョシがなんとなく不思議に思いかけた頃、パールティバンの父親だという男アントニーがサティヤの前に現れる。

アントニーは麻薬を製造するマフィアのトップで、ずっと前に死んだはずのレオという息子がいた。パールティバンこそがレオで、その正体は血も涙もない殺人者だと。信じたくない話ではあるが、出会う前のパールティバンのことを知らないサティヤは、ジョシと協力してパールティバンの過去を調べはじめるのだが……。

死んだはずの息子が生きていたとか、普通の人だと思っていた夫が実は違いましたとか、毎度の展開。パールティバンが本当はレオでしたというところではまたかよと思いました。だけどパールティバンにはレオのときの記憶がないらしくて、これもまたかよと思う(笑)。ところが次第にパールティバンはレオと瓜ふたつなだけで別人らしい。これもよくある展開ではありますが。(^^;

よくある展開でも面白いんです。ヴィジャイの主演作は鉄板だねぇと改めて思う。全然タイプじゃないはずなのに、なんか格好良く見えてくるんですよねぇ。

ネタバレです。

パールティバンがレオと別人だというのは演技でしたというオチ。商売繁盛には生贄が必要だと考えるアントニーが、レオの双子の妹エリサを生贄にして儀式をおこない殺そうとしました。レオはエリサを助けようとするも、エリサは殺されてしまう。自分の子どもを生贄として差し出そうとする親なんて人間じゃない。復讐のときを待ち構えていたレオはアントニーやその弟ハロルドを死に至らしめる直前までパールティバンのふりをする。これには私も見事に騙されて、胸のすく最後。

おおっ、なるほど。こうして麻薬撲滅を誓うヴィクラムの話へと繋がるのですね。楽しい!