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『早乙女カナコの場合は』

『早乙女カナコの場合は』
監督:矢崎仁司
出演:橋本愛,中川大志,山田杏奈,根矢涼香,久保田紗友,平井亜門,
   吉岡睦雄,草野康太,のん,臼田あさ美,中村蒼他
 
前述の『デビルズ・ゲーム』の後、同じくなんばパークスシネマにて。
 
柚木麻子の小説『早稲女、女、男』を『さくら』(2020)の矢崎仁司監督が映画化。
 
これはネタバレになるのかしら。脇役にのんって何!?と訝る。
なるほど、『私にふさわしいホテル』(2024)とのコラボになっているのですね。
あちらで作家を演じていたのんが、こちらではそれからベストセラー作家となっていて、
あちらでカリスマ書店員を演じていた橋本愛が、こちらでは編集者となります。
こういう「同じ作家の小説を原作として、違う監督が映画化して、キャストでコラボ」って楽しいなぁ。
 
大学の入学式の日、演劇サークルの出し物で撃たれて倒れる役を演じていた長津田啓士(中川大志)。
それを本当の出来事と勘違いして長津田に駆け寄る早乙女カナコ(橋本愛)。
これが縁でカナコと長津田はつきあうようになり、3年が経つ。
 
憧れの編集者になるべく就職活動するカナコは、バイトしていた念願の大手出版社に内定。
一方の長津田は留年を繰り返して卒業する気なし。
脚本家になりたいと言うも、ただの1本も書けていない。
次こそ卒業するという約束を反故にされ、さすがのカナコも愛想を尽かす。
 
ある日、カナコは内定先の社員で同じ大学出身の吉沢洋一(中村蒼)からコクられる。
ちゃんと仕事していてイケメンで誠実、優しい。
どう考えても長津田より吉沢のほうが良いに決まっているのに決められないカナコ。
 
相変わらず大学で過ごす長津田は、新入生の本田麻衣子(山田杏奈)にロックオンされる。
麻衣子と出かけることは多いものの、常にカナコのことが頭の中にある。
それに気づいている麻衣子はカナコに対抗心を燃やすのだが……。
 
少しずつ「わかるわかる」と言いたくなる人物ばかり。
こいつ絶対許さんという人は出てきません。
 
人間の嫌な部分を自覚しつつ、それを隠しきることはできなくて、人にも自分にも腹を立てる。
最初はどうにも好きになれなかった麻衣子だけど、途中からは○。カナコと彼女のやりとりが微笑ましい。
吉沢の元カノ役の臼田あさ美もよかったです。
 
みんな自分に正直に生きている。だからって人に迷惑かけてる生き方でもない。
なんとなく好ましい人たちを見守りたくなる作品でした。
 
それにしても中村蒼がオッサンになったなぁ。
『ひゃくはち』(2008)の彼が懐かしくて。

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