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『#ハンド全力』

『#ハンド全力』
監督:松居大悟
出演:加藤清史郎,醍醐虎汰朗,蒔田彩珠,芋生悠,佐藤緋美,坂東龍汰,鈴木福,篠原篤,
   植野行雄,甲斐翔真,仲野太賀,志田未来,安達祐実,ふせえり,田口トモロヲ他
 
まずは109シネマズ大阪エキスポシティにて『ダンケルク』(2017)のIMAXレーザーGT版を鑑賞。
通常版を観てから3年近く経過しているわけですが、
衝撃度の高い作品だったため、わりと覚えていました。
しかし、陸と海と空とで時間の切り取り方が違うのが1回観ただけではわかりにくかったから、
再鑑賞は大正解。そしてエキスポシティのIMAXシアターはやはり凄かった。最高です。
 
興奮冷めやらぬうちにエキスポシティを退出して、イオンシネマ茨木へ。
21時半を回ってからスタートの本作を観ました。
 
熊本県の仮設住宅で両親と共に暮らす高校生・清田マサオ(加藤清史郎)。
以前はハンドボール部に所属して真剣に練習していたが、
震災をきっかけにそれができなくなり、今はスマホ命。
 
ある日、自分がハンドボールをしていた頃の写真を眺めていると、
なかなか格好良く撮れているものがある。
インスタ映えしそうな写真を何気なく投稿したところ、
いつもは3つか4つしか付かない「いいね!」がみるみる間に増えてゆく。
どうやら閲覧者が直近の写真と誤解したらしい。
 
これに気をよくしたマサオは、親友の岡本(醍醐虎汰朗)と悪乗り。
“#ハンド全力”としてハンドボールをしている写真を捏造、投稿し続ける。
するとフォロワーが何万人まで膨れあがり、マサオは上機嫌。
 
噂を聞きつけた男子ハンドボール部の部長・島田(佐藤緋美)が、
廃部寸前の部を救ってほしいとマサオと岡本をスカウトしにくる。
真面目に部活をする気などさらさらないふたりだったが、
インスタの反応が嬉しくて、写真を撮るためだけに入部するのだが……。
 
ハンドボールというと、大学時代の体育の時間を思い出します。
私たちの時代でも珍しいことだと思うのですが、
なぜかウチの大学の体育は男女混合でした。
前期と後期に分けて3種目、男女混合で試合をしました。
私は卓球バスケットボールのチームに振り分けられ、
特にそのバスケの試合がめちゃめちゃ面白かった。
ラグビー部所属の男子は肩入れて走るし、
ハンドボール部でキーパーを務めていた男子は、
味方のゴール下から相手のゴールへ一気にシュート。届くんだから凄い。
そんなことを思い出しながら、楽しく鑑賞。
って書いてから調べたら、私、前にもこの話書いてた。(^^;
しかも前はアメフト部と書いたけれど、ラグビー部の誤りです。
 
お馬鹿なだけの映画かと思ったら、そうでもない。
震災で気力を失った高校生たちがどう生きてゆくのか。
捏造がバレたときの世間の反応、SNSの炎上、それにどう立ち向かうか。
 
松居大悟監督の描く男子高校生や女子高校生は、
ちょっと説教してやりたくなるタイプも多い。
本作の場合は、マサオに説教する女子がちゃんといて、こっちの出る幕なし(笑)。
 
女子ハンドボール部のエース役を務める芋生悠がカワイイ。
マサオの兄役の仲野太賀はどんどんいい役者になっているし、
両親役の田口トモロヲふせえりもよかった。
 
いろんな意味で「今」の映画。
でも、今時の人じゃないオッチャンオバチャンも楽しめます。
ところでハンドボール部だった人、すみません。
ハンドボールを「送球」と書くことを生まれて初めて知りました。(^^;

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『海辺の映画館 キネマの玉手箱』

『海辺の映画館 キネマの玉手箱』
監督:大林宣彦
出演:厚木拓郎,細山田隆人,細田善彦,吉田玲,成海璃子,山崎紘菜,常盤貴子,小林稔侍他
 
申し訳ないことですが、昔から苦手なんです、大林宣彦監督。
しかし今春この世を去られてこれが遺作になりました。
苦手だと言っても大監督、敬意を払って観に行かなくちゃ。
 
TOHOシネマズ西宮へ。
20:15上映開始でまさかの179分。予告編が15分近くあるから、終わったら23時半。
家に帰ったら日付変わるっちゅうねん。あー、しんどと思いながら。
 
なぜか原作は『波の上のキネマ』だと思い込んでいました。
映画館、海と波で私の完全な勘違い。
映画化したらえらく変わるものだと思っていたのが可笑しい。
まったく別物なんだから、全然ちがって当たり前。
 
尾道の海辺にある唯一の映画館“瀬戸内キネマ”が閉館を迎えることに。
最終日のオールナイト上映は“日本の戦争映画大特集”。
鑑賞していた毬男(厚木拓郎)、鳳介(細山田隆人)、茂(細田善彦)は、
突然スクリーンの中の世界にタイムリープしてしまう。
 
最初は何がなんだかわからなかった3人だが、
上映中の戦争映画の中を旅していることに気づく。
やがて原爆投下前の広島に迷い込み、
女優の百合子(常盤貴子)、一美(成海璃子)、和子(山崎紘菜)らが所属する、
移動劇団“桜隊”と出会うのだが……。
 
ごめんなさい。やっぱり私は苦手です。
話にもノリにもまったくついていけなくて。う~む。
 
しかし、大林監督の作品を観るといつも思うことですが、
好きだという人の気持ちがわからんこともないのです。
「こんなもん誰が好きやねん」じゃなくて、
「好きな人はめちゃめちゃ好きやろなぁ」と思う。
本作も“尾道3部作”に惚れ込んでいる人にはたまらんでしょう。
 
映画じゃなくて舞台みたいで、とことんファンタジー。
私は最後まで苦手だったけれども、それはそれ。
大林監督が亡くなったことは本当に残念です。
私が苦手な作品を撮りつづけてほしかった。
 
余命わずかと宣告された監督が睡眠時間2時間で本作の撮影に臨んだとのこと。
毎日終業後に映画を2本観に行って睡眠時間4時間になったところで、監督の倍寝てるがな。
まだまだ私もがんばれそうな気がします。

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『八王子ゾンビーズ』

『八王子ゾンビーズ』
監督:鈴木おさむ
出演:山下健二郎,久保田悠来,藤田玲,丘山晴己,小澤裕太,高野洸,牧島輝,
   三浦海里,才川コージ,早乙女友貴,坂東希,今田耕司,勝矢,RIKACO,松岡充他
 
観た順にUPの鉄則(一応)を破ってたまに順序を入れ替えていたら、
なんと今月初めに観た作品を今月終わろうかという頃にUPすることになってもた。
 
今月1日は土曜日、ファーストデーだというのに休日出勤でした。
もしも夕方4時ぐらいまでに仕事が終わって帰れたら、
晩ごはんの前に1本ぐらい映画を観られそうだと思いましたが、
先月40本劇場で観ているから、観るものがない、ない、ない。
同週末に封切りになった作品があるにはあるけれど時間が合わず。
唯一、時間が合って未見だったのがこれ。
 
森三中・大島みゆきの夫で人気脚本家の鈴木おさむが監督。
同名のヒット舞台劇なのだそうで。
主演の兄ちゃんはEXILEっぽいなと思ったらやはりそう、
この人も含め、ゾンビーズに扮する面々のことは誰も知りません。(^^;
 
ダンサーになる夢をあきらめた羽吹隆(山下健二郎)は、
八王子の山奥にある希望寺で自分探しの修業体験中。
満月の夜には裏手の廃寺に決して近づいてはならぬと言われていたが、
つい廃寺の前でダンスの練習を始めてしまった隆。
 
突然そこへゾンビが現れたと思った瞬間、
住職の孔明(松岡充)が用心棒の一刃(早乙女友貴)と水刃(坂東希)を率いて登場。
一刃と水刃はゾンビに刀を向けてめった刺しにする。
ゾンビなのでもちろん死なないが、焼けるような痛みを感じている様子。
舌なめずりする一刃や水刃と、満足げな孔明。
 
翌日、孔明の弟子で、隆の面倒を見てくれている宝田(勝矢)が、
今晩も廃寺に来るようにと耳打ちする。
満月の晩にしかゾンビは出ないはず。おそるおそる廃寺へ行く隆。
 
するとその晩もやはりゾンビが現れるではないか。
逃げようとする隆に、彼らは“八王子ゾンビーズ”を名乗り、
どうかダンスを教えてほしいと懇願し……。
 
仁(久保田悠来)をリーダーとするゾンビーズは元不良の集まりで、
彼らに私怨を持つ孔明が彼らを成仏させまいとしています。
彼らの肉体を殺しはしたけれど、魂はさまよわせることが目的で、
満月の夜のたびにこうして彼らを苦しめているんですねぇ。
それが、殺陣を躱して満月に向かって踊ることができたら成仏できるって。(^O^;
 
元が舞台劇なだけあってわりとベタ。
最初はそのノリにちょっと躊躇していましたが、
ほかの観客が笑うのに釣られて私も笑う。
なんせ、タイプでないとはいえ、ゾンビたちがイケメンだし。
いや、特殊メイクで素の顔はなかなかわからないんですけれど、たぶんイケメンでしょう。
 
何も考えずに楽しめる作品、と言いたいところ、
でも、「償う」ということについてはあれこれ考えさせられます。
 
追記:本作を観た今月初めは主演の山下健二郎のことを知りませんでしたが、
   一昨日の晩に『ごぶごぶ』を観て、「おおっ!この兄ちゃん♪」。
   飲食店に行き、「この人の名前で」と言って領収書を切ってもらう。
   グループ名とフルネームで領収書切ってくれと頼んだら、
   はたして店員は山下くんの名前を知っているのかというやつでした。
   店員さんは見事漢字でフルネーム書いてみせましたが、
   グループ名については「三代目の人」と書いてあってワラけた。
   ちなみにその店員さん、ちゃんとグループ名もわかっていたけれど、
   「英語がわからないから『三代目の人』って書いた」そうです(笑)。

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『バルーン 奇蹟の脱出飛行』

『バルーン 奇蹟の脱出飛行』(原題:Ballon)
監督:ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ
出演:フリードリヒ・ミュッケ,カロリーヌ・シュッヘ,デヴィッド・クロス,
   アリシア・フォン・リットベルク,トーマス・クレッチマン他
 
TOHOシネマズ西宮にて。
先月、劇場で月間40本鑑賞を目指し、これがその40本目。
39本目に観たのは『進撃の巨人 クロニクル』。
ほかは全部観た作品ばかりだったので致し方なく。
“進撃の巨人”TVアニメ版の総集編らしく、特に書くこともないので省きます。
 
さて、お目当てだったのはこのドイツ作品。
上映終了が23時だし、しんどいなぁと思いながら観に行ったけれど、
その甲斐がありました。とてもよかった。これも実話に基づく。
 
電気技師のペーターは、親友のギュンターと共に密かに気球を作り、
西ドイツへ脱出しようと思っている。
北風の吹く日でなければ国境の向こうへ着陸することは不可能で、
ようやく待ちに待ったその日が到来。
 
しかし当日、設計上のミスが発覚。
双方の家族8人全員が乗るのは無理だとギュンターが言い出す。
兵役を控えるギュンターは、今回は脱出を見送ると言い、
ペーターとその家族のみが飛び立つことに。
 
ところが国境まであと数百メートルというところで不時着。
この気球を作り上げるのに2年もの歳月を費やしたから、
また作るなんて無理だと失敗を嘆くペーターに、家族は言う。
今度こそ、ペーターとギュンターの家族全員で脱出しよう。
そう決めたものの、ギュンターが兵役に出るまでは6週間しかない。
家族一丸となり、気球の製作を始めるのだが……。
 
東ドイツから脱出を図っていることが知られたら、
どんな目に遭わされるかわかりません。
最初の失敗時にいろいろ現場に放置して逃げてきたから、
秘密警察(シュタージ))が血眼になって脱出しようとした者を探します。
夫婦のみならず、思春期の息子や幼い息子もいて、
どうか彼らが無事に脱出できますようにと息を飲むシーンの連続。
 
「越境されたらわが国の恥だ」というシュタージ。
でも、それっておかしくないですか。
越境したくなるような国であることが恥だと思うのですけれど。
越境したくなるような国だと思われることが恥だというよりも、
越境できてしまうような警備体制だと思われることを恥だと思っているみたい。
 
ベルリンの壁が崩壊して、東から西へ行くことが認められるようになったシーンは
涙が出そうになりました。
こんなことが遠い昔ではなく、20世紀の終盤にあった事実に改めて驚く。

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『グランド・ジャーニー』

『グランド・ジャーニー』(原題:Donne Moi Des Ailes)
監督:ニコラ・ヴァニエ
出演:ジャン=ポール・ルーヴ,メラニー・ドゥーテ,ルイ・バスケス,フレデリック・ソレル,
   リル・フォッリ,グレゴリー・バケ,ドミニク・ピノン,アリアンヌ・ピリエ,フィリップ・マニャン他
 
なんばパークスシネマにて、前述の“ファントミラージュ!”とハシゴ。
他に観るものがなくて選んだそれとは違い、これはどうしても観たかったものです。
 
フランス/ノルウェー作品。
 
南仏の田舎町に暮らすクリスチャンは、絶滅が危惧される雁を救おうと必死。
ここで生まれた雁に渡り鳥としての安全な飛行ルートを教え込みたい。
しかし、上司はただの酔狂だとして、承認する気なし。
 
元妻パオラと暮らしている14歳の息子トマが、
夏休み中、クリスチャンのもとで過ごすことに。
ケータイもまともに繋がらないような場所に預けられて
不満ありありのトマは、何もかもが嫌でたまらない。
 
ところが、雁が卵から孵る瞬間に偶然居合わせたトマは、
彼のことを親だと信じ込んでいるヒナたちを愛おしく感じるように。
ゲーム漬けだった毎日はどこへやら、熱心にヒナたちの世話をする。
 
この雁たちに飛行ルートを教えたいのだと言うクリスチャン。
どうやって教えるのかと問うと、「雁と一緒に飛ぶ」。
15歳未満は飛行機の操縦不可のところ、
クリスチャンにこっそり飛行機の操縦を習い始めたトマは……。
 
実話が基なんですよねぇ、これ。
クリスチャンのモデルとなっているのは気象学者のクリスチャン・ムレクで、
ジャック・ペラン監督によるドキュメンタリー『WATARIDORI』(2001)の制作にも携わった人。
雁に「渡り」飛行ルートを教えるために自分も飛ぼうとするその発想がもう凄い。
 
雁第一でそのためなら書類偽造も何のその。
そのせいで雁が没収されそうになったとき、咄嗟に行動に出るトマ。
超軽量飛行機(ULM)でこんなにも飛べることを私は知りませんでした。
 
どうせほとんどCGでしょ、でもそのわりにCGっぽくないなぁと思っていたら、
ほぼCGなしなのだそうです。
CGではない空や街並みって、やっぱり美しい。息を飲むほどです。
 
あまり鳥が好きではない私も、好きになりそうな作品です。
へろへろになりながらもなんばまで行って観てよかった。

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