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『宇宙でいちばんあかるい屋根』

『宇宙でいちばんあかるい屋根』
監督:藤井道人
出演:清原果耶,桃井かおり,伊藤健太郎,水野美紀,山中崇,醍醐虎汰朗,坂井真紀,吉岡秀隆他
 
109シネマズ箕面にて、仕事帰りに1本だけ。
 
原作は2003年に刊行された野中ともその同名ファンタジー小説。
藤井道人監督の前作は『新聞記者』(2019)だから、
またえらく趣の違う作品に手を出したものだなと思いましたが、
それより前の作品を眺めてみれば、
そうか、社会派一辺倒というわけではないのですね。
 
14歳のつばめ(清原果耶)は、父親・敏雄(吉岡秀隆)と継母・麻子(坂井真紀)の3人暮らし。
実母はつばめが2歳の頃に出て行き、麻子からは惜しみない愛情を受けて育った。
しかし、麻子が妊娠中の今、なんとなく自分だけが家族ではないような気がしてしまう。
 
つばめが想いを寄せているのは、隣家の大学生・亨(伊藤健太郎)。
亨の誕生日前日の深夜、手紙を書いて隣家の郵便受けに入れるが、翌朝になってから激しく後悔、
取り戻しに行こうとしたところ、亨に声をかけられて弱り果てる。
 
結局奪還できないまま登校すると、1カ月だけつきあって振った誠(醍醐虎汰朗)に睨まれる。
同級生女子たちからは気にすることないなどと言われるが、どうも居心地が悪い。
放課後にかよっている書道教室の屋上でひと息つく時間だけが落ち着ける。
 
そんなある日、いつものように屋上に上がると、謎の老婆が現れてびっくり。
「ほしのとよ」というその名前から、つばめは老婆を星ばあ(桃井かおり)と呼ぶことに。
最初はその風貌と物言いに面喰らっていたつばめだが、
「歳を取ったら何でもできる」という星ばあにあれこれ相談するようになり……。
 
ゆるり、良い感じです。ぎすぎすした気持ちのときには溶かしてくれそう。
 
つばめを見ていて『恋恋豆花』(2019)のモトーラ世理奈演じる娘・奈央を思い出しました。
奈央もつばめもとても良い子。
作り笑いで事を荒立てることなく生きているけれど、内心もやもや。
星ばあと出会ってからの彼女には変化が訪れて、後悔を恐れなくなります。
やらずに後悔するよりは、やってみて後悔するほうがいいというのは昔からよく言われることですが、
本作を観ると本当にそうだと思う。当たって砕けろ。
 
まぁ、こんな彼女がそもそも告白されたからって1カ月だけつきあって、
よう振れたなと思わなくもありません(笑)。
それを恨みに思う男子が悪態つくのを見て、
「言いたいことがあるなら直接言って」とつばめがキッパリ言うシーンは気持ちいい。
 
「ママはおまえに一目惚れしたんだ」。
夫とこんな可愛い娘が一度に手に入るなんてと喜んだという継母。
このシーンは泣かずにはいられない。
 
みんないい人。和む。

—–

『ワイルド・ローズ』

『ワイルド・ローズ』(原題:Wild Rose)
監督:トム・ハーパー
出演:ジェシー・バックリー,ジュリー・ウォルターズ,ソフィー・オコネドー,
   ジェイミー・シーヴェス,デイジー・リトルフィールド,アダム・ミッチェル他
 
昼間から友人と会うつもりで休みを取ったのに、友人が急に出勤になってしまいました。
せっかく取った有休、晩に甲子園に行くまでの間、家で寝て過ごすのももったいない。
ほならやっぱり映画に行っとこかという気持ちが起きて。
 
シネ・リーブル梅田で上映されていたときに観逃してしまった作品が
ちょうど塚口サンサン劇場でかかっている。しかも特別音響上映。ラッキー♪
 
主演のジェシー・バックリーアイルランド出身で実際に歌手。
『ドクター・ドリトル』ヴィクトリア女王の役を演じたのが彼女です。
BBCのオーディション番組に出演したのがきっかけで芸能界入り。
本作中でも吹替なしで本人が歌い、素晴らしい声を披露しています。
 
スコットランドのグラスゴー
良からぬことをして捕まり、刑務所で12カ月服役、出所した女性ローズ=リン。
彼女はシングルマザーで、まだ幼い娘ワイノナと息子ライルがいる。
服役中は厳格な母親マリオンが子どもたちの世話をしてくれていた。
やっと子どもたちのもとへ帰ったものの、カントリー歌手になる夢を捨てきれない。
 
14歳のときから歌っている店を訪ねると、
だれも罪人の歌など聴きたくないはずだと解雇を言い渡され、
すでにローズ=リンに代わる歌手が雇われていた。
稼ぎがゼロではどうしようもなく、富豪の邸宅で清掃の仕事にありつく。
 
富豪の妻スザンナはローズ=リンの歌声を聴き、
これは絶対世に出すべき才能だと考える。
スザンナに背中を押され、夢に向かって進みはじめるローズ=リンだったが……。
 
困った女なんです、このローズ=リンは。
18歳で子どもを産んで上の子が小学生というから、アラサーぐらい。
しかし母親としての自覚に欠け、出所して最初に寄るのは男の家。
ヤってから実家に戻ります。
 
ジュリー・ウォルターズ演じるマリオンは、厳格ではあるものの、
普通に常識的で融通の利かない人ではなく、慈愛にも満ちている。
孫たちはそんなおばあちゃんのことが大好きです。
ローズ=リンは自分の子どもたちを任せっきりだったから、
どう接していいのかわからない。
下の子のライルはまだ幼くて、ママママと一応は言うけれど、
ワイノナはママに捨てられたと思っているのか、にこりともしない。
そんな娘の表情が変化を見せるときがとてもいい。
 
スザンナの支えもいい。
ローズ=リンに請われるがままに金を差し出すのではなく、
ローズ=リン自身の力で前に進ませようとしています。
 
自分はどうしてアメリカ人に生まれなかったのか。
音楽の街ナッシュビルこそ自分の生まれるべき場所だったのに。
グラスゴーにはカントリーをわかる人間などいない。
そう決めつけてナッシュビルへ行こうとしていたローズ=リンが
果たしてたどり着く場所は想像どおりなのが嬉しい。
 
「母親としての自覚を持ってほしかっただけで、希望を奪いたかったのではない」。
そう言うマリオンの言葉に涙が出ました。
 
特別音響上映で観られた幸運に感謝。

—–

『マイルス・デイヴィス クールの誕生』

『マイルス・デイヴィス クールの誕生』(原題:Miles Davis: Birth of the Cool)
監督:スタンリー・ネルソン
 
甲子園阪神vs巨人を観に行く前にひょっこり時間ができたので、
4月を最後にごぶさたしていた塚口サンサン劇場へ。
いつ行っても美しいトイレが本当に嬉しい。
別に新しいわけでも設備が特に整っているわけでもないのに、
ウキウキさせてくれるトイレがある映画館なんて、ここぐらいでは。
 
“ジャズの帝王”と称されたトランペット奏者マイルス・デイヴィス。
なんとなく知っているというだけで、彼について調べたことはありません。
この機会に彼の素顔を追ったというドキュメンタリーを観てみることに。
 
1926年、アメリカ・イリノイ州で生まれたマイルス。
オールトンという町からイーストセントルイスへと引っ越したそうです。
イリノイ州で2番目に富裕な黒人という証言があるほど、両親はお金持ち。
そんな裕福な家庭であっても、差別の根付く町イーストセントルイスでは
いいことばかりは望めなかったようです。
 
13歳のときに父親からトランペットを贈られたマイルス。
母親はヴァイオリンにしたかったようだというのが可笑しい。
早々と才能を発揮したマイルスはニューヨークへ。
名門ジュリアード音楽院に入学します。
その頃、チャーリー・パーカーと出会ったらしい。
 
以降、革新的な挑戦を死ぬまで続けたマイルス。
エレクトリック楽器を導入したときの話や、
インド料理店でBGMを耳にしてインドの楽器奏者と組んだときの話など、
彼の逸話がどれも楽しくて、私は初耳だから驚くことばかり。
クインシー・ジョーンズハービー・ハンコック、カルロス・サンタナなどなど、
錚々たる顔ぶれのアーティストの証言も楽しくて。
 
音楽の話のみならず、女性遍歴もわかります。
彼の最愛の妻だったフランシスの美しいこと。
まだご健在でインタビューに答えていらっしゃいますが、
そうか、若いときのあの美人が歳を取るとこう変わるのかと感心したりも(笑)。
 
マイルスは『3人のゴースト』(1988)にカメオ出演しているのですね。
観てみなくっちゃ。

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『ようこそ映画音響の世界へ』

『ようこそ映画音響の世界へ』(原題:Making Waves: The Art of Cinematic Sound)
監督:ミッジ・コスティン
 
シネマート心斎橋にて、前述の『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』の次に。
『ジェイド・ダイナスティ』はこれを観たかったから時間潰しに観たようなもんです。
 
よくお客さんが入っています。
夕方の回は満席だった模様で、20時半から本作もほぼ満席。
そんなに映画音響に興味ある人が多いのかと驚きました。
客層も年齢性別すべてバラバラ、ちょっと嬉しくなりますね。
 
ハリウッドの映画音響にスポットを当てたドキュメンタリー作品。
映画というものが発明されたのは1888年ですが、音は無し。
サイレント(無声)映画の時代が約40年間あり、
世界初のトーキー(発声)映画は1927年の『ジャズシンガー』。
以降、とどまることを知らず進化しつづける映画音響。
 
とにかく新旧いろいろな映画が登場するので楽しい。
古いところでは『キング・コング』(1933)やヒッチコック作品。
新しいところでは“スター・ウォーズ”シリーズや『プライベート・ライアン』(1998)、
もっと新しいところでは、コロナ禍でIMAX版が上映されている『インセプション』(2010)、
あ~、もっともっといっぱい出てきたので思い出したいけど思い出せない。
「音響」と聞いてイメージする派手な作品ばかりじゃないのが良いところ。
 
見事な音をつくりだしてきた職人たちの話も面白ければ、
映画は映像が大事、音なんてどうでもいいと思っていた人がまだ多かった頃、
音こそが大事なんだよと思っていた監督たちの話も面白い。
 
ドルビー5.1chサラウンドシステムを取り入れた劇場が登場したとき、
そんなもん要らんと言っていた製作会社や配給会社もあったらしい。
バーブラ・ストライサンド『スター誕生』(1976)をステレオで撮ってほしいと言い、
追加料金は出さないと言われてバーブラが100万ドル自腹を切ったそうです。
完成作品を観た会社から結局100万ドル返ってきたそうな(笑)。
また、音響に時間をかけすぎると解雇された人がアカデミー賞の音響編集賞を受賞したという話も。
 
ヨレヨレ状態で観に行ったので居眠りしたシーンもありますが、面白かった。
もう一度しっかり目の覚めた状態で観たい。

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『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』

『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』(原題:誅仙1)
監督:チン・シウトン
出演:シャオ・ジャン,タン・イーシン,リー・チン,モン・メイチー,チウ・シンジー,
   セシリア・イップ,デヴィッド・チャン,ノーマン・チュー他
 
シネマート心斎橋にて中国作品を鑑賞。
別に観たかったわけでもなく、この後のレイトショー作品を観たかったから、
時間あわせのつもりで。
 
原作は中国の人気Web小説で、日本でもオンラインゲームとして人気を集めたファンタジー小説。
中国のコスプレ作品にはあまり馴染みがなく、オープニングのファンタジーっぷりにちょっと引く。
入り込むのに少々時間を要しましたが、終わってみれば結構面白くて、観たのは正解でした。
 
幼い頃、何者かに両親を殺されて孤児となった小凡は、
武術界の正義の門派“青雲門”に弟子入りする。
師匠の娘で姉弟子の霊児や、ほかの兄弟子たちに可愛がられて育ったものの、
武術の腕は一向に上がらず、兄弟子たちからは旨い飯をつくる炊事係として期待されているのみ。
 
両親の命日に故郷を訪れた小凡は、偶然、魔教の神器「摂魂棒」を手に入れる。
あるとき、負傷した小凡の血を吸い取った摂魂棒が、小凡を守ろうとしはじめる。
摂魂棒をなんとか奪取したい女刺客や鬼王軍団から小凡は狙われて……。
 
監督は『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(1987)のチン・シウトン
レスリー・チャンが主演だったのに、観ていないのです、私。
たぶんそっちを観ていたら、本作にも違和感なく入れたかも。
いろんな門派があって、武術大会でそれぞれの技を披露して闘うシーンなど美しい。
見慣れないものを観たけれど、慣れたら面白そうです。
 
中国では“名探偵コナン”が大人気。本作はそれを上回る人気なのだそうです。

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