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『行き止まりの世界に生まれて』

『行き止まりの世界に生まれて』(原題:Minding the Gap)
監督:ビン・リュー
 
TOHOシネマズ梅田からシネ・リーブル梅田へ移動して。
 
サンダンス映画祭ではブレイクスルー映画製作米国ドキュメンタリー部門特別審査員賞、
第91回アカデミー賞では長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品です。
オバマ元大統領が2018年のお気に入りの1本として本作を挙げています。
これがデビュー作とは、凄い新人がいたもんだ。
 
アメリカ・イリノイ州ロックフォード“ラストベルト(錆びついた工業地帯)”と呼ばれる地域。
ここで生まれ育った3人のスケートボード仲間の12年間を
3人のうちのひとりであるビン・リューがカメラに収めています。
少年時代からずっと撮りつづけていたものがこうして1本の長編作品になりました。
 
仲良し3人組だけど、ザックは白人、キアーはアフリカ系アメリカ人。
監督のビンは中国系アメリカ人。人種も生い立ちも違う。
 
ザックは交際中の彼女との間に子どもができ、息子のことは可愛くてたまらないけれど、
ザックも彼女もまだ遊びたいさかり。
ふたりとも働かないと生活できないから、その日仕事のないほうが息子の世話をする。
仕事の後は友だちと1杯飲みたくなったりもして、毎日お互いを責めて喧嘩ばかりしています。
 
母親と暮らすキアーは、すでに亡くなっている父親との確執を払拭できない。
父親のことが怖くて仕方なくて、墓参りに行くこともできず。
そんなキアーにカメラを向けるビンも、継父から酷い暴力を受けていた過去があります。
 
イリノイ州では家庭内暴力の起きている家が異様に多いそうで、驚愕。
映像で見るかぎりは廃れた雰囲気もなく、スラムのようでもないし、
わりといい環境に見えましたから。
 
本作を観る前、私が不思議だったのは、なぜみんなスケボーをするのかということでした。
最近観たばかりの『mid90s ミッドナインティーズ』もそうだったし、
本作では、その理由がちょっとわかった気がします。
ボードの裏側にはさまざまな言葉が書き込まれていて、その言葉を支えに皆生きている。
スケボーさえしていれば、つらいことを忘れて生きていける。
 
瑞々しさに溢れたドキュメンタリー作品でした。

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アニメーション映画『思い、思われ、ふり、ふられ』

アニメーション映画『思い、思われ、ふり、ふられ』
監督:黒柳トシマサ
声の出演:島崎信長,斉藤壮馬,潘めぐみ,鈴木毬花他
 
実写版は先々月に鑑賞。アニメ版も公開されたのでいそいそと。
TOHOシネマズ梅田にて。
 
あらすじは実写版となんら変わりません。
ただ、非常に細かい部分は異なります。
 
由奈が理央にひとめぼれしたのはマンションのエレベーターの中ではなくて、
ぼんやり歩いていたところ、犬のウ○コを踏みそうになって理央が止めてくれたとか。
朱里が由奈と友だちになったきっかけも、駅でお金を借りようとしたわけではなく、
引っ越した日に鍵を持って出かけるのを忘れて困っていた朱里が由奈に声をかけたとか。
彼女たちの出会いについてはアニメ版のほうが詳しい。
 
序盤の由奈は自信なさすぎで、アニメ声ということもあるからか、
かなりイライラさせられましたが、途中からは気にならず。
いい子ばっかりというのは安心して見ていられるものです。
 
しかしこの展開はやっぱり驚きます。
絶対朱里と理央がくっつきそうなのに、別の組み合わせで2カップルできあがるとは。
すごく斬新。フツーの恋愛ものにはあるまじき展開でしょ(笑)。
 
そういえば、実写版では和臣のことを朱里は「乾くん」と呼んでいたと思うのですが、
アニメ版では「和臣くん」なのですね。何故。
あと、和臣が好きな映画の話も実写版のように具体的には出てこない。
黒柳トシマサ監督自身の『いつか、世界の片隅で』(2013)が映るシーンはありましたが、
この映画って、どこかで観られるのかなぁ。
 
実写版のキャストたちが声のカメオ出演を果たしていたようだけど、
どこに登場していたのかひとりもわかりませんでした。残念無念。(^^;

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『TENET テネット』

『TENET テネット』(原題:Tenet)
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン,ロバート・パティンソン,エリザベス・デビッキ,ディンプル・カパディア,
   アーロン・テイラー=ジョンソン,ヒメーシュ・パテル,マイケル・ケイン,ケネス・ブラナー他
 
TOHOシネマズ梅田にて、封切り直後に観ました。
 
予告編はプロローグ風のロングバージョンを含めて何十回と観ています。
きっとこれもややこしくてついていけんかもしれんなぁと心配でした。
ついていけません(笑)。さっぱり理解できていないけれど、でも面白い。
ついていけないのに150分まったく眠くならないんだから凄い。
 
「20分ルール」なんてなし、最初から緊迫してスピーディー。
 
ウクライナのオペラハウスでテロ事件が発生。
それを予期して人質救出作戦に参加したある男は捨て身の活躍を見せ、
その適性を見込まれて世界を救うミッションを託される。
 
男のミッションは、武器商人セイターにプルトニウムが渡らぬようにすること。
もしもセイターが目的のプルトニウムを入手すれば、世界が終わってしまうというのだが……。
 
って書くと、普通のアクション作品に思えますが、
時間を逆行させて未来から敵がやってくるから、ほら、もうわからない(笑)。
“TENET(テネット)”自体なんなのかを私は説明できません。(^O^;
 
敵のみならず、味方や自分も今のそれと未来からきたそれがいて、
未来からきた自分は今の自分に何が起こるかを知っているから、
なんとか今の自分や味方を助けようとする。
話についていけていないながらもそこで起きていることはとても面白くて頭をフル回転。
最後まで観れば「ほ〜」という感じです。
早く解説サイトが出てこないかなぁ。ある程度整理してから再鑑賞したい。
 
名もなき主人公を演じるのはデンゼル・ワシントンの息子、ジョン・デヴィッド・ワシントン
お父さんとはちょっと違うイメージで、ますます面白い俳優になりそうです。
主人公の相棒ニール役を務めるのはロバート・パティンソン
『トワイライト 初恋』(2008)の美しきヴァンパイア役でブレイクした人ですが、
綺麗な顔だけが売りみたいだった頃よりも今のほうがずっと人間味があって良い。
そうそう、あまりの顔立ちの変化に誰だかわからなかったのがアーロン・テイラー=ジョンソン
未来からきた味方部隊の隊長役が彼。ふた回り近く年上の奥さんとはまだ続いているのかな。
 
世界を手中に収めようとする悪い奴、セイター役にはケネス・ブラナー
彼の妻役にはこれまで悪女のイメージが強かったエリザベス・デビッキ。美しい。
マイケル・ケインがセイターについての情報を与えるクロズビー卿役でちらりと。
ノーラン監督組とも言える面々が脇を固めていて楽しい。
 
これはもう1回観なあかんでしょ。早く観たい!
……と書いたのが1回目を観た後。すでに2回目も観ました。
2回観てもまだ全然わからんけど、面白い!

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『俺たち替玉ブラザーズ!』

『俺たち替玉ブラザーズ!』(原題:Sieu Sao Sieu Ngo)
監督:ドゥク・ティン
出演:チューン・ジャン,タン・トゥイ,ドゥク・ティン他
 
イオンシネマでなぜかベトナム映画特集を開催中でした。
イオンシネマ茨木にて鑑賞。
きっと客は私ひとりかせいぜい数名だろうと高を括っていたら、
意外に多く入っていて驚きました。すんません。
ベトナム好きな人って多いのでしょうか。
 
国民的俳優のソンは、売れっ子すぎて自分の時間が持てない。
4年つきあっている恋人で画家のチュックともっと会いたいのに、
マネージャーのトニーは、「あんな画家とはとっとと別れて、
金持ちの女優アナとカップルになれ」と言って恋路を邪魔しようとする。
 
多忙でぶっ倒れかけているソンを見て、トニーが思いついた妙案は、
ソンの双子の弟トゥンを替玉に仕立て上げること。
ソンとトゥンの両親はずっと前に離婚し、
ソンは父親と、トゥンは母親と暮らしているが、真逆の生活。
スーパースターのソンと違い、トゥンは豚飼い。
マナーも何も身についていないトゥンが果たして替玉になれるのか。
 
服装、言葉遣い、歩き方など、特訓を受けたトゥンは、一応それなりに。
雑誌の撮影や芝居の仕事などをソンに代わってこなすようになるのだが……。
それに顔がまったくタイプじゃない。
 ベトナムではこういう顔立ちが人気なのかと最初は目が点になりました。
もっちゃりした顔で七三分け。どこがいいのかさっぱりわからん。
シュッとしているとは言い難いダサさなんですもの。
ラストまで観るに耐えるだろうかとすら思っていましたが、
30分ぐらい経過した頃にはその顔にも慣れ、笑ってるやん、私(笑)。
 
チュックのことを愛しているものの、損得考えて行動しがちなソン。
それに対してトゥンは自由気ままにしたいことをする。
優しい心の持ち主でもあり、金など要らないから母親に会ってほしいとソンに言います。
 
過去にベトナム作品を観たことはあるけれど、こんなドタバタ劇は初めて。
エンドロールにはNGシーンや舞台裏シーンも組み込まれ、
「ベトナム映画は何でもあり」のテロップで終わります。
 
ベトナム映画特集はチケット1,100円。これはお得かも。

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『パヴァロッティ 太陽のテノール』

『パヴァロッティ 太陽のテノール』(原題:Pavarotti)
監督:ロン・ハワード
 
勤務先と自宅の間に劇場があるのは本当にありがたいこと。
まったく寄り道じゃならない場所にあるから嬉しい。
ということでまたまた109シネマズ箕面へ。
 
ロン・ハワード監督がオペラ歌手のドキュメンタリーを撮るなんて。
だって、『バックマン家の人々』(1989)とか『バックドラフト』(1991)とか、
『アポロ13』(1995)とか“ダ・ヴィンチ・コード”シリーズとか、
『ラッシュ/プライドと友情』(2013)とかの監督ですよ?
どういう経緯でこんな音楽ドキュメンタリーを撮ることになったのか知りたい。
 
さて、ハワード監督が撮ったのは、ルチアーノ・パヴァロッティ。
「神に祝福された声」の持ち主で、「イタリアの国宝」と称されるテノール歌手。
1935年生まれの彼が1961年にデビューして、世界的に有名な歌手となり、
2007年にこの世を去るまでがフィルムに収められています。
 
何が凄いって、元妻や愛人など、彼に捨てられた女性が皆、彼を悪く言わないこと。
悪く言わない人だけ本作に出演しているのかもしれないけれど、
彼との間に3人の娘を持つ元妻が、「彼の声に恋しない人はいない」なんて言うんですから。
結局最期に一緒にいたのは34歳も下の女性。
パヴァロッティよ、おまえもか!っちゅう感じですが、
不思議と私の苦手なオッサンの妄想的な雰囲気はあまり感じませんでした。
あ、「あまり」感じなかっただけで、やっぱり妄想的なんですけどね(笑)。
 
ロックバンドとジョイントコンサートを開いたり、
誰がなんと言おうと自分がやりたいと思ったことはやる。
いいんじゃないかと思います。
 
彼とプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの三大テノールによるコンサートの模様は
本当に楽しかった。
ダイアナ妃の映像が美しくて切ない。
 
歌声は、人々の心に残る。

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