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『泣くな赤鬼』

『泣くな赤鬼』
監督:兼重淳
出演:堤真一,柳楽優弥,川栄李奈,竜星涼,堀家一希,
   武藤潤,佐藤玲,キムラ緑子,麻生祐未他
 
諸般の事情により6月はまだほとんど映画を観られておらず、これがたった3本目。
後半にスパートをかけられるかどうか微妙ですが、がんばる。
 
重松清の短編集『せんせい。』に収録されていた1編。
読んだはずなのですが、全然おぼえていない。
たぶん、私は重松清を読みすぎだ(笑)。
おぼえてはいないけれども、いい話にちがいない。
 
高校で教鞭をとる小渕隆(堤真一)は、ストレスからか胃に痛みを感じて病院へ。
待合室で声をかけてきたのはかつて教え子だった斎藤智之(柳楽優弥)。
会社の健康診断でひっかかり、妻の雪乃(川栄李奈)に付き添われて検査に来たらしい。
 
十数年前、小渕は甲子園を目指す野球の強豪校にいた。
笑わず泣かず、とにかく厳しい監督に、部員たちが付けたあだ名は「赤鬼」。
斎藤はじゅうぶんな才能を感じさせる新入部員だったが、
監督のサインを無視してスタンドプレーに走るところなどが小渕は気に入らない。
そこで斎藤よりも遥かに下手な部員と守備位置を競わせようとしたところ、
努力の嫌いな斎藤はすっかり拗ね、部活をさぼってよくない連中とつるみ出す。
やがて退部すると高校そのものまで辞めてしまったのだった。
 
現在小渕が勤めるのは、進学校ではあるが野球部は弱小。
甲子園まであと一歩だった高校の監督が異動してきたと知り、
野球部に入った生徒も多いのに、小渕はまるでやる気がない。
こいつらに教えてもどうせ無理だと決めつけている。
 
そんなある日、雪乃が小渕を訪ねてくる。
検査の結果、斎藤は末期癌に侵されていることがわかり、余命わずかだと。
どうすればいいのかわからない雪乃は、夫に会ってほしいと小渕に頼み……。

いまどきの高校野球の練習がどんなだかは知りませんが、
体罰はなくとも多分にスパルタな野球部は今でも多いはず。
小渕もそんな監督で、部員は叱咤されながら練習していました。
 
それが正しかったはずだと小渕は疑いもしていませんでしたが、
斎藤との再会をきっかけにかつての部員に会いに行くと、
「僕たちは先生の夢を叶える道具に使われただけ」だなんて言われる。
しょげる小渕役の堤真一は、見た目もしょぼくれていてかなり気の毒(笑)。
 
お涙頂戴に走っとるなぁと思いつつもきっちり泣かされる。
ただし、劇場でほかのお客さんがボロボロ泣いていたシーンは、
私はまったく泣けず。なぜか私はほかの人と泣くところがずれている。(^^;
 
悔いを残さず死にたいとは誰もが思うことでしょう。
その悔いが野球だったら。
 野球好きならばやっぱり泣いてしまう作品です。
最後の堤真一の表情がめちゃめちゃよかった。

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