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『日本沈没 2020 劇場編集版 シズマヌキボウ』

『日本沈没 2020 劇場編集版 シズマヌキボウ』
監督:湯浅政明
声の出演:上田麗奈,村中知,佐々木優子,てらそままさき,
     吉野裕行,森なな子,小野賢章,佐々木梅治他

TOHOシネマズ西宮にて5本ハシゴの3本目。
 
1973年に発表された小松左京の大ベストセラー『日本沈没』。
幾度となく映画化され、テレビやラジオでドラマ化され、
漫画化もされて、そしてこのたびWebアニメ化。
Netflixで配信されて大きな話題を集めたそうですが、知らん。
全10話として配信されたものを劇場版として再編集したのだとか。
 
原作に何の思い入れもないうえに151分という長尺、
しかもこれにはポイントが使えないんです。特別料金1,800円也。
スルーしかけていましたけど、湯浅政明監督だから観てみましょう。
 
2020年の日本。
武藤家は、日本人の父親・航一郎、フィリピン人の母親・マリ、
中学3年生の長女・歩、小学2年生の長男・剛の4人家族。
 
陸上部のエースとして将来を嘱望されている歩はいつものように部活、
航一郎は仕事、マリは日本に帰国したばかり、剛は留守番。
そんな日に巨大地震が発生し、列島全体が沈み始める。
 
大混乱のなか、航一郎が神社に灯したネオンサインを目印に、
なんとか家族が集結。東京から脱出を図るのだが……。
 
疲れ気味だったので、150分超の映画なんて観たら絶対寝ると思っていました。
ところがどっこい、湯浅監督のなせる技か、楽しい脚本のおかげか、
まったく睡魔に襲われずに最後まで鑑賞することができました。
 
初代の映像化のさいにはこんな光景は予想もされなかったでしょう。
避難する人々がみんなスマホを持っている。
剛は幼いながらも筋金入りのゲーマーで、ゲームの知識が役に立つ。
 
生存者は善人ばかりじゃなし、車に乗せてはくれたけど、
「乗せてやったんだからヤラせろよ」なんていう不届き者も。
そういう奴があっさり撃沈されるのは痛快。
 
父親は不発弾を踏んでわりとあっけなく亡くなり、母親も命を落とす。
残された姉弟と力を会わせるのは歩の先輩と世界的YouTuber
ユーチューバー、凄いっす。
新興宗教の信者たちが集団生活する場ではそのユーチューバーがDJに。
 
姉弟が漂流しているときの会話に笑った。
歩は「今日何曜日かな。連続ドラマを見損ねた」と言う。
んなもん放映しているわけもないのに。
一方の剛は、「Amazonどうなったかな。海の上にあったりして。
もう家がなくなっちゃったから配達してもらえない」とか。
 
とにかく今の時代を映し出した新しい『日本沈没』です。
そういえば『日本以外全部沈没』(2006)なんてのもありましたね。
そっちは観なくていいけれど、こっちはちょっとオススメです。
そうそう、エンガチョに笑った。
欧米では“Good Luck”の意味なのですね。

—–

『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』

『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』
監督:深川栄洋
出演:綾野剛,北川景子,岡田健史,前野朋哉,青山美郷,石黒賢他
 
TOHOシネマズ西宮にて、5本ハシゴの2本目。
しかし何ですね、5本ハシゴで劇場スタッフに駐車券を差し出して、
「5本分お願いします」というときの反応は結構おもしろいです。
12時間分つけていただきました。
 
ハマっております、中山七里に。
『さよならドビュッシー』(2012)の映画版があまりにしょうもなくて、
ずっと読まず嫌いだった作家なのですが、今やだだハマり。
七里センセの“刑事犬養隼人”シリーズにはまだ手を出していないけど、
結構お気に入りの綾野剛で映画化なんて嬉しいじゃないですか。
読むのは後にしてまずは観なきゃ。
監督は深川栄洋。本作みたいな刑事ものを撮るのはちょっと意外。
 
警視庁ナンバー1の検挙率を誇る捜査一課刑事、
犬養隼人(綾野剛)と高千穂明日香(北川景子)のコンビ。
ある日、「初めて家に来た医師に父親を殺された」と少年から通報がある。
犬養と高千穂が火葬される寸前だった遺体を解剖に回すと、
死亡する1時間前に塩化カリウム製剤が投与され、
心不全を起こしたように見せかけられていたことが判明。
 
同様に亡くなった患者はいないかを調べたところ、
闇サイトを通じて“ドクター・デス”を名乗る医師の存在が明らかになる。
難病に苦しむ患者あるいはその家族がドクター・デスに安楽死を依頼したらしい。
こうして捜査している間にも増えるであろう依頼を止めるため、
犬養と高千穂は安楽死した遺族のもとへ出向いて情報を求めるが、
遺族たちはいずれもドクター・デスに感謝しており、捜査に非協力的で……。
 
七里センセはドンデン返しの帝王です。
読書中、どれだけ頭を働かせて考えてみても、その斜め上を行かれる。
映画を観たら、おおっ、これよこれと可笑しくなり、
原作でも「さよか!」と唸ったやろなと思いました。
 
ところで、映画の公式サイトのキャストには刑事しか載っていないのですね。
キャストを載せたらドンデン返しも想像できそうだからかしらん。
犬養と高千穂の同僚には岡田健史前野朋哉青山美郷
上司役を石黒賢が演じています。
岡田くん、カワイイ。仮面ライダー顔だと思っていたのに、ライダー出身じゃないのか!
 
で、キャストを書くぐらいじゃネタバレにならんと思うんですけど、
柄本明木村佳乃、特に後者の怪演に身の毛もよだちました。
あ、やっぱりこれってネタバレですよね。(^^;
 
オープニングもエンディングもテレビの連続ドラマっぽい。
そこが軽く観られていいんでしょうけど。
フツーに面白かったし、カッコいいコンビです。
 
やっぱり騙されるわ~。

—–

『魔女見習いをさがして』

『魔女見習いをさがして』
監督:鎌谷悠,佐藤順一
声の出演:森川葵,松井玲奈,百田夏菜子,三浦翔平,石田彰,浜野謙太他
 
休日出勤して代休を取った月曜日。
映画を2本ぐらい観てどこかでひとり呑みを考えていたけれど、
義母が急逝して落ち着かず、映画だけに絞ることに。5本(笑)。
 
来月で有効期限の切れるTOHOシネマズのポイントがあと20本分ほど。
(注:その後、コロナのために有効期限は半年自動延長されました。)
何の割引もない月曜日はそのポイントを使うチャンス。
お金を払ってまで観るべきかどうか迷っていた本作を鑑賞。
TOHOシネマズ西宮にて。
 
1999年に放送が開始されたTVアニメ“おジャ魔女どれみ”シリーズ。
その20周年を記念して製作された作品で、
ターゲットとなっているのは当時シリーズを観ていた子どもたちでしょう。
本作の主人公3人も、リアルタイムで観ていた女子、
再放送を観ていた女子、DVDでコンプリートした女子です。
私はといえば、こんな年齢ですから、一度も観たことがありません。
 
愛知の教育大学に通う女子大生ソラ。
東京の一流商社に勤める帰国子女ミレ。
尾道のお好み焼き屋でバイトするレイカ。
接点など何もないはずの3人が鎌倉を訪ねた折に出会う。
 
そこは“おジャ魔女どれみ”に登場するMAHO堂のモデルとなった洋館。
3人とも“おジャ魔女どれみ”の大ファンだとわかって意気投合。
これをきっかけに友だちになるのだが……。
 
ソラは教育実習発達障害の少年がいるクラスに当たり、
彼のことを考えるあまり、ほかの子に目が行っていないと叱られます。
鳴り物入りで入社したミレは、帰国子女という色眼鏡で見られ、
上司から嫌味を言われたうえにプロジェクトを外されます。
レイカは美術品の修復家を目指して留学したいのに、
金を無心するダメ男と別れられずに悩んでいます。
 
話の内容といい、絵のテイストといい、どこをとっても私の趣味ではないけれど、
なぜか懐かしさを感じてしまう。
ソラの声は森川葵、ミレの声は松井玲奈、レイカの声は百田夏菜子
これがまたキャラとめちゃくちゃ合っていて、楽しい。
特に百田夏菜子の声は女子版の野原しんのすけみたい(笑)。
 
魔法が存在すると思っていた子どもの頃。
本当は魔法なんてない、のではなく、
みんなが持っている各々の個性そのものが魔法。
その考え方はいいな~と思いました。
そうだ、世の中で起きていることはいわば全部魔法なのである。

—–

『ミッドナイト・ランナー』

『ミッドナイト・ランナー』(英題:Midnight Runners)
監督:キム・ジュファン
出演:パク・ソジュン,カン・ハヌル,パク・ハソン,ソン・ドンイル他
 
休日出勤だった土曜日、晩は定刻20時に塚口で食事の予定。
仕事が終わったのが16時ちょっと前で、
塚口サンサン劇場にすっ飛んで行けば、17時からの本作上映に間に合いそう。
あいにく道がえらく混んでいて無理かと思いきや、5分遅れで到着。
本編開始までまだあと3分ありますとのこと、ぎりぎりセーフ。
 
2017年の韓国作品。とっくにDVD化されています。
なぜか今ごろ1週間限定の劇場公開。
DVDレンタルすればいいものをもったいない気もしたけれど、
これは劇場で観るほうが楽しかったはず。面白かった。
 
警察学校に入学したギジュンとヒヨル。
もともと友だちでも何でもなく、むしろお互いを敵視していたが、
山を走る訓練のさい、途中で足を痛めたヒヨルがギジュンに助けを求める。
1時間以内に学校へ戻らねば失格となるから、
ほかの学生たちは苦しむヒヨルにかまわず見て見ぬふり。
後で肉をごちそうするという言葉に釣られたギジュンは、ヒヨルを背負って学校へ帰る。
失格を言い渡すべく2人を待ち受けていた女性鬼教官は、
意外にも事情を聴いて2人以外を失格に。
未来の警察官たる者、困った人を見捨ててどうするというわけだ。
 
そんなわけで親友となり、仲良く進級した2人。
同期生に彼女ができたらしいと聞き、2人とも彼女がほしくなる。
外出許可をもらって遊びに行ったクラブではナンパが叶わず惨敗。
あきらめて帰る途中、前方に可愛い女性が歩いているのを発見し、
これがラストチャンスとばかりに声をかけようとしたところ、
急に発進した怪しい車が彼女を殴って気絶させ、連れ去ってしまう。
 
誘拐事件に違いないと通報するが、
警察はほかの仕事で忙しいらしく、取り合ってくれない。
自分たちで犯人を探し出して女性を救出するしかないと、
ギジュンとヒヨルは無謀にも2人で捜査に乗り出すのだが……。
 
もっとおバカなだけの作品かと思っていたら、起きている事件は非常に重たい。
若い女性の卵子を目的にした人身売買がおこなわれています。
家出少女を売り飛ばし、買った側は廃ビルに彼女たちを監禁して排卵誘発剤を投与。
ひとりの少女から1個の卵子どころか20個取ろうとします。
取り出した卵子は不妊に悩む夫婦に高額で売られ、
しかもそんなことに産婦人科医が手を貸しているのですから、驚く。
 
鬼の女性教官がメドゥーサと呼ばれているのがワラける。
2人が信頼する教授役のソン・ドンイルもよかった。
犯罪集団のリーダーがあまりに強くてヒヤヒヤしましたが、
この手の作品でバッドエンドなんてあり得ないもの、安心して観ていられる。
アクションと笑いとちょっとホロリと。
 
それにしても、警察学校の入校式って、こんなに保護者が来て別れを惜しむものなんですか。
ちょっとこれにはびっくりしました。(^^;
あと、韓国人俳優の名前、やっぱりどうにも覚えられません。
パクだらけ、カンだらけ、いったいどうやって覚えればいいの〜。

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『ホテルローヤル』

『ホテルローヤル』
監督:武正晴
出演:波瑠,松山ケンイチ,余貴美子,原扶貴子,伊藤沙莉,岡山天音,
   正名僕蔵,内田慈,冨手麻妙,丞威,稲葉友,夏川結衣,安田顕他
 
109シネマズ箕面にて。
 
原作は桜木紫乃直木賞受賞作。
読んだのは3年以上前。そのときのレビューはこちら
凍てつくような寒さを感じたのは覚えていますが、
映画版は武正晴監督だから、笑えるシーンもあります。
 
北海道。釧路湿原を眺めるラブホテル“ホテルローヤル”。
経営者・大吉(安田顕)は毎日酒浸りで、切り盛りするのは妻・るり子(夏川結衣)。
一人娘の雅代(波瑠)はここを出て行くべく札幌の美大を受験するが不合格。
そんな折、ダメ夫に業を煮やしたか、るり子が出入り業者の若い男と駆け落ち。
致し方なく雅代は家業を継ぐことにする。
 
原作はオムニバス形式になっていました。
映画版も導入部は原作と同じ。
すでに廃業して今は廃墟と化したローヤルに忍び込むカップル。
男性のほうはカメラマン志望で、ここで女性をモデルに撮影するつもり。
ファインダー越しに在りし日のローヤルの姿が映し出され、
ちょっとファンタジーのような作り。
 
そこからローヤル営業時へと時代が戻ります。
中年から熟年に差しかかろうかという夫婦(正名僕蔵内田慈)、
自称ホームレス女子高生(伊藤沙莉)とその教師(岡山天音)など、さまざまなカップル。
ネタバレになりますが、そのうちのあるカップルがローヤルで心中し、
客が寄りつかなくなって廃業に至る日までの様子が描かれています。
 
原作者の桜木紫乃の父親が実際に同名のラブホを経営していたことがあり、
掃除などを手伝わざるをえなかった彼女の実体験に基づいているそうです。
 
確か原作ではどのカップルが心中したのかはっきり書かれておらず、
最後にそうだったのかとわかるひと言があったような。
ものすごく凹まされたのですけれど、映画版は幸せな最期だったように思えなくもない。
 
家業を継いで経営者となったものの、
いつまで経ってもラブホを外側から見る部外者の意識があった雅代が、
松山ケンイチ演じるアダルトグッズの営業マンに恋心をを打ち明けたとき、
傷ついて胸の痛みを感じたことで当事者になれたと言う台詞が好きです。
 
エンディング曲は、ヤマハのポプコン出身、
柴田まゆみの1978年のヒット曲“白いページの中に”のカバー。
これが映画の雰囲気とドンピシャで素晴らしい。
 
冷たいけれど温もりも感じられる作品。
きちんと傷つくことで、生きていることを実感できる。

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