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『Mank/マンク』

『Mank/マンク』(原題:Mank)
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ゲイリー・オールドマン,チャールズ・ダンス,アマンダ・セイフライド,
   リリー・コリンズ,アーリス・ハワード,トム・ペルフリー,サム・トラウトン他
 
なんか古くさいですよねぇ、イオンシネマ茨木。
なんだかそれが落ち着いて、近頃よく行ってしまいます。
よその劇場は60歳からシニア料金だけど、
イオンシネマは55歳からいつでも1,100円というのもいいでしょ。
あ、歳がバレてしまう。(^^;
 
Netflixは魅力的だけれど、できればやっぱり劇場で観たい。
不朽の名作と言われる『市民ケーン』(1941)の脚本を執筆した、
“マンク”ことハーマン・J・マンキウィッツの伝記作品。
本作の脚本はフィンチャー監督の父ジャック・フィンチャー(故人)が書いたそうな。
お亡くなりになったのは2003年だから、
それからずっとフィンチャー監督は映画化を考えていたのでしょうか。
 
マンクはもともとは編集者だったようです。
新聞のコラムで演劇批評を書くようになり、やがて脚本家に。
アルコール依存症のうえに事故に遭って負傷し、
ベッドから動けぬ状態のまま『市民ケーン』の脚本を執筆。
問題だらけだった『市民ケーン』の製作の舞台裏を
フィンチャー監督は全編モノクロ映像で描き出しています。
 
背景として、1934年のカリフォルニア州知事選があります。
民主党候補のアプトン・シンクレアと共和党候補のフランク・メリアムが争ったのですが、
マンクを演じるゲイリー・オールドマンは共和党びいきで有名。
なのに民主党に肩入れして共和党支持者を皮肉るものだから、
これはどういう心境で演じているのかを想像すると可笑しかった。
まぁ、彼ぐらいの俳優になれば、信条に反しても演技は演技なんですかね。
 
『市民ケーン』はこんなふうにして出来上がったんだなぁ。

—–

『家なき子 希望の歌声』

『家なき子 希望の歌声』(原題:Remi sans Famille)
監督:アントワーヌ・ブロシエ
出演:ダニエル・オートゥイユ,マローム・パキャン,ヴィルジニー・ルドワイヤン,ジョナサン・ザッカイ,
   アルバーヌ・マッソン,ニコラス・ロウ,ゾーイ・ボイル,ジャック・ペラン,リュディヴィーヌ・サニエ他
声の出演:山路和弘,熊谷俊輝他
 
仕事帰りに109シネマズ大阪エキスポシティにて2本ハシゴの2本目。
1本目に観た『STAND BY ME ドラえもん2』はぽつぽつ客が入っていたけれど、
本作は私だけ。今年何度目の“おひとりさま”だっけ。
 
1878年に発表されたエクトール・アンリ・マロの児童文学。
いったいどれだけの国で映像化されたことか。
日本でもアニメ等で映像化されていますが、
これを原作としない『家なき子』もありますよね。
すぐに思い出されるのはやはり安達祐実の「同情するなら金をくれ!」か。
 
監督はフランス出身のアントワーヌ・ブロシエ。
キャストもフランスを代表する面々です。
字幕版を観たかったけれど、日本語吹替版の上映しか見当たらず。
 
主人公である少年の壮年期を演じています。
冒頭に登場するのは、夜中に目覚めた男の子がケーキをつまみぐいするシーン。
その後ろからふいに現れた上品な壮年の男性が、男の子にお茶を淹れ、
自身が子どもだった頃の話を始めます。
話の続きを聴こうと次々と集まってくる子どもたちを見れば、
この屋敷が孤児院で、おそらく壮年男性はその経営者であることがわかる。
 
レミは赤ん坊のときに捨てられ、ある村の夫婦に拾われた。
自分が捨て子だったと知らずに11歳まで育ったレミは、
夫婦のことを実の親だと信じていた。
ママはレミに無償の愛を注いでくれるが、パパはレミを疎み憎んでいる。
そもそも拾った理由からして、いつか金になるかもしれないと思っていただけ。
 
パパから連れ出されたレミは、孤児院に入れられそうになる。
必死で抵抗するレミを金で買ったのが旅芸人ヴィタリス。
てっきり酷い扱いを受けるのだと思ったら、
ヴィタリスはレミを傷つけることなんてまったくなし。
芸達者な犬のカピ、猿のジョリクールと共に各地を回っては日銭を稼ぎ、
レミにも居場所を与えてくれる。
 
ヴィタリスはレミに歌の才能を見出し、歌を続けるように言う。
なぜか昔から知っている、頭にこびりついて離れない曲を楽譜に書き留め、
レミはそのメロディーを口ずさみ続けるのだが……。
 
ひとりでのびのびとエグゼクティブシートのど真ん中に座り、ゆったり鑑賞。
もっと辛い物語だったような気がしていたので、
このぐらいの悲劇ならわりとオッケー(笑)。
 
富裕な家族のもとで日々芸を披露することになったとき、
車椅子に乗る美少女リーズがいて、彼女はレミに心を許します。
その様子を見たリーズの母親が、このままレミにはずっと居てほしい、
執事になるための教育を受けさせるからというのが面白いですねぇ。
ヴィタリスはきっぱり言う、レミは執事ではなくリーズに結婚を申し込める奴になると。
 
大道芸を取り締まる警官が横柄だったり、
レミが御曹司であることが明らかになった折に図られる陰謀だったり、
何か時代を感じつつも、今も形が多少違えどもこんなことあるかもと思うのでした。
世紀を超えて語り継がれ、映像化もされ続けるのは、理由があるんだなぁ。

—–

『STAND BY ME ドラえもん2』

『STAND BY ME ドラえもん2』
監督:八木竜一,山崎貴
声の出演:水田わさび,大原めぐみ,かかずゆみ,木村昴,関智一,
     宮本信子,妻夫木聡,バカリズム,羽鳥慎一他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、仕事帰りに2本ハシゴの1本目。
 
『STAND BY ME ドラえもん』(2014)は、“ドラえもん”史上初の3DCGアニメーションでした。
続編となる本作も同じ監督コンビニよる3DCGアニメ。
原作の人気エピソード『おばあちゃんのおもいで』を基にしているそうです。
 
のび太が幼稚園の頃に他界してしまったおばあちゃん。
大好きだったおばあちゃんに会いたくなったのび太は、
ドラえもんとともにタイムマシンで過去へと向かう。
野比家をうろうろしていると、幼年ののび太やまだ若い母親に遭遇。
未来から来たのび太だと言っても信じてくれるはずもなく、不審者扱いされる。
 
しかしおばあちゃんだけはのび太のことを信じる。
小学生になったのび太のことを見たかったというおばあちゃんのため、
一旦ランドセルを取りに現在へ帰り、またおばあちゃんのもとへ。
喜ぶおばあちゃんから「あんたのお嫁さんを一目見たくなっちゃった」と言われ、
のび太はしずかをおばあちゃんに見せようと決める。
 
今度は未来へと向かったのび太とドラえもん。
ところがしずかとの結婚式当日、なんと新郎ののび太が逃げ出してしまう。
おばあちゃんの願いを叶えようと、のび太とドラえもんは大人ののび太を探し回るのだが……。
 
なぜかドラえもんを観るといつも寝てしまう私。
良い話だとわかっているのに、たぶん良い話すぎていつも眠くなる。
今回も良い話でしたが、睡魔に襲われることはなく。
最後におばあちゃんの願いを叶える段ではジワ~ンと泣きそうに。
 
それにしてものび太ってかなりワガママですよね(笑)。
季節じゃないのに花火が見たいと言い、その花火をおばあちゃんに買いに行かせる。
どこにも売っていなかったと聞くと、「おばあちゃんなんか嫌い」って。(–;
ばあちゃん孝行ができてよかったなぁ。
 
相変わらず「ら抜き」がなくて正しいんです、日本語が。
さすが教育的にもスバラシイよドラえもんと思ったけれど、
エンディングテーマ曲は歌詞にら抜きがあるんですよねぇ。
惜しい。別にいいけど。

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『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』

『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』(原題:The Cave)
監督:トム・ウォーラー
出演:ジム・ウォーニー,エクワット・ニラトヴォラパンヤー,ジュンパー・センプロム,
   ノパドン・ニヨムカ,エリク・ブラウン,タン・シャオロン,マギー=アーパー・パーウィライ他
 
なんばパークスシネマにて、前述の『泣く子はいねぇが』とハシゴ。
 
2018年にタイで起きたタムルアン洞窟の遭難事故を基にしたタイ/アメリカ作品。
トム・ウォーラー監督について日本語のサイトではほぼ何も情報がないのですが、タイ出身とのこと。
 
2018年6月23日。
タイ・チェンライ県の森林公園内の洞窟をサッカーチームのコーチ1名と少年12名が訪れる。
ちょうど雨季に差しかかった折で、突然の豪雨に見舞われて水位が上昇。
13名は洞窟から出てくることができず、閉じ込められてしまう。
 
森林公園の職員によってこの事態が知らされ、
タイ国内はもちろんのこと、世界中にこのニュースが報道されると、
各国の専門家やダイバーが協力を申し出て、救出作戦が始まるのだが……。
 
結果として13名全員が無事に救出されました。
だからこうして映画を観て苦笑いしても許されますよね!?
 
専門家の人たち、来るの早い、速い。
でも僧侶も来るの、なんでそんなに早いねん。みんなで祈る祈る。
この洞窟は「男に恨みを持つ女の体内」と言われているそうで、
少年たちが祈るのを忘れて洞窟に入ったからその祟りだとみんな思っているわけです。
洞窟内の少年たちもいまさらながら祈るし、
洞窟外では僧侶と共に集まった人が懸命に祈っている。
祈って助かるなら皆祈るわと思わんこともないのですけれど、
結局みんな助かったのですから、祈りのおかげということになるのでしょうね。
 
洞窟の外では有志女性による炊き出しがおこなわれていて、楽しそうなんです。
「毎日でも炊き出ししたいわ」とか言うてるし。
宝くじまで売られているのはなんでやねん。(^^;
 
各国からやってきた一流ダイバーを本人が演じている場合もあり、
みんな演技がやたら自然で、俳優かなと思うほど。
そらまぁ、自分の役を当時のままに演じるのですから、演技にもならんか。
いずれも結構二枚目。あ、二枚目だからそのまま演じられるのね。
もしも本人がすごい醜男だったら、誰か俳優がキャスティングされたことでしょう。
 
洞窟内の水を吐き出すにあたり、
民間人で協力を申し出たポンプ業者により、排水されます。
しかしその排水は付近の田んぼに流れ込み、田んぼはおじゃんに。
政府がお見舞金を配ろうとしたときの住民の反応は泣けます。
「田んぼの作物はまた育てればいい。少年たちの命のほうが大事。
お金は要らない。彼らを助けるために使ってください」。
全員こう言うたんですかと聞くのはあきませんよね。(^^;
 
狭い洞窟からひとりひとり救出する様子もよくわかります。
ほんとに助かってよかった。

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『泣く子はいねぇが』

『泣く子はいねぇが』
監督:佐藤快磨
出演:仲野太賀,吉岡里帆,余貴美子,柳葉敏郎,寛一郎,山中祟他
 
仕事帰りに寄れる劇場でも上映中でしたが、
ハシゴの兼ね合いでなんばパークスシネマまで。
 
秋田出身の佐藤快磨監督の劇場デビュー作。
企画者は是枝裕和監督だそうです。
私の父も秋田出身。お父さん、もしかすると観たいかなぁ。
連れて行くにしても、連れて行くに値するかどうか私が先に観とかにゃ。
 
ナマハゲで知られる秋田県男鹿半島。
地元民同士でできちゃった結婚をしたたすく(仲野太賀)とことね(吉岡里帆)。
生まれてきた女児に凪と名付けて可愛がるが、
父親としての自覚がなさすぎるたすくにことねは苛立ちを隠せない。
 
そんななかで迎えた大晦日。
ことねから早く帰ってくるようにと釘を刺されていたにもかかわらず、
ナマハゲの祭りに参加したたすくは途中で帰るとは言い出せず。
そればかりか酔っぱらってナマハゲの面をかぶったまま全裸で走り出す。
その姿が中継中のテレビにまで写ってしまい、大変なことに。
 
地元にはいられなくなったたすくは東京へ。
2年後、何もかも知る志波(寛一郎)が男鹿からたすくを訪ねてくる。
半年前にことねの父親が亡くなり、頼る人のいなくなったことねは、
キャバクラで働いているのだという。
ことねと凪の力になりたいと、たすくは故郷に戻るのだが……。
 
物語そのものよりも、地方の年中行事の現状に目が行きました。
昔はナマハゲを見れば子どもたちは間違いなく泣いたのに、今は怖がらない。
若者が面白がって一緒に写真を撮りたがるだけ。
観光地化して町が発展するのはいいことだと思うのですが、
冷めきった子どもたちを見るのはなんだか寂しい。
 
そっちのほうに目が行ってしまったけれど、太賀くんはいい役者です。
父親になることから逃げ、ナマハゲを存続の危機に陥れるようなことをやらかし、
故郷を逃げ出し、でも東京でも酒は絶っている。
東京にいれば、嫌なことはすべて忘れられると思っていたのにそうじゃない。
いまさら故郷に居場所などないことをわかっていながら戻ります。
そんな彼を普通に受け入れる母親役に余貴美子。好きだなぁ、余ねえさん。
どんな役のときも器がでかいんだから。
 
父にも見せたいとは思うものの、なんというのか、終わり方が唐突。
映画を見慣れていればこの終わり方はありだし、余韻があっていい。
でも、ふだんあまり映画を見慣れていないと、えっ、これで終わり!?って思わんかなぁ。
どうしよう。

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