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4回目の『ファーストキス 1ST KISS』

TOHOシネマズなんば別館にて。
『リボルバー』の鑑賞後、後述の『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』までの間が空く。
ほかに未見の作品があったにもかかわらず、ふらふらと本作をオンライン予約してしまいました。
ほとんど「追いトップガン」ならぬ「追いファーストキス」状態です(笑)。
3回目はスルッと流しましたが、やっぱり書きたい4回目。
 
大ヒット中だといっても、北摂の劇場ではここまで客は入っていません。
休日の夕方の回、大阪市内中心部の劇場は満席になるんですね。
見た感じカップルばかりで、私のようなひとり客はあんまりいない模様。
基本的に映画はひとりで観たい私ですが、こんなふうな大好きな作品ほどその思いが強い。
好きなように感じて笑って泣いて観るのが幸せです。
 
それでもこの日のなんばで思ったのは、やっぱり客が多いのっていいなということ。
ひとりで観たいと言いつつ客が多いのはいいと言うのは矛盾していますが、
大勢のお客さんが声に出して笑ったり鼻をすすって泣いたりしているのは嬉しくなる。
釣られるのかなぁ、私も4回目のこの日は今まで以上にグッと来ました。
 
老けメイクが苦手なことは変わりません。
だから、44歳の駈を演じる松村北斗にほどこされている老けメイクには毎度「えっ」と思う。
顔を老けさせているのはもちろんのこと、体もきっちり若干オッサン化させているし。
特殊メイクの技術って凄いよなぁ、でもメイクはメイクなんだよなぁとちょっと引き気味。
 
でも、44歳の駈のどアップはないし、何より終盤の彼は序盤の彼とは内面が違うから、
それが表情にも感じられて私をドン引きにはさせないというのか。良いように見すぎ!?
 
現在、ジョングクか松村北斗かってぐらいになってます(笑)。
松村北斗に関しては、「本作で29歳の駈を演じる彼」限定ですけど。
上映が続くのならまた観てしまうと思います。きっと。

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『リボルバー』

『リボルバー』(英題:Revolver)
監督:オ・スンウク
出演:チョン・ドヨン,チ・チャンウク,イム・ジヨン,キム・ジョンス,キム・ジュンハン,
   チョン・マンシク,チョン・ヘジン,イ・ジョンジェ,チョン・ジェヨン他
 
封切りになったばかりの作品にいろいろ観たいものはあって、さんざん迷う。
晩にNGKで“吉本新喜劇記念日2025 今年は65周年記念ツアー千秋楽”に行くから、
出かけるついでになんばでしか観られない作品にしようと思いました。
この前々日に観た『プロジェクト・サイレンス』もすげぇ面白かったし、やっぱり韓国作品は外せない。
というわけで、TOHOシネマズなんば別館にて本作を観ることに決定。
 
警察の汚職スキャンダルの罪をひとりでかぶることになった女刑事ハ・スヨン(チョン・ドヨン)。
その見返りに7億ウォン(約7千万円)と高級マンションを受け取ることになっていたのに、
2年の服役を終えて出所すると、金は支払われず、マンションも他人の名義に。
 
約束が反故にされたことを悟ったスヨンは、自分の取り分をきっちりもらわねば気が済まない。
あのとき7億ウォンの支払いを約束した名前も知らぬ男が誰だか突き止めるため、ひとりで調べはじめるのだが……。
 
いつも思うことですが、汚職の内容ってなかなか難しいことが多い。
ヤクザから回収した麻薬をくすねて売る程度の内容ならわかりやすいのですが、
本作の汚職については私は正直いってよくわかっちゃいない。(^^;
ただ、裏社会で力を持つ人がやらかすことに目を瞑る代わりに金を受け取っていた、みたいな感じ。
 
スヨンの恋人だった上司がその汚職に大きく関わっていたようで、けれど彼はスヨンの服役中に死んでしまいます。
自殺と言われているけれど、誰かに殺されたにちがいない。
この上司を演じているのがイ・ジョンジェ“イカゲーム”の彼しか知らない人には見てほしい。
 
出所の日にナメた態度で刑務所前に現れたホステス風の女性チョン・ユンソン(イム・ジヨン)が
やがてスヨンのただひとりの味方になるのは読めるけど嬉しいこと。
約束を反故にしたアンディ(チ・チャンウク)って、まるで『ANORA アノーラ』のイヴァンと同じ。
力を持つ親がいなければ何にもできないボンクラなんですよねぇ。バカ息子。美形だけど。
 
普通の話ならスヨンは濡れ衣を着せられていただけってことになりますが、
これは彼女も汚職に絡んでいてその分け前を取り戻すために奮闘する話。
だから、おおっ、よかったというわけではないけれど、まぁまぁ面白い。
ただ、チョン・ドヨンが美人の扱いなのはよくわかりません。お堅い役人とかのほうが似合ってる。

—–

『ANORA アノーラ』

『ANORA アノーラ』(原題:Anora)
監督:ショーン・ベイカー
出演:マイキー・マディソン,マーク・エイデルシュテイン,ユーリー・ボリソフ,カレン・カラグリアン,ヴァチェ・トヴマシアン他
 
109シネマズ箕面にて、封切り日翌日の土曜日、レイトショーの回を観ました。
 
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017)が強烈な印象を残したショーン・ベイカー監督。
『レッド・ロケット』(2021)も大いに期待して観に行ったらなんだかイマイチで。
本作ではまた『フロリダ・プロジェクト』の監督再来という感じ。
 
アニーことアノーラは、ニューヨークでストリッパーとして働くロシア系アメリカ人。
ある日、マネージャーから太客についてほしいと頼まれる。
その客とはロシアの富豪の御曹司イヴァンで、アメリカ観光に来ているらしい。
イヴァンはロシア語を話せるストリッパーを希望しているとのこと。
 
接客を務めたアニーのことをいたく気に入ったイヴァンは、店外でも会えるかと聞いてくる。
イヴァンのもとを訪れたアニーは、贅沢三昧の暮らしを送る彼にビックリ。本物の富豪だ。
 
出勤時間だから戻らねばならないというアニーをイヴァンは引き留め、
自分がロシアに帰るまでの1週間、専属契約をしたいと多額の報酬を提示する。
その契約に応じて店を休み、ずっとイヴァンと過ごすことにしたアニー。
 
1週間、アニーとイヴァンの友人たちは派手に遊び呆け、ラスベガスに行ったさいにノリで結婚。
玉の輿に乗ったアニーを妬む同僚にマウントを取り、颯爽と店を辞める。
 
ところが、イヴァンの結婚を知った彼の両親が激怒。
婚姻を無効にさせようと送り込んだ両親の手下から、明日には両親もアメリカへ来ると聞くや否や、
イヴァンは着の身着のままに逃げ出してしまう。
後に残されたのはアニーとアルメニア人の屈強な手下たちで……。
 
イヴァンはちょっと可愛いだけの21歳。馬鹿な小僧で、金を持っている以外に魅力はありません。
アニーの目的ももちろん金だから、ふたりの間に愛などない。
けれど、この金づるを逃がしてなるものかとアニーは怒り、すんなり引き下がる気は1ミリもなし。
 
アニーに好感は持てませんが、イヴァンの母親から好き放題言われて引き下がらないところは応援したくなる。
また、手下のひとり、イゴールがめちゃくちゃイイ。アニーの気持ちに寄り添うたったひとりの人物です。
けれどもアニーはイゴールに頼ったりしないし、罵詈雑言を投げかける。
それだけに、ラストではイゴールの優しさが伝わってきて、ちょっとジワッと来ました。
 
この監督、女性を主人公にする作品のほうが上手いのではないでしょうか。
 
追記:本作を観たのは第97回アカデミー賞の発表前でした。
   本作は作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞を受賞。ノミネート作品中、最多部門での受賞となりました。

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『プロジェクト・サイレンス』

『プロジェクト・サイレンス』(英題:Project Silence)
監督:キム・テゴン
出演:イ・ソンギュン,チュ・ジフン,キム・ヒウォン,ムン・ソングン,イェ・スジョン,
   キム・テウ,パク・ヒボン,パク・ジュヒョン,キム・スアン,ハ・ドグォン他
 
一刻も早く観たかったところ、封切り日だった金曜日はグッと我慢して、
翌日のファーストデーに109シネマズ箕面にて。
 
しばらく前からかかっていた予告編を観て、あれ?イ・ソンギュン?亡くなっちゃったよね?と思っていました。
『スリープ』(2023)が遺作だと勝手に思い込んでいたので、スクリーンでまた彼に会えるとは嬉しい驚き。
 
チャ・ジョンウォンは、大統領選挙で優勢とみられるチョン・ヒョンベクの補佐官を務めている。
妻を亡くして今は娘ギョンミンと2人暮らしだが、悲しみに暮れるギョンミンはすっかり反抗的になり、
高校卒業後はラッパーになる夢を叶えるべく留学すると言う。
 
旅立つギョンミンを空港まで送る夜、濃霧が立ち込める。
途中立ち寄ったガソリンスタンドで、店主になりすましたレッカー車の運転手(以降、レッカー)が売上金をくすねようとしていることに気づき、
ジョンウォンは空港からの帰りに金を払うとレッカーに言い残して発車。
戻ってきた店主にこっぴどく叱られたレッカーは、金を取り返してくると言って自分のレッカー車でジョンウォンを追う。
 
空港へ通じる大橋では、濃霧のなか爆走する様子をライブ配信する無茶なYouTuberが事故を起こす。
そこに次々と車が突っ込み爆発するなどして、もはや身動きの取れない状態に。
ジョンウォンがヒョンベクに連絡を取ろうとするも、携帯電話が繋がらなくなる。
 
どこかから妨害電波が発せられていると気づいたジョンウォンが辺りを見回し、軍人と研究者のヤン博士を発見。
どうやら軍の極秘プロジェクトでつくられた実験体“エコー”が移送中の車両から逃げ出したらしい。
 
救助隊はエコーに襲われて全滅、ヘリコプターも墜落、大橋は崩壊寸前。
ジョンウォンは生存者たちを集め、なんとかここから脱出しようとするのだが……。
 
エコーは獰猛な犬の集団なのですが、これがちょっとCGくさいのは難点。
それを差し引いても面白い。
 
当面の生存者はジョンウォンとギョンミン父娘なのはもちろんのこと。
ジョンウォンを追ってきたレッカー(チュ・ジフン)は見るからに軽くて、倒れている人の財布を盗もうとするような奴。
それでも根は優しいから、悪態つきながらもほかの人を見捨てたりしない。
プロゴルファーのユラ(パク・ジュヒョン)はその付き人である姉のミラン(パク・ヒボン)がパスポートの更新を忘れたせいで、
試合に臨むことなく帰宅する途中にこれに巻き込まれました。
でも実は……という話があって、ユラがゴルフの腕を駆使するシーンが痛快。
 
ネタバレですが、もともとエコーはヤン博士が「人の声を聞き分ける救助犬」として開発したクローン犬。
それを軍が戦闘に使う狩猟犬にするように強いたんですね。
俺は悪くないと主張するヤン博士がどうしようもなく駄目駄目で、笑っちゃうほどでした。
 
クローン犬の母親である“エコー9”には泣かされます。
クローンであろうとどうであろうと自分の子ども。それを守るために人間に襲いかかっていたのですから。
 
緊迫感に溢れ、笑えるやりとりも多数。ちょっと切なかったりもして最高。
48歳で自ら命を絶ってしまったイ・ソンギュン。まだまだ彼の演技を見たかった。本当に残念です。

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『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』

『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』
監督:木村真人
出演:八木勇征,井上祐貴,櫻井海音,椿泰我,カンニング竹山,阿部亮平,
   高橋洋,馬渕英里何,平野宏周,工藤美桜,笹野高史,田辺誠一他
 
私の友だちの中でいちばん年上だった人が亡くなりました。
ステージ4の膵臓がんで闘病中だったけど一度も寝込むことなく、まだまだ大丈夫と思っていたら、旅先で。
悲しみに暮れつつも彼女の笑顔しか思い出せず、楽しかったことばかり頭の中をめぐる。
 
そんな彼女は、私のと同じく、私の予定を変えなくていい日程で亡くなったとしか思えない。
お通夜も告別式も私の予定を避けるかのような日程で、「行っておいで〜」と言ってくれているかのよう。
告別式の後、私は喪服から普段着に着替えてなんばへ。NGKの前にTOHOシネマズなんばにて映画を1本。
 
原作は鈴木おさむの同名朗読劇なのだそうです。
アイドル起用の若い子向け映画だと思ってナメていたのに、不覚にも泣いてしまいました。(^o^;
 
山間の小さな村に生まれ育った高校3年生の男子4人、アキト(八木勇征)、ハルヒ(井上祐貴)、ナツキ(櫻井海音)、ユキオ(椿泰我)。
今年18歳を迎える彼らは、村の長老・テツ爺(笹野高史)に呼び出され、村の秘密を打ち明けられる。
 
その秘密とは、村に生まれた男子は全員、18歳になると1回だけ魔法が使えるというもの。
ただし使えるのは20歳までの間の2年間で、命に関わることに使うのは禁止という条件付き。
命に関わることに魔法を使うと、村に不幸が訪れるというのだ。
 
魔法が使えるだなんてあり得ないと最初は笑って聞いていた4人だが、真面目な顔のテツ爺を見て押し黙る。
自分たちより上の世代の者は皆それを知っているし、男性は全員通ってきた道らしい。
 
帰宅後に「秘密を聞いてきた」と親に話すと、反応はさまざま。
しかし一様にして、後悔のない使い方をするように言われているように思う。
4人は魔法の使い道について話し合う機会を設けるのだが……。
 
親友同士の4人ですが、将来の夢はそりゃマチマチ。
楽器店の息子アキトは東京の芸大に進学してピアニストになりたい。
ハルヒは生まれつき心臓に疾患があります。
造園業を営む父親のもとに生まれたナツキはサッカー選手になりたかった。
村のダム開発に携わった父親を持つユキオは工作が大好き。
 
魔法を何に使いたいかを明かすのは気恥ずかしい彼らは、最初は他愛のない願いについて話します。
イクラの食感が嫌いだからそれがなくなってほしいとか、グリーンピースの苦みが消えてほしいとか。
この辺りは無邪気で可愛いのですが、それを聞いていたナツキが突然ブチ切れ、
みんなもっと自分の欲に素直になれよと出て行ってしまいます。彼が無邪気ではいられない理由がそこにはあって。
 
命に関わることに使うのは禁止だと聞いて、私は「誰某に死んでほしい」とかいうのが駄目なんだと思ったら、
誰かの命を救いたいというのが駄目なんですね。私のなんと邪悪な気持ち(笑)。
かつて誰かが誰かを救おうとしたことで村が不幸に見舞われたというのは、
決まっている運命を人がいじることには代償がつきものなのでしょうか。天命ってあるのかなって。
 
泣いてしまったのは、「人が死ぬということにはちゃんと意味がある」という台詞を聞いたときです。
短命の人、長寿の人、命にはさまざまな長さがあるけれど、どの死にも意味がある。
 
魔法を使ったら、何に魔法を使ったかを歴代の人々が記してきたノート。
そこに溢れていたのは誰かの幸せを願うものばかり。
 
小さな幸せに気づくということ。

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