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『キャッシュトラック』

『キャッシュトラック』(原題:Wrath of Man)
監督:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・ステイサム,ホルト・マッキャラニー,ジェフリー・ドノヴァン,ジョシュ・ハートネット,
   デオビア・オパレイ,エディ・マーサン,スコット・イーストウッド,アンディ・ガルシア他
 
ガイ・リッチー監督によるアメリカ/イギリス作品。
主役は大好きなジェイソン・ステイサムだから、
公開初日、仕事帰りにイオンシネマ茨木まで走りました。
 
リメイクなんですよね、これ。
オリジナルは『ブルー・レクイエム』(2004)というフランス作品。未見です。
 
ロサンゼルスにある現金輸送専門の武装警備会社フォーティコ・セキュリティ社に、
ヨーロッパの倒産した警備会社で働いていたという男パトリック・ヒルがやってくる。
人事を担当するマネージャーのテリーは、パトリックの経歴を高く評価。
しかしとりあえずは体力や適性に問題がないか調べなければならない。
体力検査や拳銃の命中率などを審査し、パトリックはかろうじてクリアする。
 
ところが、ギリギリ合格点だったはずの彼がとんでもない強者であることがわかる。
社員の中でリーダー格のブレット、中堅のデイヴと組んで現金輸送車に乗り込んだパトリックは、
強盗に襲われたさい、人質に取られたブレットを見て震え上がるデイヴを横目に、
驚異的なスキルで犯人たちを次々と殺したのだ。
 
フォーティコ社の社長はまったく金銭的被害が出なかったことに大喜び。
また、パトリックの活躍が紙上を賑わせて有名人となったため、
次に現金輸送車を狙った強盗団がパトリックを見た瞬間に怯えて逃げ出すまでに。
社員たちはパトリックがいったい何者なのかと訝りはじめるのだが……。
 
パトリックの狙いは何なのかはわりと早く明らかにされます。
だからネタバレにはならないと思うんですけど。
 
パトリックの一人息子は強盗現場を目撃したために犯人に殺されました。
その強盗団はまだ捕まっておらず、復讐するためにやってきたパトリック。
強盗に遭って犯人たちの覆面を剥ぐたびに、息子を殺した奴とは違うことに落胆します。
 
概ね面白かったのですけれど、テンポがイマイチ。そして暗い。
ガイ・リッチー監督なら、もっとシュシュッと、そして時折笑ってしまうような明るさもあるのに。
小気味よさに欠けると言いましょうか。
 
フォーティコ社のマネージャー役にエディ・マーサン
強すぎるパトリックに腰が引けている姿が可笑しい。
憎き強盗団を率いるジャクソンを演じるのはジェフリー・ドノヴァン
この人、たいてい悪役ですよね。善人役だったのはこのときぐらいしか記憶にない。
そして誰よりも嫌な奴の役だったのが、スコット・イーストウッド
そうです、クリント・イーストウッドの息子。
彼は今後こういう悪い脇役で生きていくことにしたのかも。
 
最初から最後まで観てもわからんかったのが、そもそもパトリックの会社って何をしている会社なのかということ。
真っ当なことはしていそうにないけれど、勤めている人たちは真っ当に見えなくもない。
政府の組織ではなさそうに見えるけど、FBIとは繋がっている。政府の組織なのかなぁ。
あ、FBIの人でアンディ・ガルシアが出ています。
 
パトリックがこそこそと動き回っているのもすべて復讐のためだけど、
何をやっているのかよくわからないところが他にもちょこちょこあって、スッキリ感はありません。
ただ、スコット・イーストウッドがあんな目に遭っていい気味ではある(笑)。
 
もう一度観たら、わからなかったこともわかるのでしょうか。
かと言ってもう一度観たいほど面白かったわけじゃない。

—–

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(原題:The Conjuring: The Devil Made Me Do It)
監督:マイケル・チャベス
出演:ヴェラ・ファーミガ,パトリック・ウィルソン,ルアイリ・オコナー,
   サラ・キャサリン・フック,ジュリアン・ヒリアード,ジョン・ノーブル他
 
観るつもりはなかったのです。怖いから。でも、観るものがこれかもう1本しかない。
もう1本の上映は職場にいちばん近い劇場で18:50から。
これの上映は自宅にいちばん近い劇場で17:55から。
ということは、帰宅時間が1時間以上変わるわけですよ。
そんな理由でこんな怖そうな映画を選ぶか!?と思いつつ、そんな理由で選びました。
109シネマズ箕面にて。3日連続でかよっています。(^^;
 
“死霊館”シリーズは、実在の心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が、
恐ろしい心霊現象の謎に立ち向かうという大ヒットホラー。
ホラー苦手な私は当然観たことがありませんが、
ジェームズ・ワンが監督を務めた第1弾『死霊館』(2013)がヒット。
それに登場した人形アナベルをフィーチャーしたスピンオフが『アナベル 死霊館の人形』(2014)。
第2弾は『死霊館 エンフィールド事件』(2016)。
その後も“死霊館ユニバース”と称される関連作品いろいろ。
 
怖いのは怖いけど、個人的に恐怖を感じる人形よりはマシだろうし、
なにしろ私は直近50年で最も怖いと言われる『ヘレディタリー/継承』(2018)を観ている。
それよりは怖くないんじゃないの~?
 
監督は“死霊館ユニバース”のひとつである『ラ・ヨローナ 泣く女』(2019)のマイケル・チャベス。
ヴェラ・ファーミガって、『エスター』(2009)を思い出して初めから怖いがな(泣)。
ま、行ってみよう。
 
1981年。心霊研究家のウォーレン夫妻、エドとロレインは、
グラツェル家の依頼により、少年デヴィッドの悪魔祓いの儀式に立ち会う。
思った以上に手強い悪魔を引き離そうと、儀式は凄絶なものに。
デヴィッドの命が危ういと感じたエドは、自分に取り憑くようにと悪魔に語りかける。
そのせいでエドは意識を失うが、デヴィッドの体から悪魔は消え去る。
 
明るい日常が戻ってきたグラツェル家。
しかし、病院で目を覚ましたエドは、グラツェル家に直ちに警告しなければと言う。
悪魔はデヴィッドから離れたものの、エドには乗り移らずに、
儀式に居合わせた青年アーニーへと乗り移っていたのだ。
アーニーはデヴィッドの姉デビーの恋人で、しばらくは変わりなく過ごしていたが、
ある日突然、家主を狂ったように刺して殺害する。
 
返り血を浴びて放心状態で歩いているところを捕まえられたアーニー。
殺人の瞬間の彼はアーニーではなかったと証言するデビー。
アーニーに悪魔が取り憑いていたことを証明できれば無罪もあり得る。
彼を救うため、ウォーレン夫妻は証拠を探しはじめるのだが……。
 
すげぇ怖かったので、『未成仏百物語 AKB48 異界への灯火寺』の鑑賞時と同様、
眼鏡をかけずに裸眼で観ました。
薄ぼんやりと見えるぐらいでいいのに、やっぱり視力0.3だとじゅうぶんに見えてしまう(笑)。
怖そうなシーンが来るなと思うときは目を閉じ、ときどき薄目を開けて鑑賞。
観たとは言えないほど直視していないシーンが多いです(笑)。
 
でも話自体はとても面白かった。
呪いをかけられた人に何か恨みがあるのかと思いきや、
悪魔崇拝者って、恨んでいるから呪ってやるとかじゃないんですね。
ただ、カオスとなるのを好んでこんなことをする。
誰でもターゲットになる可能性があるのだとしたら、めっちゃ怖いのよ。
 
ウォーレン夫妻は共にすでに亡くなっています。
エドは15年前に79歳で、ロレインはつい2年前までご存命だったそうで、92歳で他界とのこと。
こんな恐ろしいことを職にして長生きできるって、凄いなぁ。
事件に関わるたびに寿命が縮んでいきそうだもの。
 
ふたりの馴れ初めのお話が素敵です。
とても怖いホラー映画だったけど、こういう話が挟まれていることに救われるし、
同様の事件を捜査する刑事とのプレスリーに関する会話にもクスッ。
暗くておぞましいだけじゃないところがよかった。
まだ何か出てくるんじゃないかと思って最後までドキドキしますけどね(笑)。

—–

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(原題:No Time to Die)
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ダニエル・クレイグ,ラミ・マレック,レア・セドゥ,ラシャーナ・リンチ,ベン・ウィショー,
   ナオミ・ハリス,ジェフリー・ライト,クリストフ・ヴァルツ,レイフ・ファインズ他
 
109シネマズ箕面にて。
 
“007”シリーズはダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドになってからしか観ていません。
彼がボンドを演じるのは5作目。これが最後になってしまうなんて寂しいなぁ。
 
さて。冒頭はジェームズとその恋人マドレーヌのやたら幸せそうなシーン。
“ワイルド・スピード”シリーズもよくこんな感じで始まりますよねぇ。
それが一瞬にして不幸に見舞われる。
ボンドの場合は、彼ひとりでいるときに何者かに襲われ、
自分の居場所を敵に教えられるのはマドレーヌしかいないと、彼女を裏切り者に認定します。
必死で否定する彼女を見て、そうじゃないのかもと思ったものの、
もう彼女とは一緒には居られないと別れます。
 
さてさて。ふたりが分かれてから時は経ち、5年後。
本来なら本作は昨年公開されていたはずですから、
前作『007 スペクター』(2015)からもちゃんと5年後。
 
公開直後に観たという友人から、人間関係がようわからんから説明してほしいと言われました。
酔っぱらってメッセージをくれたので、しらふになった今はすでにわかっているでしょう(笑)。
 
ラミ・マレック演じる今回の敵=サフィンは、まだ子どもだった頃、
自分の家族を闇の巨大組織“スペクター”のメンバーに殺されました。
大人になったサフィンは、復讐を果たすために犯人の家を訪ねます。
それがこちらもまだ子どもだったマドレーヌの家でした。
つまり、サフィンの家族を殺したのは、マドレーヌの父親だったというわけです。
 
ところがマドレーヌの父親は不在。
サフィンは母親を瞬殺すると、逃げたマドレーヌを追いかけます。
家の前に広がる凍った湖を駆け出したマドレーヌは氷を踏み抜き、
そのまま溺れかけたところを救ったのがなんとサフィン。
少女だったマドレーヌをサフィンは殺せなかったのです。
 
何十年も経った今、サフィンはやはり復讐を果たそうと考えます。
まずはスペクターの壊滅を目論み、完遂。
そして今度は家族を殺した憎き犯人の娘マドレーヌを苦しめようとします。
 
彼女を苦しめるいちばんの方法は、彼女が愛してやまない者を消し去ること。
マドレーヌが最も愛しているのはジェームズと、
(ジェームズは知らなかったけれど)マドレーヌとジェームズの間に生まれた娘マチルド。
 
という流れになっていると思うのですが、私の解釈って合ってます!?
 
めっちゃよかったとは言えないけど、160分超の長編なのに飽きません。
睡魔に襲われることなく最後まで観られました。
 
ラミ・マレックには悪役の迫力があまり感じられなくて、イマイチ。
死んだと思われていたジェームズの007番を継いだという、
ノーミ(ラシャーナ・リンチ)は器が小さすぎて(笑)、007を名乗るのは許しがたい。
と思っていたら、終盤はそれなりの人物になっていましたね。
 
私はやっぱりベン・ウィショー演じるQが好き。
彼がゲイであることを匂わせる台詞は初めて登場したのでは。
好きな人が来訪するからといそいそ料理していたのに、
その直前にやってきたジェームズに嫌な顔をするところも笑いました。
ジェームズに苛立つノーミに、秘書のイヴ(ナオミ・ハリス)が聞かせるジェームズ評も笑った。
ボンドガール、マドレーヌ役のレア・セドゥも好きでした。
 
これで本当にサヨナラかぁ。
って、ダニエル・クレイグが死んだわけじゃなし。
で、次のボンドは誰!?
誰でもいいけど、候補に挙がっているヘンリー・カヴィルは無しじゃないか?
スーパーマンの人がボンドなんて、変すぎる。

—–

『MINAMATA ミナマタ』

『MINAMATA ミナマタ』(原題:Minamata)
監督:アンドリュー・レヴィタス
出演:ジョニー・デップ,真田広之,國村隼,美波,加瀬亮,浅野忠信,岩瀬晶子,ビル・ナイ他
 
109シネマズ箕面にて。
 
人気者のジョニー・デップですが、実は私はあまり思い入れがありません。
『シザーハンズ』(1990)や『ギルバート・グレイプ』(1993)の彼はそりゃもうよかったけれど、
ちょっとキワモノ的なイメージが付いてしまって、
普通の男を演じる彼の姿がなかなか見られなくなりました。
で、あんまり食指が動かなかったけど、ほかに観るものがなかったので。
結果、これは観に行ってよかったです。
 
1918年生まれのアメリカ人、ユージン・スミス。
第二次世界大戦中、戦争写真家として沖縄へ派遣された彼は、
歩兵と共に戦場にいたさいに爆風を浴び、全身を負傷しています。
本作にはそれに関する具体的な描写はありませんが、
戦争の様子が何度もフラッシュバックするシーンがあり、
また、胸の傷跡が一瞬見えるシーンも終盤にあります。
 
ジョニー・デップ演じるユージンは、伝説の写真家ではありますが、
戦争が終わって数十年経った1970年代、
かつてのような写真を撮ることもなく、酒に溺れる日々。
仕事がないから、離れて暮らす子どもに残す金もありません。
 
それをぼやいていたところへアイリーンという女性がやってきます。
彼女が言うには、熊本県水俣市でチッソという会社が有害物質を含む廃水を垂れ流している、
苦しんでいる人々がいるから、あなたが写真を撮って世界に伝えてほしいと。
 
沖縄で散々な目に遭っているユージンは、二度と日本には行きたくないとアイリーンを追い返しますが、
彼女が置いていった資料を見て愕然とします。これは日本に行かなければと思う。
 
旧知のライフ誌の編集長ロバート・“ボブ”・ヘイズに金を出してくれと半ば脅し、
ユージンはアイリーンと共に水俣へと向かいます。
そこで彼が目にしたものは、想像を遙かに超えていました。
 
ユージンとアイリーンを家に泊めてしばらく世話をするのが、
浅野忠信と岩瀬晶子が演じるマツムラ夫妻。
夫妻の娘は脳性麻痺と診断されていますが、そんなはずはない。水俣病です。
加瀬亮演じる住民のひとりも息子が水俣病に冒され、自身にも症状が出ている。
シャッターを切るユージンを國村隼演じるチッソの社長は大金で買収しようとし、
応じないと知るや、ネガフィルムを焼き尽くそうとします。
 
ボブ役のビル・ナイが素晴らしい。
ユージンに振り回されてきた彼が、最後に今一度ユージンを信じたおかげで、
彼にしか撮れない写真がこうして後世まで残っているのですね。
って、ボブの存在はどこまで本当なのかわかりませんけど。
 
水俣病といえば、教科書で知るぐらいの知識しかありませんでした。
エンドロールでは公害病に苦しむ世界各地の人々の写真も見ることができます。
今なお、苦しんでいる人たちがいることを覚えておきたい。

—–

『護られなかった者たちへ』

『護られなかった者たちへ』
監督:瀬々敬久
出演:佐藤健,阿部寛,清原果耶,林遣都,永山瑛太,緒形直人,吉岡秀隆,倍賞美津子,
   奥貫薫,宇野祥平,黒田大輔,西田尚美,原日出子,鶴見辰吾,三宅裕司他
 
甲子園に行くために午後休を取った日がちょうどファーストデーでした。
 
原作である中山七里の同名小説を読んだときの感想はこちら
監督はなぜか私がいつもイマイチ乗れない瀬々敬久
イマイチ乗れないんだけれども、毎年こうしてコンスタントに撮られるのは凄いこと。
 
先にいちばん納得できなかった台詞に関して文句を言わせてくださいね。
どうでもいいことですが(個人的にはどうでもよくはない(笑))、
序盤に「汚名を挽回」という台詞が出てきたとき、
「汚名は返上だよ、挽回は名誉」とツッコミを入れたくなりました。
「言い切られる」という台詞もありました。
これは敬語の「られ」に取れなくもないのですが、そうではない可能性のほうが高い。
だったらこれは「ら入れ」になっている。「言い切れる」でお願いします。(^^;
 
さて。
 
東日本大震災から10年が経とうとしている宮城県仙台市
無人のアパートの一室で遺体が発見される。
被害者は全身を縛られたうえで放置されて餓死した模様。
宮城県警捜査一課の刑事・笘篠誠一郎(阿部寛)は、
まだ若い刑事・蓮田智彦(林遣都)とコンビを組んで捜査に当たる。
 
やがて被害者が福祉保健事務所職員・三雲忠勝(永山瑛太)だと判明。
誰もが三雲は善人で人に恨まれることなどないと断言するが、
その数日後、また同様の方法で餓死させられる事件が起きる。
今度の被害者は城之内猛(緒形直人)で、かつて三雲と同じ職場にいたとわかる。
 
笘篠と蓮田は、生活保護をめぐって保健事務所で揉めた人物を探す。
すると、出所したばかりの利根泰久(佐藤健)が捜査線上に浮上して……。
 
この作品を観に行くと話すと、複数の人から「あ、震災の話ですね」と言われました。
原作を読んだかぎりでは、震災の話だというイメージはなく、
それよりも生活保護にまつわる話だと思いました。
映画を観て納得、震災がすべての原因だという印象を受けてしまいます。
 
原作では犯人が終盤まで割れませんが、映画版はバレバレ(笑)。
それ――名札なのですけれど――を最初に見せちゃうのと苦笑い。
カンちゃんがいったい誰なのかということがすぐにわかります。
 
とはいうものの、原作未読の人にはわからないのかもしれない。
いえ、わかりますよね!?
 
震災当時、行き場を失った利根がたどり着いた避難所
そこにいたのがやはりひとりぼっちの「カンちゃん」(石井心咲)で、
利根とカンちゃんを実の子どものように可愛がってくれたのが遠島けい(倍賞美津子)でした。
このけいが生活保護を受けられず餓死したという過去があったから、
今回の殺人事件と結びつくわけです。
 
正確には、けいは生活保護を受けられなかったのではありません。
受給できることになっていたのに諸般の事情から辞退した。
他人様の世話になってはいけない、迷惑をかけてはいけないと、真面目な人ほど思う。
一方で、不正受給が横行しているという事実があります。
 
忖度という言葉が適切かどうかはわかりませんが、
原作よりも映画版のほうが福祉保健事務所の職員たちの気持ちに寄せているように思います。
永山瑛太、緒形直人、吉岡秀隆という、ふだんは善人役のほうが多い俳優を悪役に当て、
しかし特に吉岡秀隆に関しては、当時の自分の対応を悔やみ、
なんとか人に優しい社会に変えていこうと政治家になっている。
本当にこんなふうに考える政治家ばかりならいいのですけど、
ちょっと偽善っぽいにおいがするのも、私が瀬々監督に乗り切れない所以。
 
ちなみに清原果耶の役どころは原作では男性です。
女性に変更するにはちょっと無理がありませんか。あんなことでけんと思うねん(笑)。
 
映画版に満足はできなかったけれど、笘篠の台詞どおりになることは切に願う。
明るい未来をつくる優しい子どもが育てられる世の中になりますように。

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