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『アイス・ロード』

『アイス・ロード』(原題:The Ice Road)
監督:ジョナサン・ヘンズリー
出演:リーアム・ニーソン,ローレンス・フィッシュバーン,ベンジャミン・ウォーカー,
   アンバー・ミッドサンダー,マーカス・トーマス,ホルト・マッキャラニー他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
ワンパターンであろうが、批評家の評価が低かろうが、
そこそこ以上に楽しめることはわかっているのがリーアム・ニーソンのアクションもの。
バッドエンドが待っているはずもないから安心です。
 
先にひとつだけ文句を言ってもいいですか。
タイトルは『アイス・ロード』なのに、字幕はずっと「アイスロード」。
中黒ひとつのことでも、違うと気になってしまうのよ。
『ハンガー・ゲーム』(2012)なんて公式HPとポスターで違いましたからね。
それよりはマシか。
 
カナダ北部のカトカ鉱山ダイヤモンド採掘場
ある日、ここでメタンガスの爆発による崩落事故発生。
逃げ遅れた作業員26名が閉じ込められてしまう。
 
大型の装置を30時間以内に現場に届けなければ救出するのは無理。
その装置は重すぎて飛行機で運ぶことはできないから、
トラックに積んで氷の道“アイスロード”を通るしかない。
 
しかし時は4月。
徐々に氷が解ける季節の到来で、アイスロードは閉鎖されている。
政府はアイスロードへの門を再び開けることを決め、
この案が実現可能かどうかを運輸会社を経営するジム(ローレンス・フィッシュバーン)に相談。
ジムはミッションを請け負う腕利きのドライバーを急遽募る。
 
ミッションに臨むことになったのは、まずはジム自身。
以前ジムが雇っていた跳ねっ返りの女性ドライバー、タントゥー(アンバー・ミッドサンダー)。
先住民の血を引く彼女の兄が作業員の中にいるらしい。
そして、マイク(リーアム・ニーソン)とガーディ(マーカス・トーマス)兄弟。
 
この兄弟はさっき勤務先をクビになったばかり。
というのも、退役軍人のガーディがPTSDに苦しみ、職場でトラブルを起こしたから。
ほとんどヤケクソの気持ちで面接会場に乗り込んだマイク。
知的障害が見受けられるものの、整備士としてのガーディの腕は最高。
ジムは即座に兄弟の採用を決める。
 
こうして巨大なトラック3台に分かれて乗り込んだ面々。
現場に必要なのは装置1つだけ。2台失敗しても1台到着できれば。
慎重に出発する彼らだったが……。
 
は~い、ネタバレで~す。
 
薄くなりつつある氷だけが敵じゃないんですよね。
鉱山の管理を任せられていた幹部がよからぬことを考え、そのせいで起きた事故ともいえる。
だから、生還すれば事実を証言するであろう作業員に幹部は助かってほしくない。
必死の救助作戦もむなしく作業員たちは死亡したことにしたい。
 
こんな酷い幹部が雇った男バルネイが、保険会社の社員のふりをして同行します。
途中でドライバーたちを殺害しようとするこいつの悪いこと。
しかも走行中のトラックから投げ出されても、車もろとも崖から落ちてもまだ生きとる。
おまえはターミネーターか!と言いたくなりました。
 
やっぱり安定した面白さ。批評家なんて関係ない。
だからって、めちゃくちゃ面白かったわけではないけれど。(^^;
いつまでやるつもりなのかなぁ、リーアム・ニーソンは。
肩で息するようになるまで続けるのはやめましょうね。でもまだきっと大丈夫。

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『ファイター、北からの挑戦者』

『ファイター、北からの挑戦者』(英題:Fighter)
監督:ユン・ジェホ
出演:イム・ソンミ,ペク・ソビン,オ・グァンロク,イ・スンヨン他
 
テアトル梅田で『巴里祭』『愛のまなざしを』→これ。
同日に観た3本の中ではこれが圧倒的によかった。
主演のイム・ソンミは『愛の不時着』に出ていた女優とのこと。
顔を見ても何の役だったのか思い出せずに調べてみたら、
北朝鮮の市場で韓国製の化粧品や下着を密売するお姉ちゃんでした。なるほど。
 
北朝鮮から逃れて韓国へとやってきた若い女性ジナ。
ブローカーの世話により、住居と職は得たものの、稼ぎが少なすぎる。
もっと仕事がほしいと頼んで紹介されたのはボクシングジムの清掃係。
 
ジムには女性も通ってくるのを見てジナはびっくり。
興味深い目をしているのを見たジムのスタッフ、テスは、
やってみるかとジナに声をかけるのだが……。
 
クスッと笑える台詞やシーンがいろいろ。
ジナは実は元軍人で、だからボクシングの経験もある。
それをテスに明かしたとき、テスの物言いたげな顔つきに、
北朝鮮の軍人は全員工作員か何かだと思っているのかと怒ります。
それまではほとんど話さなかったジナだから、あまりの憤りぶりにテスは目が点に。
 
脱北者に対する人の目は厳しい。
ジムに通う女性たちの態度は酷いもので、蔑みを露わにしています。
それだけに、ジムのオーナーがジナの才能を買っていることが許せません。
喧嘩を売られるとおとなしく引きさがってはいられないジナですが、
でも、喧嘩をすることには抵抗を感じる。
ボクシングのことも喧嘩の手段のように思えて、なかなかやる気になれないのです。
 
ジナがまだ幼い頃に母親はひとり韓国へ渡ってしまった。
その母親を探し当てて会いに行きますが、母親には新しい家族がいる。
つらい事実です。この母親とその娘の演技もよかったなぁ。
 
恋愛の要素が必要だったかどうか疑問ですけれども、
テスがめちゃくちゃいい奴で、この恋の成就は応援したくなりました。
韓国作品としてはちょっと地味目。でもじゅうぶん泣いた。好きです。
余談ですが、ボクシングジムのオーナーは「館長」なんですか。
なんとなく「会長」かと思っていたので、館長という響きは新鮮。
決まった呼び名があるわけじゃなくてその肩書きによるのかな。

—–

『愛のまなざしを』

『愛のまなざしを』
監督:万田邦敏
出演:仲村トオル,杉野希妃,斎藤工,中村ゆり,藤原大祐,
   万田祐介,松林うらら,ベンガル,森口瑤子,片桐はいり他
 
テアトル梅田にて3本ハシゴの2本目。
 
万田邦敏監督って失礼ながら知らないなぁと思ったけれど、
小池栄子豊川悦司共演の『接吻』(2006)の監督でした。
製作委員会のメンバーの中にはENBUゼミナールの名前もありました。
 
精神科医の滝沢貴志(仲村トオル)は6年前に妻の薫(中村ゆり)を亡くした。
自身が患者を診る立場であるにもかかわらず、
妻の幻影に囚われて精神安定剤を手放せない日々を送っている。
 
そんなとき、彼の前に現れたのは水野綾子(杉野希妃)という患者。
貴志の苦しみに気づいた綾子は、自分が貴志の支えになることを望み、
治療が終わるや否や、貴志の恋人の座におさまる。
 
一人息子の祐樹(藤原大祐)の世話を薫の両親に任せっぱなしだった貴志は、
義両親に綾子の存在を明かし、再婚したいと思っていることを告げる。
もちろん祐樹を引き取るつもりでいたところ、
薫の弟である内山茂(斎藤工)から連絡が入り、
祐樹が貴志についていくつもりがないと茂に訴えていると知り……。
人の気を惹くために嘘ばかりつく女と、それを見抜けない精神科医。
まったく退屈はしませんでしたが、なんたらサスペンス劇場みたいな気がしなくもない。
自分を見てほしくて嘘しか言わない女と、それに惑わされる男。
最初から彼女が嘘つきであることを見抜いて誘惑に乗らなかった茂はエライけど、
貴志が情けなすぎて嫌になるほどです。
いちばん安心して見ていられたのは、クリニックの受付を務める池田さん(片桐はいり)かな(笑)。
綾子がどうしてこんなふうに嘘だらけの自分を作り上げるようになったのか、
その辺りの描写がほぼないから、ただのサイコに見えてしまいます。
友情出演の森口瑤子が綾子の身内を演じていますが、
訪ねてきた茂に戸惑いの表情を見せるだけで、何があったのかはわかりません。
綾子の妹(松林うらら)に至っては、昔から綾子の嘘のせいで迷惑を被っていたらしく、
その怒りの様子を見ると気の毒なほどだけど、もう少し説明がほしい。
 
人生いつも嘘をついてきた女と、無意識に妻を虐げてきた男の末路はどうなるか。
やっぱり女は怖いのです。

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『巴里祭』【4Kデジタル・リマスター版】

『巴里祭』(原題:Quatorze Juillet)
監督:ルネ・クレール
出演:アナベラ,ジョルジュ・リゴー,レイモン・コルディ,ポーラ・イルリ,
   レイモン・エイムス,トミー・ブールデール,ポール・オリヴィエ他
 
ルネ・クレール監督の1933年の作品。
4Kデジタル・リマスター版がテアトル梅田にて公開されています。
『恐るべき子供たち』(1950)のリマスター版も公開中なのですが、
この日はなんとなく明るい気分になれるほうを観ようと思いました。
 
7月14日はフランス革命記念日。その前日、13日の活気溢れるモンマルトル
裏通りに面したアパルトマンに暮らすアンナと、
向かいのアパルトマンに住むジャン。お互いのことが気になっている。
 
タクシー運転手のジャンは、同業者のキャビーと共に、
アンナを誘って踊りに行き、このうえなく楽しい一夜を過ごす。
恋人になったはずのふたりなのに、ジャンが自室に戻ると、
そこにはジャンの元カノ、ポーラが居座っていた。
 
即刻ポーラを追い出そうとするジャンだったが、ポーラは動かない。
致し方なく明日には出て行くようにと告げて、ジャン自身が出て行く。
翌日、ジャンの留守中に部屋を訪ねたアンナは、
見知らぬ女がいることに衝撃を受け、何も知らぬジャンに冷たい態度を取ってしまい……。
 
こうして書いてみると、ありがちな話ですよね。
誤解した女が男を振り、振られた男は自棄になって悪行に走るという。
なんちゅうことはないから睡魔に襲われるかもと思いきや、
なんでしょう、テンポがいいのか、結局寝ずに最後まで。
くっついたり離れたりのふたりのことをアホくさと思いながらも退屈せずに観ました。
 
ポーラがまた悪いんですよ。
どうしてこんな女に一時的にでも惚れたのか、
アンナに振られたらすぐに元サヤに戻ることを選ぶのか不思議。
男女の仲なんて百年近くたっても同じなんだと思いました(笑)。
 
原題の“Quatorze Juillet”の意味は単に「7月14日」。
これじゃ邦題にしづらいと考えて「巴里祭」にしたのだとか。
それが日本で浸透して、日本人だけが「パリ祭」と言うらしいというのは面白いことですね。

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『皮膚を売った男』

『皮膚を売った男』(原題:The Man Who Sold His Skin)
監督:カウテール・ベン・ハニア
出演:ヤヤ・マヘイニ,ディア・リアン,ケーン・デ・ボーウ,モニカ・ベルッチ,ヴィム・デルボア他
 
なんばパークスシネマから「もうじきポイントが消滅しますよ」とメールが来ました。
貯めたポイントがなくなるのはもったいなくて行くことにしたけれど、
諸般の事情から休日に車でなんばパークスまで向かわねばならず、
映画はタダで観たのに駐車場代が映画1本分よりも高いじゃあないか。何をやっているのやら。
 
ちなみになんばパークスは平日ならば最大料金が1,000円なんです。これは安い。
しかし休日は最大料金設定がなく、5,000円以上買い物しないと2時間無料になりません。
映画を観ればこのサービスは受けられるはずが、無料鑑賞するときはサービスを受けられないのです。
ひとこと言いたい。ある程度ポイントを貯めている客は、それなりにかよって映画を観ているのよ。
なのに無料鑑賞の日はサービス対応不可って、おかしくないか。
TOHOシネマズや109シネマズ、イオンシネマなどはちゃんとサービスを受けさせてくれるのにさ。
 
と文句を言ってみましたが、この日観た映画には何の文句もない。
チュニジア/フランス/ベルギー/スウェーデン/ドイツ/カタール/サウジアラビア作品。
昨年の東京映画祭で上映されて評判を呼び、このたびの公開に至ったそうです。
 
監督はチュニジア出身の女性、カウテール・ベン・ハニア。
ベルギーの現代アート作家ヴィム・デルボアの実在するアート作品に着想を得たとのこと。
ご本人も本作にカメオ出演していますが、鑑賞後に知ったため、どの人だったかわからず。(T_T)
 
シリア北部の都市ラッカに暮らすサム。
恋人のアビールに列車内でプロポーズして成功、見知らぬ乗客たちからの祝福を受けるが、
喜ぶサムが「これは革命だ」と叫ぶ様子が動画として投稿され、逮捕されてしまう。
親戚である憲兵がこっそりと逃がしてくれるが、もうシリアにはいられない。
 
姉の力を借り、なんとかレバノンへとたどり着いたサムは、
同胞と共に日銭を稼ぎ、セレブのパーティなどに潜り込んでは食事をくすねていたある日、
アビールが見合いで結婚した外交官ジアッドに同行してブリュッセルにいることを知る。
なんとかアビールのもとへ行けないものか。
 
いつものように食事を求めて美術館のレセプションに忍び込んだところ、
著名な現代アート作家ジェフリーの秘書ソラヤからつまみ出されかける。
しかしそれを見たジェフリー本人から呼び止められ、信じがたい提案を受ける。
 
それは、サムの背中にタトゥーを施し、サム自身をアート作品にするというもの。
そうすれば、サムは世界中を自由に行き来できるうえに、金も手に入れられるというのだが……。
 
ただ彼女に会いたくて選んだ道。難民からアート作品へ。
自由を手に入れられたようでいて、彼は展示品だから、展覧会中はずっと拘束されます。
ブリュッセルまで行けたからって、そんな簡単に事は運びません。
肝心の彼女は夫のある身で、しかもその夫はサムの存在に気づいて嫉妬に狂う。
 
また、頼んでもいないのに、難民の支援団体がサムを助けようとします。
あなたは搾取されている、一緒に訴えようではありませんかと。
断ると、美術館まで押しかけてきて、サムの展示室で抗議活動を始めてしまう。
 
暗いエンディングかもしれないと覚悟していましたが、なんのなんの。
実在のアート作品に触発されて製作した映画だから作家のことを悪く言うのはやめたのか、
ジェフリーがサムの幸せへの道を拓いてくれます。
 
難民の話といえば重くなりがち。
こんなユーモアもまじえた作品があってもいいなと思いました。
重くないとはいえ、難民の実情を考えずにはいられません。
 
それはそうとモニカ・ベルッチ、57歳。
ソラヤ役の彼女は相変わらずド迫力の美人。魅入られてしまいました。

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