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『死を告げる女』

『死を告げる女』(英題:The Anchor)
監督:チョン・ジヨン
出演:チョン・ウヒ,シン・ハギュン,イ・ヘヨン,チャ・レヒョン,
   パク・チヒョン,ナム・ムンチョル,パク・セヒョン他

シネマート心斎橋で3本ハシゴの2本目。
 
もともと3本観る計画を立てていて、1本目と3本目は狙っていた作品でした。
2本目に何を観るか迷い、時間的にちょうどよいイタリア作品に決めかけたら、
公開されたばかりのこの韓国作品が目に入る。
ちょっと怖そうだなと思ったけれど、サスペンススリラーなら好きなジャンル。
サスペンススリラーだと思って観に行ったら即帰りたくなるホラーだったこともシネマートであったなぁなどと思いながら。
 
チョン・ジヨン監督はこれが長編デビュー作だそうで。この先が楽しみな監督が増えました。
 
ニュース番組が始まる直前にミソと名乗る見知らぬ女性からセラを指名する電話がかかり、
「あの人がもうすぐ来る。私は殺される。私が殺されたらあなたが報道してくれますよね」と言われる。
相手はかねてからセラに憧れていたとも言ったため、これはファンによる悪質ないたずらだとみなす。
 
電話を切って当日の放送を終え帰宅したセラだったが、その話を母親のソジョンにしたところ、
これはスクープの絶好のチャンスだから電話をかけてきたミソの家に行ってみるべきだと言う。
その通りにしたところ、ミソの幼い娘が風呂場で溺死し、ミソ自身は首を吊って自殺していた。
 
第一発見者となったセラは一躍、時の人に。
「幼い娘を殺して自殺した母親」というテーマでセラがコーナーを担当することに。
アナウンサーとしてばかりではなく記者としても名をあげるセラ。
 
ある日、取材のためにミソの自宅を訪ねると、ミソの主治医だったという精神科医イノと鉢合わせ。
イノの患者の中には過去にも自殺した女性がいると知り、
セラはイノが催眠療法によってミソを自殺に追い込んだのではと考えるのだが……。
 
セラの母親ソジョン役はイ・ヘヨン
『ハッピーニューイヤー』(2021)で初恋相手とよりを戻そうという彼女はどこへやら。
娘を支配する恐るべき母親を演じています。
 
夫がいるにもかかわらず、母親から言われるままに離婚しようとするセラ。
セラが出演する番組をつぶさにチェックして毎晩ダメ出しするソジョンの怖いこと。
この母子の関係はどこかおかしいと思いつつも、真相はわからないまま終盤へ。
 
すべてがわかったときは驚愕しました。
イノ役のシン・ハギュンがあまりにも怪しすぎるせいで、彼は逆に犯人ではないだろうと推測できますが、
こういう展開だったとは。
 
こんなふうに親の影におののき支配されている人は世の中に意外と多いのかもしれません。
解き放たれるためにはどうしたらいいんでしょうね。
 
ラストは救いがあります。

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『チーム・ジンバブエのソムリエたち』

『チーム・ジンバブエのソムリエたち』(原題:Blind Ambition)
監督:ワーウィック・ロス,ロブ・コー
 
今日からしばらくは「今年観た映画50音順」を書き始める前後、旧年中に観た作品について。
 
クリスマス・イブにシネマート心斎橋で3本ハシゴの1本目。
どうしても見逃したくなかったオーストラリア作品。
てか、これ、オーストラリアの製作だったことをいま知りました。
 
政情不安定なジンバブエ。困窮から暴動が起きることもしばしば。
実に多くの人が飢餓から脱出しようと職を求めて南アフリカに渡るそうです。
 
本作はそんなふうにジンバブエから南アに逃れた4人の男性が
どのように生まれ育って一流のソムリエになったかに密着したドキュメンタリー。
 
もともとの知り合い同士だったわけではありません。
生活の程度に差異はあったかもしれませんが、経済的に恵まれていた人はゼロ。
彼らは南アに渡った後にそれまで飲んだことすらなかったワインに魅了されます。
 
密入国などしてなんとか南アにたどり着いてもすんなりと職には就けません。
彼らのうちのひとりはレストランの裏の畑で働いていて、
ある日、レストランのスタッフが彼の誕生会を開いてくれることになり、
そこで生まれて初めて飲んだスパークリングワインの味にびっくり。
これは何だ、どこで作られているのか、どんなふうに作るのか。
 
資質のある人はぐんぐん伸びる。
ここに登場する4人は皆、知識と経験を積んで一流レストランのソムリエに。
 
毎年フランスのブルゴーニュで開催されるテイスティングコンテスト。
南ア代表チームのコーチは、選抜試験のメンバーの上位12人にこの4人が入ったことに注目。
コンテストは4人1組となって出場するものなのだから、
彼ら4人は南ア代表としてではなく、ジンバブエ代表としてチームを作れるではないか。
 
ワイン業界に携わる権威ある人たちは口々に言います。
ジンバブエ人がテイスティングコンテストに出る。
これは、エジプト人がスキーチームを作ってオリンピックに出るようなものだと。
でもみんなニコニコしていて、彼らの健闘を楽しみにしている様子です。
 
出場するに当たり、まず南アからフランスへ行く旅費がない。
ダメもとでクラウドファンディングで募ってみたら、
いの一番にあのワインの女王ジャンシス・ロビンソンが寄付してくれた。
世界中の人が次々と寄付してくれて、瞬く間に目標額達成。
 
南アまで妻は連れてきたものの、子どもはジンバブエに残してきた人も多い。
危険な国境付近で銃殺されたり、ワニに食われたりしてしまうこともあるからです。
ケープタウンに来たら来たでやはり危険。強盗に遭うことだってあります。
常に緊迫した毎日の中で命懸けでワインと向き合う彼ら。
 
なんだか嬉しくなりました。
彼らが初出場を果たした年、参加24カ国のうち、ブービーが彼ら。
最下位がイタリアだったのには驚きました。あかんやろ。
その次の回は14位まで順位を上げたジンバブエ。
日本よりも上位だったそうですよ。負けとったらあかんやん。(^^;

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好きだった映画、嫌いだった映画〈2022年〉

喪中につき、年頭のご挨拶は控えさせていただきますが、
本年もよろしくお願い申し上げます。
 
2022年に劇場鑑賞した作品は300本、配信やDVD鑑賞した作品は99本で、合計399本。
ここ数年ずっと劇場鑑賞本数は300超を果たしていると思っていたのに、
2021年は278本だった模様。その前年2020年の337本がえげつなかった。
2019年が300本ちょうどで、今年は人生3度目の300本超です。
だけど、そのうち30本は『トップガン マーヴェリック』 、6本は『RRR』ですから、
これを本数に換算してもよいものか(笑)。
 
各月の鑑賞本数は、
1月25本、2月25本、3月25本、4月15本、5月20本、6月22本、
7月22本、8月26本、9月40本、10月30本、11月26本、12月24本。

配信やDVD鑑賞した作品については「今年観た映画50音順」で昨日までにつぶやいたので、
ここに挙げるのは劇場鑑賞した作品について。
 
ベストより先に嫌いだった作品を挙げます。
嫌悪感を抱いてしまった作品を5本。どうしても好きにはなれません。
 
 
ベストのほうは順位をつけられないので、好きだった作品を観た日付順に20本。
ここに挙げるほどじゃないわと思う作品もありますが、
きっとそれを劇場鑑賞した人はものすごく少ないだろうから(笑)、
誰かのお目に止まれば私も嬉しい作品を入れておきます。
好きなのはやっぱり、基本的には「良い話」。
 
 
リバイバル上映だった『マガディーラ 勇者転生』『灼熱の魂』も大好きでした。
特に後者は衝撃的。劇場で再鑑賞できてよかった。
それから、『少林寺』は弟との思い出に。
上映開始直前に弟のことで病院から電話がかかってきた『ハケンアニメ!』『劇場版 おいしい給食 卒業』も忘れがたい作品です。
 
辛い話や変な話や嫌な話だったりするけれど印象に残っているのは、
 
 
本は例年のようには全然読めなくて、93冊で終了。
これが今年読んだ本の一覧です。
毎巻楽しみだった『あきない世傳』『東京駅おもてうら交番』が終わってしまいましたが、
スピンオフや新シリーズも楽しみです。
今年はもっといっぱい読みたい。スマホに囚われることなく(笑)。

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2022年12月に読んだ本まとめ

2022年12月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3063ページ
ナイス数:756ナイス
■ひとんち 澤村伊智短編集 (光文社文庫)
1週間に同じ作家を2冊も読むつもりはなかったのです。だけど今年の初めにこんな本も出ていたのを知って、好奇心を止められず。おかげで「くらしマート」と「宝塚ファミリーランド」に再び入り込むことになりました。全編近未来の話だった『ファミリーランド』よりもこっちのほうがジワジワ怖い。「ぼぎわん」に始まった著者は、なんだかぞわっとする平仮名4字を作るのが上手い。そのせいで「ひとんち」とか「じぶんち」まで嫌な感じに思えてくる。映像が流れる店頭では思わず立ち止まって画面の端を確認してしまいそう。この表紙も相当恐ろしい。
読了日:12月02日 著者:澤村伊智
■関西人はなぜ阪急を別格だと思うのか (交通新聞社新書145)
生まれたときからン十年、ずっと阪急沿線に住んでいます。最初は宝塚線、途中で千里線、今は箕面線。阪急沿線の人ってお高くとまってるですよねという声、否定しません。だって阪急ですから(笑)。初めてひとりでJRに乗ったとき、そのギャップに衝撃を受けました。特に環状線で露出狂に遭ったときはまだ若かったから、こんなことが電車の中であるんや、阪急ではあり得んと思ってしばらく呆然としました。今はどの電車もそれぞれ良さがあって好きですが、私にとってはやっぱり阪急がいちばん。知らなかった歴史満載で、阪急好きに配りたくなる本。
読了日:12月08日 著者:伊原 薫
■LAST 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 (角川ホラー文庫)
まだまだ新しいシリーズのような気がしていたのに、これだって第1巻が発行されてからとっくに3年経っていたのですね。よろず建物猟奇犯罪捜査班ロスを埋めるだけだったはずが、すっかりおもてうら交番にも魅せられていました。しかしこんな最後が待っていたとは切なすぎます。恵平と平野先輩のコンビは永久不滅であってほしかったけど、想像し得なかった形でのこれも永久不滅か。曳家も比奈子もちらほら姿が見えるし、平野先輩にもきっとどこかで会える。そして終了と同時に新シリーズが。ロス期間を最小限に留めてくれてありがとう、内藤さん。
読了日:12月13日 著者:内藤 了
■収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】原作を読んだのは5年半前。高齢だけど読書好きの両親にも薦めたら、「こんな良い本を教えてくれてありがとう」と甚く感謝されたのを思い出します。瀬々敬久監督のことは“ピンク四天王”の異名をとっていた時期のほうが今よりも面白かったと思っています。原作の句会の描写がほぼないのは残念だけど、このほうが映画としてはわかりやすいか。北川景子が綺麗すぎて昭和感は薄れます(笑)。遺書を記憶するシーンを最後まで伏せていたのは映画として当たり。泣きに走っていると思いつつも泣きますよねぇ。
読了日:12月14日 著者:辺見 じゅん
■薬喰 (角川文庫)
実は巷で人気の文化人類学者だか民俗学者教授を主人公にしたミステリーをさほど面白いと思えず、表紙からこれもそんな感じだろうと想像していました。そうしたら、こっちのほうが適度に重く適度に軽くて断然面白い。内藤了が好きな人ならこれもイケるだろうな〜と思いながら読んでいたら、まさかの“おもてうら交番”に通じる展開のうえに、内藤さんの新シリーズ“警察庁特捜地域潜入班”に続くかのような神隠しの物語でビックリ。このおふたりはネタ合わせしているのではと疑いました(笑)。自覚なく勘の鋭いアマネとタヌキ先生のコンビ、好きだ。
読了日:12月17日 著者:清水 朔
■FIND 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花 (角川ホラー文庫)
えーっ、いきなり主人公の姓が違うやん。と思ったら、最初から旧姓に戻した設定になっているのですね。関心の薄い未解決事件を捜査する部署に左遷された清花。この手の内藤さんシリーズの中では異色の自信溢れるママさん刑事は、比奈子や恵平より可愛げがなさそうで、好きになれるかどうか心配でしたが、最終盤の「独りで闘わせたことが悔しいんだと思う」と言葉にグッと来て、これからがうんと楽しみになりました。さーちゃんと呼ぶってマジかと思われた班長も、なるほどこの仕事ならその呼び名が正解。今度は七味じゃなくてグミ携帯。良いチーム。
読了日:12月22日 著者:内藤 了
■おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)
今は七里センセのファンですが、もしもこの辺りから読み始めていたら、ファンにはならなかったと思います。それもこれも『さよならドビュッシー』の映画版がアンマリだったせいなのですけれども。本作も「ボク」だったり「お母さん」だったり、今の七里さんっぽくない。なんだか乗れないなぁと思っていましたが、演奏のシーンが圧巻で、音楽が本職の人なのかしらと驚いてしまう。そうか、音楽は職業ではなくて生き方なのかと妙に納得。私はまだ岬先生のことをほぼ知らないので、この先も楽しみです。七里センセ遡りパターンが私にはよかったと思う。
読了日:12月27日 著者:中山 七里
■かがみの孤城 上 (ポプラ文庫 つ 1-1)
この厚さの上下巻に怯み、手を出せずに映画版を先に観ました。原作ではどんなふうに描かれていたのかが気になって、今年最後の本にしようと覚悟を決めて頁を開いたら、なんだこの文字のデカさは。老眼でも大丈夫とまでは言わないけれど、一日で読み切れるほどに字が大きくて有難い。幼稚園のとき、背の順に並んだ私の前後の子がいとこ同士で、そりゃもういじめられたことを思い出す。幼心に「こいつらが世界から消えますように」と祈ったものです。幼稚園児はまだ無理でも、世の中のすべてのいじめられっ子に「これ読んで。大丈夫だよ」と言いたい。
読了日:12月29日 著者:辻村 深月
■かがみの孤城 下 (ポプラ文庫 つ 1-2)
上下巻併せて800頁近くを年内に読みきるのは無理だと思っていたのに、こんなにスイスイ読めるなんて。想定外の文字の大きさだったポプラ文庫にありがとう。こころの一人称で書かれている錯覚を起こしていたことに気づく。完全に彼女の気持ちになっていたからでしょう。映画版がまさにこのまんまで、よくこれほどまで原作に忠実に作れたものだと思います。違う世界に生きているわけではない。この城で出会えたみんなと同じ世界でいつか逢えるのだとしたら、それは生きる力になる。記憶が消し去られてしまったとしても、心のどこかで響き合うはず。
読了日:12月31日 著者:辻村 深月

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今年観た映画50音順〈わ行〉

《わ》
『私は世界一幸運よ』(原題:Luckiest Girl Alive)
2022年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
アーニーはニューヨークの芸能誌で活躍するライター
猥雑な記事に手腕を発揮するが、いずれは一流誌への転身を編集長から見込まれている。
富裕な家庭に生まれ育った婚約者のルークは、近々ロンドン支社への異動がありそうで、
アーニーがついて来るのは当然だと思っている。
高校時代に銃乱射事件に遭ったアーニーは、数少ない無傷の生存者。
映像作家のアーロンから取材を申し込まれ、ドキュメンタリーを撮りたいと聞くが、
同じく生存者ではあるが身体に後遺症を負ったディーンも同じ取材を受けることが気がかり。
というのも、アーニーは当時、ディーンを含む同級生男子たちに輪姦された過去があるから。
ディーンはその事実を世間に知られたくなくてアーニーを貶めようとしているのに、
悲劇から立ち直った被害者として聖人のような扱いを受けていて……。
過去の汚点を隠して玉の輿に乗ろうとしている性悪女の話かと思ったら真逆でした。
ミラ・クニス演じるアーニーを応援したくなる。
編集長役で出演しているのは『フラッシュダンス』(1983)のジェニファー・ビールス
彼女もアラ還なんだなぁと感慨深い。でも誰だかすぐわかる程度にしか変わってない。
 
《を》《ん》
なし!
  
今年もおつきあいいただきましてありがとうございました。
弟が亡くなった6月以外は休まずにUPすることができました。
弟よ、姉ちゃんは今年もがんばったぞ(笑)。
皆様、どうぞ良い年をお迎えくださいませ。

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