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『離ればなれになっても』

『離ればなれになっても』(原題:Gli Anni Piu Belli)
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ,ミカエラ・ラマッツォッティ,キム・ロッシ・スチュアート,
   クラウディオ・サンタマリア,ニコレッタ・ロマノフ,エンマ・マローネ,アルマ・ノーチェ他
 
2022年最後に観たのは本作でした。
大晦日、六甲へおせちを取りに行ったあと、その足でTOHOシネマズ西宮へ。
 
イタリア作品。本国で大ヒットを飛ばしたそうです。
監督は『幸せのちから』(2006)、『7つの贈り物』(2008)、『スマイル、アゲイン』(2015)など、
ハリウッド作品も多く撮っているガブリエレ・ムッチーノ。さて、如何に。
 
1982年のローマ
16歳のジュリオとパオロは、暴動に巻き込まれて負傷したリッカルドを助ける。
それが縁で3人は大の親友同士に。
 
あるとき、パオロは同じ学校に通うジェンマに恋をする。
以来、3人+ジェンマで過ごす日が続いていたが、
母親を亡くしたジェンマは叔母に連れられてナポリに引っ越し。
お互いを想い合いながらも離ればなれになったふたり。
 
ジェンマは尻軽女と見られようとも平気。
心の奥底ではパオロとの再会を心待ちにしながら男関係の派手な日々を送っていたが、
恋人と一緒にナポリからローマに遊びに来た日、偶然にもパオロと再会。
すぐさま恋人と別れてパオロのもとへと駆けつける。
 
しかし、いつまで経っても臨時教員の身のままのパオロ。
窮屈な暮らしに嫌気が差しはじめたジェンマは、弁護士として活躍中のジュリオに乗り換え……。
 
めちゃくちゃ嫌でした。
これが大ヒットする国って何やねんイタリア、とすら思いました。
 
とにかくやかましいんです。登場人物みんなよく喋るし、声デカいし。
全員がそれぞれ観客に向けた目線で喋るシーンも鬱陶しい。
 
しかも誰にも共感できないし、見た目も好きになれない。
少女時代のジェンマはキュートだったけど、大人になってからは口元に品がない。
ベアトリス・ダルみたいな感じかなぁ。
パオロが稼げない男だとわかると、あからさまにジュリオに色目を使う。
ジュリオはジュリオで、親友の彼女なのにすぐにそれに乗っちゃって。
 
んじゃジュリオとジェンマは末長くかと思いきやそうじゃない。
教養のないジェンマとの会話がつまらなくなったジュリオは、
弁護士事務所の会長の娘マルゲリータといい仲になります。
これまた仲睦まじくというわけではなくて、マルゲリータのほうが浮気しまくり(笑)。
 
リッカルドは売れないライターで、芝居女優と結婚するけど、やはり稼げず。
嫁の実家に生活費を頼り、離婚をつきつけられたときの情けなさといったら。
息子の親権だけは譲らないと怒鳴るけれど、息子が2日前から家にいないことすら気づいていない。
それでよう「息子は渡さない」なんて言うものです。
 
パオロだけはちょっと気の毒でしたが、最終的にジェンマとよりを戻すとかやめてよと思っていました。
こんな女のどこがええのかわからんし。
 
ところが。
ほんとに最後は元サヤに収まるんです。
収まるんですけど、なんかこれが実に良い感じで。
あの私の途中退場したいほどの憤りは何だったのか。
こんなふうに〆られたら、本国で大ヒットも納得か。
 
終わりよければすべてよしの劇場鑑賞300本目だったのでした。
 
さて、明日からは新年に観た作品です。

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『やまぶき』

『やまぶき』
監督:山崎樹一郎
出演:カン・ユンス,祷キララ,川瀬陽太,和田光沙,三浦誠己,青木崇高,黒住尚生,
   桜まゆみ,謝村梨帆,西山真来,千田知美,大倉英莉,松浦祐也,佐野和宏
 
シネ・ヌーヴォにて、前述の『隠された顔』の次に。
スクリーンは同じく小さいXのほう。このちんまりした感じ、好きです。
 
私はお初の山崎樹一郎監督。
大阪生まれの山崎監督は学生時代を京都で過ごし、15年ほど前に岡山県真庭市に移住。
農家としてトマトをつくりながら映画を撮っているという変わり種。
本作はクラウドファンディングで集まった資金をもとに製作を叶え、徐々に公開が広がる。
今後も各地のミニシアターで上映される予定です。
 
岡山県真庭市。
韓国人で乗馬競技のホープだったユン・チャンス(カン・ユンス)は、
父親の会社が倒産して多額の借金を背負ったせいで競技続行を断念。
今はほかの外国人労働者たちと共に採石場で働いている。
 
暮らしは楽ではないものの、恋人の美南(和田光沙)とその娘と三人、穏やかな日々。
チャンスの真面目な働きぶりが評価されて、正社員登用されることに。
喜ぶチャンスと美南たちだったが、想像していなかったことが起きる。
チャンスひとりで出かけた際に落石に直撃され、足に大怪我を負ったのだ。
 
実はその落石を起こしたのは、地元の警察官・早川(川瀬陽太)。
妻を喪い、高校生の娘・山吹(祷キララ)を連れて山にヤマブキを採りに行った折、
無造作に土を掘り起こして投げ捨てた石がチャンスを襲ったのだ。
新聞でその事実を知るが、まさか自分が落とした石だとは言えない。
 
一方、山吹は同じ高校に通う祐介(黒住尚生)からコクられてつきあうことに。
叫ぶことのない無言の抗議活動“サイレントスタンディング”に祐介を誘い、交差点に立つ。
 
「資本主義と家父長制社会に潜む悲劇と希望を描いた群像ドラマ」と言われても、
正直なところ私にはピンと来ません。
だけど、母親を亡くした山吹の「いつか誰かと繋がれたら」という思いや、
正直者がバカを見るみたいなチャンスの不遇には胸が痛くなります。
投げやりになったチャンスが山吹に語るヤマブキの話も深い。
 
小さな幸せを大切に思える、懸命に生きている人たちの物語。
誰もが生きやすい世の中になればいいけれど、そんなふうにはならないのもまた世の中。
こんな映画を撮りつづけてくださいね。

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『隠された顔』

『隠された顔』(原題:Chathur Mukham)
監督:ランジート・カマラ
出演:マンジュ・ワーリヤル,サニー・ウェインアランシヤル・レー・ロペス,ニランジャナ・アヌープ,
   バブ・アヌール,シャマプラサード,ロニー・デイヴィッド,スリカント・ムラーリ,シャジュ・スリードハル他
 
明日UP予定の日本作品を観るためにシネ・ヌーヴォへ。
西九条はどうも遠く感じて、普段はほとんど行きません。
コロナのせいで緊急事態宣言が発令され、行き慣れた劇場がほぼ休業していたとき、
営業を続けていた劇場のひとつがここでした。そのとき以来のおじゃま。
 
12月10日から30日にかけて“第4回インド大映画祭 IDE2023”が開催されていました。
本当は29日に上映されていた『ただ空高く舞え』(2020)を観たかったのに、気づいたときにはチケット完売。
そりゃまぁそうだ。シネ・ヌーヴォにはスクリーンが2つあるけれど、Xのほうは24席ですもんね。
注目度の高いボリウッド作品ならすぐに売り切れてしまうでしょう。不覚。
 
それで致し方なく30日に上映された本作を鑑賞することに。
2022年のマラヤーラム語作品らしい。マラヤーラム語って何?
インドの南のほう、ケーララ州などで話されている言語だそうです。
 
すでに退官しながらも科学への情熱を抱きつづける教授クレメントは、
ケーララの農業大学で子どもたちにワークショップを開いている。
保護者も子どもたちの実験を見守り、頼もしげな笑顔。
 
ある日のワークショップ開催日、保護者でもないのにクレメントを訪ねてきた青年アントニーは、
彼の大学時代から親友関係の女性テジャスウィニについてクレメントに相談したいと言う。
アントニーとテジャスウィニは現在共同で防犯カメラの設置事業をおこなっているらしい。
 
片時もスマホを手放すことがないテジャスウィニは、寺院の儀式を見学した折、
参列者に突然襲いかかられそうになり、驚いてスマホを池に落としてしまう。
スマホがなければ何もできないが、手持ちの金もなければ店に出向く時間もない。
とりあえず用を足せそうな格安スマホをネットで購入したところ、即届いて大喜び。
 
ところが、このスマホを入手してからテジャスウィニのまわりで奇怪なことばかり起きる。
彼女自身はかけた覚えのない電話が誰かにかかっていたり、かかってきたり。
薄気味悪くてスマホの電源を切ってしまいこんでも音が鳴る。
思い切って捨てようとすると、テジャスウィニの体に発疹が出る。
そしてスマホを持つとただちに発疹が消えるのだ。
 
アントニーとテジャスウィニがほかにも同じスマホを買った人がいないか調べると、
何名かは死亡していることがわかる。
まだ生存している持ち主も死期が近いのではないかと思われ、
謎を解明すべくクレメントに協力を仰ぐのだが……。
 
相当怖いです。サスペンスですか。ホラーでしょ(笑)。
スマホで自撮りすると、画面の隅っこに謎の数字が映ります。
その数字が自分の命のカウントダウンだとしたら。
 
なかなか笑えるのが、テジャスウィニが買ったスマホは“LISA”。
アップル社製でもないのにスティーヴ・ジョブズの長女の名前が付いている。
実際、アップル社が1983年に販売したオフィス用コンピュータの名前が“LISA”なんですよね。
 
真相は、投資家に騙された開発者の怨念がこんな形で現れたという非科学的な話。
でも、停電まで起こすこのスマホをどう隔離すべきかなど、
もしも自分がスマホに襲われたときのための参考になると思います。ないっすか。(^^;
 
邦題は『隠された顔』よりも『スマホを落としただけなのに』(2018)と
『スマホを買っただけなのに』がいいんじゃないでしょうか。
 
スマホの画面を見っぱなしの娘に向かって父親が発する、「頭を垂れる時代だな」というつぶやきが印象的。
前と上を向いて歩こう。

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『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』

『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』(原題:Whitney Houston: I Wanna Dance with Somebody)
監督:ケイシー・レモンズ
出演:ナオミ・アッキー,スタンリー・トゥッチ,アシュトン・サンダーズ,
   タマラ・チュニー,ナフェッサ・ウィリアムズ,クラーク・ピータース他
 
6回目の『RRR』を観たあと、長堀橋でひとり昼呑み
すっごく酔っぱらった状態で、絶対寝るとわかっていながらTOHOシネマズ梅田へ。
 
ちょうど10年前になるのですね、ホイットニー・ヒューストンが亡くなったのは。
彼女がデビューアルバムを出したときは私は大学生で、そりゃもうよく聴きました。
聴こうとしなくてもそこらじゅうで彼女の曲が流れていましたしね。
 
彼女が売れっ子になるのと時を同じくしてバブルがやってきて、
バブルがはじけた直後はまだ売れっ子だったけど、だんだん落ち目になって、
忘れかけた頃にドラッグで命を失ってしまった、そんな印象。
 
3年前にドキュメンタリー作品を観ていたせいか、驚きはひとつもなく。
ただ、彼女を見出した敏腕プロデューサー、クライヴ・デイヴィス役のスタンリー・トゥッチがとてもよかった。
 
ホイットニー役のナオミ・アッキーが本当に歌っているわけではないそうで、その点はつまらない。
歌姫の伝記ドラマといえば、その役を演じる女優の歌声が素晴らしい場合が多いから。
 
本作ではホイットニーの人柄に魅力が感じられず、
歌も女優本人が歌っているのじゃないのなら、わざわざ映画を観なくても、
ホイットニーの曲だけ聴けばええやんと思ってしまいます。
 
ええ、まぁ、爆睡したんですけどね。(^^;
まったく、酒飲んで映画観て爆睡するというパターンを何度繰り返すのか、私。

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6回目の『RRR』

もう観るつもりはなかったんです。少なくとも2022年中は。
だけど年末、予定の隙間を何か映画を観て埋めようとしたき、
チェックしてしまったのです、大阪ステーションシティシネマの混雑状況を。
 
5回目の『RRR』のことを書いたときのように、
私は自分が観に行けない時間帯の上映回であっても、
自分の大好きな映画がどれぐらい混んでいるか確かめるのが好き。
で、この日、ふとそれを確かめるために覗いたら、めちゃくちゃ混んでる!
嬉しくなって、もう観なくてもいいのにポチっと押してしまった。
 
私が予約した段階で残席はかなり少なくなっていましたが、
家を出る前にまた見たらすでに完売。やっほー。
 
リピーターばかりかと思っていたら、そうでもなさそう。
上映終了後のお手洗いで、「あのお母さん、死んだと思ったら生きてて驚いた」などという会話が。
そうなんですよ、ツッコミどころ満載なんです。
あんなん突き刺さっても戦えるって何、とか、死にかけてたのに復活早すぎやろとか、
矢ってそんなにようさんなかったやん、どんだけ増えとるねんとか。
鑑賞した人とそんな会話で盛り上がれるのもめちゃめちゃ楽しい。
 
とにかくラーム・チャランがカッコよすぎて。
彼がこの先お父さん(=チランジーヴィ)に似ないことを祈るばかりです。
 
そういえば、好きだった映画、嫌いだった映画〈2022年〉を挙げたときに、
俳優のことをまったく書かなかったけど、
主演男優賞はラーム・チャランとN・T・ラーマ・ラオ・Jr.に。
トム・クルーズではなくて(笑)。

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