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2023年2月に読んだ本まとめ

2023年2月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1005ページ
ナイス数:541ナイス
■ありがとう、さようなら (角川文庫)
実際のところ、中学生が何十人もいるクラスで全員よい子だなんてことはまぁないと思うんです。だって中学生ですよ(笑)。これはあくまで私の場合ですが、小学校、中学校、高校、大学ときた学校生活を振り返ると、中学校が特段にややこしかった。語弊のある言い方かもしれないけれど、小学校はただ無邪気、高校大学は同じ程度のアタマが集い、中学校は最も混交で。だから、こんな素晴らしい生徒たちばかりというのは嘘でしょと思わなくもない。でも瀬尾先生のクラスは本当にそうだったに違いないと思えます。N君はどうしていますか。会ってみたい。
読了日:02月02日 著者:瀬尾 まいこ
■奇跡のバックホーム (幻冬舎文庫)
阪神ファンを公言しているにもかかわらずもしもこの話を知らない人がいるとしたら、その人は似非阪神ファンだと思います(笑)。大いに期待されながら入団たった4年目で脳腫瘍に侵され、大手術ののち闘病生活を送る。体は動かせるようになったものの、視力が回復せずに引退を決意。その日に至るまでを本人が綴っています。引退試合での彼のバックホームはまさに奇跡。昨年6月に亡くなった弟にちょうど1年前にその動画を見せたら、「号泣だわ。涙なしには見られへんね」と言っていました。そんなことも含めていろいろと思わせられる大事な本です。
読了日:02月05日 著者:横田 慎太郎
■二木先生 (ポプラ文庫 な 17-1)
生徒の間で特に人気者ではないけれど嫌われてもいない、「普通」のポジションを確保している先生。彼が実はロリコンで、副業としてエロ雑誌を描く漫画家だと知ったら。しかもそれを知ったのは友達ゼロのコミュ障の生徒。小児性愛者と聞いただけで怖気が走るけれど、生来の自分の嗜好を認識して抑えている人も存在するということ。殺したいと思うのと本当に殺すのが違うように、幼女を性的対象として見ることと実際に行動に移すのとは違う。誰にも言えず、ただ「普通」を装って生きて行くと決めた、そんな人も世の中に大勢いるのだろうと思ったりも。
読了日:02月06日 著者:夏木 志朋
■不動のセンター 元警察官・鈴代瀬凪 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
なんたら捜査官だれそれ、とかいうタイトルのシリーズって誰が最初に始めたものなのでしょう。それなりに興味を引かれて食いついてしまう。本作はあの『スマホを落としただけなのに』同様に“このミス”の隠し玉受賞作。『スマホ~』の原題が『パスワード』だったように、本作の原題も『不動の謀者』とのこと。タイトルは大事。で、肝心の中身はというと、警察学校を首席で卒業した女子が警察官を辞めてアイドルになったと思ったら実は潜入捜査していたという。面白い設定だけど、私はまだ登場人物に惹かれるところまでは行かず。今後に期待します。
読了日:02月10日 著者:柊 悠羅
■あるかしら書店
積読の山からヨシタケさんを引っ張り出すのは、ちょっと今月の冊数を稼ぎたいときです。すみません。今さらの感のある大人気本を本当に今頃読む。『その本は』を読む前だったならば、もっとニヤニヤしながら読んでいたかもしれません。あれを読んでしまった後ではこちらのほうが若干小粒のような気がして。それでもニヤニヤは止まらない。この書店の店主と、いかなる覚え違いにも対応してくれる福井県立図書館の方々がいらっしゃれば、私たちはきっとずっと本を楽しめる。それにしてもカリスマ書店員はもう少しぐらい睡眠時間が多くてもよくないか。
読了日:02月14日 著者:ヨシタケ シンスケ
■ひどい民話を語る会
MC京極さん、盛ってますよね!?というぐらいヒドい。ヒドすぎて笑ってしまう数々の民話。芸人がウ○コやオナラをネタにするたびに卑怯だと思っていました。だってそっちの方向に持って行けば、芸人の力量に関係なくウケるから。だけどこれだけ昔から皆が好きならば、下ネタに走るのは致し方のないことに思えてきます。「吸い込ん屁」なんて声をあげて笑っちゃって、なんたる不覚(笑)。あまりにウ○コを食べる話が出てくるから、『劇場版テレクラキャノンボール2013』を観てオエ〜っと言いながら死ぬほど笑ったときのことを思い出しました。
読了日:02月17日 著者:京極 夏彦,多田 克己,村上 健司,黒 史郎

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『タイタニック』【ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター】

『タイタニック』(原題:Titanic)
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:レオナルド・ディカプリオ,ケイト・ウィンスレット,ビリー・ゼイン,キャシー・ベイツ,
   フランシス・フィッシャー,ビル・パクストン,バーナード・ヒル・グロリア・スチュアート他
 
もちろん1997年の公開当時に劇場鑑賞しています。
確かあれはTOHOシネマズ梅田となる前の映画館、北野劇場だったと思います。
最初から泣きモードで劇場入りしたので、アホみたいに泣いた覚えが(笑)。
 
このたびジェームズ・キャメロン25周年ということで3Dリマスター版が公開されている。
「ジェームズ・キャメロン25周年」って、なんか変じゃないですか。
池波正太郎生誕100年」とかならわかりますよ。でもジェームズ・キャメロンはまだ生きてはるし。
彼の25周年というよりは、映画『タイタニック』そのものの25周年やん。
 
などと思いながら、スルーするつもりでいました。3Dにはちっとも惹かれないし。
だけど、連日大入り満員だと聞いて、俄然行ってみる気に。
アマノジャクではありますが、流行っている映画と聞けば行かずにはいられない。
 
イオンシネマ茨木にて、平日20:05からの回。ほんまや、ほぼ満席やん。
しかも客は若いカップルが圧倒的に多い。
まぁこれも189分の長尺ですしねぇ、上映終了は23:30を回るから、
早寝早起きかつトイレがもたないジジババにはつらかろう。
 
1997年にはまだこの世に生まれていなかったか、生まれていても幼かったか、そんな客ばかりで、
上映前には「めっちゃ楽しみ」とか話しているのを聞くと嬉しくなる。
隣の兄ちゃんがアームレストからこっちに腕を出しすぎなのが気になったものの、
途中で携帯を鳴らす人とか見る人とかは、私の見える範囲にはいません。マナー良し。
 
なんといってもレオナルド・ディカプリオの美しさがたまらん。
今回の『タイタニック』で彼のことを知って惚れたという若者には、過去の彼の出演作をいろいろと観てほしい。
特に『ギルバート・グレイプ』(1993)は推しだけど、これは女子がキャーキャーいうようなレオ様じゃない。
キャーキャー言いたい場合には何を観ればいいでしょうね。
やっぱり『タイタニック』に尽きるでしょうか。
 
キャーキャーに関係なく、最近の作品であれば『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)が面白い。
あれだけ大ヒットを飛ばした『タイタニック』なのに、彼のみ賞から遠ざけられた悲運。
演技力を認められようと躍起になったかどうか知りませんが、
見事アカデミー賞主演男優賞に輝いた『レヴェナント:蘇えりし者』(2015)も観てほしいですよねぇ。
 
ヒロイン役のケイト・ウィンスレットに関しては、当時もオバハンくさいと言われていました。
いま観てもやはりその感は否めません。歩き方まで若々しくないように見えてしまいます。
でもやはりこちらも歳を取ったからか、昔ほど「こりゃないだろう」とは感じず。
 
あれから25年。
本作の主題歌を歌うセリーヌ・ディオンがゲイにはすごく嫌われている歌手であることなども知りました。
また、タイタニック号沈没後に海に投げ出された乗客を救うために戻った唯一の救命ボートが感動的でしたが、
それを指揮したヨアン・グリフィズ演じる5等航海士のモデルとなっている実在の人物ハロルド・ロウが、
実は白人至上主義者で、非白人の生存者を見つけても助けなかったこととか、私にも要らん知識が増えた。(^^;
ついでにキャメロン監督が本作でローズの孫娘役だったスージー・エイミスと結婚したこととかも。
 
当時ハンカチがぐすぐすになるほど泣いたのに、今回は時折涙が出そうになった程度。
だけど周囲から鼻をすする音が聞こえてきたのはなんだか嬉しかったです。
途中からただの絶叫映画といえなくもないので、もう観に行かないとは思うけれど、
美しく可愛く、腹の出ていないレオ様のいでたちを拝みにまた行ってもいいかもしれないと思う今日。

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『エゴイスト』

『エゴイスト』
監督:松永大司
出演:鈴木亮平,宮沢氷魚,中村優子,和田庵,ドリアン・ロロブリジーダ,柄本明,阿川佐和子他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『#マンホール』の次に。
 
原作はエッセイスト・高山真の自伝的小説。
すでにお亡くなりになっている方だとは知らなんだ。1970年生まれなのに。若いやんか。
2018年に肝臓がんの手術を受けられたそうですが、2020年にお亡くなりに。
まだまだ死ぬような歳じゃないのにがんで亡くなった人の話を聞くとどうもとかぶります。
本作の原作を含めて高山さんの著作は未読なので、ぜひぜひ読みたいです。
 
松永大司監督は、もともとは俳優。
矢口史靖監督の『ウォーターボーイズ』(2001)や橋口亮輔監督の『ハッシュ!』(2001)などにも出演歴あり。
現代美術作家のピュ〜ぴるに8年間にわたって取材したという『ピュ〜ぴる』(2010)とか観てみたいです。
 
さて、本作について。
 
斉藤浩輔(鈴木亮平)は少年時代から「オカマ」といじめられた過去を持つ。
生まれ育った田舎町から東京へと出て、今はゲイであることも隠さずに、
ファッション雑誌の編集者として自由気ままなひとり暮らし。
 
あるときパーソナルトレーナーの中村龍太(宮沢氷魚)と巡り逢う。
あまりに美形の龍太に思わず「すごいイケメン」と声に出して言う浩輔。
龍太のほうも浩輔に惹かれた様子で、すぐに恋仲になる。
 
訳あって高校を中退した龍太は、学歴もなければ手に職もなく、
女手ひとつで育ててくれた母親・妙子(阿川佐和子)を養うため、昼に夜にと仕事をしていた。
少しでも彼の力になりたいと考えた浩輔は……。
 
原作者がモデルとおぼしき浩輔役の鈴木亮平の演技が素晴らしい。
この人、決して美形とはいえないじゃないですか。
だけど身のこなしだったり指先の動きだったりが本当に美しい。
洒落た服が彼の鎧となり、身を守るのに役立ったという台詞に、
 
浩輔と龍太の表情を見ていると、恋に男も女もないと思わされます。
出会った瞬間からキラキラしていて、あんたらいったいいくつやねん、
十代でもあるまいしと笑ってしまうぐらい。
 
浩輔が心を許しているゲイ仲間たちとのやりとりも面白い。
同性同士は結婚できないからと、記入した婚姻届を飾っているという友人の話など、
今まさに世の中の話題となっていることだからタイムリー。
3人でケーキを食べるシーンも可笑しかったなぁ。
 
ただやっぱり、稼ぎの少ない龍太に「お母さんへのお土産」と言ってあれこれ渡したり、
生活費10万円を毎月渡したりするところなど、エゴに思えてなりません。
誰のためか。相手のためなのか。それとも自分のためなのか。
自己満足であったとしても、それで相手が助かるならそうしたほうがいいのか。
 
龍太亡き後も生活費を差し出そうとする浩輔。
こちらとしては母親に断ってほしかったから、「結局受け取るんかい!」とも思いました。
しかしそれも、受け取れば生活が楽になることは事実だし、
施しは受けないとか言っていられないのかなぁと思ったりも。
 
いろいろ釈然としない思いがあって、登場人物のことを全面的に好きかと言われると違う。
でも自分にもエゴイストな部分はあると思うから。どうすべきかわかりません。

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『#マンホール』

『#マンホール』
監督:熊切和嘉
出演:中島裕翔,奈緒,永山絢斗他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、2本ハシゴの1本目。
 
熊切和嘉監督といえば、私の頭に真っ先に浮かぶのは『鬼畜大宴会』(1998)。
それとは違うけれども、鬼畜だなぁ、熊切監督(笑)。
嫌な感じすぎて好きではありませんが、それでも面白かった。
ほかにも挙げたいキャストはいるのに、公式サイトにあるのはこの3人の名前だけ。
もう1人挙げるとそれ自体がネタバレになってしまうからでしょうかね。
 
ハイスペックのサラリーマン・川村俊介(中島裕翔)は明日結婚式を迎える。
相手は社長の娘で、同僚たちから羨ましがられっぱなし。
結婚式前夜に呼び出された店へ行ってみると、
俊介の結婚を祝おうと上司に同僚、部下が集まってくれていた。
 
同期の加瀬悦郎(永山絢斗)と挨拶を交わし、幾分飲み過ぎた帰り道、
急に眠気に襲われて足下がふらつく。
そのまま倒れてしまったらしく、気づくと深夜、そこはマンホールの穴の中。
落ちた拍子に負ったのか、脚に酷い怪我をしている。
 
思いつく限りの知人友人に電話をかけるが、こんな夜中に誰も出てくれない。
唯一受けてくれたのが、元カノの工藤舞(奈緒)。
しかし自分がどこにいるのかすらわからないから、彼女も探しようがない。
俊介はSNSを利用することを思いつき、“マンホール女”という名前でアカウントを作成すると、
少ない手がかりをアップして救出を求めるのだが……。
 
普通、こんな目に遭ったら最初に警察に電話しますよね。
彼がそうしようとしなかったのはなぜなのか。後ろ暗いところがあるからです。
 
こんなクズでは本当の友だちなんていないでしょう。
電話に出た元カノに対しても、ようやく電話することにした警察に対しても、
自分がどれだけ酷いことになっているかを激高しながら話すのみで、
相手に対する感謝は微塵も感じられません。
こいつ、絶対助かるなよ、死んでしまえと思います(笑)。
 
俊介は過去にいったい何をやらかしたのか。誰がどんな目的で彼を追い込んだのか。
こんな奴、はよ死ねよと思いながら最後まで。
悪が勝ったら嫌だなぁと思っていたけれど、鬼畜の熊切監督、よっしゃっ!
 
中島裕翔くん、上手いじゃあないか。ほんとにクズに見えたよ。(^^;

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『バイオレント・ナイト』

『バイオレント・ナイト』(原題:Violent Night)
監督:トミー・ウィルコラ
出演:デヴィッド・ハーバー,ジョン・レグイザモ,エディ・パターソン,カム・ジガンデイ,
   アレックス・ハッセル,アレクシス・ラウダー,ビヴァリー・ダンジェロ,リア・ブレイディ他
 
イオンシネマ茨木にて前述の『バンバン!』を観たあと、毎週火曜日の常、食パンを買いに
雪もしんしんと降ってきて、そのまま帰りたくなったけれど、
『ブラックナイトパレード』と勘違いして公開後しばらく見落としていた本作が気になり、
帰宅せずに109シネマズ箕面へと向かいました。21時半からのレイトショー。
 
監督はノルウェー出身、『セブン・シスターズ』(2016)のトミー・ウィルコラ。
デビュー作は『キル・ビル』(2003)をパロった『キル・ブル 最強おバカ伝説』(2007)でした。
ほかの作品もB級らしきタイトルが並んでいますが、いつも監督自身のオリジナル脚本。
ちょっとダーティな役が似合うデヴィッド・ハーバー。今回の配役は大当たり。
 
パブでべろべろに酔っぱらっているサンタクロースの格好をした中年男。
ほかの客から「サンタになって何年か」と問われ、「さぁなぁ。もう今年で辞める」とぼやく。
毎年この時期にサンタになるアルバイトだと誰しもが思っていたが、
実はこの中年男は正真正銘、本物のサンタ。
 
いつの頃からか、プレゼントのリクエストはゲーム機だったり現金だったり、
サンタとしては空しくなるものばかり。
とっととプレゼントを配り終えてしまおう、そう思って向かったのは、
女社長ゲートルード・ラインストーンとその親族が集まる凄まじき豪邸。
 
ところが、サンタが到着したときには血も涙もない強盗団が侵入済み。
金の在処を知っているとおぼしき親族だけが生かされていたが、
執事ボディガードも使用人という使用人はすべてすでに殺害されていた。
強盗団はクリスマスパーティのために雇われた業者になりすましていたのだ。
 
とっとと逃げようとしたサンタだったが、ゲートルードの孫娘トルーディからトランシーバーで連絡を受ける。
トルーディはサンタの存在を信じる唯一の娘で、“良い子リスト”に載っている。
彼女を放っておくのはさすがに良心が痛み、意を決して現場に戻ったサンタだったが……。
 
冒頭のシーンから最高です。
本物のサンタなんているわけがない。そう思っていたのに、パブの女主人が「これ、お孫さんのミッキーに」なんて言われる。
店を出て屋上に上がろうとするサンタ姿の男を追いかけたら、トナカイに乗って空を走ってゆくではありませんか。
女主人とともに私も感激していたら、空から降ってくるサンタのゲロ(笑)。
 
酒を手放せないアル中だし、トナカイに悪態はつくし、ちっとも頼りになりそうじゃない。
しかし、どんな理由でサンタになったのか、悲しい過去があるみたい。
千年以上も生きてきて、きっと死ぬことはない彼が人生に投げやりになっている。
そんなとき、自分を信じてくれているトルーディに出会い、なんとかしなきゃと奮い立つ。
 
ま~、とにかく殺し方が残酷なので、R15指定もごもっとも。
だけど、ジョン・レグイザモ率いる強盗団のメンバーがばったばったとへろへろのサンタにやられるのは痛快。
サンタだなんてもちろん信じていない悪党どもも、
教えてもいない実名で呼ばれたり、子どもの頃の話をされたりして、
「もしかしてこいつ本物のサンタ?」と思いはじめる表情も可笑しい。
『ホーム・アローン』(1990)のパロディもしっかりと。
 
観に行ってよかった。えげつないけど、めちゃめちゃ楽しい。大好き!

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