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『有り、触れた、未来』

『有り、触れた、未来』
監督:山本透
出演:桜庭ななみ,碧山さえ,鶴丸愛莉,松浦慎一郎,高橋努,宮澤佑,舞木ひと美,高品雄基,
   谷口翔太,岩田華怜,金澤美穂,原日出子,仙道敦子,杉本哲太,手塚理美,北村有起哉他
 
109シネマズ箕面にて。
 
何の前知識もなく観に行きました。他作品はすでに観たものばかりだったから。
そうしたら、東日本大震災で大切な誰かを亡くした人が多く登場する作品でした。
原案は斎藤幸男の『生かされて生きる 震災を語り継ぐ』。
 
震災だけではなく、事故で亡くなった誰かや病で死にゆく誰かを想う人たちの群像劇です。
10年前の当時と
 
佐々木愛実(桜庭ななみ)は、一緒にバンドを組んでいた恋人・安田和樹(松代大介)を交通事故で失う。
10年後、保育士として働いている彼女は、中学教諭の吉田悠二(宮澤佑)と婚約中。
捨てられずにいた和樹の遺品をようやく処分することにしたが、
パソコンの中に和樹が作詞作曲した新譜を見つけ、この曲を演奏したいと考える。
過去のことを何もかも知っている悠二は、自分たちの結婚式で演奏するよう、愛実に提案する。
 
悠二は自分が担任を務めるクラスの女子生徒・里見結莉(碧山さえ)のことが気がかり。
三者面談の希望日を教えてほしいと伝えているのだが、
どうやら結莉の家庭はそれを相談できるような状況ではないらしい。
 
結莉は父親の健昭(北村有起哉)、祖母の文子(手塚理美)と三人暮らし。
震災で母親と兄、祖父をいっぺんに失って以来、健昭は仕事にたまに行く程度で後はずっと酒浸り。
このままだと自分が進学できないかもしれないと結莉は思っている。
 
愛実と結莉を軸に、さまざまな繋がりがあることが私たちにはわかってきます。
 
愛実の両親は離婚していて、父親は居酒屋を営む本堂真治(杉本哲太)、母親は佐々木有美子(仙道敦子)。
末期癌に冒されている有美子は、今も頼れる元夫を訪ねます。
なんとか愛実の結婚式には元気な姿で参列したいと思いながら。
 
悠二とその兄・光一(松浦慎一郎)は震災で両親を亡くし、光一は悠二にとって兄であり親でもある存在。
仕事をしながらボクシングを続ける光一は、ランキングほぼ最下位に近いプロボクサーですが、
妻・若菜(金澤美穂)の理解を得て、自分の拳が誰かに届くまではやめないと誓っています。
 
愛実の親友・大島蒼衣(舞木ひと美)は地元の小さな劇団に所属し、
「魂の物語」を演じるため、団員たちと意見を戦わせながら奮闘中。
そんな彼女がふと見かけたのは、今にも電車に飛び込もうとしている結莉でした。
 
和樹を轢き逃げした犯人で、その後はヤクザになった男性・須藤昇降(高橋努)。
泥酔して路上で倒れていた健昭を起こしてやるのが彼。
何があったか知らねえけど、人間転がり始めたら止まらねぇよと健昭を諫めます。
 
震災を絡めた話は少し苦手だったりします。
偽善であっても何もしないよりはいいとわかってはいるけれど、偽善に思えてしまうことも多くて。
 
でも本作はいろいろなシーンが心に沁みました。
北村有起哉演じる健昭のダメ男っぷりが凄いのに、強くは叱らない彼の母・文子。
甘いよなぁなんて思っているときはまだ震災の傷だなんてわかりません。
ついに結莉が学校から呼ばれ、文子が同行して赴いたとき、
淵上泰史演じる学年主任の口から発せられる信じがたい言葉。
愛情不足だとか、家族みんなで頑張ってとか、よくもそんなことを。
それに対して、文子は結莉をその場から帰らせ、震災の日のことを語り始めます。
生きているだけで、頑張っていることになるんですよと。
 
立ち直れない父親を見て、自分が死んでしまえばよかったと結莉。
ようやく前を向いた父親に結莉が抱きつくシーンでは涙がこぼれました。
 
バーのママ役に麻生久美子、光一のトレーナー役に萩原聖人、和樹の母親役に原日出子
ほとんどカメオ出演ですが、何気なく豪華なキャストです。
 
北村有起哉といえば、実の奥様である高野志穂と共演したAmazonプライムのCMが、
キモいなどと言われて不評だったという話を聞いたとき、
そりゃ確かにイケメンには程遠いけどさぁ、凄い役者なのよ北村さんは。
キモいなんて言うのは役者としての彼を知らん人だよねぇと心を痛めた私です。(^^;

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11回目の『RRR』と31回目の『トップガン マーヴェリック』

『RRR』は10回、『トップガン マーヴェリック』は30回と、とてもキリのいいところまでたどり着いていたから、
そこからさらに刻む気はありませんでした。そんな気はなかったのに、刻みはじめてしまった(泣)。
 
第95回アカデミー賞で主要部門を次々と受賞したのは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でしたが、
かなりの時間を居眠りに費やしてしまった私としては、全然納得できない気分。
いや、私が納得しようがしまいがどうでもいいことなんですが、
私は『エブエブ』よりも『フェイブルマンズ』のほうが好きだったし、
『エブエブ』ならば『イニシェリン島の精霊』のほうがずっとオスカー向きだとも思いました。
そういう意味では、あえてオスカー向きでない作品が選ばれたのかなぁ。
 
そんななか、ほとんどどうでもいいと思われる部門の歌曲賞を受賞したのが『RRR』で、
音響賞を受賞したのが『トップガン マーヴェリック』。
この2作品なしに昨年と今年の私は語れませんから(笑)、
どうでもいい賞の受賞であっても、タイトルを聞けばまた「観たい病」が再発してしまう。
 
11回目の『RRR』は、109シネマズ大阪エキスポシティにて、IMAXレーザーGT版を鑑賞。
あいかわらずよく客が入っています。
さすがに初見の人はいないのではと思うけど、やっぱりいますかね。どれぐらいがリピーターなのかな。
 
先日4回目を観たという友人が、4回目にして初めて「何のために虎を捕まえたか」がわかったと言うのです。
それまで友人は、食用にするための動物を捕らえながら旅をしていると思っていたとか。
そんなことあるはずないやろと笑ったのですが、私も11回目にしてわかったことが。
 
最初にラーマに見つかり、追いかけられてついに捕まり、拷問されるラッチュ。
彼はその後いったいどこへ行ったのかしらと思いつつ、画面を注視することがなかったんです。
11回目にしてふと気づく。おおっ、最後のシーンでラーマの隣にちゃんとおるやん!って。
え、今まで気づかなかったのがおかしいですか。
指の骨を折られ、靱帯も傷つけられたであろうラッチュだけど、ラーマを恨まずにいてくれてよかった。
 
どうやら『RRR』はエンドロール後に拍手が起こることが日常になっているようです。
初見の人は「えっ、拍手って!?」と驚いたかもしれません。そうなのよ、拍手です。
 
さて、その30分後、同じく109シネマズ大阪エキスポシティにて、
久しぶりに観たのは『トップガン マーヴェリック』の4DX吹替版
 
1秒たりとも寝なかった『RRR』と比べると、これはかなり寝ました。
っていうのか、『RRR』と『トップガン マーヴェリック』を平日の終業後にハシゴするのが無謀か。(^^;
 
睡魔には襲われましたが、適当に寝たわけではありません。
30回観たなかで、ここは寝てもええというポイントは押さえていますから。
絶対に観たいシーンはすべて覚醒して起きる自分が凄い(笑)。
 
これが封切りになった去年の5月末は、がまだ生きていました。
これを観ると弟の最後の1週間を思い出すから、ついつい泣きそうになります。
 
それにしても寒いよ、4DX。
自分の席の「水」は止め、隣席が空いていたので隣席の水も出ないように止めたのに、
どんだけ風ピューピュー吹くねん。
あまりの寒さにコートにくるまって観ましたがな。
暑いぐらいの最近だけど、冬用のコートを持参して正解でした。
 
ここまで来たらまた次の「キリ」を目指すしかない。

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『ブラックライト』

『ブラックライト』(原題:Blacklight)
監督:マーク・ウィリアムズ
出演:リーアム・ニーソン,エイダン・クイン,エミー・レイヴァー=ランプマン,テイラー・ジョン・スミス,
   クレア・ヴァン・ダー・ブーム,ヤエル・ストーン,ジョージア・フラッド,ティム・ドラクスル他
 
前述の『フェイブルマンズ』を観終わったのが20時50分。
ハシゴするなら21時35分からの本作しかないけれど、観る~?
あと45分もあるのよ。まだ月曜日やし、帰ったほうがええんちゃう?
でも今日帰ったら、きっとこれもう観る機会ないよ。
ということで、イオンシネマ茨木に残って本作を鑑賞。
 
アメリカ作品ではなくてオーストラリア作品。
観なくてもわかるやつです。だって主演はリーアム・ニーソンだし。
監督のマーク・ウィリアムズはこれまでにもリーアム・ニーソン主演で何本も撮っている。
だからこそ、安心のエンディングを期待できるからいいんですけど。
 
トラヴィス・ブロックは、FBI長官のガブリエル・ロビンソンに直接雇われている“フィクサー”。
極秘任務中の潜入捜査官に危険が迫ったさいに救出するのが彼の仕事。
長く潜入捜査に関わったエージェントは、メンタルをやられて何をしでかすかわからないから。
 
ある日、政治活動家で市民に根強い支持者を持つ女性ソフィア・フローレスが轢き逃げされる。
その直後、潜入捜査官のダスティ・クレインが任務を離れて逃走したうえに、
ジャーナリストのミラ・ジョーンズにコンタクトを図り、スクープのネタを渡すと言う。
 
ダスティをかわいがっていたトラヴィスは、長官の指令を受けてダスティを追いかけるが、
トラヴィスの目の前でダスティは何者かに殺されてしまう。
 
ミラに連絡を取ったトラヴィスは、ソフィアの轢き逃げに長官が関わっていることに気づき……。
 
70歳ですからね、リーアム・ニーソン。
そりゃまだまだアクションスターとしてやっていけるでしょうけれど、走り方がヨタヨタ。
しかももう父親役よりは爺ちゃん役が似合うようになる歳で、
本作では「もっと孫と過ごしたいから引退する」とのたまいます。
 
何事にも慎重にならざるを得ない毎日を過ごしてきたトラヴィスは、
孫を迎えに行けばその建物の出入り口やら非常階段の数と場所を確認せずにはいられない。
それを孫にも教えるものだから、娘は嫌がりますよねぇ。
 
おおむねいつもの彼主演映画で普通に面白かったけど、最後は拍子抜け。
エイダン・クイン演じるFBI長官をそんなにも簡単にやり込められるものでしょうか。
若い捜査官何人もに襲われても見事返り討ちにするトラヴィス。凄すぎるやろ(笑)。
 
え、これで終わり!?な感じは否めません。
まぁ、孫と穏やかに暮らせるようになったからいいんでしょうけど。

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『フェイブルマンズ』

『フェイブルマンズ』(原題:The Fabelmans)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ミシェル・ウィリアムズ,ポール・ダノ,セス・ローゲン,ガブリエル・ラベル,
   ジーニー・バーリン,ジュリア・バターズ,ジャド・ハーシュ,デヴィッド・リンチ他
 
最近の映画はどれもこれも長すぎる(泣)。
本作も150分超ゆえ、封切り日からしばらく躊躇していました。
長尺の映画を終業後に観ようとすると、ハシゴできないじゃないですか。
とはいえスルーすることはできない作品なので、イオンシネマ茨木にて。
 
スティーヴン・スピルバーグ監督が自らの子ども時代を描いています。
第95回アカデミー賞では多くの部門にノミネートされていたにもかかわらず、
私はこの『フェイブルマンズ』のほうが好きだし、
『イニシェリン島の精霊』なんかのほうが面白かったと思うのですけれど。
歌曲賞を『RRR』、音響賞を『トップガン マーヴェリック』が受賞したことぐらいしか嬉しくない。
 
あ、アカデミー賞の話をしようと思っていたのではないんだった。(^^;
『フェイブルマンズ』の話です。フェイブルマンズ、つまりフェイブルマン一家。
 
父親のバートは優秀なエンジニア。母親のミッツィはピアニストだが、子育てに専念。
スピルバーグがモデルとなっている少年サミーはその長男で、下に3人の妹がいます。
バートの助手かつ親友であるベニーは、仕事ではバートに到底かなわないけれど、
昔から一家と常に共にいる存在で、身内同然。
 
まだ妹たちもこの世に生まれていなかった1952年のこと。
両親に連れられて初めて映画館を訪れたサミーは、『地上最大のショウ』(1952)を観て衝撃を受けます。
映画の中に出てきた列車脱線のシーンを再現したくて、両親に列車の模型をねだる。
執拗に列車を破壊しようとするサミーの意図を知ったミッツィは、息子の希望を叶えようと、
8ミリカメラを買い与えます。みるみる映像の撮影にのめり込むサミー。
 
その作品はアマチュアの域を出ていて周囲を驚かせますが、バートにとってはそんなものはただの「趣味」。
もっとほかのことに情熱を注いでほしいと願います。
 
サミーが映画作りに励むシーンが楽しい。
友人たちも彼の作品に出演することが嬉しくて、子どもながらに監督と俳優たちそのもの。
気を遣いながら出す指示もなかなかで、何もかも面白く観られました。
 
いろいろと8ミリカメラに収めていたせいで、見たくなかったものまで見てしまうサミー。
自分の母親ミッツィと、慕ってきたおじさんベニーがただならぬ関係なのではないか。
見つめ合い、一瞬手を繋ぐふたりがカメラに写り込んでいて、汚らわしいと感じます。
 
この辺りから、ミッツィ役のミシェル・ウィリアムズは少しやかましすぎ(笑)。
もうちょっとおとなしめでもよかったかと思いますが、
スピルバーグ監督の実際の母親もこんなふうだったのでしょうか。
 
バート役のポール・ダノの顔が実は苦手です。
ベニー役のセス・ローゲンの顔もタイプではないけれど、そりゃバートよりベニーがええな(笑)。
親友と妻の思いをわかってい気づかないふりをしていた夫もさぞつらかろうとは思うけど。
 
映画館に行く人は確実に減っているなかで、こういう作品を観られるのは嬉しい。
映画の中に出てくる映画作りが良い作品でした。

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『Winny』

『Winny』
監督:松本優作
出演:東出昌大,三浦貴大,皆川猿時,和田正人,木竜麻生,池田大,阿部進之介,
   渋川清彦,田村泰二郎,渡辺いっけい,吉田羊,吹越満,吉岡秀隆他
 
TOHOシネマズ梅田にて、前述の『逆転のトライアングル』とハシゴ。
 
予告編を観たとき、面白そうだけど胡散臭いと思っていました。
でもどうやらそれは私の思い込みだったようです。
 
天才プログラマー・金子勇氏が開発したファイル共有ソフト“Winny”にまつわる実話に基づく。
何かのソフト開発者が逮捕されたと聞くと、ろくでもないソフトだとばかり思っていた自分を恥じます。
 
東京大学特任講師だった金子勇(東出昌大)は、幼い頃からプログラミングに興味を持ち、数々のソフトを開発。
そのうちのひとつがファイル共有ソフト“Winny”。
著作権の侵害をするつもりなど毛頭なく、むしろ日本のことを思って開発したソフトだったが、
その利用者の一部がWinnyを用いて映画やAVを販売し、逮捕される。
 
たとえばナイフで誰かを刺し殺したとして、刺殺犯は逮捕されるが、
ナイフを作った者が逮捕されることなどありえない。
それと同じことで、ソフトの利用者が逮捕されることはあっても、開発者は逮捕されないだろう。
もしも開発者が逮捕されたら弁護する、そう言っていた弁護士・壇俊光(三浦貴大)。
ところが、まさかの金子逮捕に壇は弁護せざるをなくなり……。
 
すっかり干された感のあった東出昌大。
もともと演技が上手いとは思えませんでしたし、声もなんだか好きになれなくて、
干されようがどうなろうがどうでもいい役者というのが私の認識でした。
 
だけど本作でちょっとイメージが変わりました。
その昔、男前なだけだった真田広之が、葉月里緒奈に骨抜きにされてどん底へ。
イメージ急降下した後に出てきたときに、汚らしくなっていたおかげで役者としては良くなった。
それとこの東出昌大は少しだけ似ています。
なんだ、こんなコンピュータオタクの純真な男の役ができるんだ、そんな感じ。
 
まるでテロのように言われたWinnyだけど、開発者には微塵もそんな意図なし。
こんなことをしていては、日本から画期的なソフトは生まれない。開発者も潰される。
金子氏が裁判で動けずにいる間にYouTubeが現れたとは。
早世してしまった金子氏のことが残念でなりません。空の上で何を思う。

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