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『ワタシの中の彼女』

『ワタシの中の彼女』
監督:中村真夕
出演:菜葉菜,占部房子,好井まさお,草野康太,上村侑,浅田美代子他
 
甲子園と映画のハシゴでへろへろになった翌日、おとなくしているべきところ、
晩は道頓堀まで笑福亭笑利さんのトークライブに行く予定だったから、
せっかく大阪市内へ出るのに映画を1本も観ないのはもったいない。
母を選挙に連れて行ったあと、十三の第七藝術劇場へと向かいました。
 
短編映画4本をひとつにした作品なのだそうです。
ちょうどいい時間だったから選んだだけですが、
大阪アジアン映画祭では本作の1つめの作品が“Japan Cuts Award”を受賞。
……と聞いてもどういう賞だかわかっていません。ごめんなさい。
 
監督は中村真夕、4本とも主演は菜葉菜
彼女が年齢も職業も異なる4人の女性を演じています。
 
第1話『4人のあいだで』。
コロナ禍、20年ぶりに連絡を取り合った大学の同級生3人がオンライン飲み会。
専業主婦のナナエ(菜葉菜)、パートナーと同棲中のフサエ(占部房子)、貧乏役者のコウジ(草野康太)。
ここには不在の女優サヨコの名前が出ると……。
 
第2話『ワタシを見ている誰か』。
写真家のカズヤ(好井まさお)はフードデリバリーのバイトもしている。
ある晩の配達先は、リモートワーク中のOLで30代後半のメイ(菜葉菜)の部屋。
ところがメイは自分で注文した料理なのにカズヤに食べてほしいと言い……。
 
第3話『ゴーストさん』。
20代後半の風俗嬢サチ(菜葉菜)は、帰宅途中のバス停でいつも同じホームレス女性を見かける。
彼女は60代のカヨコ(浅田美代子)で、サチはひそかに「ゴーストさん」と呼んでいた。
ある晩、言葉を交わしたふたりは、かつて同じ夢を抱いていたことを知り……。
 
第4話『だましてください、やさしいことばで』。
40代前半の盲目の女性トモコ(菜葉菜)は、ある日、母にかかってきた電話に応対。
弟の同僚を騙ってやってきた青年タケオ(上村侑)に金を渡す。
なりすまし詐欺だとわかっていながらタケオに話しかけるトモコは……。
 
いずれもコロナ禍での出来事を描いていて、孤独だったり希望だったり、
コロナ禍じゃなくてもあり得ただろうけどコロナ禍だからこそ、そんな気がします。
しかし私の場合、そもそもコロナに寄せた作品があまり好きではないため、
没頭できないまま話が進んでしまうのでした。
たとえば配達に来た男性がかねてから自分のことを撮影していたとか、怖いやん。
だいたい、配達人を家に上げて一緒に食事するなんていうこと自体、ないし。
 
思い返すと、私が菜葉菜を知ったのはやはりこのナナゲイで、
『どんずまり便器』(2012)を観たときでした。
あれからもう10年が経ったと思うとなんだか感慨深いものがあります。
普通の役を演じることが多くなった彼女を見ると、西田尚美とかぶる。
今のような普通の役じゃなくて、『ひみつの花園』(1997)のときの彼女が好きだったから。
 
などと思いつつ、本作ではちょっと居眠り気味で。申し訳ありません。

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『ノック 終末の訪問者』

『ノック 終末の訪問者』(原題:Knock at the Cabin)
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:デイヴ・バウティスタ,ジョナサン・グロフ,ベン・オルドリッジ,
   ニキ・アムカ=バード,クリステン・ツイ,アビー・クイン,ルパート・グリント他
 
前述の『生きる LIVING』の後、同じくTOHOシネマズ梅田にて。
 
M・ナイト・シャマラン監督って凄いですよねぇ。
どんな評価を受けようともワケのわからないものをコンスタントに撮り続ける。
なんだかとっても楽しんでいらっしゃることはわかります。
だから、『シックス・センス』(1999)以降、必ず観てしまう監督です。
 
本作もワケわからん。
原作はポール・G・トレンブレイのベストセラー小説『終末の訪問者』だそうですが、
その映画化であることをなぜか伏せたまま製作が進められ、
発表時には小説と酷似していると盗作騒ぎになったとか。
原作を伏せておく必要があるとも思えず、そこからしてワケわからん(笑)。
 
人里離れた山小屋でのんびりと休暇を楽しむ家族は、
ゲイのカップル、アンドリューとエリックとその養子ウェン。
生まれたときに彼らに引き取られたウェンは、父親ふたりの存在を頼もしく思っている。
 
ウェンが表でバッタを捕まえていたところ、見知らぬ男が声をかけてくる。
いかついその姿にウェンが警戒する様子を見せると、
男はレナードと名乗り、一緒にバッタを捕って見せる。
少し警戒を緩めたウェンだったが、ほかに武装した男女3人も現れたものだから仰天。
 
話をしたいから家の中に入れてくれというレナードたち。
アンドリューとエリックは彼らの侵入を阻止しようとするが無理。
押し入られて縛り上げられてしまう。
 
レナードが言うには、彼ら4人はもともとの知り合いではなく、
終末のビジョンをそれぞれが見て自然に集まったらしい。
そして世界を終末から救うためには、アンドリュー、エリック、ウェンの中から1人、
犠牲となる者をアンドリューたち自身が選んだうえで、
これまたアンドリューたち3人のうちの誰かの手によって殺されなければならないと。
 
荒唐無稽な話としか思えず、アンドリューらはその要求を拒絶。
すると4人が順番に死ぬことを受け入れる様子を見せられるはめに陥り、
1人死ぬたびに世界中で津波や飛行機の墜落事故などが起きて……。
 
原作を読んでいれば、もう少しわかりやすいのかもしれませんが、
読んでいない私にとっては、そりゃもう目が点になるしかない話。
 
眠くはなりません。つまらなかったかと聞かれたらそんなこともない。
ただ、アンドリューやエリックが感じたとおり、「荒唐無稽」。
 
4人それぞれが何を表す人だったのかは最後に教えてもらえるけれど、
人類を救うためにゲイのカップルと養子のうちの誰かが犠牲にならなきゃいけない理由は何?
教えてくれないと全然納得できません。ここでLGBTを持ち出されても、私には理解不能。
そして、終末をもたらすのは誰なんですか。神なのか何なのか。
 
加えて、アンドリューが相当暴力的なため、気の毒だと思い切れなくて。
養子のウェンがアジア系というところも、最近の映画の傾向のように思えます。
いいんですけど、そこはハリウッド映画なんだから別に白人でいいのではという気が。
いろんな人種が共に平和に生きる世界を目指すということなのでしょうか。
 
お茶目なM・ナイト・シャマラン監督は、本作にも一瞬登場しています。
こういうところは好きなんですけどね。
いやまぁ、なんじゃこりゃと思いながらも全作観ているから、好きなんでしょ。(^^;

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『生きる LIVING』

『生きる LIVING』(原題:Living)
監督:オリヴァー・ヘルマヌス
出演:ビル・ナイ,エイミー・ルー・ウッド,アレックス・シャープ,トム・バーク,
   エイドリアン・ローリンズ,ヒューバート・バートンオリヴァー・クリス他
 
今季初の子園で勝ち試合を観たあと、TOHOシネマズ梅田で2本ハシゴ。
野球観戦中に飲酒しているから、また爆睡するかと思いましたが、大丈夫でした。
 
黒澤明監督の『生きる』(1952)をイギリスでリメイク。
脚本を担当したのは、ノーベル賞作家カズオ・イシグロ
なんか凄そうだけど、実は私はオリジナル未見です。
未見でこれを観ると、まるで最初からイギリス作品のように思えます。
 
1953年のイギリス・ロンドン
役所の市民課に初出勤した新人ピーター・ウェイクリングは、課長ロドニー・ウィリアムズのもと、
ピリピリとした空気の中で淡々と進められる事務処理にしばし呆然とする。
冗談などひとつも口にしてはいけない雰囲気だが、
紅一点のマーガレット・ハリスだけは軽口でピーターを和ませようとしてくれる。
 
英国紳士そのもののミスター・ウィリアムズは仕事一筋で何の面白みもない人間。
妻に先立たれたものの、慣れ親しんだ自宅に今は息子夫婦と同居している。
しかし息子の妻はこの辛気くさい暮らしに辟易している模様。
 
ある日、彼は末期癌に冒されていて余命半年、長くても9カ月だろうと宣告される。
数日間欠勤した彼を皆が心配していた折、マーガレットに遭遇して……。
 
鑑賞後にオリジナルのあらすじなどを調べました。
舞台が日本からイギリスに移っているだけで、忠実なリメイクに思えます。
カズオ・イシグロの脚本もおそらく素晴らしく、
それに基づいた映像は21世紀の映画とは思えないほど「昔の映画」風。
 
ビル・ナイが良いですよねぇ。彼以上にウィリアムズに適役だった人はいないでしょう。
生きることにさほど執着しているとは思えないような毎日を送っていた彼ですが、
余命を宣告されてひどく落ち込む。なのにそれを息子に打ち明けられない。
息子には息子の生活があり、きっと悩みもあるだろうから、迷惑はかけられないと。
病を患う人がこんな気持ちなのかと思うと、弟のことを思い出してつらくなります。
 
放置された土地に子どもたちが遊べる公園をつくってほしいと言いに来るご婦人方。
典型的なお役所仕事をしていたウィリアムズですが、どこの課もそれは同じこと。
ウチの担当じゃないよとか、あっちの課に話をするのが先だろうよとか、
とにかく自分の課から遠ざけようとあちこちの課をたらい回しにします。
だけど、余生をどのように過ごすべきか考えたウィリアムズが乗り出す最後の仕事。
 
彼が亡くなってから、彼の生き方、仕事の仕方に学ぼう、
二度と仕事を先送りにしない、よそへ回したりしないとそのときは誓ったのに、
人はすぐに忘れてしまう。覚えていても忘れたふりをする。
実際にはそんなことできるかと思ってしまうものなのでしょうね。
そこが悲しくもあり、でも公園で遊びまわる子どもたちの姿を見れば救われる。
 
急にポックリ死ぬのがいいと思っていましたが、弟の姿を見たり、本作を観たりすると、
人生の終わり方を考える時間があるほうがやはりいいのかもしれないと思う。

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『シング・フォー・ミー、ライル』〈字幕版〉

『シング・フォー・ミー、ライル』(原題:Lyle, Lyle, Crocodile)
監督:ウィル・スペック,ジョシュ・ゴードン
出演:ハビエル・バルデム,コンスタンス・ウー,ウィンズロウ・フェグリー,
   スクート・マクネイリー,ブレット・ゲルマン,リリック・ハード他
声の出演:ショーン・メンデス
 
吹替版は3月末に鑑賞してUP済み。
字幕版を観る機会は『長ぐつをはいたネコと9つの命』と同様に逸してしまいそうでしたが、
実家に寄った帰り、イオンシネマ茨木のレイトショーに駆け込み。
もしやと思ってはいたけれど、予想が当たって今年3回目の“おひとりさま”
なんとなくこれは1カ月に1度ペースじゃあないでしょうか。
 
もっとも、イオンシネマ茨木ではスクリーン独占状態でもそれほど贅沢感はありません。
とにかく私の人生でいちばん贅沢だと思ったこのときに比べると。
言うちゃなんですけど、109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアターにひとりのときと、
ずいぶん古びた印象のイオンシネマ茨木の普通のシアターにひとりのときじゃあ全然違う。
 
それでもまぁ、ひとりはひとり。くつろぎながら鑑賞できました。
 
これは圧倒的に字幕版のほうが良いですね。
吹替版でライルの声を担当した大泉洋も確かにがんばってはいましたが、
字幕版のショーン・メンデスには到底敵わない。
だいたい、ファッションモデルでシンガーソングライターって、ありですか。
天は二物を与えずなんて誰が言ったのか、余裕で二物以上を与えているでしょ。
 
吹替版ではジョシュの継母が台湾人だという設定に違和感をおぼえました。
その役を演じたのが『ハスラーズ』(2019)のストリッパーだったコンスタンス・ウーだからなおさら。
しかし彼女自身の声で観られる字幕版ならば、全然違和感なく受け入れられます。
あんまり可愛くないと思った子役のウィンズロウ・フェグリーも可愛いじゃあないか。
 
ハビエル・バルデム演じるヘクターはろくでなしですよね(笑)。
ラストの、ジョシュの同級生でイケてる女子トルーディとの会話のシーンは好きです。
ヒューマンビートボクサーのガラガラヘビが本当にいたら楽しい。
 
帰宅したのは午前0時。
ええ加減、こんな生活やめたほうがいいのではと思っていますが、
映画に満足した場合は翌日も結構元気です。

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『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』
監督:阪元裕吾
出演:髙石あかり,伊澤彩織,水石亜飛夢,中井友望,飛永翼,橋野純平,
   安倍乙,新しい学校のリーダーズ,渡辺哲,丞威,濱田龍臣他
 
仕事帰りに梅田まで足を伸ばしたのは本作を観るためにほかなりません。
最高だったんですよ、前作『ベイビーわるきゅーれ』(2021)。
公開直後から早く観たくてうずうずしていたのに、なかなか遠征できず。
見逃してなるものかと気合いを入れてシネ・リーブル梅田へ。
 
前作を観たあと、すっかり阪元裕吾監督びいきになりました。
本作もめっちゃ楽しくて大満足。
 
殺し屋の兄弟、神村ゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)。
ある日、仲介者の赤木(橋野純平)から指示を受けて殺しを決行するが、それが誤り。
指示自体が間違っていたのに、ギャラは支払われないと言う。
 
赤木の説明によれば、殺し屋協会には正規クルーとアルバイトクルーがいて、
現在兄弟はアルバイトの身だからナメられているようだ。
正規クルーを消せば席が空く。そうなれば兄弟が昇格できるだろうと。
 
兄弟が消すことにしたのは、社会には馴染めないが殺しの腕前はピカイチの女子コンビ、
杉本ちさと(髙石あかり)と深川まひろ(伊澤彩織)。
 
そうとは知らずにいるちさととまひろだが、彼女たちは彼女たちで困ったことになっていた。
一度しか行ったことのないジムの年会費と殺し屋の保険料を知らぬ間に滞納。
期限内に払うようにとマネージャーの須佐野(飛永翼)からきつく言われ、
振り込みに行った先の銀行強盗事件に巻き込まれた挙げ句、犯人を絞め上げてしまう。
 
須佐野から謹慎処分を言い渡されたちさととまひろはバイトで日々をしのぐことに。
殺しの機会を窺っていたゆうりとまことから襲いかかられて……。
 
たまらんでしょ、このお気楽女子コンビ。
ちさと役の髙石あかりは先日『わたしの幸せな結婚』で見たところ。
あれはすごく陰険な娘役だったから、私の知る可愛いあかりちゃんをまた見られて嬉しい。
 
まひろ役の伊澤彩織の経歴はつい最近知りました。
アクションにキレがあるよなぁと思っていたら、彼女にはキックボクシングの心得がある。
スタントパフォーマーとしても活躍していて、なんと“るろうに剣心”シリーズ、
メインキャストのスタントダブルを担当していたというではないですか。
先日観たばかりの『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』にも殺し屋として出演。
本作とは顔の怖さが違いすぎて全然気づきませんでした。やるなぁ、彩織ちゃん。
 
前作のほうがシビれる殺しのシーンは多かったし、テンポもよかったように思いますが、
謹慎になったふたりがウダウダ言いながら過ごすのが可笑しく、
会話自体が面白いから、終始ニコニコしながら観ることができます。
いや、まぁ、殺し屋なんですけど。(^^;
 
近頃エンドロールで名前を見かけて気になっていた“新しい学校のリーダーズ”が
何者であるかもわかりました。福引き会場で踊っていたセーラー服の女子たちですね。
 
ちさととまひろの大ファンです。

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