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『パイプライン』

『パイプライン』(英題:Pipeline)
監督:ユ・ハ
出演:ソ・イングク,イ・スヒョク,ウム・ムンソク,ユ・スンモク,テ・ハンホ,ぺ・ダビン
 
主演のソ・イングクは現在35歳。20歳そこそこの時分に歌手としてブレイク。
俳優としても売れっ子になり、とうとう兵役の時が来て入隊しましたが、
骨の病気が発覚して帰宅命令が下り、兵役免除に。
その後、TVドラマには出演していたようですが、
『君に泳げ!』(2013)以来の出演作となった映画が2021年製作の本作らしい。
 
で、その次の彼の主演作『オオカミ狩り』に合わせて現在塚口サンサン劇場で上映中。
 
韓国には1,200kmを超える石油のパイプラインがある。
石油を入手できれば金持ちになるのは間違いないから、盗油を試みる者が後を絶たない。
 
そんな盗油業界において穿孔技術の高さで名を轟かせているのがピンドリ。
ブランドもののスーツに身を包み、高級車を乗り回す彼は、決して盗人には見えない。
もっとも、彼自身が石油を盗むわけではなく、盗油を図る者に手を貸すだけ。
多額の報酬を受け取って穿孔を請け負い、あとは知ったことではない。
 
ある日、ピンドリのもとへ、大企業の後継者ゴヌから壮大な盗油計画が持ちかけられる。
怪しまれぬようにゴヌが所有するホテルの地下を拠点とすることに。
ピンドリをリーダーとして、プロの溶接工チョプセ、地中を把握し尽くしているベテラン公務員のナ課長、
怪力の人間掘削機ビッグショベルが集結。作業終了までホテルから出るのは禁止。
ホテルは営業中を装うため、彼らの見張りとしてカウンターに配置された女性がひとり。
 
ピンドリだけ報酬が多いことに文句を言うチョプセを鬱陶しがりながらも、彼らの作業が始まるのだが……。
 
ウム・ムンソク演じるチョプセのウザイのなんのって。
そもそもチョプセはピンドリの名を騙って穿孔を請け負っては失敗していました。
最初からほぼ最後までウザイ奴だったから、こんな奴はやく去(い)ねと思っていたら、
あらら、最後はそんなことに(笑)。
 
もう少しスピーディーに話を進めてほしかったところですが、じゅうぶんに面白い。
ソ・イングクはそれほどイケメンだとは思わないけれど、なんかカワイイ。
メンバーから「カウンター」と呼ばれるぺ・ダビンがこのうえなくキュートです。
 
石油って儲かるんですね。そりゃ戦争も起きるわななどと思いながら観ました。

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『フリークスアウト』

『フリークスアウト』(原題:Freaks Out)
監督:ガブリエーレ・マイネッティ
出演:クラウディオ・サンタマリア,アウロラ・ジョヴィナッツォ,ピエトロ・カステリット,ジャンカルロ・マルティーニ,
   ジョルジョ・ティラバッシ,マックス・マッツォッタ,フランツ・ロゴフスキ他
 
前述の『The Witch/魔女』とハシゴ、同じくなんばパークスシネマにて。
 
これまた長尺、141分のイタリア/ベルギー作品。
監督はデビュー作の『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(2015)が大いに話題を集めたガブリエーレ・マイネッティ。
日本が誇る永井豪のアニメ『鋼鉄ジーグ』のイタリア版リメイクでしたねぇ。
 
そんな監督のやっと出た長編第2作がこれ。またしても異色の娯楽作品です。
長尺でも飽きることなし。すごく面白かった。
 
第二次世界大戦下のイタリア。
ユダヤ人の中年男性イスラエルが率いるサーカス団のメンバー4人は異能者たち
自身の身体に帯びた光と電気を操る少女マティルデ。
アルビノ(先天性白皮症)のチェンチオは、どんな虫も従わせることができる虫使い。
全身毛むくじゃらの怪力男フルヴィオと、磁石人間のマリオ。
 
その特殊すぎる能力ゆえ世間には馴染めずにいたが、サーカス団は町の人気者。
今日もテントは満員の客でにぎわっていたところ、爆撃を受ける。
 
多くの人が亡くなるなか、5人はなんとか逃げ延びたものの、
町も客もいない今となっては生きていく術がない。
イタリアから脱出してアメリカ・ニューヨークへ行くことをイスラエルは検討しはじめる。
偽造パスポートを入手するため、4人から金を受け取って出かけるが、
夜が更けてもイスラエルが帰ってこない。
 
短気なフルヴィオは、イスラエルが自分たちの金を騙し取ってひとりで逃げたと怒る。
マティルデはイスラエルがそんなことをするはずがない、帰りを待とうと主張するが、
フルヴィオがベルリン・サーカス団で職を得ようと言い、あとの2人もそれについていってしまう。
 
イスラエルはナチスドイツに捕らえられたのではと考えるマティルデは、
どこをどう探せばいいものやらわからないままひとりで奔走。
 
一方、ベルリン・サーカス団の門を叩いたフルヴィオたちだったが、
団長のフランツは選りすぐりの異能者を集めてヒトラーに贈ろうとしていて……。
 
異能者たちが見せる芸がとても美しい。冒頭から引き込まれます。
 
倒れたところをパルチザンに助けられたマティルデが、その力を使えば敵を簡単に殺せると言われたとき、
人殺しは嫌だという理由には胸が痛みます。
彼女に触れた相手は感電して死んでしまう。殺す気のない相手を死に至らしめてしまう自分。
能力を羨ましがられようとも、欲しくて得た力ではないのです。
 
戦争に勝つんだと皆声高に言うけれど、戦争に勝ち負けはない、
戦争すればみんな敗者だ、という言葉はどこかに届くでしょうか。
ひそやかに反戦のファンタジー。

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『The Witch/魔女』

『The Witch/魔女』(英題:The Witch: Part1 The Subversion)
監督:パク・フンジョン
出演:キム・ダミ,チョ・ミンス,チェ・ウシク,コ・ミンシ,パク・ヒスン,ダウン他
 
なんばパークスシネマにて「再上映」だと言う。
再上映って、以前公開されていたのを知らないよ?私の知らないいつの間に?と思っていました(笑)。
そうしたら、“のむコレ 2018”にて上映された作品らしい。
その続編が今週金曜日に封切りだそうで、特別料金1,600円で公開中。
 
遺伝子操作「完全」な人間を造ることを目指す研究所。
博士のペクが造った女児はまさに「完全」だったが、あるとき研究所から逃げ出す。
女児は瀕死の状態で農場にたどり着き、オーナー夫妻の手厚い看護によって快復。
記憶喪失を起こしていた女児はジャユンと名付けられ、そのまま夫妻の養子として育てられる。
 
10年余りが過ぎ、ジャユンは普通の高校生として毎日を送っていた。
成績優秀、容姿も可愛い、何でもできて、明るく優しい彼女の心配事は、
不景気のせいで農場の経営がうまく行っていないこと。
また、このところ頭痛に見舞われており、診察を受けると直ちに手術が必要だと言われる。
養父母に心配はかけられないし、こんな経済状況では手術代を工面することはできない。
 
なんとか稼げないかと思っていた折、親友のミョンヒから歌のオーディションのことを知らされる。
オーディションで勝ち抜けば、賞金を得て何もかもが解決する。
さっそくオーディションに出場すると、歌の上手さと可愛さでたちまち話題に。
特技を披露してほしいといわれて手品を見せると、それをきっかけに謎の集団に追われるようになり……。
 
監督は『新しき世界』(2013)のパク・フンジョン。さすがです。
なぜこれを大々的に公開しなかったのか訝ってしまうほど面白かった。
 
人体実験の対象となった子どものひとり、ジャユンのことを可哀想に思っていましたが、
ラストの怒濤の展開が怖いのなんのって。
 
ネタバレになりますが、彼女は「完全な人間」ですからね。
他人の思考を読むのはお手のものだし、演技も完璧にできる。
彼女を造った研究者も彼女の手玉に取られてしまうという。
 
ペク役のチョ・ミンスが憎々しくて、殺されるときはざまぁ見ろ。(^^;
ジャユンと同様に人体実験を施されたとおぼしき男女のうち、チェ・ウシクがイケメン。
イケメンだけど、役自体はめちゃめちゃ怖いです。
でもジャユンにはまったく敵わなくて死んじゃうところがお気の毒。
 
本作で有名になり、「怪物新人」と呼ばれるようになったという主演のキム・ダミ。
今週末公開の続編がすごく楽しみです。

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『TAR/ター』

『TAR/ター』(原題:Tar)
監督:トッド・フィールド
出演:ケイト・ブランシェット,ノエミ・メルラン,ニーナ・ホス,ソフィ・カウアー,
   ジュリアン・グローヴァー,アラン・コーデュナー,マーク・ストロング他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『デスパレート・ラン』とハシゴ。
 
なかなかに長尺の158分。
音楽てんこもりの作品かと思いきや、序盤は音楽ほぼ無しで会話のみ。
なのに意外と眠くならず。最近、眠くなるかならないかがとても大事(笑)。
眠らなかったことイコール好きな作品だったというわけではありません。
 
まるで実在の人物をモデルにしたかのような作品ですが、彼女は架空の人物です。
作品中に名前が出てくる女性指揮者のアントニア・ブリコチェリストジャクリーヌ・デュプレは実在の人ですね。
 
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で女性として初の首席指揮者となったリディア・ター。
自伝の出版を控え、作曲家としても活躍する彼女だったがスランプ中。
新曲が作れなくて困っているのに、ベルリンフィルでの録音がプレッシャーとなっている。
マーラーの交響曲の中で唯一残っている第5番を録音する日が近づいているのだ。
 
そんな折、以前リディアが指導した若手指揮者クリスタが自殺したという報せが届く。
クリスタからの何通にも及ぶメールにリディアが取り合わなかったと世間が知れば責められる。
リディアは秘書のフランチェスカに隠蔽を指示するが上手く行かず。
SNSではリディアを糾弾する動きが活発になり、リディアは困り果てるのだが……。
 
プレッシャーを感じているというような台詞は一切ないのに、
ケイト・ブランシェットの行動から、彼女が明らか正気を失っていくのがわかります。
些細な音が大きく聞こえて、音のもとを探りに行くリディア。
メトロノームの音を夜中に確認しに行く姿などはその辺のホラーより怖かったほど。
 
ジュリアード音楽院での彼女の指導が間違っていたとは思わない。
けれども一旦悪評が出てしまうと、発言の一部が切り取られ、くっつけられて、
とんでもないハラスメントのように伝わってしまいます。
指揮者としては素晴らしくても、日常の人との接し方に問題があれば、
何かあったときに誰も助けてはくれないでしょうし。
 
彼女のことを好きになれないから、映画としては好きではありません。
でも確かに、ケイト・ブランシェットの演技は凄まじかった。
あと、マーク・ストロングはつるっぱげのほうが好きです。こんなカツラの彼は嫌(笑)。
 
あ、後半は音楽も堪能できますよ~。

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『デスパレート・ラン』

『デスパレート・ラン』(原題:The Desperate Hour)
監督:フィリップ・ノイス
出演:ナオミ・ワッツ,コールトン・ゴッボ,シエラ・マルトビー他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
出演者は多けれど、ほとんどが声のみの出演のため、顔までわかるのは上に挙げた3人くらいです。
監督はオーストラリア出身のフィリップ・ノイスで、すでに73歳。
最近はTVドラマに関わることが多かったようですが、
かつてはシャロン・ストーンの『硝子の塔』(1993)やハリソン・フォード主演の『今そこにある危機』(1994)、
本作ではナオミ・ワッツを主演に起用しています。
 
原題は“The Desperate Hour”。「絶望的な時間」ですね。
邦題は「絶望的な走り」になっていますが、最後30分のワッツは自力で走ってへんし。(^^;
「やけくそ」のほうが合っているでしょうか。いや、「死に物狂い」かな。
 
交通事故で夫を亡くしたエイミー。息子のノアと娘のエミリーをひとりで育てている。
ノアは大好きな父親がいなくなってからすっかり塞ぎ込み、母親とは口をきこうとしない。
 
登校の時間になっても起きてこないノアに学校に行くように声をかけ、
仕事を休んでジョギングに出かけたエイミーだったが、
走っている途中にかかってくる勤務先やママ友、実家からの電話を受けるうち、異変を知る。
 
電話の相手に何が起きたのかを尋ねると、ノアが通う高校で銃撃事件が発生した模様。
エイミーは家からすでに遠く離れてしまっている今、学校に駆けつけることはもちろん、
保護者のために設けられた場所に行こうにも付近の道路が閉鎖されていてタクシーが来ない。
 
足を挫きながらもとりあえず学校に向かって走りつづけるエイミーだったが……。
 
評価が低いですねぇ。まぁそれも致し方ない感じです。
ただ、面白くないわけではありません。睡魔に襲われることなく最後まで観ましたから。
 
何が駄目なのか考えてみると、ただスマホで慌てて話しながら走るだけの作品なんです。
試みとしては良いと思うのですが、企画倒れの感は否めません。
亡くなった夫の写真や留守電に残されたメッセージはあっても、重みはない。
しかも冒頭で書いたように、途中からはタクシーに乗っちゃって、自分の足では走りませんから。
てっきり最初から最後まで走り通して息子を救う話かと思っていたので、笑ってしまった。
 
息子が登校したのかどうかもわからずにいたら、
登校していたうえに、彼が犯人かもしれないと疑われていることを知る。
家にはライフル銃があって、最近の息子には事件を起こす要素がじゅうぶんあるわけです。
自分の息子に生きていてほしいけれど、彼が加害者側だった場合はいったいどうなるのか。
『望み』(2020)と同じ命題を突きつけられます。
 
最も頼りになったのは、学校の前に店を持つ車の修理屋さんか。
エイミーがあれ見てきて、これ確かめてというのをやってくれて、
車番から所有者も調べて教えてくれる。
まぁ、ずいぶん勝手な母親という気もしますが、息子のためならしますよねぇ。
 
本作を観て思ったのは、スマホは必ずフル充電しておけということと(笑)、
収税関連の職場では何でもわかるということ。税金からは逃げられん。(^^;
 
私ももっとスマホを使いこなせるようになろっと。(^O^)

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