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『青春ジャック 止められるか、俺たちを 2』

『青春ジャック 止められるか、俺たちを 2』
監督:井上淳一
出演:井浦新,東出昌大,芋生悠,杉田雷麟,有森也実,田中要次,田口トモロヲ,田中麗奈,竹中直人他
 
の容態を気にしつつ、この日もとりあえず大丈夫そうだからとシネ・リーブル梅田へ。
そんなに久しぶりのつもりもなかったけれど、ひと月ぶりぐらいか
そやそや、ロビーで生東出昌大を見て以来ですね。
あのときはそんな兆しすらなかったのに、ロビーがいきなりゴージャスになっていてビックリ。
どーゆーことですかと思ったら、4月19日にテアトル梅田として生まれ変わるらしい。
梅田ロフト下にあったテアトル梅田が閉館して1年半。
テアトルグループなのに、テアトルと名の付く劇場が大阪にない状態が続いていましたが、
このたびシネ・リーブル梅田を改名してテアトル梅田の名を復活させるようです。
 
2012(平成24)年に76歳で亡くなった若松孝二監督。
型破りで多くの逸話を残す若松監督ですが、私は彼の作品をあんまり観ていないのです。
なんといっても『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)が強烈すぎたし、
その後に観た『キャタピラー』(2010)もえぐすぎて、なかなか食指が動かず。
 
だから、在りし日の若松監督を描いた『止められるか、俺たちを』(2018)もスルーしてしまいましたが、
彼が作った映画館の話と聞くと、観たくなるじゃあないですか。
 
監督は実際に若松プロで助監督を務めていた井上淳一。
彼自身と若松監督、そして彼らを取り巻く人々の姿に「青春」を見せてもらえます。
 
世の中にビデオが普及しはじめた1980年代。
劇場に足を運ぶ人は減る一方だというのに、若松孝二(井浦新)は名古屋に映画館を作ろうと思い立つ。
なぜ名古屋かというと、東京も大阪も高いから。
若松は、2階から上の店がノーパン喫茶やら覗き部屋やらの風俗ビルの1階を買う。
 
映画館を開業するにあたり、支配人にならないかと声をかけたのは、
ビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治(東出昌大)。
木全は彼自身のお気に入り名画も上映することを条件に、支配人となることを承諾する。
 
アルバイトとして雇うことになったのは、映研に所属していた金本法子(芋生悠)ら。
定員50名のミニシアター“シネマスコーレ”は無事オープンしたものの、客は5人のことも。
その中には映画好きの高校生・井上淳一(杉田雷麟)も含まれていた。
 
赤字続きの経営に、このままではいかんと若松はピンク映画の上映を決める。
木全が必死の抵抗を見せ、1カ月のうち3週間はピンク、1週間は名画に落ち着くのだが……。
 
舞台が1980年代ですから、場所は違えどもいろいろと懐かしい。
街そのものの雰囲気だったり、バックに流れる音楽だったり。
『待つわ』が流れると一緒に歌っちゃいそうになりますね。あみんが歌っているのではなかったけれど。
 
木全役の東出昌大がとても良いです。
やっぱり声は好きじゃないわと改めて思ったものの(笑)、スキャンダル前の彼より断然いい。
コムアイ演じる彼の妻も、夫が少なからず安定した職業を辞めようとしているのに、
小言のひとつも言うことなく、積極的に夫を応援。できそうでできないこと。
 
女であり、才能がなく、在日である金本は、自身のことを「三重苦」と言い、
たいした苦労もなしに若松と出会って弟子になった井上への嫉妬を隠せません。
そんな彼女の心を見抜く木全がかける言葉には癒されます。
こういう「一見能天気」の役が東出昌大には合っているのかもしれませんね。
 
ふてくされている井上を叱りつつも息子の応援を惜しまない両親には田中要次有森也実
あの頃はよかった的な作品ではありますが、温かい人が多いからホッとさせられます。
 
こうなると、スルーした前作が気になって気になって。
Amazonプライムビデオで500円払って観ようかな。

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『デューン 砂の惑星 PART2』

『デューン 砂の惑星 PART2』(原題:Dune: Part Two)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ティモシー・シャラメ,ゼンデイヤ,レベッカ・ファーガソン,ジョシュ・ブローリン,オースティン・バトラー,
   フローレンス・ピュー,デイヴ・バウティスタ,クリストファー・ウォーケン,レア・セドゥ,
   ステラン・スカルスガルド,シャーロット・ランプリング,ハビエル・バルデム他
 
の容態が気になるからということもありますが、これはなかなか観に行く気が起こらず。
ひとえに長尺だからなんですけど。166分ですからね。予告編を含めると3時間。
それでもスルーするわけにはいかないから、公開4日後に意を決して109シネマズ箕面へ。
……って、意を決するまでにもっと長い時間がかかったと思っていたのに、4日だけかいっ!
 
パート1の邦題は『DUNE/デューン 砂の惑星』(2020)だったのに、表記を変えるんだわ。
本作に限らず、シリーズものの邦題の表記を変更することにどういう意図があるのかはかねてからの素朴な疑問です。
まぁええけど。
 
砂に覆われた惑星デューンことアラキスは、貴重な香料が産出される惑星。
その利権を巡って争いが起きたのがパート1の冒頭でした。
皇帝からアラキスの統治を任されていたのはハルコネン家。
ところがあるとき、皇帝はハルコネン家を解任してアトレイデス家に任せるわと言い出します。
それに怒ったハルコネン家がアトレイデス家を皆殺しにしようと襲いかかる。
実は皇帝が両家をいがみ合わせるために仕組んだことだとも知らずに。
この腹黒い皇帝役はクリストファー・ウォーケン
その娘役としてこのパート2から登場しているのがフローレンス・ピュー
 
さてさて、皆殺しのはずが、わずかに生き残ったアトレイデス家の戦士たち。
ハルコネン家に囚われて見世物にするために薬漬けにされた者もいるが、
アトレイデス家の後継者ポールは、母親ジェシカと共に逃走に成功し、砂漠の民フレメンに助けられる。
こんな感じの話だったなと観ているうちに思い出す。
 
とはいうものの片仮名がややこしいせいもあって(笑)、イマイチわからんし、
これは睡魔に襲われるパターンかと思ったのですが、映像の迫力が凄すぎて眠くはならず。
で、食い入るように観ていたら、実は意外とシンプルな話なのですよね。
 
公爵家のボンボンかと最初はナメられていたポールだけれど、結構やる。
彼のことを最初から救世主に違いないと見ていたフレメンの長スティルガーが「推す」こともあり、
みんな文句を垂れながらもポールを帯同させていたら、こいつホントに救世主かもと思い始める。
ポールと共に我らが緑の楽園を取り戻そうと奮起します。
 
アラキスには女性の秘密結社があって、アトレイデス家、ハルコネン家それぞれに「教母」がいます。
教母って、聖母マリアのような女性かと思いきや、損得勘定ありまくり。
ジェシカも教母の座に就いてからは人を恐れさせ崇めさせて、
自分の息子ポールをなんとか救世主として認めさせようと画策します。
 
キャストが本当に魅力的で。
美少年ティモシー・シャラメが歳をとるにつれてオッサン化するのではと懸念していましたが、綺麗なまま。
アトレイデス家でポールに武術を指南していたガーニイ役のジョシュ・ブローリンとの再会が嬉しい。
スティルガー役のハビエル・バルデムはポールを盲信しすぎかと思いますが(笑)、渋い。
 
いちばんテンションが上がったのは、ポールがフレメンとして認められるかどうかの「試験」。
砂虫を乗りこなせるかどうか。このシーンには大興奮しました。
 
やっぱり好きだな〜、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。

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『ただ空高く舞え』

『ただ空高く舞え』(原題:Soorarai Pottru)
監督:スダ・コンガラ
出演:スーリヤー,アパルナー・バーラプラーリー,パレーシュ・ラーワル,モーハン・バーブ,
   ウルヴァシ,プー・ラムー,カルナス,カーリー・ヴェンカット,プラカシュ・ヴェラワディ他
 
塚口サンサン劇場にて、前述の『FLY!/フライ!』の次に。
 
上映開始後20分ほど経ったときに、マナーモードにしていたスマホがブルッと震える。
退出して電話を取ると、母の主治医からでした。
この先生は必ず「容態が急変したとかいう連絡ではなくて、現状の報告です」と言ってくれるから、
まずホッとできるのがありがたい。母の今後について説明を受けました。
 
良くはない話だからって、今はどうすることもできないから劇場に戻る。
見逃したシーンが10分ほどありますが、話がわからなくなったなんてことはありません。
 
2020年のタミル語作品です。
原題の“Soorarai Pottru”を日本語に訳すと「勇者を称えよ」だとか「勇者に敬礼」。
邦題を「ただ空高く舞え」としたのは粋。
インド初の格安航空会社“エア・デカン”が誕生したさいの話がモチーフとなっているそうです。
 
マーラことネドゥマーラン・ラジャンガムは、教師の父親と対立。
というのも、父親は誰からも信頼を置かれる人格者だが、
マーラたちが住む田舎町に列車が停まるよう、父親は嘆願書を集めるばかりで一向に話が進まず、
ある日マーラが町の若者たちと実力行使に出たところ、暴動となって怪我人が出たのだ。
それを父親から非難されて納得が行かず、マーラは家を出て空軍に入る。
 
マーラの夢は、田舎町の庶民でも乗れる飛行機を飛ばすこと。
100年前は電気、50年前は車が富裕層にしか手の届かないものだった。
飛行機も富裕層でなければ乗れない時代を変えたい。
 
そう考えていたマーラは空軍を退官し、ボンミという女性と出会う。
ボンミは高学歴で、「女は子どもを産んで亭主に尽くしていればいい」という考え方が大嫌い。
パン屋を経営したいという彼女はマーラの夢を共に叶えたいと考える。
 
同じ考えを持つ仲間たちと一緒に会社を興したマーラだったが、
インドの航空産業旅客分野を独占するジャズ航空の創始者パレーシュ・ゴースワミーが良く思うはずもない。
マーラを潰すべくあの手この手を打ってきて……。
 
航空会社を設立するに当たり、申請書類を揃えて提出しようとしても、
受理担当者にパレーシュの息がかかっているから、マーラと会おうともしない。
マーラは予約を取って出向いてきているのに、理由をつけては先送りにします。
担当者の秘書が言うには、以前は新会社を設立しようとして20年以上ここにかよった者がいる、
そこまでしても申請は通らなかったよ、と。
 
何をどうしようとしても潰されて、失意の底から立ち直れないマーラ。
しかし彼を支える妻ボンミが凄い。
パン屋を開きたいって、町の小さなパン屋かと思いきや、どんどんチェーン展開して稼ぎまくる。
パレーシュに邪魔をされるたびに資金繰りに困るマーラの強い味方。
そんなボンミにマーラがありえない振る舞いをすることもあって、
そこはインドだな〜と思わずにいられませんが、フォローがあるから良しとします。
 
マーラ役のスーリヤー、男前。今まで知らなかった俳優です。
ボンミ役のアパルナー・バーラプラーリーは有名なインド美人女優と比べると、
綺麗だという感じもなければ体型も少々ぽっちゃり。
けれど愛嬌があって逞しく、めっちゃ頼れるカッコイイ女性。好きです。
 
感動すること間違いなし。ダンスもまぁまぁあるよ〜。

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『FLY!/フライ!』

『FLY!/フライ!』(原題:Migration)
監督:バンジャマン・レネール
声の出演:堺雅人,麻生久美子,ヒコロヒー,黒川想矢,池村碧彩,羽佐間道夫,
     野沢雅子,関智一,鈴村健一,芹澤優,谷山紀章,喜多村英梨,愛河里花子他
 
入院中の母に面会に行ったら、前回会ったときよりも顔色がよく、意識もしっかりしている。
「お母さん、大丈夫そうやから普通に映画を観に行くわ」と声をかけると、
「行ってらっしゃい」と手を振ってくれる母に手を振り返して塚口サンサン劇場へ。
 
病院からいつ電話があってもいいようにスマホを握りしめているのは弟のときと同じです。
マナーモードにしたスマホが震えたらすぐ退出できるよう、出入り口のいちばん近くに席を取るのも同じ。
 
アニメであっても洋画は字幕で観る派ですが、本作は字幕版を公開している劇場が見当たらない。
TOHOシネマズ梅田やなんばへ行けば字幕版を観られるけれど、どうしても観たい作品ならともかく、
本作の字幕版を観るためにそこまで行く余裕は今の私にはありません。
ということで、あっさりと吹替版で妥協。でもこれはそれでよかったかなと思います。
 
アメリカの北東部、ニューイングランドの池に暮らす鴨の一家。
父親のマック、母親のパム、長男のダックスと長女のグウェン。
一家は渡り鳥でありながら、この池から一度も出たことがない。
というのも、マックが大変な心配性で、池の外は危険に溢れていると思い込んでいるからだ。
 
そんなある日、渡り鳥の一団が池に立ち寄る。
物珍しさにダックスが近づいて話しかけると、一緒に行こうと誘われる。
それを聞いたパムとグウェンも池から出ようと大興奮するが、マックスが断固拒否。
渡り鳥たちはダックスたちに別れを告げて飛び立ってしまう。
 
断ったことを家族からなじられても気持ちを変えないマックスだったが、
おじのダンが毎日ただのんべんだらりと過ごしているのを見て、自分の行く末に不安をおぼえる。
この機会に池の外に出なければ、一生このままってことじゃあないか。
 
意を決したマックスは、家族とダンも引き連れて池から飛び立つ。
目指すはあの渡り鳥たちが言っていた南国の楽園ジャマイカ。
しかし外の世界にはやはり想像もしていなかったことが待ち受けていて……。
 
鷺に会って食われると思っていたら実は優しかったり、の群れとサンドイッチの取り合いをしたり。
鴨を食材としてしか見ていないシェフとの対決が可笑しい。
シェフはひと言も発さないのが何より怖い(笑)。
 
一家は真鴨なんですね。
グウェンが「美味しく生まれたせいでこんな目に」と叫ぶところは鴨の悲哀すら感じて、
笑うとともに切なくなりましたね。
 
字幕版に未練はありませんが、ダニー・デヴィートのダンおじさんだけは聴きたい。

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2024年3月に読んだ本まとめ

2024年3月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3328ページ
ナイス数:880ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/3
■52ヘルツのクジラたち (単行本)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】公開2日目に鑑賞しました。読了から約2年半経っているせいで記憶がおぼろげ。どれくらい原作に忠実かわかりません。映画版の上映時間の半分以上はキナコの話。原作はもうちょっと少年とのシーンも多かったかしらなどと思うのですが、それは単なる印象でしょうか。『パーフェクトワールド 君といる奇跡』のような恋愛もののヒロインを演じるときの杉咲花には違和感がありますが、『市子』や本作のような、凄絶な過去を持つ女性を演じるときの彼女には圧倒されます。52ヘルツのクジラの声、聴きたい。
読了日:03月05日 著者:町田 そのこ
https://bookmeter.com/books/15533416
■テロリストの家 (双葉文庫 な 47-02)
息子にかかる容疑は違えども、映画『望み』(2020)を観たときの気分にさせられました。あちらは「息子は殺人犯なのか」。こちらは「息子はテロリストなのか」。もしもそうなら、いっそ死んでくれたほうがいいという思いもよぎる父親と、どうであっても生きていてほしいと願う母親の姿が似ていて。妹がいるところまで同じだったからデジャヴに思えたほどです。このまま終わるわけはないと身構えてはいたけれど、残り10頁ほどで大どんでん返しを披露する七里センセ、やっぱり凄い。でもこれはいつになく嫌な終わり方。これからどう生きますか。
読了日:03月05日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/21730943
■変な家
へ〜、去年いちばん売れた小説なんですね。今まで怖くて手を出せず、しかもこんな話だとは想像もしていませんでした。何かがあるとおぼしき歪な間取り図が並んでいて、どこが変なのかを解説してくれる本だと思い込んでいたのです。全然ちがった(笑)。何しろ『近畿地方のある場所について』を読んだ後だから、いちばん怖かったのは柿が出てくるシーンです。柿を勧められると何かが起こるの!?って。とにかくこれなら、怖くてパスしようと思っていた映画版も耐えられそう。桃弥くんに泣かされかけたけれど、嫌なオチだなぁ。これってホラーですか。
読了日:03月10日 著者:雨穴
https://bookmeter.com/books/21776893
■木になった亜沙 (文春文庫)
芥川賞作家の頭の中はどうなっているのかわからなくて、たいてい私はついて行けずに疑問符だらけで読了します。だけどこの作家だけは怯むことも愕然とすることもなく読める。自分が手渡したものを誰にも食べてもらえない少女。的にされるのに絶対に当たらない少女。ずっと寝そべって暮らしてきた女性。今村さんの表現はいつもやわらか。彼女らを描写するとき、難しい言葉はちっとも使われていなくて、もしかしたら私にでも書けるのではと思うほど。でも絶対に書けない。やはりこの人の頭の中がどうなっているのか不思議。それでいて吸い込まれます。
読了日:03月11日 著者:今村 夏子
https://bookmeter.com/books/20770857
■四月になれば彼女は (文春文庫 か 75-3)
私はたぶん川村元気をやっかんでいます。手がけた作品は常にヒット。小説を書けば映画化確実、人気俳優を起用して大ヒットを飛ばす。『億男』なんて、億万長者のあなたが書いてもねぇと嫌みを言いたくなる(笑)。本作も間違いなく映像化ありきの小説。出てくるアイテムがとにかくお洒落で、住まいはタワマン、リーデルのグラスを傾けてミモレット、猫の名前はウディ・アレンかよ。焼酎飲みながら畳敷きの部屋で読んだらあかん気までしてきます。それでも映画は楽しみ。今まで敬遠していた藤井風なのに、『満ちてゆく』は聴くだけで泣きそうになる。
読了日:03月14日 著者:川村 元気
https://bookmeter.com/books/13885820
■ファミレス行こ。 上 (ビームコミックス)
映画『カラオケ行こ!』がツボにハマり、ついでに本作もポチッと。中学生だった聡実が大学生になっているのを見るだけで、保護者になったような気分で感慨深い。狂児に対してだいたいは「ですます」調でしゃべっているけれど、たまにものすごくくだけた感じになるところは笑ってしまう。「プレゼントがあるねん」とか。そうそう、もう親戚のおっちゃんだなぁ。狂児のキャラも相変わらず。漫画家先生のファンの真相にはふきそうになりました。漫画を読むこと自体、この間まで久しぶりだったのに、こんなにハマってしまうとは。下巻も楽しみです。
読了日:03月15日 著者:和山 やま
https://bookmeter.com/books/21573707
■変な家
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】公開初日だった昨日レイトショーで観ました。シネコンで客ひとりということも年に何度かあるなか、本作は大人気で8割の入り。原作よりもビビらせ要素が多い。調査を開始した雨宮が首を突っ込まぬように警告を受けるシーンなんて、ホラー苦手な私は直視できず。お面が怖いのよ。なのに雨宮と柚希と栗原は片淵家の間取り図を見て想像するだけではなく、現地に乗り込んじゃいます。いやいやいや、無謀やろ(笑)。案の定、洗脳された村人たちから襲いかかられる展開。最後はやっぱり嫌なオチが待ってます。
読了日:03月16日 著者:雨穴
https://bookmeter.com/books/21776893
■事故物件探偵 建築士・天木悟の執心 (角川文庫)
『変な家』を購入したさいにこれも目に留まってなんとなく。軽いけれど、ほどよい怖さのホラーでした。主人公は、中学生のときに修学旅行先の町で住宅地に迷い込み、目の前に現れた家に一目惚れ。その建築士に憧れて大学の建築学科に進みます。憧れの相手の特別講義を聴講する機会に恵まれたというのに、壇上の君にかぶさる幽霊。嬉しくもない「見える」能力のせいで、図らずも建築士の事務所でバイトをすることに。またシリーズものに手を出してしまったわけですが、心理的瑕疵物件の話にもかかわらず、心理的負担はなく読めそうなのがありがたい。
読了日:03月19日 著者:皆藤 黒助
https://bookmeter.com/books/21660960
■四月になれば彼女は (文春文庫 か 75-3)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】予告編を観たときからキャストにものすごく違和感がありました。佐藤健35歳の元カノが大学時代の後輩で森七菜22歳って。佐藤健の今カノは長澤まさみ36歳。原作を読んだときには気にしないようにしていましたが、映画を観るとやっぱり無理。原作のタワマンもお洒落なつまみもなければ、お色気たっぷりの妹はパチンコ店勤め。竹野内豊が見られるのは嬉しいけれど、この役が必要だったかどうか。ラストシーンはちょっと素敵。個人的にはそことエンドロールの曲だけがよかったという結果になりました。
読了日:03月23日 著者:川村 元気
https://bookmeter.com/books/13885820
■俺と師匠とブルーボーイとストリッパー (角川文庫)
久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャバレーに勤める章介。わずかな喜怒哀楽を表す場面もなかったような日々が、ドサ回りの芸人3人とひと月共同生活を送るうちに変わります。楽しくて、切なくて、永遠に読み終わりたくない気持ちに。北の国のキャバレーの話も最高だ。人生って、悪くない。
読了日:03月25日 著者:桜木 紫乃
https://bookmeter.com/books/21662385
■藩邸差配役日日控
時代小説に対する苦手意識はなくなったとはいえ、まだまだ自分から積極的に手を伸ばすほどではありません。それを知っている人なのにわざわざ貸してくれるのは、相当良い本ゆえのことでしょう。江戸藩邸の差配役が主人公。「何でも屋」と陰口を叩く者がいるとしても、『勤め』はおしなべて誰かが喜ぶようにできているものだという言い草に思わずにっこりしてしまう。聡い若君とのやりとりも楽しい。明るい話ばかりではなく、物騒な事件もたまに起きたりして、硬軟のバランスがちょうどいい。四季を通して藩邸を見ていたような気持ちになりました。
読了日:03月26日 著者:砂原 浩太朗
https://bookmeter.com/books/20918244
■おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行
ヤバイヤバイ、今月も10冊読めるかどうかの瀬戸際よと思っていたら「これどう?」と職場の先輩が貸してくれる。おおっ、すぐ読めるとときめきつつ開くと、ことわざのアタマの言葉とカラフルなイラストから成る目次からして楽しすぎる。どの国にもほかにいくらでもことわざがありましょうが、ここで取り上げられていることわざはホンマかいなと言いたくなる楽しげなもの。トップバッターが「表面に振りかけたパクチー」ですからね。どういう意味を想像されますか。冊数を取り繕うにも最適な絵本(笑)だけど、覚えておきたい名句多数。とても素敵。
読了日:03月27日 著者:金井 真紀
https://bookmeter.com/books/20439667
■オーシティ 負け犬探偵 羽田誠の憂鬱 (幻冬舎文庫 き 21-22)
木下半太に品を求めるつもりはないけれど、いつもこんなに下品でしたっけ(笑)。のっけから万力でキ○タマ潰されて、潰される痛みは女の私にはわからず、でも潰されても生きていられるものなんだわと妙に感心。想像したくないシーンの連続なのに、大阪生まれは惹かれるロケーションと、映画ネタも多ければ桂米朝の落語を聴く盲目の少女の登場にずるずると引きずられて最後まで。お宝の耳が何たるかを知らずにはやめられない。インドの天才数学者と聞けば映画『奇蹟がくれた数式』を思い出し、それも絡ませたわけじゃないよね半太、と思うのでした。
読了日:03月30日 著者:木下 半太
https://bookmeter.com/books/20272904

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