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『ドーナツもり』

『ドーナツもり』
監督:定谷美海
出演:中澤梓佐,足立智充,高橋雄祐,仁科かりん,遊屋慎太郎,関口アナン,芹澤興人,安藤聖他
 
劇場鑑賞できない日が続いております。
でも去年も今年もまだ1日も休むことなくブログを更新しているのに、
ダンナが帰国中だからブログ更新無理ってなんだか悔しい(笑)。
毎日1本ずつは配信で映画を観るようにしていましたけれど、
普通に仕事に行って、買い物して帰ってきて、ごはんを用意して片付けて、洗濯して、
とかしていたら、2時間をつくれない日があるのですよね。
 
で、1時間を切るような映画を配信で観られないものかと探しました。
かと言って、短けりゃいいってもんでもありません。ちゃんと興味を惹かれるやつがほしい。
そうしたら、Amazonプライムビデオにありましたがな、44分の好きそうなやつが。
 
2022年の作品で、広告をメインに活動してきた定谷美海監督の初中編なのだそうです。
舞台は東京・神楽坂に実在する“ドーナツもり”
古民家を改装した大人気ドーナツ店らしい。でも実話ではないよ。
 
公子(中澤梓佐)はイラストレーターの仕事のかたわら、“ドーナツもり”で販売員を務める。
従業員はオーナーの森(足立智充)と公子のほか、ドーナツ作りを手伝う小石(高橋雄祐)。
公子の元カレのユータ(関口アナン)が能天気にしばしば顔を出すのが腹立たしい。
 
ドーナツもりを訪れる客はさまざま。
とっかえひっかえ男を替えて訪れるちひろ(仁科かりん)は必ずフランボワーズを選び、
男が何か別のドーナツを選ぶと「半分こしよっか」と言う。
毎回オールドファッションを1個買い、感じ悪いぐらい無愛想なルイ(安藤聖)。
初めて来店した男性(遊屋慎太郎)は恋人に渡すのか、オススメを聞いてきて……。
 
「半分こしよっか」のちひろは、男が半分こを否定すると速攻でサヨナラ。
その様子を見続けてきた公子は、ちひろが新しい男を連れてくるたびに、
どうか今度の人は「そうしよう」と言ってくれる人でありますようにと祈ります。
でもせっかくそう言ってくれる人(芹澤興人)を見つけたのに、ちひろは逃げ出す始末。
 
ちひろを含め、さまざまな客に語りかける公子の言葉は、ひとつ間違えば説教臭くなりそう。
だけどその一歩手前でとどまっているところに好感が持てます。
 
中澤梓佐はこれが映画初主演だそうですが、笑顔がとてもいい。
この人ぐらいの唇の厚さが私もほしかったなと思いました(笑)。
 
ドーナツの穴はなぜあるのか諸説あるそうで。
「それを埋めるためにドーナツ屋で働いているのかもしれませんね」。

—–

『ジガルタンダ・ダブルX』

『ジガルタンダ・ダブルX』(原題:Jigarthanda Double X)
監督:カールティク・スッバラージ 
出演:ラーガヴァー・ローレンス,S・J・スーリヤ,ニミーシャ・サジャヤン,イラヴァラス,ナビン・チャンドラ他
 
ダンナ一時帰国中ですが、この日は飲みに行くということだったので、私は映画に行く計画を立てる。
ところが、飲む約束をしていた相手の体調不良で、飲み会が流れてしまいました。
せっかく予約を取ったお店をキャンセルするのがもったいなくて、私が代打で行くことに。
しかし本作をいま見逃すと次のチャンスがいつ来るかわからないから、これだけは観に行かせてもらいます。
おでんを食べに行く前に、塚口サンサン劇場へ。
 
2023年のインド作品。
先週観たばかりの『ジガルタンダ』(2014)と同じカールティク・スッバラージ監督の作品で、
タイトルもこうだと10年越しの続編だと思ってしまいますが、そういうわけでもない。
映画が武器になるというテーマは同じですが、前作を未見でもまったく問題なし。
 
1970年代後半、冒頭の舞台はコンバイ地方、象のいる森
神聖なる生き物、象とその森に暮らす部族たちは共生してきたはずなのに、象牙を狙って密猟する者が現れる。
その残虐な行為に胸を痛める村人たちが新任の警視ラトナクマールに直訴すると、
なんということか、ラトナクマールは村人たちを助けるどころか、捕らえて拷問する。
そして悪魔のような密猟者シェッターニは野放し状態。
 
一方、マドゥライで警察官を目指していたキルバンは、ようやくその夢が叶うというとき、
学生たちの喧嘩に巻き込まれたうえに、凶器を手にして気絶していた現場を押さえられ、学生たちを殺害した罪で投獄される。
 
数年が経ち、ラトナクマールに呼び出されたキルバンは、
ジガルタンダ連合というギャングの親玉アリエス・シーザーを殺せば、警察官に復職できるようにしてやると言われる。
シーザーは自らの映画館を所有しており、自分の映画を作って上映したいと思っているらしい。
そこでキルバンは映画監督を装ってシーザーに近づき、撮影を開始するのだが……。
 
『ジガルタンダ』を観たときと同じく、序盤少しうつらうつらしてしまいました。
イケメンがまったく出ていないのもツライでしょ(笑)。
だけど、もうホッント、話が進むとどんどん面白くなって止まりません。
イケメンなしでここまで観ている者を惹きつけられるってすごくないですか。
 
ラトナクマールがとびっきり嫌な奴なのはもちろんのことなのですが、
一見善人風の女性州首相とか、あり得んぐらい悪い。こんなにも悪いんですか、インドの政治家って。
 
飲んだくれで暴力的で、信用ならない印象だったシーザーが最期はどれほどカッコイイことか。
キルバン監督、シーザー主演の作品に見入る観客たちの表情。
ちょっとは良い政治家もいることにはホッとしました。
 
クリント・イーストウッドに献辞ってなんだろうと最初に笑っていたら、
そりゃそうだ、これは彼あっての作品でしょう。
 
そしてあるのですね、続編が。10年も待たせないでよ。

—–

『ブラックベリー』

『ブラックベリー』(原題:BlackBerry)
監督:マット・ジョンソン
出演:ジェイ・バルシェル,グレン・ハワートン,マット・ジョンソン,リッチ・ソマー,マイケル・アイアンサイド,
   マーティン・ドノヴァン,ソンウォン・チョ,ソウル・ルビネック,ケイリー・エルウィズ他
 
2023年のカナダ作品。
NetflixでもAmazonプライムビデオでも視聴可能ですが、後者は有料。
帰国中のダンナが運転免許を更新するため門真まで行くと言うので送って行き、
駐車場で待っている間にスマホで鑑賞しました。
 
“BlackBerry”はカナダのブラックベリー社(旧リサーチ・イン・モーション社)が開発した元祖スマートフォン。
実話が基となってはいるものの、フィクションの部分もかなり入るモキュメンタリー
それにしてもよくもこんなに面白い作品に仕立て上げたものですねぇ。
監督は本作でダグ役を演じているマット・ジョンソン。この人が監督とは思いもよらず(笑)。
 
カナダ・オンタリオ州のウォータールー。
マイク・ラザリディスとダグ・フレギンは機械と映画に入れ込む立派なオタク
ふたりで立ち上げた会社リサーチ・イン・モーションの社員はほかもオタクばかり。
携帯電話にコンピュータを載せることを思いつき、
メールの送受信可能なキーボード付き携帯の案を大手企業に持ち込むが、良いようにあしらわれる。
やっと契約にこぎつけたはずの企業からはさっぱり金が振り込まれず。
 
このままではニッチもサッチもいかないとマイクが困っていたところ、
かつての売り込み先にいたジム・バルシリーが突然訪ねてくる。
 
ジムはマイクとダグの以前のプレゼンを徹底的にこき下ろすが、
ジム自身をリサーチ・イン・モーションのCEOに就任させればこの会社をなんとかしてやると言う。
あまりに尊大な態度にダグは抵抗。3人の共同CEOということでジムも手を打つ。
その後はジムの凄まじい営業力により、ブラックベリーと名付けられたそれは世界を席巻するのだが……。
 
カナダでは上回る者がいないとマイクが主張するほどの頭脳が揃うリサーチ・イン・モーション。
しかもみんなお気楽で、金が入ってこなくても実に楽しそう。
毎週“ムービーナイト”なんてイベントを設けて、社内で映画会を楽しんでいます。
マイクも最初はそれでよかったはずなのに、ジムの指示に従って動くうち、
ダグをはじめとする社員たちの能天気ぶりに苛立ち、目の色が変わって何かに取り憑かれたかのよう。
 
スマホがこんなふうに生まれたのだと思うと面白いし、
自分では何も開発せずとも大儲けしようとしている人はいっぱいいることに驚きます。
もちろん金を手にする人にはそれなりの労働と苦心が伴っているのでしょうけれど。
 
どこで手を引くべきか。後日談がまた滑稽で物悲しい。
キーボードを叩く音にこだわったマイク。その音も今は「ノイズ」とみなされる世の中です。

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『グレート・スクープ』

『グレート・スクープ』(原題:Scoop)
監督:フィリップ・マーティン
出演:ビリー・パイパー,ジリアン・アンダーソン,ルーファス・シーウェル,キーリー・ホーズ,ロモーラ・ガライ,
   リチャード・ゴールディング,アマンダ・レッドマン,コナー・スウィンデルズ,チャリティー・ウェイクフィールド他
 
2024年のイギリス作品。先々月よりNetflixにて独占配信中です。
 
「実話を基にした創作」と冒頭にロップが出ます。
そういえばこんな禍々しいニュースで世界中に激震が走ったのだったなぁと思い出す。
 
2000年代にアメリカ人実業家のジェフリー・エプスタインが児童買春の罪で逮捕されました。
謎の大富豪と言われていたエプスタインの交友関係は華やかで、
各国の首相やら王太子、そして英国王室のヨーク公アンドリュー王子も含まれていました。
 
性犯罪者のエプスタインが釈放された後もつきあい続けたアンドリュー王子について、
自身も未成年だった少女と性交渉を持ったのではないかという疑惑が取り沙汰され、
2019年にBBCが『ニュースナイト』という番組で独占インタビューをおこなうことに成功。
そこに至るまでの模様が描かれています。
 
原作は、インタビューの権利を勝ち取った編集者サム・マカリスターの“Scoop”。
本作ではビリー・パイパーが演じています。
サムは自分の使命は「インタビューに応じない人を引っ張り出すこと」だという信念を曲げません。
それができれば誰になんと言われようがかまわないという態度で、遅刻も日常茶飯事。
番組は視聴率さえ取れれば何でもいいというスタンスで、サムをよく思わない人と揉めます。
 
しかし、サムがアンドリュー王子の個人秘書アマンダとの接触に成功し、
アンドリュー王子へのインタビュー実現が見えてくると、皆が興奮。
世紀のスクープの現場に自分たちが居合わせることを想像するわけです。
 
アンドリュー王子がインタビューに応じるに当たり、
国民の疑念を払拭すべく答え方をレクチャーするアマンダやブレーンたち。
シナリオどおりに答えた王子を見て安堵するけれど、
こんな答えが誠意あるものに映っていると思うこと自体がおかしい。
このインタビューをきっかけに、公的地位をすべて失うこととなったアンドリュー王子。
 
ルーファス・シーウェルがあまりにもアンドリュー王子に似せられていてビックリ。
 
見応えがあります。

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『インフィニット・ストーム』

『インフィニット・ストーム』(原題:Infinete Storm)
監督:マウゴジャータ・シュモフスカ,ミハウ・エングレルト
出演:ナオミ・ワッツ,ビリー・ハウル,デニス・オヘア,パーカー・ソーヤーズ他
 
ダンナが1週間帰国中のため、私は好き勝手に出かけられずにいます(笑)。
劇場通いもできないから、家で映画を観る。
 
2022年のイギリス/ポーランド/オーストラリア作品。
ナオミ・ワッツ主演のうえに私の大好きな雪山ものなのに知らんがなと思ったら、劇場未公開の配信のみ。
Netflixで観ました。Amazonプライムビデオでも視聴可能ですが有料。
 
監督はおふたりともポーランド出身。
ミハウ・エングレルトはこれまで主に脚本や撮影を担当してきた人のよう。
私が観たことのある作品では『コングレス未来学会議』(2013)の撮影がこの人でした。
 
本作は実話に基づく
本人が執筆した体験談ではなく、タイ・ガニエという人が書いた記事、
The Last Traverse: Tragedy and Resilience in the Winter Whites”の映画化とのこと。
作家かジャーナリストなのかなと思いましたが、ネットで調べて直訳したところ、
ニューハンプシャー州の地方自治体にサービスを提供する、
公的機関のリスクプールであるニューハンプシャー州公共リスク管理取引所の最高経営責任者」ですと。
余計意味わからん。(^^;
とにかく大自然に関わって危険を説いている人、という認識で良いですか。
 
アメリカ・ニューハンプシャー州、ワシントン山の麓。
ひとり暮らしのパム・ベールズは捜索救助隊に属する中年女性で、
ワシントン山に登っては幼くして亡くなった娘2人のことを想いつづけている。
 
ある日の天気予報は大荒れ。
パムの旧友であり同僚でもあり、今は登山客向けのダイナーを経営するデイヴは、
今日は山に登るのをやめておくべきだと諭すが、パムが聞かないのも知っている。
デイヴに見送られていつものとおりワシントン山頂を目指すパム。
 
駐車場には車が2台。1台は昨日までキャンピングしていたカップルで、帰るところ。
もう1台は空っぽで、誰も見かけていないとそのカップルも言う。
いざ山に登りはじめると、スニーカーらしき足跡が残っていてパムはビックリ。
冬の山にスニーカーで登ろうとするって、どんな奴なんだ。
 
途中、予期せぬ危険に見舞われながらもなんとか山頂にたどり着いたパムは、
そこでまるでビーチに行くかのごとく軽装備で意識朦朧としている男を発見。
まだ息はしていることがわかり、パムは彼を救出すると決める。
自分の名前も言おうとしない彼に、パムは「ジョン」と名付けて下山を開始するのだが……。
 
スニーカーで来ている奴なんて正気なわけがないし、
自分よりガタイのいい男をパムが連れて帰れるのかどうか。
フィクションなら、このジョンが急変して襲いかかってくるのではなんて思うところです。
でもそうはならない。そうはならないから、地味といえば地味(笑)。
 
取り立てて大変なことが起こることもなく、ただひたすら麓を目指します。
あ、道中、ジョンが川に落っこちたりするのは大変か。
 
ジョンは生きる意欲を失っている様子で、投げやりなところを見せるわりには、
思い出したように家に帰りたいと泣きわめくし、困ったもんです。
 
パムの愛娘たちがどうして亡くなったのかは想像がつきますが、
すべて明かされるのは最後の最後。
途中のパムと娘たちが幸せそうに暮らすシーンは切ないものがあります。
 
山もののダイナミックさには欠けますが、私はやっぱり山もの大好き。
同様の人には鑑賞をお勧めします。

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