『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(英題:Love in the Big City)
監督:イ・オニ
出演:キム・ゴウン,ノ・サンヒョン,チョン・フィ,オ・ドンミン,クァク・ドンヨン,イ・ユジン,チュ・ジョンヒョク,イ・サンイ他
109シネマズ大阪エキスポシティにて、『フロントライン』→『神椿市建設中。魔女の娘 Wichiling』→これ。
終業後の3本目で、上映開始時刻は21:20、終了時刻は23:30。
寝てしまうのではないかと思っていましたが、これはよかった。お気に入りの1本となりました。
原作はパク・サンヨンのベストセラー連作小説『大都会の愛し方』に収載されている『ジェヒ』。
監督は『探偵なふたり:リターンズ』(2018)のイ・オニ。
見るからに自由奔放で外国人教師とも流暢に喋る彼女を周囲は憧れたり妬んだり。
一方、同じ専攻のチャン・フンス(ノ・サンヒョン)はゲイであることを隠して生きている。
ある日、SNSに胸を出した女性の画像が出回り、顔は見えないがジェヒに違いないという噂が走る。
すると、ジェヒは教室の最前列で皆に向かって胸を見せ、自分ではないことを証明する。
しかしそのせいでジェヒは「イカれ女」と呼ばれるはめに。
フンスはフンスで、男とふたりでホテルに入るところを見たと噂され、困っていたところ、
突然ジェヒに話しかけられ、まるでつきあっているかのように振る舞われて命拾い。
以来、ジェヒとフンスは性別を超えた友人同士となり、一緒に暮らはじめるのだが……。
韓国はゲイにとっては厳しい国だというフンスの発言があります。
フランスに行けばマシなのかと聞かれたジェヒは、韓国よりはずいぶんマシだけど、
どこへ行こうがつらく当たる人はいるもんだと答えます。
フンスはゲイであることを母親にも言えずにいるけれど、母親はフンスが男とキスしているのを見たことがある。
同性愛は病気だと決めつけている母親は、毎晩のようにフンスのもとへ来ては病気が治るようにと祈るのです。
これはきつい。
イカれ女とゲイ。誰も理解してくれないふたりは、お互いの「自分らしさ」を尊重します。
深刻なテーマだけど、韓国映画らしい軽快さと面白みがあり、笑ったシーンいっぱい。
また、音楽がとてもオシャレで、いろいろ考えさせられつつも楽しく観ることができました。
『ブエノスアイレス』(1997)の話が出てきて嬉しくなったり、
『君の名前で僕を呼んで』(2017)を母親が観に行っていたことがわかるシーンでは切なくなったり。
ヒロインのパク・シネの母親を演じているのが本作でフンスの母親役のチャン・ヘジン。
また、ジェヒに執着する恋人ジソクを演じるのが『ドクタースランプ』のギョンミン先輩役、オ・ドンミンでした。
ジェヒとフンスをいつまでも観ていたくなる作品。かなり好き。
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