『沈黙、愛』(英題:Heart Blackened)
監督:チョン・ジウ
出演:チェ・ミンシク,パク・シネ,リュ・ジュンヨル,イ・ハニ,
パク・ヘジュン,イ・スギョン,チョ・ハンチョル他
ダンナはお盆で9連休。
私はお盆休みは特になし、でも全館節電のために休みだった先週の水曜日。
素敵なご招待を受けて心斎橋で晩ごはんをご一緒させていただくことになったので、
朝から映画3本は観られるだろうと思っていました。
ところが前日の火曜日、ダンナが飲み会で最終近くの電車で帰宅。
駅まで迎えに行ったために寝るのが遅くなり、
しかも当日、予想外にダンナが早く起きてきたので、私の調子が狂う(笑)。
結局出遅れて時間がなくなり、シネマート心斎橋で1本だけ鑑賞。
でも、これは大満足の1本でした。
2013年の中国作品を韓国でリメイク。
2006年のミス・コリア優勝者で、今年2月の平昌冬季五輪閉会式では
“春鶯舞(チュネンム)”という伝統舞踊を披露したイ・ハニが
殺される歌手役で出演しています。この人、パンソリも特技だそうで、へ~っ。
各方面に強い発言力を持つ大物経済人のイム・テサンは、
有名な美人人気歌手パク・ユナとまもなく再婚予定。
しかし、イムの娘ミラはユナを嫌い、イムのことも色ぼけじじい扱い。
反抗して父親から金を巻き上げることしか考えていない様子。
ある日、クラブでのパーティーに出席していたミラは、
同席者からユナのエロ動画を見せられる。
ユナとかつての恋人との動画が流出してしまったようだが、
こんなあばずれに父親は入れ込んでいるというのか。
憤るミラは、ユナをクラブへと呼び出す。
その日、無残に轢かれたユナの遺体が見つかり、ミラが殺人容疑で逮捕される。
ミラは泥酔して何も覚えていないと話すが、ミラの乗る車に轢かれたことはあきらか。
娘の容疑を晴らそうと、イムはミラの信頼する女性弁護士チェ・ヘジュンに依頼。
対する検事はチェの先輩で元彼でもあるトン・ソンシク。
チェとトン、それぞれが調査を進めるうち、
ユナのファンクラブ会員キム・ドンミョンが浮かび上がる。
ストーカーまがいのことを続けてきたキムに話を聞こうとするが、
イムの側近チョン・スンギルもなぜかキムに接触を図っていて……。
以降、ネタバレです。
ネットで評判がよかったので、かなり期待して観に行きました。
でも、最後の最後まではわりと普通。
父親が真犯人で娘に罪を着せていた、と思ったら娘こそ犯人で、
実は娘をかばっていたのでした、という、ありありな展開。
ありありな展開だったのですけれど、
娘をかばうために父親が何をしたのかがわかる最後の最後は予想できず、涙。
なんというのか、シリアスな『カメラを止めるな!』を観たみたいな(笑)。
これまでカネに物をいわせて世の中を思うままにしてきたイム。
カネがあるからこその彼の行動に度肝を抜かれ、
娘のためにここまでやるか、やれるのかと胸を打たれました。
イム役のチェ・ミンシク、ミラ役のイ・スギョン、チョン役のチョ・ハンチョル。
それぞれの泣き方が心に突き刺さり、こちらも涙ほろり。
イムとチョンがタイの屋台で向かい合うラストシーン、めちゃくちゃよかった。
こういう作品を上映してくれるシネマート心斎橋、
ちょっとご無沙汰していましたが、また行かねばなるまい。
—–