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『タイヨウのウタ』

『タイヨウのウタ』(英題:Midnight Sun)
監督:チョ・ヨンジュン
出演:チョン・ジソ,チャ・ハギョン,チン・ギョン,チョン・ウンイン,クォン・ハンソル他
 
ジャズライブと懐石の会に行く前にキノシネマ神戸国際にて2本ハシゴの1本目。
 
『タイヨウのうた』(2006)はアニタ・ユン主演の香港作品『つきせぬ想い』(1993)が原案。
沢尻エリカ山田孝之の主演でまずはTVドラマ化したものを、小泉徳宏監督がYUIと塚本高史を起用して映画化した作品でした。
のちにベトナムでリメイクされ、『ミッドナイト・サン タイヨウのうた』 (2017)としてハリウッドリメイク。
この手の話は世界各国どこでも好まれるのか、このたびは韓国でリメイク。日本公開が世界最速なのだそうです。
 
主演は『パラサイト 半地下の家族』(2019)でパク家(金持ち側)の長女を演じてブレイクしたチョン・ジソと、
K-POP男性アイドルグループ“VIXX”でリーダーを務めるチャ・ハギョン。ちょっとだけヒョンビン似。
 
17歳の少女ミソル(チョン・ジソ)は、太陽の光を浴びると命に危険が及ぶ難病XP(Xeroderma Pigmentosum=色素性乾皮症)患者。
そのため、日中に外出することは許されず、遮光カーテンを下ろした部屋の中で暮らしているが、
父親(チョン・ウンイン)と母親(チン・ギョン)から惜しみない愛情を注がれ、親友のウンエ(クォン・ハンソル)は毎日のように遊びに来る。
そんなミソルが好きなのは歌うこと。誰に聴かせるあてもない自作の曲を毎日ギターで弾き語り。
 
そして、ミソルのひそかな楽しみは、フルーツ売りの青年ミンジュン(チャ・ハギョン)を窓から眺めること。
ミンジュンがやってくるのは昼間だから、フルーツを買いに行くこともできなければ話しかけることもできない。
しかしある日、日が暮れてからやってきたのを見つけ、靴も履かずに慌てて家から飛び出して追いかける。
 
昼間は勤めに出ているのでフルーツを買えないと嘘をついてこぼすミソルに、連絡をもらえれば夜に配達に来ると答えるミンジュン。
ウンエのアドバイスにより、配達に来てくれたミンジュンが歌を聴かざるをえない状況を作ると、
なんとミンジュンはミソルの歌を絶賛、SNSで配信すべきだと言う。
 
かつて自作の曲を配信した経験があるが、XPであることを明かすや否や、悲劇のヒロイン気取りだと叩かれた。
自身のプロフィールや病気については隠したままにしたいと思うミソル。
顔出しはせずに配信することにして、ミンジュンやウンエ、両親協力のもと動画を公開すると……。
 
典型的なお涙頂戴ものではあるのですが、泣きますよねぇ、やっぱり。
何よりも曲がいいんです。聴き入っていると泣きそうな歌詞だし、歌声がとても切なくて美しい。
 
ここ数年、主人公その他の母親役でよく見かけるチン・ギョンが気になります。
誰かに似ているとずっと思っていましたが、ようやくわかりました。高島礼子だ。
 
難病の子どもを抱えたら、経済的なことを含めて何かと大変だろうと思うのです。
オリジナルもリメイクも、裕福な家庭に生まれたというのは変わらぬ設定で、家そのものが美しい。
特にこの韓国リメイク版は、広々とした部屋を囲む窓から日が差す様子が美しくて、
太陽に当たると危険と言っても真っ暗闇での生活を強いられそうな昔の作品とは違い、
こんな部屋で暮らせるならいいよなぁと思ってしまいそうなほど。
実際にこの病の患者はどんなふうに暮らしているのでしょうか。
 
お涙頂戴だなんて書きましたが、映画が難病を知るきっかけになるのは良いこと。
だからこうして国を問わずリメイクされるのかもしれません。

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