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『花まんま』

『花まんま』
監督:前田哲
出演:鈴木亮平,有村架純,鈴鹿央士,ファーストサマーウイカ,安藤玉恵,オール阪神,オール巨人,
   板橋駿谷,田村塁希,小野美音,南琴奈,馬場園梓,六角精児,キムラ緑子,酒向芳他
 
よしもと道頓堀シアターに行った帰り、109シネマズ箕面にて。
平日の晩は『ゴーストキラー』『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』と2本続けて客は私ひとりの日もあったけど、
 
一時期、朱川湊人にハマっていました。2005年の直木賞受賞作が本作。
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もともとは短編で、独立した6編で構成されています。そのうち表題作が前田哲監督によって映画化されたというわけ。
 
ふたり兄妹の加藤俊樹(鈴木亮平)とフミ子(有村架純)。
父親の恭平(板橋駿谷)はふたりがまだ幼い頃に死亡。
シングルマザーとなった母親のゆうこ(安藤玉恵)は仕事をいくつも掛け持ちしたせいか、何年か後に亡くなってしまう。
フミ子を育て守るべく、俊樹は進学せずに必死で働いてきた。
その甲斐あって、フミ子は勤務先の大学で准教授の中沢太郎(鈴鹿央士)と出会い、まもなく結婚する。
 
寂しい気持ちはあるものの、ようやく肩の荷が下りるとホッとしていた俊樹だが、
あるとき、フミ子が長年ひた隠しにしてきた秘密に気づく。
 
フミ子は幼少時におかしなことを言い出したことがあった。
自分は加藤フミ子ではあるが、繁田喜代美(南琴奈)という女性の記憶が宿っているのだと。
 
バスガイドだった喜代美は事件に巻き込まれて死亡したが、
彼女がこの世に生を受けてから亡くなるまでの記憶がフミ子にはある。
喜代美が暮らしていたはずの彦根に行ってみたいと言ってフミ子は聞かず、
当時、ゆうこには内緒で俊樹がフミ子を彦根まで連れて行ったことがあるのだ。
 
そのとき、喜代美の父親の仁(酒向芳)、姉の房枝(キムラ緑子)、兄の宏一(六角精児)と会ったふたり。

仁は幼いフミ子を見て、一目で彼女がフミ子であり喜代美でもあることを見抜くが、
フミ子を他人に渡してなるものかと、俊樹は金輪際両者が会わないことを誓わせた。
 
しかし、俊樹に気づかれないようにフミ子と仁はずっと手紙のやりとりをしていたらしい。
しかも、自身の結婚が迫った今、繁田家にフミ子が報告に行ったようで……。
 
原作を読んだとき、表題作よりもほかの短編のほうが好きだった私は、本作の内容をほぼ忘れていました。
印象が薄かった本作をこんなふうに万人受けする感動作にした前田監督はエラい。
ボロ泣きするひと続出まちがいなしでしょう。かく言う私も泣きましたし(笑)。
 
誰かが死んだ瞬間にこの世に生を受けた誰かの記憶がリンクする。
そんなことが現実にあるかどうかはわからないけれど、生まれ変わりって本当にあるかもしれません。
 
とはいうものの、私がいちばん驚いたのは、東京外大出身でマルチリンガルの鈴木亮平の関西弁が完璧だったこと。
違和感ゼロやん、すげぇな、語学のできる人はやっぱり違う、なんて思っていたのですけれども。
鑑賞後に彼は西宮出身であることを思い出す。なんや、めっちゃ感心したのに、バリバリのネイティブやんか(笑)。
 
素直な人には特にお薦めしたい作品です。

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