『きみと、波にのれたら』
監督:湯浅政明
声の出演:片寄涼太,川栄李奈,松本穂香,伊藤健太郎他
ダンナがいてもいなくても酔っぱらう土曜日(笑)。
翌朝、蒸し暑さも手伝っていつもよりへろへろだけど、フリーパスがありますからね。
せめて2本は観なきゃもったいないとTOHOシネマズ伊丹へ。
湯浅政明監督、基本的に私は好きなようです。
勢い込んで観に行ったわりには睡魔に襲われた『夜は短し歩けよ乙女』(2017)は置いておくとして、
『夜明け告げるルーのうた』(2017)は大好きでした。
今回は、私は良い印象のない片寄涼太が声の出演と知って微妙な気持ちになりましたが、
顔はタイプじゃなくても声だけならばまぁええかと。
幼い頃から波乗りが得意、サーフィンが大好きな女子ひな子。
実家を出て、目の前に海が広がるマンションで一人暮らしを始めるが、
隣の建設中のビルに潜り込んだ不良どものせいで火事に遭う。
ボードを小脇に抱えて逃げるひな子を救ったのが消防士の港。
永遠の愛を誓うひな子と港だったが、ある日、港が海で急死。
絶望の淵から立ち上がれないひな子は海を見るのも辛くて引っ越す。
ようやく友人たちには顔を見せるようになったひな子は、
コップであれ池であれ風呂場であれ、
とにかく目の前に水のある場所で想い出の歌を口ずさむと
その水の中に港が現れることに気づく。
しかし港の姿が見えているのはひな子だけで……。
これを観た前日、28歳の息子さんを亡くしたばかりの姉御と会ったところでした。
成仏してほしくないというのは生きている者の思いではないかなんて話や、
スマホのパスワードをいろいろ試してみるけれどわからないなんて話をしたから、
本作がかぶりすぎてつらいのなんのって。
恋人と息子、亡くした人はちがっても、大切な人だという点では同じ。
自分がこう言ったから、ああしたから、死んでしまったのではないかと責める。
気持ちの整理をつけるって大変なことなんだなぁ。
いつまでも悔やんでいることを亡くなった人だって望まないはず。
そう思いたいけれど、結局それも生きている者の考え。
いったいどう思っているのかもう一度出てきて聞かせてよ、そう言いたい。
片寄くん、やっぱり声だけのほうがええな。
相対的には万人受けする良いアニメなのではと思います。
港の苗字「雛罌粟」、読めます?書けます?
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