MENU

『記憶探偵と鍵のかかった少女』

『記憶探偵と鍵のかかった少女』(原題:Mindscape)
監督:ホルヘ・ドラド
出演:マーク・ストロング,タイッサ・ファーミガ,サスキア・リーヴス,リチャード・ディレイン,
   インディラ・ヴァルマ,ノア・テイラー,アルベルト・アンマン,ブライアン・コックス他

なんばの端っこ、ちょっと遠くて敬遠してしまうなんばパークスシネマ。
いつ以来かなと思ったら、なんと2年以上ごぶさたしていました。

朝5時過ぎに起きて朝ごはんを食べたら、本作開映のころにはおなかがすいて。
まだ9時だけど、ポテトフライが無性に食べたくなり、セットを頼むことに。
「ポテトフライのセットをください」と言ったら、
「ドリンクは何になさいますか」とお姉さん。
「えっと……」と言ったら、即座に「オレンジジュースでございますね」と言われました。
え~、オレンジジュースが飲みたいとはこれっぽっちも思ってなかったけど、
ちがうものにしてほしいとも言えず、しょんぼり、いえ、ワラけました。
ええい、オレンジジュースを飲んでやる~。

『フライト・ゲーム』のジャウマ・コレット=セラ監督のプロデュース。
『エスター』(2009)のようなホラーではなさそうだし、
セクシーハゲのマーク・ストロングが気になるし、これは観なくては。
その『エスター』で主演したヴェラ・ファーミガの娘が出演しているのかと思ったら、
少女役のタイッサ・ファーミガって、ヴェラの21歳下の妹なんですと。ビックリ~。

原題の“Mindscape”は辞書に載っていないのですが、「心象風景」の意味らしい。
また、主人公が勤める会社の名前も「マインドスケープ社」でした。

他人の記憶に潜入することができる“記憶探偵”。
それによって引き出された事件の被害者や加害者など当事者の記憶は、
DNA鑑定結果ほどの証拠にはならないが、十分に考慮の対象となる。

マインドスケープ社はそんな記憶探偵を雇用して、難事件の解決に当たっている。
ジョンも記憶探偵のひとりで、優秀な人材だったが、
妻を失ったショックでしばらく仕事を休んでいた。
何もせずに食べていけるほどの貯蓄はなく、このたび復帰することに。

雇い主のセバスチャンは、そんなジョンにうってつけの仕事として、
いっさいの食事を拒む16歳の少女アナを担当するように指示する。
富裕な母親とその再婚相手である継父は、豪邸の一室にアナを閉じ込め、
看護師に食事を運ばせているが、アナはまったく食べようとしない。
アナの記憶に潜入してなんとか食事を摂らせてほしいとの依頼だ。

金持ちの子ども相手の楽勝な仕事のはずだった。
ところが、アナの記憶に潜入したところ、ジョンが見たのは血と暴力に満ちた世界。
性的虐待、殺人未遂と、数々の信じがたい出来事を見せられて、
ジョンは真偽を確かめるべく、関係者への聞き取りを開始するのだが……。

嫌いではありません。最後まで面白く観ることができました。
しかし、後から考えてみれば、回収されていない伏線が多すぎます。
で、真偽のほどはどうだったの?という疑問だらけで、
考えれば考えるほど不満が湧いてくるのでした。

ジャウマ・コレット=セラ監督が関わっているだけあって、
私の大好きなスペイン語圏の作品の雰囲気がちょっと漂っているのです。
不満が湧いてくるといいながらも、好きだなぁ、この感じ。

詰まるところ、美少女に翻弄されて奈落の底に突き落とされるオッサンの話。
『鑑定士と顔のない依頼人』といい、本作といい、お気の毒。
アナタだけが頼りなのなんて言われて、鼻の下を伸ばしていてはいけないのでした。
—–

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次