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『バンブルビー』

『バンブルビー』(原題:Bumblebee)
監督:トラヴィス・ナイト
出演:ヘイリー・スタインフェルド,ジョン・シナ,ホルヘ・レンデボルグ・Jr.,
   ジョン・オーティス,ジェイソン・ドラッカー,パメラ・アドロン他
声の出演:ディラン・オブライエン,ピーター・カレン,アンジェラ・バセット他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
封切り後すぐに観たかった作品ですが、ダンナ出張中は仕事帰りに鑑賞可能。
安い日に観られるように、レディースデーが来るまで待っていました。
 
スピンオフだったり前日譚だったりがハヤリですね。
“アベンジャーズ”シリーズの前日譚『キャプテン・マーベル』が公開されたと思ったら、
今度は“トランスフォーマー”の前日譚。
 
監督は『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(2016)のトラヴィス・ナイト。
これが実写映画デビューとなるそうです。
主演のヘイリー・スタインフェルド、ここ数年の私のお気に入り。
特に『スウィート17モンスター』(2016)、だぁい好き。
 
舞台は『トランスフォーマー』(2007)の20年前、1987年。
 
サンフランシスコ郊外の海沿いの町に住む少女チャーリー。
父親を亡くして悲しみに暮れたままだというのに、
母親はとっとと新しい恋人ロンを家に引き入れ、
弟オーティスもロンになついている。チャーリーだけが蚊帳の外。
 
18歳の誕生日、チャーリーは自動車の中古パーツを求めてボート修理工場へ。
廃品置き場で黄色のフォルクスワーゲンビートルを見つけたチャーリーは、
店主ハンクから誕生日プレゼントとしてそれを贈られる。
 
自宅のガレージでビートルの修理を始めたチャーリーは、
いきなりロボットに変身したビートルにびっくり。
しかもそのロボットは人間の言葉を理解しているらしく、
チャーリーは“バンブルビー”と名づけて行動を共にするように。
 
チャーリーに気のある隣家の青年メモが、
彼女を誘おうと決死の覚悟でチャーリーのガレージの扉を開けたところ、
バンブルビーと出くわしてしまって唖然。
やむをえず、チャーリーはメモを引き込み、秘密を話す。
 
バンブルビーの正体は、惑星サイバトロンのオートボットで、
ディセプティコンとの戦争の途中に劣勢を立て直すために地球にやってきた。
ディセプティコンはさっそくバンブルビーの後を追い、
遭遇した軍人に取り入って、バンブルビーの居場所を見つけようとしている。
ロボットの善者と悪者の見分けなどつかない人間は、
ディセプティコンの言い分を信じて衛星にアクセスすることを許可するのだが……。
 
もともとはほかのオートボットやディセプティコン同様に話すことができたバンブルビー。
喉を潰されて話せなくなったから、チャーリーと会話できない。
そんなバンブルビーが編み出すラジオから流れる歌を用いた会話の方法。
80年代のヒット曲ズラリ。これだけでもウキウキします。
チャーリーの着ているTシャツもモーターヘッドとかザ・スミスとか。
 
家族の中に居場所がないと思っていたチャーリーが、
バンブルビーを守ろうと飛び出したのち、
母親の恋人と弟がチャーリーを助けようと無茶をするところもイイ。
 
本編より良かったりするかもです。
トランスフォーマーを全然知らなくてもそこそこ以上に楽しめるのでは。

—–

『たちあがる女』

『たちあがる女』(原題:Woman at War)
監督:ベネディクト・エルリングソン
出演:ハルドラ・ゲイルハルズドッティル,ヨハン・シグルザルソン,ヨルンドゥル・ラグナルソン他
 
シネ・リーブル梅田で4本ハシゴの4本目。
 
こうしてレビューを書くと、スタッフやキャストの名前に笑ってしまう。
絶対に覚えられそうにない名前ばかり。
アイスランド/フランス/ウクライナ作品です。
 
アイスランド作品って面白い。
ぶっ飛びのワラけるホラー作品がありました。
すっかりハリウッドの人になったバルタザール・コルマウクル監督もいる。
個人的には『ハートストーン』(2016)のような雰囲気が好き。
いかにもアイスランドっぽいと私が勝手に思っているのは
『馬々と人間たち』(2013)と『ひつじ村の兄弟』(2015)で、前者が本作と同監督。
奇天烈だけど忘れられない面白さのある作品で、それは本作も同じこと。
 
アイスランドの田舎町に暮らす中年女性ハットラ。
音楽と自然をこよなく愛し、町の合唱団の講師を務めている。
 
実はハットラには環境活動家という裏の顔がある。
自然が破壊されてゆくことが耐えがたく、弓矢等の武器を使って送電線をショートさせ、
アルミニウム工場を停止に追い込もうと人知れずして戦っているのだ。
それを知っているのは合唱団員のうちの公務員男性たったひとり。
ハットラの思いは理解できるものの、彼女のやり方が大胆すぎていつもハラハラ。
送電線がショートさせられるたび、地元警察は犯人探しに躍起に。
 
ある日、かねてから養子を受け入れたいと願っていたハットラのもとへ、
ウクライナの4歳の少女ニーカの親にという話が届けられる。
嬉しくてたまらないハットラは、アルミニウム工場との戦いに決着をつけることに。
後悔のない状態でニーカとの暮らしを始めるためだ。
町に監視カメラが設置されるなど取り締まりが厳重になるなか、
ハットラは最終決戦に向けた準備に取りかかるのだが……。
 
中国資本の工場の環境対策は推して知るべし。
彼女はひとりでなんとか抵抗を試みているわけですが、テロだと報道された挙げ句、
町の人々も犯人にエールを送るなんてことはなく、犯人を罵る。
環境のことを誰も考えていないし、日々の暮らしのほうが大事なのですよね。
彼女の独りよがりに思えなくもないけれど、彼女は誰も傷つけていない。
ずたぼろになっても自然を守ろうとする姿には心が動かされます。
 
終盤、ウクライナへ向かう寸前に逮捕されてしまったハットラがどうなるか。
雨水でとんでもないことになっている映像も私たちへの問題提起。

—–

『美人が婚活してみたら』

『美人が婚活してみたら』
監督:大九明子
出演:黒川芽以,臼田あさ美,中村倫也,田中圭,村杉蝉之介,レイザーラモンRG,
   市川しんぺー,萩原利久,矢部太郎,平田敦子,成河他
 
シネ・リーブル梅田で4本ハシゴの3本目。
 
平日の昼間だったのですが、若い女性で意外に混んでいます。
誰狙いなのか不思議。お目当ては田中圭でしょうか。
 
アラサーのタカコ(黒川芽以)は、自他共に認める美人。
Webデザイナーの仕事にも恵まれ、日々の暮らしに何の不満もないはず。
しかし公園で鳩とたわむれていたある日、「死にたい」と思う。
 
親友のケイコ(臼田あさ美)を呼び出して飲みに行き、愚痴る。
自分に欠けているものは結婚。なのにタカコに声をかけてくるのは既婚男性ばかり。
ケイコが言うには、独身男性にとってはタカコは高嶺の花。
妻子持ちの男性は、ちょっとした火遊びの相手に声をかけてみたくなるのではと。
 
数年前に結婚しているケイコから婚活サイトへの登録を勧められて早速。
すると短時間の間に驚くほどの数のアプローチを受ける。
とりあえず会ってみるべしと数人と約束するが、なんだか変な人が多い。
 
この人ならばわりとマシかと思えたのは、商社マンの園木(中村倫也)。
毎回シャツの裾がでろんと出ているところが気になるが、
優しくて気遣いもあり、タカコのことを本当に好きらしい。
 
しかしひとりに決めてしまうのはまだ嫌だ。
ケイコが教えてくれたシングルスバーに行ってみると、
歯科医のイケメン矢田部(田中圭)から声をかけられる。
いかにも女慣れしている矢田部は、タカコがラインしても既読にすらならない。
仕方なく園木に連絡を取ってみてもタカコのイライラは増すばかり。
 
いつもと同様、タカコはケイコを呼び出すが、
結婚を甘く見すぎているタカコにケイコは憤り、「タカコに絶対結婚はできない」。
それに怒ったタカコが「ケイコにできて私にできないわけがない。絶対結婚する」。
ふたりは罵り合い、大げんかに発展してしまい……。
 
大九明子監督、私は結構好きかもしれません。
 
軽い仕上がりのようでいて、結構重い。
勤め人と主婦とどっちが楽かしんどいか、決めつければ女性陣から非難されそうなところ、
上手いところに着地しています。
 
黒川芽以はもちろん美人だけれど、臼田あさ美だって負けず劣らずカワイイ。
臼田あさ美の顔のほうが好きだって人も多いんじゃないですかね。
そこのところが、タカコをひがんでいるみたいに言われても説得力なし。
 
田中圭演じる矢田部、とっても悪いです(笑)。
でもねぇ、中村倫也演じる園木と2人、目の前に現れたら、
私もやっぱり田中圭のほうががええなぁ。

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『おっさんのケーフェイ』

『おっさんのケーフェイ』
監督:谷口恒平
出演:川瀬陽太,松田優佑,赤城,小林陽翔,埜田進,神保舜莉紋,
   松浦祐也,山下りな,冨宅飛駈,空牙,スペル・デルフィン他
 
シネ・リーブル梅田にて4本ハシゴの2本目。
 
2005年に立ち上げられたCO2(シネアスト・オーガニゼーション大阪)。
プロアマ問わず若手映画監督から作品を募り、選考された監督作品を助成。
オリジナル映画が完成したあかつきには上映会も開催されます。
本作はCO2第13回の助成作品で、谷口恒平監督の長編デビュー作。
 
ところで、「ケーフェイ」って何のことだかご存じでしたか。
プロレスファンなら誰でもご存じの言葉らしいのですが、
私はこれがプロレスの映画であることすらあらすじを読むまで知らず。
道頓堀プロレス全面協力だそうで。
 
大阪に暮らす11歳のヒロト。
担任教師がそれぞれ特技を挙げて皆の前で披露するようにとの課題を出す。
今したいことも夢中になれるものもないヒロトは、どうすればいいのかわからない。
ダンスの上手い同級生の輝男がテレビで取材を受けているのを見て、
ならば自分もやってみようかとダンス教室に入るが、リズム感まるでなし。
輝男とその取り巻きからからかわれ、気持ちが沈むヒロト。
 
ぼんやりと歩いていたとき、プロレスラーが目の前に飛び出してきてギョッ。
驚かせてしまったお詫びにと、プロレスを見せてもらったヒロトは興奮。
さっそく書店で購入したプロレス雑誌を立ち止まって読んでいると、
通りかかった中学生にからまれて、お金まで取られそうになる。
 
助けてくれた冴えないオッサンが落としたコンビニ袋の中を見ると、
そこには人気レスラー、ダイナマイトウルフのマスクが入っているではないか。
あれはいつも河原でプロレスの練習をしているオッサン、坂田。
オッサンが実はダイナマイトウルフだと思い込んだヒロトは、
坂田のもとを訪れ、プロレスを教えてほしいと頼み込む。
 
そんな折り、ダイナマイトウルフがプロレスを引退して
市会議員に立候補するというニュースが流れるのだが……。
 
川瀬陽太演じる坂田が駄目駄目すぎて(笑)、最初はどうなんだと思いました。
もうとっくにプロレスラーではないのにプロレスラーのふりをして出かけ、
坂田の母親もそのことを知っているくせに「今から試合か」と尋ね、坂田に金をもたせる。
その金で風俗に行くんですよ、プロレスの技をかけてくれる店に。
行き帰りはいつも紙パックの日本酒をちびちびと飲んでいて。
そのヨレヨレぶりは、とてもプロレスラーとは思えません。
 
加えてあかんのが、大人たちの大阪弁
川瀬陽太のなんちゃって大阪弁にどこの人かいなと調べたら、神奈川県出身。
プロレス技が得意な風俗のお姉ちゃんの大阪弁は聴くに堪えません。
この人は絶対関西人やと思える役者はひとりもいないという有り様。
子どもたちのほうは完璧と言わずともそれなりな感じです。
 
大阪弁がこれだと、観るほうのテンションが下がってしまうのですけれど、
それでも終盤の坂田の行動はよかった。
勝つだけがすべてじゃない。こんな勝負もありなんだなと思いました。
 
ダッチワイフにマスクとトランクスを穿かせて技をかける。
そりゃ小学生が学校でそれをやったら、先生まっ青やな(笑)。

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『サッドヒルを掘り返せ』

『サッドヒルを掘り返せ』(原題:Sad Hill Unearthed)
監督:ギレルモ・デ・オリベイラ
 
先週、次年度に繰り越せない有休があと1日残っていたため、
晩の飲み会に合わせて火曜日に休みを取りました。
火曜日はテアトルグループの劇場の鑑賞料金が1,000円。
2月で有効期限の切れたメンバーズカードを新たに申し込み、
入会金1,000円を払って4本観ても5,000円というのは嬉しい。
シネ・リーブル梅田にて。
 
同劇場で上映中の『ウトヤ島、7月22日』と本作のどちらを観るか迷って、
明るい気分になれそうなこちらを選択。
レビューサイトでの評判はイマイチでしたが、私はすごく楽しかった。
 
ローマ出身のセルジオ・レオーネ監督。
1960年代にイタリア製の西部劇をヒットさせたことで有名です。
マカロニウェスタンブームの火付け役となった『荒野の用心棒』(1964)に始まり、
『夕陽のガンマン』(1965)、『続・夕陽のガンマン』(1966)が世界中で大ヒット。
“サッドヒル”とは、『続・夕陽のガンマン』のクライマックスシーンに登場する墓地の名前です。
 
サッドヒルのセットは、スペイン北部ブルゴス郊外のミランディージャ渓谷に作られました。
5千もの墓が同心円状に建てられ、まるでコロシアム(=円形闘技場)のよう。
スペイン政府の協力を得て、スペイン軍の兵士たちが設営に携わった巨大なセットですが、
撮影が終了した後、十字架は解体されて近所の家の雨漏り修理に使われたとか。
 
2014年、『続・夕陽のガンマン』をこよなく愛する地元の映画ファン4人が、
サッドヒルの復元に乗り出します。
まずは土を搔いてサッドヒル中心部に埋め込まれていたはずの石を掘り当てることに。
週末2回ほど費やせばできるだろうと思っていたが甘かった。
もっと人数を増やせないものかとSNS等を利用、活動についてUPしたところ、
ボランティアを希望するファンがヨーロッパ中から集まりました。
みんなが鋤や鍬を手に駆けつける姿を想像すると微笑ましい。
 
こうして始まった一大プロジェクト。
2016年に『続・夕陽のガンマン』撮影50周年記念イベントが開催されるまでの全貌が
フィルムに収められています。
 
『続・夕陽のガンマン』はアメリカの南北戦争時代の話。
それをイタリア人監督がスペインで撮っていたのですねぇ。
当時のスペインはフランコ政権
こんな反戦映画の撮影が許されるわけもないと思いきや、
アメリカの話だから別に関係ないさと許可が下りたそうで。
しかも兵士たちはお手伝いせよとの上からの命令に背くこともできず、
あれにもこれにも力を貸すことになった様子。
 
そんな当時の裏話も楽しい。
作曲家エンニオ・モリコーネや美術監督、兵士にもインタビュー。
さまざまな映画評論家の解説がとても面白いです。
 
主要キャスト3人のうち、悪玉役のリー・ヴァン・クリーフと
卑劣漢役のイーライ・ウォラックはすでに亡くなっていますが、
善玉役のクリント・イーストウッドはご存じのとおり健在。
『運び屋』ではシワシワ爺さんの裸、もうええっちゅうねんと言った私ですが、
このクリントは文句なくカッコイイ。泣かされてしまった。
 
『続・夕陽のガンマン』を観たくなると同時に、メタリカを聴きたくなる作品です(笑)。
メタリカが30年使い続けているコンサートのオープニング映像と曲が、
『続・夕陽のガンマン』の終盤で流れる“The Ecstasy Of Gold”だから。
メタリカのボーカル、ジェイムズ・ヘットフィールドもいっぱい登場。
 
プロジェクトの発足人たちは言います。
ここをテーマパーク化する気はこれっぽっちもない。
観光客が続々と押し寄せる場所になっても嫌だ。
静かに、でも人々に忘れ去られることはない場所であってくれたら。

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