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『his』

『his』
監督:今泉力哉
出演:宮沢氷魚,藤原季節,松本若菜,松本穂香,外村紗玖良,
   中村久美,鈴木慶一,根岸季衣,堀部圭亮,戸田恵子他
 
2日連続で塚口サンサン劇場へ。
相変わらず超綺麗なトイレ。このご時世だからいつも以上の安心感。
 
たまに私のツボにハマる今泉力哉監督。
 
本作はTVドラマ『his 恋するつもりなんてなかった』のその後だそうですが、
そんなドラマがあったことすら知らず。
ドラマ版と映画版ではキャストはがらりと変わっています。
ドラマ版は大学時代の話らしいから、
数年経った設定の映画版ではもう少し歳を食ったキャストに。
 
主演は“THE BOOM”の宮沢和史の息子、宮沢氷魚
お父さんはそんなに背が高い印象なく、息子のほうがずいぶんすらりとしています。
ダブル主演の藤原季節は私のタイプではない。あ、私の好みはどうでもいっか。(^^;
 
かつて同棲していた井川迅(宮沢氷魚)と日比野渚(藤原季節)。
渚から切り出されて別れたふたり。
就職した会社でゲイだと知られることを恐れた迅は東京を離れ、
移住を積極的に受け入れている自治体、岐阜県白川町へ。
人を遠ざけながらも、畑で作った野菜を町民が獲った肉と交換するなど、
静かに自給自足の生活を送っている。
 
ところがそこへ突然、8年ぶりに渚が現れる。
しかも娘だという6歳の空(外村紗玖良)を連れて。
渚がバイセクシュアルだったことにも気づかず、驚きを隠せない迅。
 
渚は現在、離婚協議中の妻の玲奈(松本若菜)と空の親権を巡って争っており、
これまでは玲奈が通訳の仕事で稼ぎ、渚が家事と育児を受け持っていたという。
離婚すれば無職の渚はどうやって生活するつもりなのか。
生活力をあてにして現れたかのようで、納得のいかない迅だったが……。
 
田舎町でゲイだということが噂になって居づらくなる、
そんな展開かと思っていたのにそうじゃなかった。
田舎の人が移住してきたゲイの若者を受け入れられるわけがないなんて、
こっちの思い込みもはなはだしい。すみません。
鈴木慶一演じる猟師のおっちゃん、
根岸季衣演じるおばちゃんの言葉に目頭が熱くなりました。
 
子どもの親権を争った場合、夫側の新パートナーが男性だとしたら、
実際の裁判もこんな感じになるのでしょうか。
渚側の弁護士役、戸田恵子もよかった。
 
迅に想いを寄せる町役場の職員役が松本穂香
思いきって告白した相手がゲイだった。切ないなぁ。
 
迅と渚のキスシーンを目撃した空の言葉がすべて。
「パパが迅くんを好きで、迅くんもパパが好き。何がいけないの?」
そのとおりです。

—–

『EXIT』

『EXIT』(英題:Exit)
監督:イ・サングン
出演:チョ・ジョンソク,ユナ,コ・ドゥシム,パク・イナン,キム・ジヨン他
 
近所のシネコンで上映している作品は、
別に観んでもええかとスルーしているごく一部を除いて全部観てしまい、
観るものがなくなったので塚口サンサン劇場へ遠征。
 
来月初めにはDVDが発売されることが決まっている韓国作品です。
でもほかに観るものないし、面白そうやしということで本作を。
 
大学時代、山岳部に所属していたヨンナム(♂)。
ロッククライミングでは部内のエースだったと言いたいところだが、
後輩のウィジュ(♀)が随一の実力保持者。
そんなウィジュに恋して告白、見事にフラれ、傷が癒えないまま。
 
ある日、母親の古稀を親戚一同で祝うことに。
ウィジュの就職先を密かに調べていたヨンナムは、
彼女が副店長を務める宴会場をわざわざ予約。
偶然を装ってウィジュと再会を果たす。
 
再会するときには立派な会社に就職していたかったのに、
採用試験に不合格だったヨンナムは無職。
それを隠してウィジュに話しかけ、
失恋の痛手もまったく受けていないふりをする。
 
宴も終わって帰途に就こうとしたヨンナムたち。
ところがちょうどその頃、街では原因不明の有毒ガスが発生。
道行く人たちが呼吸困難に襲われて次々と倒れている。
 
ヨンナムは、皆にとにかく高いところへ上がるように指示。
日頃は頼りないヨンナムを信頼すべきかどうか、
一同は悩みつつも、ビルの屋上へと上るのだが……。
 
チョ・ジョンソク演じるヨンナムは、イケメンながら筋肉バカ。
毎日公園の鉄棒で誰も見ていないパフォーマンスを繰り返し、
彼の甥っ子は叔父である彼を恥じています。
子どもたちの間では「進撃の鉄棒男」と呼ばれているってワラける。
 
一方のウィジュ役は“少女時代”のユナ。可愛い。優しい。
とっとと自分だけ逃げる臆病な店長と違い、
責任感の強い彼女は客を先に逃がすことに徹します。
 
このふたりが皆を逃がした後、取り残されてしまうのです。
ロッククライミングの技を生かして、ビルからビルへと渡って逃げる。
最初はスベリ気味だなぁと思っていたのに、最後は楽しくて楽しくて。
 
暗くなりがちな今日この頃、楽しい映画鑑賞になりました。

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『ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男』

『ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男』(原題:The Man Who Killed Hitler and Then The Bigfoot)
監督:ロバート・D・チコフスキ
出演:サム・エリオット,エイダン・ターナー,ケイトリン・フィッツジェラルド,ロン・リヴィングストン他
 
シネ・ルーブル梅田にて、『恋恋豆花』『コロンバス』を鑑賞。
これで帰ってもよかったけれど、もう1本観られるやん。
いつ劇場が休業してしまうかわからないから、迷わず観る。
 
“未体験ゾーンの映画たち2020”のラインナップのうちの1本。
たまたまこの日の上映作品が本作でした。
 
自ら命を絶ったとされているアドルフ・ヒトラーは、実は暗殺されていた。
その暗殺を成功させたのは、カルヴィン・バール。
アメリカ政府から密命を受けて単身ヒトラーのもとへ乗り込み、
暗殺を成し遂げた事実を知るのはごく一部の人間だけ。
 
あれから何十年という月日が流れ、
カルヴィンは犬と暮らすただの老人だと周囲は思い込んでいる。
実際すでに隠居の身、静かに余生を過ごすだけ。
 
ところがある日、突然FBIが彼を訪ねてくる。
巷では毎日のように連続殺人事件の発生が報じられているが、それは嘘。
カナダの山中に殺人ウイルスを保菌する未確認生物“ビッグフット”が出現し、
直径80キロ圏内の野生生物を死滅させたらしい。
人間への感染も確認され、すでに死亡者も出ているとのこと。
FBIが対策を練るうち、ウイルスへの免疫を持つ者としてカルヴィンが浮上。
人類を救うために、ビッグフットの討伐に向かってほしいと言われ……。
 
“未体験ゾーンの映画たち”にありがちなことですが、ツッコミどころ満載(笑)。
どんな凄腕のナチハンターやったか知らんが、ヨレヨレの爺さんですよ。
ま、そんなだからこそ、彼がチンピラを一網打尽にするところは痛快。
 
若き日のカルヴィンと老いたカルヴィンとを見比べて、
巧い老けメイクだなぁと感心していたら別の役者が演じていました。
エイダン・ターナーが歳を取ってサム・エリオット、違和感なし。
 
カルヴィンが殺人ウイルスの免疫保持者って都合よすぎる気もするけれど、
そうじゃないと話が進まないし、まぁこれもええか。
ウイルス感染の話だというのもタイムリー。
 
B級でありながら、そうじゃないと言いたげなエンディングとか、
いろいろツッコミ入れたいところはまだまだありますが、
人生のそこここを後悔しながらそれでも生きて行かざるを得ない老人の悲哀漂い、
全体的には悪くなかった1本です。

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『コロンバス』

『コロンバス』(原題:Columbus)
監督:コゴナダ
出演:ジョン・チョー,ヘイリー・ルー・リチャードソン,パーカー・ポージー,
   ミシェル・フォーブス,ロリー・カルキン他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『恋恋豆花』の次に。
 
韓国出身のコゴナダ監督は、博士号論文のテーマが小津安二郎だったほどの小津マニア。
コゴナダという芸名(と呼んでいいのでしょうか)も、
小津作品で多くの脚本を手がけた野田高悟に由来しているそうです。
 
そんな監督が、アメリカ・インディアナ州コロンバスを舞台に撮った作品。
コロンバスはモダニズム建築の街として知られているそうで。
なるほど、目を惹かれる建築物ばかり。
 
モダニズム建築の宝庫・コロンバスに韓国からやってきた青年ジン。
コロンバスに暮らす高名な建築学者である父親が倒れたという報せを受けたから。
しかしジンは父親との間に確執を抱えており、とにかく早くここを立ち去りたい。
 
そんなふうに考えていた折、図書館員ケイシーと出会う。
建築物が好きでたまらないケイシーは、本当はこの地を出てもっと勉強したい。
だが、彼女には看病しなければならない母親がいる。
とことん男運の悪い母親は、心の病に罹って薬に手を出したことがあるから。
 
ケイシーの案内により、コロンバスの街を巡るジンだったが……。
 
すっごく期待して観に行ったのですが、ごめんなさい、ところどころ寝ました。
つまらなかったわけじゃないんです。
ゆるゆると話が進むわ、建築物が美しすぎるわで、心地良すぎて。
 
寝てしまったのは、小津作品をあまり観ていないせいもあるかもしれません。
きっとそこそこ以上に小津作品を観ている人は、
小津へのオマージュもしっかりと感じることができるのでしょう。
 
入り込めなかったもうひとつの理由は、こうして書くのも憚られますが、
ジン役のジョン・チョーがタイプではない(笑)。
ケイシー役のヘイリー・ルー・リチャードソンはめっちゃキュートで○。
 
と言っていて思い出した、いちばん好きだったシーン。
ケイシーが街を離れる日、図書館の外の階段に座って同僚男子と話をする。
それまではタバコを吸いながらふたりはよく話していた模様ですが、
ケイシーが彼にタバコを勧めると、「白状してもいいかな。実はタバコは吸わないんだ」。
ちょっと驚くケイシーに、「君と話したくて吸ってた」。
これはとっても切なくていいシーンでした。
同僚男子役がマコーレー・カルキン(『ホーム・アローン』の子役)によく似ていると思ったら、
その弟のロリー・カルキンですって。そっくり~!

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『恋恋豆花』

『恋恋豆花』
監督:今関あきよし
出演:モトーラ世理奈,大島葉子,利重剛,椎名鯛造,
   シー・チーティアン,ヴィッキー・パン・ズーミン他
 
3月末日、次年度に繰り越せない有休があと2時間だけ残っていたので消化。
あんなに観光客だらけの場所だったのに、今は閑散。
喫煙コーナーのみ、スーツを着たサラリーマンがうじゃっといて異様。(^^;
それを遠巻きに見ながらシネ・リーブル梅田へ。
 
台湾へ行ったこともないくせして、私は台湾が大好きなのです。
予告編が美味しそうだった日本/台湾作品を鑑賞。
恋恋豆花、レンレンドウファと読みます。
 
女子大生の奈央(モトーラ世理奈)の父親・博一(利重剛)が
3度目の結婚をするという。
別に反対する気もないからどうぞご勝手にと思っているのに、
なぜだかそのお相手・綾(大島葉子)と奈央のふたりで台湾旅行をすることに。
 
渋々出かけた旅行だったが、台湾は美味しいものだらけ。
世界中を旅しているというバックパッカー・清太郎(椎名鯛造)とも知り合い、
彼の友人オススメのお店に行ってみたり、絶景を拝んだり。
中でも奈央がいちばん気に入ったのは「豆花」というお菓子。
 
なんだかんだで旅行を満喫していた奈央だったが、
綾のもとへ博一から連絡が入り、追突事故に巻き込まれてむち打ちらしい。
心配する綾は一足先に日本へ帰国、
奈央は台湾に残って旅を続けるのだが……。
 
楽しそうだなぁ、美味しそうだなぁ、台湾いいなぁ。
そんな感想しか出てこない作品です。
日々うまくいかないことが多すぎてくすぶっていた奈央が
次第にふっきれていく様子がいい。
 
基本的にこの奈央はめっちゃいい子なんです。
親の再婚相手に反発しそうなところ、受け入れている。
積極的に関わるつもりもないけれど、旅行を厭わない。
たまにふて腐れた態度を取ることはあっても、
綾といることを拒否したりしない。
美味しいものを美味しそうに食べる、
そんな子に悪い子はいないんじゃないかと思うのでした。
 
今こうしていろんな国の映画を観ても、
コロナ騒ぎでどこへも行けないと思うと切ない。
早く世界中が落ち着くのを祈るばかりです。

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