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『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』

『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』
監督:エドガー・ライト
出演:サイモン・ペッグ,ニック・フロスト,ジム・ブロードベント,パディ・コンシダイン,
   ティモシー・ダルトン,ビル・ナイ,オリヴィア・コールマン,マーティン・フリーマン他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
2007年のイギリス/フランス作品。
劇場では観たことのないカルト作品が、いま上映されています。
こりゃ観ておかなければなりません。
 
2007年当初は公開予定なく、町山智浩氏らが署名を集めて実現。
水野晴郎氏が生前最後に観た作品と言われるなど、本作に関する逸話は多数。
まぁねぇ、今でこそサイモン・ペッグ“ミッション:インポッシブル”シリーズにも出演して
ある程度以上の知名度はあるかと思いますが、
当時は知る人ぞ知る、わりとカワイイ顔してるけど変人みたいなイメージで、
おそらく今もそれは変わらないでしょう。
 
何しろ10年以上前に一度観たきりでしたから、詳細は忘れていました。
これを鑑賞する前に観たのが『透明人間』
ホラーで震え上がったまま帰るのは嫌だったから、
これを観て楽しい気分に浸って家路に就くつもりでしたが、
『透明人間』も顔負けのスプラッタシーンがあってワラける。
 
途中までは「日本人はイマイチ笑えないギャグ」てな感じで、
あれ~、これってもっと面白かった印象があるんだけどと思っていました。
しかし終盤めちゃくちゃ面白い。
町ぐるみの陰謀を知って退散しかけた主人公が町に舞い戻る辺りから。
 
それらを観たことのある人なら絶対楽しい。
 
コロナのおかげとは言わないけれど、
コロナがなければこんなのが今ごろ劇場で上映されることもなかったでしょう。

—–

『透明人間』

『透明人間』(原題:The Invisible Man)
監督:リー・ワネル
出演:エリザベス・モス,オルディス・ホッジ,ストーム・リード,ハリエット・ダイアー,
   マイケル・ドーマン,オリヴァー・ジャクソン=コーエン他
 
こんな感じでホラー作品を観るときは、たいていはお酒飲んでから観るのですけれど、
この日は仕事帰りに車でTOHOシネマズ伊丹に寄り、飲酒するわけにもいかず。
ものすごくシラフです。あ~、怖かった。でもめっちゃ面白かった。
 
監督は“ソウ”シリーズの脚本家リー・ワネル
『透明人間』(1933)のリブート作品なのだそうです。
 
オープニングロールからおどろおどろしげで楽しい。
断崖絶壁の上に建つ洒落た豪邸。
大雨の夜、波しぶきで描かれるタイトルクレジット。いいねぇ。
 
まだ若手ながら光学研究の第一人者で、天才科学者の呼び声高いエイドリアン。
その恋人セシリアは、度を越したエイドリアンの束縛から逃れるため、
ある晩、彼の寝入った隙に妹のエミリーに迎えを頼み、豪邸から脱出する。
 
どこまでも追いかけてきそうなエイドリアンを恐れながら、
知人で警察官のジェームズ父娘の家に身を寄せるセシリアだったが、
2週間後、エイドリアンが亡くなったとの報せを受ける。
 
エイドリアンの兄で弁護士のトムによれば、エイドリアンは手首を切って自殺。
5億円にのぼる財産をセシリアに遺したとのこと。
世話になっているジェームズの娘シドニーの学費を工面できるとセシリアは喜ぶ。
 
しかしその一方で、エイドリアンが自殺などするわけがないと訝るセシリア。
彼の気配をそばに感じ、危険にもさらされた彼女は、
今は誰も住んでいないはずのエイドリアンの豪邸を訪れ、
彼が透明人間になる研究を成功させたことに気づくのだが……。
 
自殺したはずのDVモラハラ男が生きていて、
透明人間になって自分に復讐しようとしていると言われたって、
誰も信じてくれるわけもなく。
その誰も信じてくれない間がめちゃめちゃ怖い。
セシリアは明らかにアタマおかしい人と思われ、
また、周囲からそう思われるようにエイドリアンが仕掛けます。
 
セシリアの目の前にいる人が殴られたり、
殴られるだけならまだしも、いきなり首を掻き切られて死んでしまう。
その場にはセシリアしかいないんだから、
彼女は精神異常の殺人犯と思われ、精神病棟送りに。
 
彼女の言うことをみんなが信じるようになってからはちょっぴり安心。
でも透明人間を退治することはできなくてまたまた恐怖。
 
1933年のオリジナル版は未見なので、比べてどうだかはわかりません。
でも古くささは微塵もなく、スタイリッシュ。非常に面白いホラーです。
 
セシリア役のエリザベス・モス、凄い。
透明人間相手の演技って、大変だったでしょう。
ひとりで暴れなあかんし(笑)。
 
数年前までの私のように、ホラー苦手だと思っている人もチャレンジしてみませんか。

—–

『チア・アップ!』

『チア・アップ!』(原題:Poms)
監督:ザラ・ヘイズ
出演:ダイアン・キートン,ジャッキー・ウィーヴァー,パム・グリア,セリア・ウェストン,フィリス・サマーヴィル,
   チャーリー・ターハン,アリーシャ・ボー,ブルース・マッギル,リー・パールマン他
 
なんばパークスシネマにて、『のぼる小寺さん』の次に。
 
平均年齢72歳の老女によるチアリーディングチームがあるそうです。
実話に基づくというのですから、なんと元気の出る話か。
 
末期癌に侵され、荷物をすべて処分してシニアタウンへと引っ越してきたマーサ。
そのシニアタウン“サン・スプリングス”で静かに余生を送るはずが、
お節介な人がやたら多い。隣に住むシェリルもそう。
なかなかひとりで過ごせそうになくて、少々げんなり。
 
この町の住人になったら、最低ひとつのクラブには所属せねばならないらしい。
気に入ったクラブがないならば新設してもよいと言われ、
マーサはかつての夢だったチアリーディングチームをつくることに。
部員を8名集めなければ新設は認められないとのこと。
マーサとシェリルが部員募集のオーディションをおこなったところ、
かろうじて集まり、めでたくクラブを発起する。
 
しかし何しろみんなアラ古稀ゆえ、腕が上がらないとか足腰が痛いとか大変。
マーサ自身は皆から持病を聞かれて「ない」と答える。
癌であることは伏せたまま。
 
クラブの存在自体に難癖をつけられて思うように練習できなくなり、
シェリルのコネで、ある体育館を使わせてもらえることに。
喜び勇んで出向いたところ、そこでは大学のチアリーディングチームの壮行会がおこなわれていた。
マーサたちのチームはその場で練習ではなく演技を披露するはめに。
当然のことながら派手な失態となり、その様子がネットにUPされてしまうのだが……。
 
珍しさといえば年齢的なものだけで、物語自体は使い古されたタイプのもの。
だから、批評家のウケはたいそう悪いようです。
名女優の無駄遣いとまで言われている。
 
でもね、これは普通にいい作品です。老若男女誰でも楽しめる。
いや、男性には耳が痛い話も多そうだから、女性なら誰でもとしておきましょうか。
 
大会を前にして倒れ、「もう無理、私は死にそうなのよ」と弱音を吐くマーサに、
「死にそうなのは明日も1週間後も同じでしょ。そんなふうに死んでいくのは許さない」という
シェリルの言葉がすごくよかった。
 
お節介も心に沁みる。
始めるのに遅すぎることはないから、やろうと思ったときがやりどきですね。
 
老婆のチームを指導することになるクロエ役のアリーシャ・ボー、素敵。
男性目線で彼女のお尻を見てしまった。こんなお尻に生まれ変わりたい(笑)。

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『のぼる小寺さん』

『のぼる小寺さん』
監督:古厩智之
出演:工藤遥,伊藤健太郎,鈴木仁,吉川愛,小野花梨,
   両角周,田中偉登,中村里帆,小林且弥他
 
TOHOシネマズなんばで2本観てからなんばパークスシネマへ。
ここでも2本観るのです。
 
ノーマークでした。時間がちょうど合っただけ。
伊藤健太郎くん、嫌いじゃないし、ボルダリングの話というのも興味がある。
ええかな〜と思って。そうしたら、なんとなくよかった。
 
高校生の近藤(伊藤健太郎)は、将来の夢も目標もこれといってない。
卓球部に属してはいるものの、いちばん緩そうだから入っただけ。
 
ある日、卓球部の隣で練習するクライミング部に目が釘付けに。
同級生の小寺さん(工藤遥)が一心不乱に壁を登っていたから。
以来、教室でも小寺さんのことばかり見つめてしまう。
 
近藤と同じように小寺さんを見つめていた四条(鈴木仁)は
いつのまにかクライミング部へ入部。
近藤は卓球の球が転がっていくと率先して球拾いに走り、
そのたびに小寺さんに見惚れてしまう。
それに気づいたクライミング部の上級生(両角周&田中偉登)に
「おまえら小寺さんが好きなんだろ」とひやかされ、
赤面しつつ必死で否定する近藤と四条。
 
小寺さんのことが好きなのは近藤と四条だけではありません。
やはり同級生の女子・田崎(小野花梨)は小寺さんを撮影しつづけ、
ヤンキー気味の美人女子・倉田(吉川愛)もひょんな出会いから小寺さんに惹かれる。
男女間の恋愛感情だけでなく、小寺さんが気になって仕方のない人たち。
 
小寺さんはどんなときも一生懸命。
常にマイペースで不思議ちゃん呼ばわりもされているけれど、
そんなことはまったく気にしていません。
特に親しい友だちはいなくて、でも誰との間にも壁をつくらない。
彼女を見ていると、悩んでいるぐらいなら目の前のことに没頭せよと言われた気になる。
 
クライマーを職業として生きていくのは大変だということも知り、
これまでに観たフリークライミング登山の話の凄さがより見えてもきました。
 
最後の「ベンチで背中合わせ」、よかったな〜。胸がキュンとした。

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『カセットテープ・ダイアリーズ』

『カセットテープ・ダイアリーズ』(原題:Blinded by the Light)
監督:グリンダ・チャーダ
出演:ヴィヴェイク・カルラ,クルヴィンダー・ギール,ミーラ・ガナトラ,ネル・ウィリアムズ,
   アーロン・ファグラ,ディーン=チャールズ・チャップマン,ロブ・ブライドン他
 
TOHOシネマズなんば別館で『一度も撃ってません』を観たあと、本館に移動して。
 
ブルース・スプリングスティーンのファンはもちろんのこと、
1980年代の洋楽に思い入れのある人は必見のイギリス作品。
ジャーナリスト、サルフラズ・マンズールの回顧録に基づいた実話です。
 
1987年、イギリスの田舎町。
パキスタン移民のジャベドは16歳。将来作家になりたいと思っている。
しかし、父親は経済学を専攻して稼げる人間になることを息子に求めているから、
ジャベドは自分の夢を両親には明かせない。
 
ジャベドたち移民のことを快く思わない住人もいて、
いわれのない差別を受けることしばしば。
世間では白人至上主義が謳われ、国民戦線に賛同する若者も多い。
唯一の友だちは幼なじみのマットだが、
マットには最近彼女ができ、ジャベドにかまっている時間はないらしい。
 
高校に通い始めると、女性教諭クレイ先生がジャベドを後押し。
とにかく書きつづけることを勧めてくれる。
クレイ先生の評は厳しくも優しく的確。
そんなジャベドと先生のやりとりを微笑みながら見つめるのが、
同級生女子で活動家のイライザ。次第に彼女に惹かれるジャベド。
 
ある日、食堂で出会ったシーク教徒のループスが
ジャベドに一方的にカセットテープを押しつける。
聴けば俺に感謝するはずだというループス。
絶望していた夜、何気なくそのテープをウォークマンで聴くと、
それはアメリカのロックスター、ブルース・スプリングスティーンの曲。
自分の心情そのものの歌詞に驚き、激しく共感するジャベドだったが……。
 
私はむしろブルース・スプリングスティーンよりも、
冒頭でかかるペット・ショップ・ボーイズやレベル42を聴いたほうなのですが、
こうして聴くといいですねぇ、ボス。
当時ファンだった人からは「当たり前やん」と言われそう。(^^;
 
どこにだって偏見を持つ人はいて、学校新聞に投稿したいと言っても門前払いされます。
それでもめげないジャベドは、ボスの音楽評を持ち込み、
「ボスを好きなムスリム」は記事として面白いかもしれないと言ってもらえるように。
いつも冷たい目をしていた近所の爺ちゃんが偶然にジャベドの詩が書かれた紙を拾い、
わざわざ「素晴らしい」と言いにきてくれるシーンもよかった。
 
父親に反抗したジャベドだったけど、やはり家族あってこその自分だと気づく。
スピーチのくだりには胸が熱くなりました。
 
音楽は、やはりいつだって人の心を救う。

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