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『アーヤと魔女』

『アーヤと魔女』
監督:宮崎吾朗
声の出演:寺島しのぶ,豊川悦司,濱田岳,平澤宏々路,シェリナ・ムナフ,柊瑠美他
 
通常、モールに入るシネコンで映画を鑑賞するとき、
私は出口近くにしか駐車しません。出庫に時間がかかるのは嫌だから。
映画の上映終了時刻が23時を回るようなときは、
TOHOシネマズ西宮でも109シネマズ大阪エキスポシティでも
出口近くに駐めるなんてことはせずに、劇場のある階に駐めます。
だってほかに客はいないんだから、すいすい出庫できますしね。
 
緊急事態宣言発令下、シネコンが入るモール自体が20時までの時短営業中。
映画館の営業が終わるのは21時のため、その頃にはモールの客はすでに帰っているはず。
いつだったかそう踏んでエキスポシティで劇場階に駐車したら甘かった。
なんでまだ客こんなにおるねんというぐらい出庫に時間がかかり、
それに懲りてエキスポシティでは決して劇場階に駐めないことにしました。
 
イオンシネマ茨木でもそうなるのかと警戒していましたが、大丈夫のよう。
ゆえにイオンシネマ茨木では毎回劇場階に駐車しています。
 
『ハウルの動く城』(2004)原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる同名児童文学の映画化。
スタジオジブリ初のフル3DCG作品です。
 
封切りになってからまだ3日しか経っていない日だったのに、客は私ともうひとりだけ。
そんなに評価が低いんですか。なぜか目の敵にされている感のある宮崎吾朗監督。
宮崎駿を父親に持ったことの悲劇としか言いようがありません。
 
アーヤの母親は魔女。ほかの魔女から追いかけられていた彼女は、
赤ん坊のアーヤを孤児院“子どもの家”の前に置き去りにし、
片がついたら必ず迎えに来るからそれまで預かってほしいという手紙を残す。
 
子どもの家ですくすくと育ったアーヤは10歳になる。
孤児たちはみんなアーヤの言いなりで、特にカスタードという男の子はアーヤの子分同然。
園長先生すらアーヤに手玉に取られているのに、そうとは気づいていない。
このままカスタードと一緒にずっと子どもの家に居たい。
そう思っていたのに、ある日、魔女ベラ・ヤーガと彼女の同居人マンドレークがやってきて、
アーヤを引き取りたいと言う。青天の霹靂。
 
ベラ・ヤーガは母親になるつもりなどなく、ただ手伝う者がほしかっただけ。
魔法を覚えられるならばそれでもいいやとアーヤは思うが、
一向に魔法を教えてくれそうな気配がなく、ひたすらこき使われる日々。
そこへ、人間の言葉をしゃべる猫のトーマスがアーヤに声をかけてきて……。
 
そんなに駄目ですかね、これ。
ベラ・ヤーガに寺島しのぶ、マンドレークに豊川悦司、どちらもとてもよかった。
特に、世にも恐ろしい魔法使いのマンドレークが、
アーヤにおだてられると燃えんばかりに照れるところなんて可愛すぎる。
憎たらしそうで憎めないギリギリの線のアーヤ。その声を務める平澤宏々路も○。
もちろん黒猫トーマスの濱田岳もいいですよ。
何より、大変美しいフル3DCGでした。
 
確かに終わり方はよろしくない。あまりに唐突でたまげました。
えっ、まだこれからじゃないの?というときにエンドロール。
そこまでで80分近く過ぎていたわけですから、
時間が経つのを忘れて見入っていたのでしょう。だったら面白かったんだと。
 
あまりダラダラと長いのもどうかと思いますが、
アーヤが母親のことを聞かされていたのかどうか、
聞かされていなかったのなら母親についてどう思っていたのか、何もわからない。
だから、母親との再会に何の驚きも感動もありません。
 
エンドロールの直前までとても楽しかっただけに、ぽかーん。
どうしたらよかったのでしょうね。なんだかとてももったいない。
にしても、こきおろされるほどではないんじゃないかと、
宮崎吾朗監督をかなりお気の毒に思う。

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『うみべの女の子』

『うみべの女の子』
監督:ウエダアツシ
出演:石川瑠華,青木柚,前田旺志郎,中田青渚,倉悠貴,村上淳,宮崎優,
   高橋里恩,円井わん,西洋亮,高崎かなみ,いまおかしんじ他
 
シネ・リーブル梅田にて、『ある家族』『サマーフィルムにのって』→これ。
3本ハシゴの〆でした。
 
原作は浅野いにおの同名コミック。
隔月発刊の漫画雑誌『マンガ・エロティクス・エフ』(現在は休刊)に、
2009年から2013年まで連載されていたそうです。
成人向け青年漫画という括りになるんですね。
それを映画化した本作は、ふーむ、R15+指定ですか。なかなかにヘヴィー。
 
海しかないような田舎町に暮らす中学2年生の佐藤小梅(石川瑠華)。
憧れの先輩で不良の三崎秀平(倉悠貴)に喜んで会いに行ったら、
フェラを強要されたうえにフラれてしまう。
そのショックから、1年生のときにコクってきた同級生の磯辺恵介(青木柚)を誘い、
とっとと初体験を済ませることにする。
 
以降、つきあっているわけでもないのに、磯辺から呼び出されると会いに行き、
呼び出されなければ磯辺の家へ押しかけ、いわばヤリまくり状態。
 
小梅の幼なじみである鹿島翔太(前田旺志郎)は、
磯辺と小梅がこっそり会っているのに気づいて黙っていられず。
そんな鹿島に想いを寄せている小林桂子(中田青渚)は小梅の親友で……。
 
女子でひとり脱いでいる小梅役の石川瑠華は24歳です。
この脱ぎっぷりの良さで20歳未満なら怖い気もするからよかった(笑)。
 
アンタ、私のこと好きなんでしょ、だったらヤラせてやるよ、
みたいな上から目線で磯辺を誘ったはずが、気づけば磯辺に振り回され、
小梅はもはや彼なしでは生きていられないぐらいになります。
磯辺が撮った写真に映る「うみべの女の子」への嫉妬に狂う。
 
一方の磯辺は村上淳演じる父親と二人暮らし。
仕事でほとんど家にいない父親がたまに帰ってくると、終始反抗的な態度を取ります。
この親子は不仲というわけではなく、間に何か乗り越えられないものがある。
それが、磯辺の兄がいじめを受けて自殺したからだと観ている私たちは知らされます。
 
海に入って命を絶った兄。
事故で片付けられたけど、町の誰もが「いじめられて死にやがった」と知っていて嘲笑う。
弟が町に残っているのはなぜなのか。復讐したい一念なのか。
いじめられた経験がある人なら、磯辺の気持ちがわかるでしょう。
 
うみべの女の子は、生前の兄が想いを寄せていた相手だろうと私は思ったのですが、違うのかな。
小梅がそう思わされたように、うみべの女の子が本当に磯辺のナンパ相手で、
彼女がいる高校へ進学することに磯辺が決めたのなら興醒めです。(^^;
 
はっぴいえんどの“風をあつめて”はピッタリ。
「この歌、どういう意味?」という台詞に、松本隆の歌詞をもう一度なぞりたくなる。

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『サマーフィルムにのって』

『サマーフィルムにのって』
監督:松本壮史
出演:伊藤万理華,金子大地,河合優実,祷キララ,小日向星一,池田永吉,篠田諒,
   甲田まひる,ゆうたろう,篠原悠伸,板橋駿谷他
 
訳あって『ある家族』を先にUPしましたが、
今日と明日はそれと同日にシネ・リーブル梅田にてハシゴした2本です。
ハシゴにちょうどいい時間帯だったために鑑賞したノーマーク作品だったのに、
これがわたしの「どストライク」。めちゃめちゃ好きでした。
 
監督は映像作家の松本壮史。知りません。ごめんなさい。
その松本監督が劇団“ロロ”の主宰者・三浦直之と共に手がけたオリジナル脚本
主演は元乃木坂46伊藤万理華とのことなんですが、
彼女の名前で検索すると、「伊藤万里華 おばさん」と推測変換候補が出ます。
アンマリじゃないですか(笑)。でもなんとなく頷いてしまってごめん。
そのおばさんっぽいキャラが最大限に生かされていると思います。
 
高校生のハダシ(伊藤万里華)は時代劇オタク。
勝新太郎、市川雷蔵、三船敏郎のことなどを語り出すと止まらない。
映研に所属するハダシは、『武士の青春』という脚本を書き、
文化祭で上映する映画の脚本コンペに応募するが、無残に敗退。
勝利したのは学校のマドンナ的存在の超可愛い花鈴(甲田まひる)が書いた、
『大好きってしかいえねーじゃん』というキラキラ青春ラブコメ。
 
「好き好き言い合ってるだけじゃん!」と、ハダシの怒りは止まらない。
それをおもてに出すわけにもいかず、
親友で天文部のビート板(河合優実)と剣道部のブルーハワイ(祷キララ)に愚痴る。
『武士の青春』を面白いと認めてくれているふたりは、
ハダシもその脚本で花鈴たちとは別に映画を撮ればいいと言うが、
主人公の猪太郎にピッタリの人物がなかなか見当たらないのだ。
 
そんなある日、ハダシはこの人こそ猪太郎だという男子に遭遇。
凛太郎(金子大地)というその男子に出演を懇願すると彼は固辞するが、
「でもハダシ監督は映画を撮らなきゃいけない」と妙なことを言う。
凛太郎が出てくれないなら映画は撮らないと言うと、彼は渋々承諾して……。
 
すべての設定が大好きです。
 
凛太郎は実は未来からタイムマシンに乗ってやってきた男子。
時代劇の大ファンで、凛太郎のいる世界ではハダシは有名な監督。
彼女に会うために過去にやってきたことが後々わかります。
 
凛太郎の主演が決まり、その相手役や裏方をハダシは次々とスカウト。
相手役には老け顔のダディボーイ(板橋駿谷)を抜擢、
照明係にはデコチャリに乗る小栗(篠田諒)。
録音係には、野球部の補欠、駒田(小日向星一)と増山(池田永吉)を。
このふたりは、球を捕る音で投手が誰か当てるというすばらしい耳を持っています。
殺陣の指導は剣道部のエース、ブルーハワイが担当し、もう楽しいのなんのって。
 
ビート板役の河合優実をどこかで見たことあるなと思ったら、
『喜劇 愛妻物語』(2019)で高速うどん打ち名人の女子高生役でしたねぇ。可笑しい。
本作の彼女はあんな奇天烈な人ではありませんが、天文部なだけに大のSF好き。
最初に読んでいる本は『時をかける少女』
その次は何を読んでいるか問われて「ハインライン」と答えていましたからまずこれでしょう。
彼女だけは早いうちに凛太郎が未来から来たと気づいています。
みんなにそれがバレたあとは、何が起きているのかを彼女が解説。
タイムパラドクスについても説明してくれるけど、やっぱり難しい(笑)。
 
高校生が映画を撮る。『映像研には手を出すな!』(2020)もまぁまぁ楽しかった。
しかしあれよりこっちのほうが規模が小さくてお金もかかっていないでしょうに、
なんとワクワク感の大きいことよ。
 
キュンキュンすぎるやろ!サイコー!

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『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』
監督:長崎健司
声の出演:山下大輝,岡本信彦,梶裕貴,稲田徹,中村悠一,三宅健太,
     本名陽子,野島裕史,中井和哉,林原めぐみ,吉沢亮他
 
京都へお参りに行くために休みを取った日、
義姉と姪っ子と3人で食事して帰宅したら15時すぎ。
16時すぎからのこれに間に合うやん。行っとこか。
連日、109シネマズ箕面にて。
 
“僕のヒーローアカデミア”のことはひとつも知りませんでしたが、
結構おもしろかったのですよねぇ。全然知らなくてもついて行けて。
今回はどうしようかと思ったけれど、ゲスト声優が吉沢亮なら観たいでしょ。
 
私同様にまったく知らない方のために少し説明すると、
人は誰しも個性を持っているということが前提で、その個性こそが超常能力。
超常能力を磨き上げて、人々と社会を守る職業が“ヒーロー”。
ここに登場する少年少女たちはヒーローとなることを目指しています。
 
本作では、その個性を否定して個性保持者を殲滅しようと目論む者が現れます。
無個性の者で形成される世界こそが理想だという、
新興宗教団体のような組織“ヒューマライズ”のリーダー、フレクト・ターンが、
ヒーローたちを罠に陥れてまとめて消そうと、爆弾を世界中に仕掛けます。
 
たまたまインターン中だったヒーロー科の生徒たちも招集され、各地で爆弾の回収を進めつつ、
主人公のデクこと緑谷出久と共にこれに巻き込まれた一般人のロディが
フレクト・ターンに立ち向かう、というお話。で、ロディの声を担当するのが吉沢くん。
 
子ども向けのアニメだからって侮れません。相当良い。ウルッと来ます。
 
ロディはいわばヤングケアラーなのですよね。
母親を亡くし、優しい父親がロディとその弟妹を可愛がってはいたけれど、
父親が突然蒸発してしまう。
父親がヒューマライズに所属していたとわかって、ロディは幼いながら非難の的。
町にもいられなくなって、トレーラーハウス住まい。
弟と妹の世話をしながら懸命に生きてきました。
この辺りからしてもうただのアニメとは思えません。
 
自分が無個性で何の取り柄もないと思い知らされていたとしたら、
無個性の君こそ生きる価値があるのだよと言われて嬉しくなるのは当然。
そんな気持ちを利用して、ヒューマライズは世にも恐ろしい組織となります。
新興宗教に入信して洗脳される人はこんな思いなのかも。
 
何の見返りも求めず、ただ、人を救いたいんだというデク。
みんなの笑顔だけを望む彼の姿を見習いたい。
 
こういうアニメが人気である限り、この国は大丈夫だと思うのですが、甘いですか。

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『妖怪大戦争 ガーディアンズ』

『妖怪大戦争 ガーディアンズ』
監督:三池崇史
出演:寺田心,杉咲花,猪股怜生,安藤サクラ,大倉孝二,三浦貴大,大島優子,
   赤楚衛二,SUMIRE,北村一輝,松嶋菜々子,岡村隆史,遠藤憲一,
   石橋蓮司,HIKAKIN,荒俣宏,神木隆之介,柄本明,大森南朋,大沢たかお他
 
さほど観たいわけでもないのに観に行く必要がありますか。
必要があるかどうかを考えると、別にない。
私ひとりが観に行ったところで、コロナ禍の劇場経営になんら影響があるわけじゃなし。
でもある日突然どこかの劇場が閉館に追い込まれたりして、
「あのとき観に行っときゃよかったなぁ」なんて後悔するのは嫌だから、行く。
109シネマズ箕面にて。
 
『妖怪大戦争』(2005)の続編といえば続編ですが、単独で観てもなんら問題ありません。
前作と同じく三池崇史監督。
キャストも同じ人がちらほら出演していますが、
ぬらりひょん役の忌野清志郎が亡くなってしまったので、代打は大森南朋
 
小学5年生の渡辺兄(けい)(寺田心)は弟の弟(だい)と二人兄弟。
父親はふたりがもっと幼い頃に亡くなり、
看護師の母親(松嶋菜々子)がひとりで兄弟を育てている。
 
ある晩、兄は友人たちと肝試し。呼びもしないのに弟もついてくる。
祠を見つけ、そこにあったおみくじを引くと、
友人たちは皆「吉」だとか「凶」だとか普通のおみくじだったのに、
兄が引いたおみくじはなぜか字がなく、真っ赤に塗られていた。
 
実はこのおみくじを引いたものこそが人類と妖怪を救う勇者。
フォッサマグナに眠る“妖怪獣”がちょうど目を覚まし、東京に襲来しかけていた折で、
自らの手では妖怪獣を止められぬと考えた妖怪たちは、武神“大魔神”の力を借りることに決める。
 
大魔神を起こすには、伝説の妖怪ハンターの血を引く勇者の力が要る。
妖怪の世界に引き入れられた兄にぬらりひょん(大森南朋)たちは期待を寄せるが、
兄はとても勇者と思えぬほど弱気。そこへ兄を追って現れたのが弟。
弟の物怖じせぬ姿に、妖怪たちは弟こそが勇者だと勘違いして……。
 
ショボいっちゃショボいですよ。でもなんだか憎めない作品です。
何より役者陣がみんな楽しそうなんです。
狐役の杉咲花、姑獲鳥役の安藤サクラ、雪女役の大島優子
猩猩役の大倉孝二、天狗役の三浦貴大、天邪鬼役の赤楚衛二
それになんといっても隠神刑部役の大沢たかお
こんな楽しそうなのに、駄目出ししたって仕方ないでしょという気にさせられる。
 
とにかく凄いメイクなので、誰だかわからない人が多い。
顔じゃわからんから、聞いたことのある声だなぁ、誰だっけと考えながら観るのも楽しい。
 
意外にも反戦を唱える作品の一面もあります。
「戦っちゃ駄目だ。耳を澄ませて、お互いの声を聴かなきゃ」。
寺田心くん演じる兄の言葉が心に残ります。

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