『101日』(英題:The Show Must Go On)
監督:ネヴィオ・マラソヴィッツ
出演:スヴェン・メドヴェセク,ナターシャ・ドルチッチ,イヴァナ・ロスチ,
マリンコ・ニコリッツ,スティエパン・ペリッツ他
先月DVD化された2010年の日本未公開作品。
珍しいクロアチアの作品ということで、レンタルしました。
英語タイトルは“The Show Must Go On”です。
TV番組“ハウスト”は、いわゆるリアリティ番組。
6組12人の夫婦が、番組で用意された一軒家から180日間出ずに過ごし、
その様子がTV中継されるというもの。
番組のディレクターはフィリップ。
妻のヘレナはお堅い情報番組のキャスターで人気を博している。
忙しさゆえかお互いにピリピリし、ろくに会話もできない。
幼い愛息のパトリックの世話はフィリップの母頼み。
低俗な“ハウスト”が高視聴率なのは、社会情勢が不安定なせい。
国民は現実から目を背けて娯楽番組に逃避しているようだ。
“ハウスト”ではさまざまな理由から徐々に退出者が出始め、
101日目を迎えた時点で残っているのは男女3人ずつの計6人のみ。
そのとき、第三次世界大戦が勃発し、核戦争となる。
窓もドアもなく、完璧な防音が施された家に閉じ込められている6人は、
世界がそんなことになっているとは思いもしない。
クロアチア最大の都市ザグレブに向かってミサイルが発射されたと知り、
ある決断をしたフィリップは、パトリックを連れて車を走らせるのだが……。
あまり親切な作品ではありません。
冒頭、外界と遮断されて一切の連絡もないまま放置された6人が憤るシーン。
そこへいきなりフィリップが語る映像が送られてきますが、
これは「180日目を迎えたであろう君たちへ」みたいなメッセージの断片。
この映像が途中何カ所かに挟み込まれて、勿体のつけ通し。
“ハウスト”開始から何日目かの映像も頻繁に入って時系列が乱されるために、
いったい今はいつの話なのか非常にわかりにくいです。
ちなみに、Amazon等のセルDVDの紹介にはこう書いてあります。
「人類滅亡までの101日間を描いたシチュエーションサスペンス。
TV番組の企画で集められ、ある家から6ヵ月間外に出ずに過ごすことになった6人のカップル。
そんな中、第三次世界大戦が勃発して核戦争に発展。6人を除く人類は死滅してしまい…」。
これがすべてなんですけど。(^^;
これを先に読んでいなかったから、邦題の意味も途中まで全然わからず。
つまりは101日目に世界が滅亡するというお話なのですが、
101日目、180日間の話なわけで、邦題もDVD紹介文もなんだかしっくり来ません。
シチュエーションサスペンスだと言うけれど、
閉じ込められた6人の様子が事細かに描かれているわけではなく、
6人とも、「いったいどうなっとるねん」とぶつくさ言うだけ。
で、全人類が滅亡して生き残った大人はこの6人だけというわけですが、
ホンマにこの6人でええんか?という疑問が。
6人のキャラもほとんどわからず、ものすごくテキトーです。
混沌とした国でつくられた作品。
テキトーな中にとまどいや意気込みのようなものが感じられて、なんだか複雑な気分に。
いや、そんなに深い映画じゃないのかな。
ここはC級と笑い飛ばしていいでしょか。
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