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『サンチョー』

『サンチョー』
監督:倉本美津留
出演:ジャルジャル
 
実は先日イオンシネマ茨木へ行ったとき、スタバでコーヒー豆を買いました。
ついでにお茶したら、買ったコーヒー豆を店に忘れて帰ってきてしまった。
しかも気づいたのは翌朝になってから。電話すると、「あります!」。
「来週取りに行きます」とお伝えして、5日ほど経過しました。
イオンシネマの上映スケジュールを調べると観たいものなく、
でもそろそろコーヒー豆を取りに行かなあかん。
仕方なく終業後それだけ取りにイオン茨木まで走り、デンして109シネマズ大阪エキスポシティへ。
 
上映館がほとんどない本作。
エキスポシティで上映しているのは、後藤淳平のお父さんが吹田市長だからというのも少しはあるのかしら。
 
「サンチョー」と聞いて思い浮かぶのは山頂。
あらすじに登山という言葉があり、青春ものを想定して観に行きました。
確かに青春ものには違いないけれど、なんだかヘンテコな作品だったなぁ。
なにしろ登場人物ほぼ全員をジャルジャルのふたり、後藤淳平と福徳秀介が演じているのですから。
 
ある日、高校1年生の安田(福徳秀介)は、登山部の顧問(後藤淳平)に呼び出される。
3年生が引退して、残ったのは1年生の安田ただひとり。
毎週日曜日に顧問と安田は山に登っていたが、安田は楽しそうには見えない。
もう日曜日を潰さなくていいように、顧問が安田に退部を促すと、
安田はどうしても辞めたくない、これからも毎週登山がしたいのだと主張する。
人知れず泣いていた安田に声をかけたのは、同じく1年生の男子(後藤淳平)。
なりゆきで彼も登山部に入部することに。
 
一方、結成3年、まだ芽の出ない漫才コンビ(後藤淳平&福徳秀介)は、
ネタ合わせのために公園に集合したはずが、喧嘩を始めてしまう。
 
また、ルームシェアしている有馬(後藤淳平)と別府(後藤淳平)と(高校生とは別の)安田(福徳秀介)。
あるとき、有馬は安田に話があると言う。
有馬によれば、有馬と別府はどちらも温泉の名字だという共通点がある。
有馬と安田は競馬関連の名字だということができる。
しかし3人で集まるとき、名字に関連がなくなるのが気になって仕方なく、
温泉か競馬どちらを取るかといえば温泉。有馬は安田に出て行ってほしいと言い……。
 
なんでしょうね、これ。ほかにも有馬が散髪に行く理容店の店主を演じるのが福徳。
いつも家主に鉢合わせする泥棒を後藤。マジシャンの卵と劇団の座長も後藤、座員に福徳。
とにかく全員をジャルジャルで演じているのです。
 
群像劇をふたりだけで演じる。面白そうでしょ!?
観た人は少なくてもその評価は高いし、面白そうなんですけど。
後藤が主演だった『ロックンロール・ストリップ』(2020)がすごくよかったので、
私はちょっと期待しすぎたなぁ。
 
コントの嵐が面白いといえなくもない。
でも劇団の話なんて、しつこいほどオナラネタが出てきて私は辟易。
自由自在に屁をこける人がいたって、やりすぎたら笑えんて。
これがなかったらもう少し楽しめたと思うのですが。勘弁して。
 
ジャルジャルだらけだから、ジャルジャルファンには推します。
そうじゃない人、関西弁が駄目な人には絶対ムリだ。(^^;

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『189(イチハチキュー)』

『189(イチハチキュー)』
監督:加門幾生
出演:中山優馬,夏菜,前川泰之,灯敦生,太田結乃,菅原大吉,福島マリコ,
   矢柴俊博,赤間麻里子,滝川広志,寺西拓人,平泉成,吉沢悠他
 
凹みそうな気がして避けていた作品ですが、ほかに観るものがなくて。
109シネマズ箕面にて。
 
坂本大河(中山優馬)は児童相談所虐待対策班で働く新米の児童福祉司
ネグレクトを疑われる家庭から一時保護されていた少女を母親のもとへ返した翌日、
マンション3階から少女が母親に落とされて死亡するという痛ましい事件が起こる。
児相には非難の電話が殺到し、マスコミも押しかける。
それよりも、少女を救えなかった自分を許せず、大河は辞職を決意する。
 
辞表を提出すべく職場へ向かう途中、児相のベテラン協力員・冨樫恵子(福島マリコ)から電話が入る。
彼女によれば、近隣の病院に虐待されたとおぼしき少女が緊急搬送されたが、
児相の前はマスコミが群がっていて誰も出られそうにない、
ついては大河に病院に行ってはもらえないかとのこと。
 
迷いながらも辞表を一旦しまって病院にかけつけた大河は、
手当を受ける少女・増田星羅(太田結乃)を見て、その傷の凄まじさに愕然とする。
 
星羅は母・典子(灯敦生)と継父・勝一(吉沢悠)、生まれたばかりの弟の4人家族。
勝一から日常的に虐待を受けているらしいが、
勝一のことを恐れる典子も虐待に加担している模様。
星羅をなんとしてでも救いたいと考える大河だったが……。
 
酷すぎる。恐ろしすぎる。映画の中だけの話であってほしいけれど、
日々のニュースを見ていれば、実際にこういうことが起きているのでしょう。
 
虐待にショックを受けるとともに、児相の現実にも驚かされます。
子どもを虐待する親は、児相や警察にバレると転居する。
各自治体の児相でその情報は共有されていないから、
問題のある家族も何事もなく引っ越して、一からのスタートになるって。えーっ。
 
子どもを虐げる人には親になってほしくない。
愛せないなら、愛してくれる人に託してほしい。
なぜ虐待する対象として子どもを手元に置きつづけようとするのかわかりません。
 
そんな子どもたちを救いたいと思っている人がいても、
いろんな壁があってなかなかそうすることができない。
この事実を多くの人が知ることができればと思います。
 
タイトルの「189」は児童相談所の虐待対応ダイヤル。覚えておく。

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『COME & GO カム・アンド・ゴー』

『COME&GO カム・アンド・ゴー』
監督:リム・カーワイ
出演:リー・カンション,リエン・ビン・ファット,J・C・チー,モウサム・グルン,
   ナン・トレイシー,ゴウジー,イ・グァンス,デヴィッド・シウ,
   千原せいじ,渡辺真起子,兎丸愛美,桂雀々,尚玄,望月オーソン,天人純他
 
アジア全域で活躍するマレーシア出身のリム・カーワイ監督。
こんな監督がいらっしゃるのだと私が初めて知ったのは、
『FLY ME TO MINAMI 恋するミナミ』(2013)を観たときでした。
 
大阪大学出身。北京電影学院で映画を学び、中国で監督デビュー。
その後、日本に戻って2作目を発表。
3作目は『新世界の夜明け』(2011)、4作目が『恋するミナミ』。
そして8作目に当たる本作が「大阪3部作」の最終章。
 
テアトル梅田にて鑑賞。結構たくさん客が入っています。
上映時間をよく確かめずに観に行ったら、158分で驚いた。
 
大阪・梅田周辺が舞台。
キタに集まるさまざまな国の人たちの群像劇
 
中崎町に暮らす男性(桂雀々)。向かいの家で白骨化した死体が見つかり、何やら騒がしい。
その捜査にやってきた刑事(千原せいじ)。妻(渡辺真起子)は日本語学校の教師。
彼女はネパール人の生徒と不倫中。その生徒は料理屋でバイトしている。
マレーシアからあるセミナーの講師として招かれた男性。
中国からの観光客集団もいれば、台湾人で大人のおもちゃ屋に出入りする日本のAVファンも。
 
売れっ子になることを夢見て韓国から来たイマドキの美人女性たちと、彼女らを仕切る男。
出稼ぎにやってきたベトナム人は、母親が体調不良との連絡を受けて帰国を希望するが、却下される。
ミャンマー人の留学生女子は、学費の捻出に苦労。バイト先のコンビニ店長はセクハラ野郎。
当てなく地方から出てきた若い日本人女性(兎丸愛美)は、AVのスカウトに引っかかる。
 
てな具合に、いったいどれだけ登場人物がいるんだというぐらい、大勢のアジア人がいます。
この中できちんとステータスが確立されているのはマレーシア人の講師ぐらい。
招聘されているからお金の心配なんてないし、パリッといい服を着て、毎日接待されている。
行きたくないのに連れて行かれたナイトクラブで兎丸愛美演じる女性を見かけたり、
中国からの観光客のうちのひとりである老人が道に迷い、
AVファンの台湾人男性と出会って飲みに行ったり、それぞれの繋がりが少しずつあります。
 
2時間半超という長尺作品でしたが、知っている場所ばかりが映るから、飽きません。
特に、私が愛用している中崎町の有人駐車場が映ったときは興奮しました(笑)。
しかも一度のみならず、何度も映るんですもの。いつものおっちゃんたちがいないのは残念。
 
目からウロコのこともたくさん。
特に、中国では日本のAVが大人気ということにびっくり。
もしも日本人AV女優と偽って韓国人女性を起用すれば、
中国人は即見抜くという話には目が点になりました。
 
大好きな大阪キタ。
この街の中で、こんなふうに行き場をなくしてさまよっている人たちがいっぱいいるのかな。
ちょっと切ないですね。
 
それにしても、2つ向こうの席のオッサン。
上映開始後1時間以上経ってから入場してきて、着席するやスマホや紙切れをいじりだし、
鞄の中をごそごそしているうえに、咳払いのうるさいこと。
結局、その場に1時間足らずいて退席しよりました。なんやったん!?

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『ドント・ルック・アップ』

『ドント・ルック・アップ』(原題:Don't Look Up)
監督:アダム・マッケイ
出演:レオナルド・ディカプリオ,ジェニファー・ローレンス,メリル・ストリープ,
   ケイト・ブランシェット,ロブ・モーガン,ジョナ・ヒル,マーク・ライランス他
 
12月24日よりNetflixで配信開始になる作品。
Netflixを契約しているのですから、配信開始を待てばいいのですけれど、
やっぱり劇場で観たいじゃないですか。シネ・リーブル梅田にて。
 
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)も彼の監督作ですし、
バカバカしい“俺たち、ほにゃらら”のいくつかも彼が監督。
『ハスラーズ』(2019)では製作を務めています。見る目があるんでしょうね。
 
ミシガン大学の大学院生ケイト・ディビアスキーは、地球に向かう未知の彗星を発見。
指導教官である同大学の天文学の教授ランドール・ミンディに報告する。
同級生たちが世紀の発見に喜ぶなか、ランドールはある事実に気づいて愕然とする。
 
それはこの彗星がただならぬ大きさ(エベレスト級)であり、
半年後に地球に衝突し、地球は丸ごと消えるだろうということ。
ランドールとケイトはすぐさまNASAに連絡。
それを受けた博士テディ・オグルソープも一大事だと認識。
ランドール、ケイト、テディの3人は、大統領に面会を求めるのだが……。
 
彗星だか隕石だかが地球めがけて飛んできてそれを回避しようとする話なら珍しくありません。
これはその状況下での大統領や金持ち連中、マスコミの取り上げ方をモロ皮肉っています。
 
巨大彗星が半年後に衝突して地球がなくなりますよ、私たち死にますよと話しているのに、
大統領は当面の選挙に勝つことにしか興味がない。
しかも大統領は世界中の人間が使用しているスマホ会社のCEOと癒着していて、
そのCEOはこの危機に「あの彗星にはレアアースがあるからそれを採掘しなくちゃ」なんて言う。
人気ニュース番組では「暗い話も明るく」というのが鉄則で、キャスターの明るさったら。
そして実は発見者ケイトが固執しているのも横領軍人のふるまいだったりする。
世の中こんなもんかもしれません。
 
レオナルド・ディカプリオは立派な中年ぶりを発揮してランドール役。
一大事だというのに頓珍漢な偉いさんたちを許せないケイトにジェニファー・ローレンス
大統領にはメリル・ストリープ、その息子でマザコンらしき主席秘書ジョナ・ヒル
スマホ会社のCEOにマーク・ライランス。終盤登場するティモシー・シャラメも存在感あり。
ランドールを誘惑する女キャスターにはケイト・ブランシェット。笑うぐらい凄い。
バカっぽく見える歌姫役のアリアナ・グランデの歌が素晴らしかった。
 
本作では誰も地球を救えません。
普通のパニック&ハッピーエンドは期待してご覧になりませんように。
地球最後の日、どんなふうに、誰と過ごしたいですか。
メリル・ストリープの全裸後ろ姿は拝めます。
今さら彼女のお尻を見ても仕方ないか。(^^;

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『ラストナイト・イン・ソーホー』

『ラストナイト・イン・ソーホー』(原題:Last Night In Soho)
監督:エドガー・ライト
出演:トーマシン・マッケンジー,アニャ・テイラー=ジョイ,マット・スミス,
   テレンス・スタンプ,マイケル・アジャオ,ダイアナ・リグ他
 
109シネマズ大阪エキスポシティで前述の『あなたの番です 劇場版』を観た後、
その30分後から上映の本作を観に109シネマズ箕面へ。
車の免許を取っていてよかったと思う瞬間です。
でなければこんなハシゴは絶対に不可能だから。
 
私はこの監督の名前を聞くと必ずアナ・ケンドリックを思い出します。
絶対おもしろいカップルだったでしょうに、別れちゃったのかぁ。
 
コーンウォールに祖母とふたりで暮らすエリーことエロイーズは、
ロンドンのファッションカレッジに見事合格。
ファッションデザイナーになる日を夢見て意気揚々とロンドンへ。
 
しかし、寮のルームメイトたちにはとても馴染めそうにない。
泣きたい気持ちに駆られているときにふと目にしたのは、
ソーホー地区屋根裏部屋を貸してくれるというチラシ。
すぐさま行ってみると、大家のミス・コリンズと契約成立、
 
意地悪なルームメイトと別れられてホッとしたエリーだったが、
眠りに就くと必ずへんてこな夢を見るようになる。
夢の中は1960年代、エリーはなぜかその時代の女性サンディとシンクロ。
サンディは歌手志望の若い女性で、美貌と才能を兼ね備えている。
彼女が着ていた服を思い出してエリーはそれをデッサンに起こすのだが……。
 
R15+指定なんです。なんでこれが?と最初は思っていました。
エロかグロか、何が引っかかってその指定になるのかなって。
道義的な部分でなるほどR15。でもエロの部分では引っかからない。
若干、ダリオ・アルジェントを思わせるスプラッタ的なところのR15かと。
 
そこの部分を含めて万人にはオススメできない作品ですが、私はとても面白かった。
エリーには特殊な力があって、亡くなった人の追体験をしてしまうのです。
たぶん世の中には本当にこんな力のある人がいらっしゃるのでしょう。
面白い追体験ならいいけれど、たいていは体験したくないことです。
 
辛い話ではありますが、1960年代の古き良きロンドンに想いを馳せ、
エリーと一緒に過ごす時間が私にとっては夢心地でした。
嫌なオチも覚悟していたけれど、意外にハッピーエンドです。
 
やっぱり好きかも、エドガー・ライト監督。
サンディー役のアニャ・テイラー=ジョイにちょっとエマ・ストーンを感じるんですけど、違います!?

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