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『柳川』

『柳川』(原題:漫長的告白)
監督:チャン・リュル
出演:ニー・ニー,チャン・ルーイー,シン・バイチン,池松壮亮,中野良子,新音他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『ドリーム・ホース』の次に中国作品を。
 
不治の病で余命わずかとなった男性ドン。
疎遠になっていた兄チュンに声をかけ、久しぶりに酒を酌み交わす。
 
ドンは一緒に日本へ旅行しようとチュンを誘う。
気乗りしない様子のチュンだったのに、行き先は福岡の柳川というところだと言った瞬間、
俄然興味を示し、さっそく柳川へ。
 
チュンがその気になった理由は、「柳川」を中国語読みすると
元カノの名前「リウ・チュアン」と同じだから。
かつてチュンが好きで好きでたまらなかったいい女チュアン。
実はドンも彼女のことが好きだった。
身勝手なチュンはほかに好きな女ができてチュアンを振ったが、いま会いたいと言う。
 
柳川に到着した兄弟は、予約していた宿に向かう。
そこは大きな民家で、親から受け継いだ中山という男が余った部屋を貸している。
チェックインを済ませたふたりは、チュアンがいるはずのバーを訪ねて……。
 
うーむ、ごめんなさい。
途中までは面白く観ていたのですが、チュアンが登場する辺りから、
彼らのやりとりがやたら鼻についてしまって。
常に弟にマウントを取りたがる兄も好きになれず、中山役の池松壮亮もビミョー。
中野良子が女将を務める近所の料理屋も、ひとりで切り盛りするには広くないか。
通じない中国語と日本語の会話も私はシラけるばかりで。
 
柳川って、「日本のヴェニス」と呼ばれているんですってね。
船頭さんが漕いでくれる舟に乗ったまま団子を買うとか、いいな~と思う。
でも私にはそれだけ。ごめんなさい。

—–

『ドリーム・ホース』

『ドリーム・ホース』(原題:Dream Horse)
監督:ユーロス・リン
出演:トニ・コレット,ダミアン・ルイス,ジョアンナ・ペイジ,オーウェン・ティール,カール・ジョンソン,
   ステファン・ロードリ,アンソニー・オドネル,ニコラス・ファレル,シアン・フィリップス他
 
この週は気合いを入れて連日仕事帰りに2本ずつ。
前日はなんばパークスシネマにて、この日はシネ・リーブル梅田にて2本。
年明け間もない今、新御年末の混み具合が嘘のようにスイスイ。
 
競走馬を育てたいという平凡な主婦の無謀とも思える挑戦が話題になったのは2015年。
そのときのドキュメンタリー作品“Dark Horse: The Incredible True Story of Dream Alliance”を基に、
TVを中心に活躍するユーロス・リン監督が撮ったフィクションです。
 
英国、ウェールズ地方の小さな村に暮らす主婦ジャンは、夫ブライアンと2人暮らし。
17歳のときにできちゃった婚をしてから30年が経過。子どもたちはとっくに家を出た。
スーパーとバーテンダーのバイト以外の時間は、高齢の両親の様子を見に行くぐらい。
TVさえあれば幸せそうなブライアンはろくにジャンの話を聞いていないのが明らか。
 
ある日、村人たちがたむろする店に見たことのない男が現れる。
かつては馬主だったらしいその男ハワードは、馬に入れ込みすぎて、
金はもちろんのこと仕事も家族も失いかけたという。
 
漏れ聞こえてくるハワードの話に興味を惹かれたジャンは、自分も競走馬を育てたいと考える。
すぐに学びはじめるとチラシを作成して村人たちに配り、出資者を募る。
誰もこんな話に乗らないのではと思われたが、意外にも集会には数十人が顔を出し、晴れて組合を結成。
 
ジャンはまずは牝馬を手に入れると種馬を持つ相手と交渉。
生まれた子馬に“ドリームアライアンス”と名付け、市民農園で大切に育てるのだが……。
 
平凡な主婦と言うけれど、そうでもない。
ジャンはもともと動物が大好きで、幼い頃には初めて参加したドッグショーで勝利を得ています。
鳩を育ててチャンピオンになったこともあるし、もともと資質があるんですね。
 
田舎の村で何の楽しみも持てなくなっていたのはジャンだけではありません。
ドリームアライアンスの成長ぶりを見るうちに、村人たちの毎日が生き生きとしてきます。
資金に余裕のある人が立派な馬を持てるのは当然ですが、
わずかな金を毎月ドリームアライアンスのために貯めて、みんなで喜ぶ。
大会のシーンには思わず白熱、勝てば拍手をしたくなるほどでした。
 
何があっても乗り越えられる。悪いことばかりじゃないと馬に教えられているかのよう。
新年に観た十数本の中では今のところいちばん。

—–

『ファミリア』

『ファミリア』
監督:成島出
出演:役所広司,吉沢亮,サガエ・ルカス,ワケド・ファジレ,中原丈雄,室井滋,
   アリまらい果,シマダ・アラン,高橋侃,松重豊,MIYAVI,佐藤浩市他
 
なんばパークスシネマにて、前述の『銀河英雄伝説外伝/わが征くは星の大海』の次に。
 
『洋菓子店コアンドル』(2010)の脚本家いながききよたかのオリジナル脚本を
『八日目の蝉』(2011)、『ソロモンの偽証』(2015)などの成島出監督が映画化。
 
山里にひとりで暮らす陶芸家・神谷誠治(役所広司)は、妻を早くに亡くし、
息子の学(吉沢亮)を男手ひとつで育て上げた。
成績優秀だった学は良い大学を出て一流企業に就職し、今はアルジェリアに赴任中。
仕事先で知り合った難民出身のナディアと結婚することを報告しに帰郷する。
苦労人で賢く優しいナディアと学を前に誠治は感無量。
家族同然のつきあいの夫婦(中原丈雄室井滋)と共に楽しく時を過ごす。
 
そんな数日を過ごしていたある日、隣町の団地に住むブラジル人青年マルコスが、
地元の半グレ集団とトラブルを起こして誠治の家に飛び込んでくる。
誠治の車を盗もうとして失敗、逃げようとするマルコスを誠治と学で捕らえ、
傷だらけの彼の手当をするが、その後マルコスはまた逃げてしまう。
 
学は仕事が一段落する数カ月後を機に退職し、誠治の仕事を継ぐ意志を明らかにするが、
焼き物で生きて行くのは無理だからやめておけと答える誠治。
とりあえずその話は先送りにしてアルジェリアへと戻る学夫婦。
 
マルコスは同じ団地に住む幼なじみのエリカに連れられて誠治のもとを訪れるように。
焼き物にも興味を持ち始めるのだが……。
 
物語の果てに救いはあるのだろうかと思いながら観ました。
 
団地に何千人もブラジル人が住んでいるという町があるのですね。
年末に観たばかりの『やまぶき』の外国人労働者の姿と重なります。
 
3カ月で家が買えると言われて日本にやってきたという彼ら。そんなことは無理に決まっている。
半グレ集団のリーダー・榎本海斗(MIYAVI)は地元を牛耳る会社社長の息子で、
ヤクザすら彼らには楯突けず、警察も目をつむっている状態です。
ブラジル人に私怨を持つ海斗は、マルコスたちのことを決して許そうとしません。
 
学とナディアが向こうで死んでしまうであろうことは想像できたこと。
マルコスとエリカの姿を息子夫婦に重ねたか、誠治は彼らを救う決意をします。
 
最初から最後までずっと、痛々しい作品です。
ただふたつ、要らないシーンだったと思うのは、学とナディアが死んで横たわるところと、
マルコスとエリカの絡みのシーン。
女優の脱ぎっぷりがよくないとシラける私ではありますが、これは脱ぐ必要ないっしょ。
 
生きていて、よかった。

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『銀河英雄伝説外伝/わが征くは星の大海』【4Kリマスター】

『銀河英雄伝説外伝/わが征くは星の大海』
監督:石黒昇
声の出演:堀川亮,富山敬,広中雅志,井上和彦,森功至,徳丸完他
 
原作は田中芳樹の同名SF大河ロマンで、劇場版アニメが3作。
OVA(オリジナルビデオアニメ)シリーズは本編110話、外伝52話という超大作。
でも私、一度も観たことがありません。名前すら初めて聞きました。
なんばパークスシネマまで行ったついでに隙間を埋めるために観ました。
1988年に公開された劇場版の4Kリマスター版らしい。
 
上映開始直後は無理だと思いました。
ただでさえ長い名前を覚えづらい年齢になっているというのに、
なんですか、この登場人物たちのややこしい名前は。
進んで爆睡モードに入ろうかと思いましたが、えっ、なんかオモロなってきたやん。
 
以下、予備知識皆無の私が一度観ただけで理解した気持ちになっていることなので、
いろいろと誤りがあるでしょうけれど、あしからず。
 
なんか、宇宙空間にあっちとこっちと2つの帝国があって、戦っています。
どちらも艦隊で繰り出すわけですが、あっちとこっちには頭のキレる奴が1人ずついる。
片方がラインハルト、もう片方がヤンというらしい。
どちらもその帝国のトップというわけではなくて、司令官が別にいます。
そしてどちらの司令官もふたりのことをそれぞれ目障りだと思っているのです。
 
ふたりとも差し出がましいことはしない善人で、
ラインハルトのほうはおそらく本人は望んでいないのに高ポジションに上げられて、
それを面白く思わない司令官から撒き餌にされかけています。
ヤンのほうはアホで偉そうな司令官のまったくわかっちゃいない作戦を止めようとしますが、
司令官は「おまえは黙っとれ」と言ってとことんヤンを無視します。
 
こんなふたりがお互いが出来る奴だと認め合う最初の戦いを描いたのが本作らしい。
どちらにも信頼できる側近というのか仲間がいて、彼らの会話もなかなか楽しい。
 
時間繋ぎのためだけに観た作品でしたが、おもしろかった。
ラインハルトは『ベルサイユのばら』のオスカルを思い出させてくれます。
 
本編と外伝を併せて160話以上の本作を改めて全部観る気はないけれど、
『宇宙戦艦ヤマト』などの時代を思い出して浸れる作品でした。

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『嘘八百 なにわ夢の陣』

『嘘八百 なにわ夢の陣』
監督:武正晴
出演:中井貴一,佐々木蔵之介,安田章大,中村ゆり,友近,森川葵,前野朋哉,
   宇野祥平,塚地武雅,吹越満,松尾諭,酒井敏也,芦屋小雁,升毅,笹野高史他
 
イオンシネマ茨木にて、2本ハシゴの2本目。
中井貴一佐々木蔵之介の共演なのに、前週封切られたところなのに、
なんと今年早くも初の“おひとりさま”でした。えーっ。
 
『嘘八百』(2017)、『嘘八百 京町ロワイヤル』(2020)に続く第3弾。
監督は前2作と同じ武正晴で、脇役陣もなじみのある顔ぶれ。
 
古美術店“獺(かわうそ)”を営む小池則夫(中井貴一)のもとへ、
ある日、“大坂秀吉博”の実行委員会からプロデューサー就任の話が舞い込む。
博覧会の目玉となるものを探している実行委員会としては、
太閤秀吉の縁起物“秀吉七品”の中で唯一所在不明の幻の茶碗“鳳凰”が出てくるとありがたい。
則夫はふと、腐れ縁の陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)にその茶碗を焼かせることを思いつく。
 
ところが佐輔は則夫を見て逃げ出す。
佐輔は佐輔でとある財団から“鳳凰”を焼いてほしいと頼まれていたのだ。
その財団は、謎のアーティスト・TAIKOH(安田章大)を使って霊感商法まがいのことをしている。
財団を仕切るのはTAIKOHのビジネスパートナーだという美女・山根寧々(中村ゆり)。
寧々もまた“TAIKOH秀吉博”なるイベントを計画していることがわかり……。
 
普通に楽しいし、観て損はないと思うのですが、何故に客は私ひとり?
 
そりゃまぁマンネリ感はあります。
でも、塚地武雅の台詞じゃないけれど、千利休、古田織部と来て、次は太閤秀吉、嬉しいやおまへんか。
 
序盤はこんな怪しげな話に易々と騙される佐輔や、
TAIKOHの作品を百万円払って買う佐輔の妻・康子(友近)にイライラ。
霊感商法ネタは、旧統一教会の話題を意識してのことでしょう。
 
則夫の娘のいまり(森川葵)の存在がいいですよね。
森川葵が高橋一生と噂になったときは違和感がありましたが、
深夜番組で何にでもチャレンジして何でもやってのける彼女に驚いています。カッケー。
それぞれに得意分野を持つ面々の仕事ぶりも最高。
前野朋哉宇野祥平酒井敏也、芦屋小雁、みんな笑わせてくれます。
 
で、次は台湾なんですか、ニュージーランドなんですか。
こんなにも客入ってないのに!?

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