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『ある一生』

『ある一生』(原題:Ein Ganzes Leben)
監督:ハンス・シュタインビッヒラー
出演:シュテファン・ゴルスキー,アウグスト・ツィルナー,アンドレアス・ルスト,ユリア・フランツ・リヒター,
   イヴァン・グスタフィク,ロバート・スタッドローバー,マリアンネ・ゼーゲブレヒト,トーマス・シューベルト他
 
テアトル梅田にて4本ハシゴの〆にドイツ/オーストリア作品を。
 
原作はオーストリアの作家ローベルト・ゼーターラーの世界的ベストセラー小説。
御年58歳のハンス・シュタインビッヒラー監督はわりと寡作な人なのか、
日本で公開されたのは代表作の『アンネの日記』(2016)を含めて過去に3作品だけ。
もっと老齢の人が撮ったような趣があります。
 
20世紀初頭のオーストリア・アルプスの麓の町。
私生児だったアンドレアスは、母親の義兄だという叔父の家に引き取られるが、家族として認められることはなかった。
叔父はアンドレアスが同じ食卓に着くことを許さず、叔父の実子たちもアンドレアスをのけ者にする。
農場主である叔父はアンドレアスをこき使い、少しでも失敗すれば骨が折れるまで尻を殴打する。
唯一優しかったのは老婆アーンルで、アンドレアスに料理や読み書きを教えてくれた。
 
年月が経って成長しても、叔父の虐待は相変わらず。
そんなある日、アーンルが急逝し、またしても殴ろうとする叔父にアンドレアスは初めて刃向かう。
アンドレアスから「俺を殴ればおまえを殺す」とにらみつけられ、慌てながら叔父は彼を追い出す。
 
叔父に虐げられたせいかおかげかどんな仕事もできるから、どこへ行っても重宝される。
各地を転々としながら日銭を稼ぎ、やがて貯まった金で見晴らしの良い土地に家を借りたアンドレアスは、
行きつけの食堂を手伝う女性マリーと出会い、初めて恋に落ちるのだが……。
 
不幸としか思えない境遇に遭っても文句を言わず、涙をこぼさず、ただ生きる。
これこそが幸せというものにせっかく巡り逢えたのに、それがまた壊れてしまう。
80年に及ぶ彼の人生は辛くも強く美しく、アルプスの景色に魅了されます。
 
こういう作品を観るといつも、幸せでしたかと聞きたくなりますね。
きっと幸せだったと思いたい。

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『ひどくくすんだ赤』

『ひどくくすんだ赤』
監督:田中聡
出演:松澤仁晶,三溝浩二,金谷真由美,小島怜珠,大藤瑛史,岡崎愛莉,末次寿樹,東遥貴,細井じゅん他
 
テアトル梅田にて、4本ハシゴの3本目。
きつそうで避けていたのですが、上映時間が46分。2本目と4本目の間に鑑賞可能だったため。
 
国内外の映画祭で14冠を獲得したという田中聡監督の短編映画『うまれる』(2022)は、
いつどこで上映されていたのか知らず、未見のまま。
これはその田中監督が新たに放つ「禁断の問題作」との触れ込みです。
 
吉田は交通誘導員のアルバイトをしながら日銭を稼ぐ独身、58歳。
少年時代の彼は、“稲妻戦隊サンダーファイブ”のリーダー・レッドで、史上最強のヒーローともてはやされていたが、
あるとき愚弄な行動に走り、すべてを台無しにしてしまった。
その結果、サンダーファイブの仲間たちまで路頭に迷わせることになり、中には自死した者もいる。
何十年も経った今、どうしても自分のことが許せず、生き残っている面々に謝罪に行くのだが……。
 
生理的に無理に感じてしまう部分が多いです。
吉田役の松澤仁晶はTVドラマに多く出演するベテラン俳優で、『シュシュシュの娘』(2021)にも出演しています。
けれどお世辞にもかっこいいとは言えないオッサン。
少年時代のレッドを演じる小島怜珠が美形なだけに、えっ、成長してこんなオッサン!?と思ってしまう。
 
解散に至った行動というのが、ここに書きたくもないようなことで、って、書いちゃいますけど、
戦隊として活動中に、メンバーの紅一点・ピンクのお尻を見てあろうことか欲情し、
そのまま公衆の面前でピンクをレイプするという。これ、映像で見て受け入れられますか。
 
ひとりずつに謝って回ったところでどうしようもなく、最後は自分で自分を殴り殺す。
布団の上でただひとり、血だらけの彼を見ても気の毒には思わないし、呆気に取られるだけ。
 
「ヒーロー不在の時代に新たなヒーローの出現を願ってつくられた大人が楽しめる禁断のヒーロー映画」らしいけど、
ごめんなさい、私には痛々しいだけで理解不能。

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『ロイヤルホテル』

『ロイヤルホテル』(原題:The Royal Hotel)
監督:キティ・グリーン
出演:ジュリア・ガーナー,ジェシカ・ヘンウィック,トビー・ウォレス,ヒューゴ・ウィーヴィング,
   ダニエル・ヘンシュオール,ジェームズ・フレッシュヴィル,アーシュラ・ヨヴィッチ他
 
テアトル梅田で4本ハシゴの2本目。
 
『アシスタント』(2019)のキティ・グリーン監督によるオーストラリア作品。
ピート・グレッソン監督がハラスメントをテーマに2016年に撮ったドキュメンタリー、
“Hotel Coolgardie”をモチーフとしているそうです。
 
カナダ出身のハンナとリブは親友同士。
アメリカで生活していたふたりは、客船に乗り込んでオーストラリアへ。
旅を楽しむ予定だったのに、リブが船中でクレジットカードが使えなくなったと言い出す。
現金の持ち合わせはなく、旅行するどころではなくなってしまう。
 
致し方なくワーキングホリデーの道を選び、紹介されたのは田舎のパブ“ロイヤルホテル”での住み込み。
お気楽な接客仕事だと思いきや、ほかに娯楽施設のないここでは客たちが好き放題。
オーナーのビリーはパワハラ極まりない飲んだくれで、常連客のセクハラも横行していて……。
 
鑑賞前にあらすじを読んだとき、もの凄いパワハラとセクハラなのだろうと思っていました。
そう思って観てみると、そこまで凄いとも思えない。
ただ、逃げることはできないこの土地でこんなところに押し込まれたら、それは恐ろしくてたまらない。
 
軽くいなせばいいものを、ハンナはそうはできなくていちいち腹を立てます。
するとそれが客の怒りを呼ぶのか、ストーカーのごとく執着されるようになる。
一方のリブは逆に脇が甘すぎて、飲んではヘラヘラと笑い、どこかに連れ去られそうにも。
もとはといえばこんなことになったのはリブのせいなのに、厳しいハンナに逆ギレ。
 
逃げようよ早く!と思うものの、完全にはハンナとリブの味方になれず、
特にリブには無性に苛立たせられます。
リブがハンナに「大嫌い。放っておいて」と言い放ったときなどは、
こんな奴はホントに放っておいていいよと思いました。
 
“マトリックス”シリーズのエージェント・スミス役が懐かしい。
 
いろいろともやもやして、スッキリしません。でも面白い作品でした。
この町には住みたくない。

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『幸せのイタリアーノ』

『幸せのイタリアーノ』(原題:Corro Da Te)
監督:リッカルド・ミラーニ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ,ミリアム・レオーネ,ピエトロ・セルモンティ,ヴァネッサ・スカレーラ,
   ピラール・フォリアティ,ピエラ・デッリ・エスポスティ,カルロ・デ・ルッジエーリ,ミケーレ・プラチド他
 
毎夏恒例の全館停電のため職員ほぼ全員有休を取得して仕事休み。
朝から老健に入所中のに面会に行き、そのまま京都での墓参りに行くことにしました。
名神高速の渋滞予測ではこの日はまだ大丈夫のはずだったのに、高槻~大津で25km渋滞。えーっ。
それでも吹田から1時間半はかからずに京都へ到着。
昼のひなか、家に帰っても暑いだけなので、今度は梅田スカイビルを目指す。
 
余談ですが、一時期安くなっていた梅田スカイビル周辺のコインパーキングも最近高騰気味
ならばとスカイビル地下の駐車場にWeb割引を使って1,500円で駐めるようにしていました。
ところがこの日そうしようとしたら、「大阪ナンバーの車は割引不可」だと言うのです。
いつからそうなったのか、他府県ナンバーの車のみにWeb割引が適用されるようになっている。ガクッ。
入庫してしまったのだから、1,800円を飲まなしゃあないがな。
 
というわけで、テアトル梅田(旧シネ・リーブル梅田)へ上がり、4本ハシゴの1本目。
 
オリジナルは『パリ、嘘つきな恋』(2018)というフランス作品。知らないよ。
人気コメディアンのフランク・デュボスクが主演したそうですけど、その人も知らんし。
とにかくそれをイタリアでリメイクしたのが本作です。
 
彼はイタリア作品の人気俳優ですが、『ワールド・ウォーZ』(2013)や『ラッシュ/プライドと友情』(2013)など、
ハリウッド大作にもいろいろと出演しています。
なんといっても私が好きなのは、彼主演じゃないけれど『セントアンナの奇跡』(2008)です。
 
有名なシューズブランド企業の社長ジャンニは49歳独身。
友人や社員の誰もが知る女好きで、美女を見るやナンパ。
相手に合わせて自分の名前や職業を偽り、上手く騙してベッドインにこぎつける成功率はほぼ100%。
 
ある日、訳あって疎遠になっていた母親の訃報が届き、葬儀に参列。
その帰り、母親のアパートに寄って母親が使っていた車椅子に腰掛けていると、
隣室に引っ越してきたばかりだという美女アレッシアが挨拶に来る。
訪問介護の職に就いているという彼女は、車椅子に乗るジャンニを見て身体障害者だと勘違い。
ジャンニはその誤解を解こうとせずにアレッシアとつきあうことを目論む。
 
アレッシアの実家に招かれたジャンニは、そこで紹介されたアレッシアの姉キアラに目を奪われる。
しかしキアラは車椅子に乗る本物の身体障害者。
自らも障害者であるふりを続けながらキアラを口説き、モノにできるかどうかを友人たちに賭けさせて……。
 
設定としてはあまりいい話ではありませんよねぇ。
アレッシアがキアラにジャンニを紹介したのも、同じ障害者同士だから話が合うでしょ、みたいな腹で。
でもキアラが言う、「健常者は恋が続くようになることを願うけど、
障害者は恋が始まることを願う」という言葉は、実際のところそうなのかなと思ったりもします。
と思うこと自体、無意識のうちに見下しているみたいで嫌になりませんか。
 
ジャンニが本当にクズなんです。なのにモテるから腹立たしい(笑)。
新しいシューズ開発の会議では、障害者向けのシューズをつくるべきだという新人契約社員に向かって、
障害者が生涯で履く靴は少ないんだからそんなことを検討する奴は偽善者だアホだクビだと言い放つ。
こんなパワハラもいいとこの社長にみんなよくついて行くもんです。
 
ジャンニの秘書ルチャーナを演じるヴァネッサ・スカレーラ、最高。
クズ社長であっても言いつけに背くことはできないけれど、言いたいことは言う。
カラオケ好きの彼女が歌うマドンナの“Like A Virgin”にはドン引きしながら笑った。
 
ケッと思いつつ、終盤にはホロリとするシーンも。
最終的にはハッピーエンドの良い話。
キアラ役のミリアム・レオーネが相変わらず美人すぎる。
 
こんな嘘はつきとおせません。というのか、最初からバレている。
それでも恋を始めたい。

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3回目の『ツイスターズ』はIMAXレーザーGT版で。

1回目は通常版、2回目はScreenX・吹替版。
これで打ち止めにしてもよかったのですが、109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXレーザーGT版を観ておかないと後悔しそうで。
 
3回目になると取り立てて書くことはありませんが、
1回目の鑑賞時は気にも留めなかったマシンの名前“ドロシー”は『オズの魔法使』(1939)へのオマージュだと知る。
前作『ツイスター』(1996)ではドライブインシアターで『シャイニング』(1980)上映中に竜巻に襲われます。
本作では皆が逃げ込む映画館で『フランケンシュタイン』(1931)を上映中。スクリーンが裂けるシーンはなかなか壮観。
 
原案がジョセフ・コシンスキーだからだと思うのですが、
本作を観ると私は『トップガン マーヴェリック』(2022)のさまざまなシーンを思い出して仕方がありません。
ハングマン役だったグレン・パウエル演じるタイラーの表情のみならず、
デイジー・エドガー=ジョーンズ演じるケイトのうなずくときの仕草や台詞にトム・クルーズを思い出す。
思い出すわりには『トップガン マーヴェリック』のどのシーンだったかまでは思い出せなくて、
そうするとまたそれを確認するために『トップガン マーヴェリック』を観たくなるという堂々巡り(笑)。
 
とにもかくにも竜巻は凄い。
竜巻を抑え込むのではなく、竜巻を乗りこなす、手なずける方法が適うなら素晴らしい。
これは絶対劇場で観るべき作品です。
さすがに3回でやめておこうとは思っていますけれど(笑)。

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